アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第241話

フエンジムのバトルフィールドは、予想通り、あるいはそれ以上に過酷な環境だった。

フィールドの周囲には本物の溶岩が流れ、むせ返るような熱気が立ち込めている。さらに、所々から蒸気が噴き出し、視界を遮るトラップとなっている。

「ようこそ! 私の燃えるバトルフィールドへ! さあ、遠慮なくかかってらっしゃい!」

アスナが対岸で仁王立ちし、不敵に笑う。その背後には、祖父譲りの闘魂が炎のように揺らめいているように見えた。

 

「公式ジム戦、3対3のシングルバトル! どちらかのポケモンが全滅するまで戦う! それでは、バトルスタート!」

審判の祖父が、厳かに宣言した。

 

「一番手はこいつよ! 行け、マグマッグ!」

アスナが最初に繰り出したのは、マグマの体を持つマグマッグだ。フィールドの熱気と共鳴し、その体はさらに赤く輝いている。

 

「俺の先発は……頼むぞ、ココドラ!」

俺は鋼・岩タイプのココドラを送り出した。

「ココッ!!」

ココドラは熱気にひるむことなく、四肢を踏ん張って吠える。

 

「あら、鋼タイプ? 炎には弱いのよ? 『かえんほうしゃ』!」

アスナがいきなり強烈な一撃を放つ。

「ココドラ、『がんせきふうじ』で壁を作れ!」

ココドラが地面を叩くと、巨大な岩が隆起し、炎の盾となる。岩壁が赤熱し、ドロドロに溶け始める。

「防いだ!? でも、いつまで保つかしら!」

 

「今だ、『あなをほる』!」

ココドラが溶けた岩の下に素早く潜り込む。

「地中からの攻撃ね。でも、このフィールドの地面は熱いのよ! 長くはいられないはず!」

アスナの読み通り、地中熱はココドラの鋼の体をじわじわと蝕む。

だが、それはココドラも承知の上だ。

 

「ココドラ、そこだ! マグマッグの足元へ!」

マグマッグの真下からココドラが飛び出し、突き上げる一撃を見舞う。

「マッグゥッ!?」

マグマッグが宙に浮く。

 

「追撃だ! 『アイアンヘッド』!」

空中の無防備なマグマッグに、鋼鉄の頭突きが炸裂する。

効果はいまひとつだが、物理的な衝撃でマグマッグの形が崩れる。

「すごいパワー……! でも、負けないわよ! マグマッグ、『スモッグ』!」

マグマッグが体から黒い煙を吐き出し、ココドラの視界を奪う。

 

「見えないなら、音で感じろ! ココドラ、右だ!」

俺の指示に、ココドラが反応する。

「『メタルクロー』!」

煙を切り裂き、鋭い爪がマグマッグを捉えた。

「これで決まりだ!」

 

マグマッグは戦闘不能。

まずは一勝。だが、ココドラも熱ダメージとスモッグの毒で消耗している。

「よくやった、ココドラ。戻れ」

俺はココドラをボールに戻した。

 

「やるじゃない! でも、次はそうはいかないわよ! 出ておいで、マグカルゴ!」

アスナの二体目は、進化したマグカルゴだ。岩の殻を背負い、防御力が格段に上がっている。

 

「ならば、こちらは……行け、キャモメ!」

俺は二体目に、水・飛行タイプのキャモメを選んだ。

「キャモォッ!」

「水タイプか! 有利な相性で来たわね。でも、この熱気の中で水の技がどこまで通じるかしら?」

アスナが挑発的に笑う。

 

「試してみるさ。キャモメ、『あまごい』!」

キャモメが空高く舞い上がり、雨雲を呼び寄せる鳴き声を上げる。

ジムの天井付近に黒雲が発生し、ポツポツと雨が降り始めた。

「なっ、天候を変えるなんて!?」

「これで炎の威力は半減、水技の威力は倍増だ! 行くぞ、『みずでっぽう』!」

 

強化された水流がマグカルゴを襲う。

「きゃあっ! マグカルゴ、『ひかりのかべ』で防いで!」

光の壁が展開されるが、水の勢いは止まらない。

水が蒸発し、凄まじい水蒸気が発生する。

 

「この蒸気を利用するわ! マグカルゴ、『日本晴れ』!」

アスナが叫ぶ。マグカルゴが体内の熱を一気に放出し、上空の雨雲を熱気で吹き飛ばす。

一瞬にして、ジム内は再び灼熱の快晴へと戻った。

「天候の上書き……! やるな!」

 

「ここからが本番よ! マグカルゴ、『オーバーヒート』!」

太陽の力を借りた最大火力の炎が、キャモメを襲う。

「キャモメ、『まもる』!」

緑色のバリアが展開されるが、炎の圧力が凄まじい。バリアがミシミシと音を立てる。

 

「耐えろ、キャモメ! お前の翼は、嵐だって超えてきたんだ!」

「キャモォォッ!!」

キャモメは気合で炎の奔流をやり過ごすと、隙を見て急降下した。

「『つばめがえし』!!」

必中の燕返しが、マグカルゴの殻の隙間、柔らかい本体に直撃する。

「マッグォッ!!」

 

マグカルゴが倒れる。

二連勝。だが、キャモメも翼を火傷し、これ以上の戦闘は厳しそうだ。

「キャモメ、よく頑張った。ゆっくり休め」

 

「……強いわね、ミナト君。私の自慢の二体を倒すなんて」

アスナは悔しそうに唇を噛んだが、その目はさらに熱く燃え上がっていた。

「でも、最後の一体は別格よ。……最強のパートナー!」

 

アスナが最後のボールを握りしめる。

俺も、最後のボールに手をかけた。

ここからが、本当の正念場だ。

 

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