アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第236話

煙突山の火口付近。

そこには、巨大なガラスケースのような装置が設置され、中には赤く輝く隕石が浮遊していた。

流星の滝にあったものと同質の、しかし禍々しい赤色をした隕石だ。

装置から伸びた極太の耐熱ケーブルが火口のマグマ溜まりへと延び、隕石から抽出したエネルギーを強制的に大地へ注ぎ込んでいるようだ。

 

その装置の前に、一人の男が立っていた。

赤いスーツに眼鏡をかけ、冷静沈着な、しかし狂気を孕んだオーラを放つ男。

マグマ団リーダー、マツブサだ。

 

「……素晴らしい。この『隕石』のエネルギーがあれば、煙突山の活動を活性化させ、大地を広げることができる」

マツブサは恍惚とした表情で、煮えたぎるマグマを見下ろしている。

 

「そこまでだ、マツブサ!」

俺が叫ぶと、マツブサはゆっくりと振り返った。

 

「……おや。ネズミが紛れ込んだようだな」

彼は全く動じていない。

「子供に用はない。……ホムラ、排除しろ」

 

幹部のホムラという巨漢が、コータスを繰り出して立ちはだかる。

「リーダーの邪魔はさせん! 行け、コータス!」

 

「ココドラ、頼むぞ!」

俺はココドラを出した。

「コータス、『かえんぐるま』!」

「ココドラ、『てっぺき』!」

 

炎の車輪と鉄壁の防御が激突する。

ココドラは熱さに耐えながら、コータスの突進を押し留める。

「熱いか? ……だが、この程度で俺たちの道は塞げない!」

 

その間に、俺はマツブサに向かって走った。

「その装置を止めろ! 火山を噴火させて、何人が犠牲になると思ってるんだ! 麓のフエンタウンの人たちが危険だぞ!」

 

「犠牲? ……崇高な目的のためには、多少の犠牲は付き物だ」

マツブサは冷徹に言い放つ。

「人類が増えすぎた今、必要なのは住むべき『大地』だ。海を干上がらせ、大地を広げる。それこそが、人とポケモンの共存できる未来を作るのだ」

 

「勝手な理屈だ! 自然を捻じ曲げて、幸せな未来なんて来るわけがない!」

 

「フン……。理解できんか。なら、力で黙らせるまで」

マツブサは懐からボールを取り出した。

 

「ポリゴンZ、装置を止めろ! ハッキングしてエネルギー供給を遮断するんだ!」

俺はポリゴンZを放ち、装置の制御パネルに向かわせた。

だが、マツブサはそれを読んでいた。

 

「グラエナ、『かみくだく』!」

マツブサが繰り出したグラエナが、漆黒の牙を剥いてポリゴンZに襲いかかる。

物理実体化していたポリゴンZは、不意打ちの物理攻撃に反応が遅れた。

「ゼェッ!?」

鋭い牙がポリゴンZの電子ボディに食い込み、火花が散る。

ハッキング作業が強制的に中断され、ポリゴンZが弾き飛ばされた。

 

「強い……!」

マツブサのグラエナは、幹部クラスとは桁違いの強さとスピードを持っている。

 

「ナックラー、加勢しろ! 『すなじごく』!」

俺はすかさずナックラーを繰り出し、砂の渦を作ってグラエナの動きを封じようとする。

だが、グラエナは驚異的な脚力で砂地を蹴り、軽々と回避する。

 

「無駄だ。……今こそ、大地の怒りを目覚めさせる時!」

マツブサが装置のスイッチを押そうとした、その時。

 

火口から、予想外の轟音が響いた。

マグマが異常に活性化し、装置の制御許容量を超えて逆流を始めたのだ。

 

「な、なんだ!? エネルギー制御が効かない!?」

マツブサが初めて動揺する。モニターの数値がレッドゾーンを振り切り、警告音が鳴り響く。

 

「隕石のパワーが強すぎるんだ! ……このままだと、制御不能の大噴火が起きるぞ!」

 

俺たちの戦いは、自然の暴走によって中断された。

敵も味方もない。

この場にいる全員が、灼熱の危機に直面していた。

大地が震え、空が赤く染まっていく。

 

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