アニポケ転生者物語   作:投稿者

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【閑話】進化の宴と遠き友の足音

トウカへの道、三つの栄光を胸に

 

ハジツゲタウンでの勝利、そしてその足で向かったシダケタウンでのコンテストも制覇し、俺は三つのリボンを携えて再びトウカシティの近くまで戻ってきた。

かつてサトシたちと別れたあの大きなゲートが、夕闇の向こう側にうっすらと見えている。

怒涛のスケジュールだったが、俺のチームは連戦を通じて見違えるほど強固で、そして美しい集団へと成長を遂げていた。

 

「今夜は最後の野営だ。……みんな、パーッとやろうぜ!」

 

俺は手持ちの全メンバーをフィールドに出した。

ポリゴンZ、マッスグマ、ビブラーバ、キルリア、ココドラ、そしてヒンバス。

 

「マッスグマ、そのスピード……シダケのコンテストで見せた『しんそく』の演舞、完璧だったぞ」

マッスゥ!(任せてよ!)

「ビブラーバ、空の旅はどうだ? ハジツゲの時よりさらに高く飛べるようになったな」

ビィィィン!(最高だぜ!)

進化した相棒たちは、三つのリボンの輝きに負けない自信を全身から放ち、フィールドを駆け回る。

 

キルリアは、俺の隣で静かにタケシ直伝のレシピで淹れた紅茶を飲んでいる。

「|キルッ……《ミナト、明日のパパさんは……これまでの誰よりも強いわよ》」

テレパシーによる忠告。彼女は、俺の中に潜む期待と緊張の混ざり合った感情を敏感に察知しているようだ。

「分かってる。……でも、俺たちには積み重ねてきた『現実』と『結果』があるからな」

 


キャモメの卒業……いや、進化

 

夕食後、キャンプ地の端にある岩棚で一人黄昏れているキャモメの元へ行った。

彼は、俺がホウエンで一番最初にゲットした相棒だ。

これまで偵察や輸送、そしてコンテストのサポートで、誰よりも献身的に、影から俺を支えてくれた。

だが、他の仲間たちが次々と進化し、華々しい成果を上げる中で、彼はどこか自分自身の力不足に焦りを感じていたのかもしれない。

 

「キャモメ。……お前も、もっと遠くへ行きたいか?」

 

俺が問いかけると、キャモメは力強く頷いた。

彼は、真っ暗な水平線の向こう側を見つめている。

そこには、もっと広大な海と、もっと激しい嵐がある。

その全てを包み込み、仲間を守れる大きな翼が欲しいと、彼は心から願っていた。

 

その時、海から強く、暖かい南風が吹き抜けた。

キャモメの白い翼が、月光を反射して眩いばかりの光を放ち始めた。

 

「……来たか」

 

進化の光が彼を包み込む。

細く頼りなかった翼は大きく、力強く変化し、華奢だった体格は、大量の水を蓄え、仲間を運ぶこともできる巨大な嘴を持つ姿へと変わっていった。

 

光が弾け、そこには悠然と空に浮かぶペリッパーがいた。

 

「ペリィィッ!!」

 

ペリッパー。水・飛行の頼もしい守護者。

彼が大きく羽ばたくと、周囲に微かな雨雲が発生し、優しい雨が降り始めた。

特性『あめふらし』の覚醒。

これで、天候をも自在に操るタクティクスが可能になった。

 

「これでお前も、名実ともにエースの一角だ。よろしく頼むぞ」

 

俺はペリッパーの大きな背中を叩いた。

マッスグマ、ビブラーバ、キルリア、ペリッパー。

ホウエン組のほとんどが進化を遂げた。

残るはココドラとヒンバス、そして……彼らの「最終的な姿」を見届けるのみだ。

 


ポケナビの報告、三つ目のリボン

 

夜食の準備をしていると、ポケナビが着信を告げた。ハルカからだ。

画面を開くと、少し煤けてはいるが、充実感に満ちた笑顔のハルカと、その後ろで手を振るサトシ、タケシ、マサトの姿があった。

 

『ミナト君! お疲れ様! 今どこ?』

「トウカの手前だ。……そっちはどうだ?」

『えへへ、聞いて驚かないでね。サトシ君たち、フエンジムでアスナさんに勝ったのよ! ヒートバッジゲット!』

サトシが割り込んでくる。

『おう! ピカチュウとコータスが大暴れしてくれたぜ! 熱いバトルだったなぁ!』

「そうか、おめでとう。……俺の方も、報告があるぞ」

 

俺は画面に向かって、新たに手に入れた二つのリボン(ハジツゲとシダケ)を見せた。

ユノハナの分と合わせれば、実質三つ目の勝利だ。

「ハジツゲに続いて、シダケタウンのコンテストも制覇してきた。これでリボンは三つだ」

 

『ええっ!? うそ、シダケも!?』

ハルカが目を丸くして驚く。

『すごい……! 私なんてまだ一つなのに……。ミナト君、本当に早いのね』

「たまたまさ。……でも、ハルカも負けてられないだろ?」

俺が挑発するように言うと、ハルカの目に闘志の火が灯った。

『もちろよ! 次のコンテストでは、絶対に負けないんだから! 待っててね、グランドフェスティバル!』

 

『俺たちも今からトウカシティへ向かうよ。センリさんに、俺たちの成長を見せるんだ!』

サトシも負けじと拳を握る。

「ああ。……先に行って待ってるぞ。明日、最高のバトルをしよう」

 

通話を切り、俺は再び夜空を見上げた。

同じ目的を持ち、それぞれの道を歩んできた仲間たちが、再び一つの街に集まろうとしている。

 


センリへの挑戦状

 

「ポリゴンZ、明日の最終シミュレーションは?」

『完了。……センリ選手のケッキング、ヤルキモノのパワーとスピードは、理論上の数値を大きく上回ります。……これまでのジム戦のような『対策』だけでは通用しません。魂のぶつかり合いが不可欠です』

 

「(分かってる。……俺の知識でも、あいつはホウエン最強の壁だ)」

 

だが、今の俺たちには一切の迷いはない。

カントー、ジョウトを制した「経験」という揺るぎない地盤。

そして、このホウエンで一から築き上げ、進化した仲間たちとの「絆」という翼。

 

「行くぞ。……俺たちの『最強』を、あいつに証明しにな」

 

俺は、懐のバッジケースを開いた。

ストーンバッジ、ナックルバッジ、ダイナモバッジ、ヒートバッジ。

四つの輝きが、トウカシティの街明かりと呼応するように煌めいた。

 

「待ってろ、センリさん。……そして、サトシ。俺たちの旅の、本当の答えをここで見せてやる」

 

俺はキャンプの焚き火を消し、静かに目を閉じた。

明日の朝。

トウカジムの門が開く時、俺たちの「アニポケ転生者」としての物語は、一つの大きな頂(クライマックス)を迎える。

 

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