アニポケ転生者物語   作:投稿者

29 / 344
第25話

シオンタウンを後にした俺は、フジ老人から貰った地図を頼りに、タマムシシティへと向かう、古い地下通路へと足を踏み入れた。中は薄暗く、じめじめしているが、ロケット団の目を避けるには好都合だった。

 

「(長丁場になるな、ここも……)」

 

物陰からそっと様子を窺うと、信じられない光景が目に飛び込んできた。

 

数人の屈強な男たちが、網や檻を使い、数匹のポケモンを捕獲している。そのポケモンは、オレンジ色の体に黒い縞模様を持つ、子犬のようなポケモン。ガーディだ。そして、そのガーディたちの中には、一際大きく、立派なたてがみを持つ、ウインディの姿もあった。おそらく、この群れのリーダーだろう。

 

「(密猟者か……!)」

 

ガーディやウインディは、その忠誠心の高さと、凛々しい姿から、一部の収集家に高値で取引されることがあるという。

 

俺は、グラス型デバイスで、密猟者たちの装備をスキャンした。すると、彼らが使う捕獲用の罠や機材の片隅に、見覚えのあるマーキングがされているのに気づいた。

 

「(あのロゴは……!)」

 

それは、ロケット団の下部組織や、協力関係にある闇組織が使う、特殊なマーキングだった。シルフカンパニーのテスターとして、俺はそのデータを事前にインプットされていたのだ。

 

「こいつら、ただの密猟者じゃない。ロケット団と繋がってるぞ」

 

俺の言葉に、ポリゴンが警告音を発する。

 

「(どうする……?単独で仕掛けるには、数が多すぎる。だが、このまま見過ごすわけには……!)」

 

俺は、即座に行動を開始した。

 

「そこまでだ!」

 

俺が声を上げると、密猟者たちは一斉にこちらを振り返った。

 

「なんだ、てめえ!ガキはすっこんでろ!」

密猟者の一人が、デルビルを繰り出し、鋭い牙を剥いた。

 

「デルビル……悪タイプか。相性が悪いな」

 

俺は、一筋縄ではいかない相棒を繰り出す。

「頼むぞ、ゴース!」

 

黒いガス状の体が、不気味な笑い声を上げながら現れる。エスパー技こそ無効だが、ゴーストタイプの搦手なら通用するはずだ。

 

「ゴース!デルビルを任せる!ポリゴンは、捕まっているガーディたちの檻のロックを解除しろ!」

ゴース!(任せろ!)

 

バトルが始まった。デルビルの素早い動きと、タイプ一致の「かみつく」攻撃に、ゴースは苦戦を強いられる。

 

「ゴース、実体がないお前に、物理攻撃は完全には効かないはずだ!落ち着いて、相手の動きをよく見ろ!」

 

俺の言葉に、ゴースは冷静さを取り戻し、デルビルの執拗な攻撃をひらりひらりとかわし始める。そして、その隙を突いて、「したでなめる」を繰り出した。

 

その間に、ポリゴンが密猟者たちの捕獲用機材をハッキングし、捕まっているガーディたちの檻のロックを解除することに成功した。

 

「くそっ、このガキ、何しやがる!」

 

追い詰められた密猟者のリーダーが、最後の手段に出た。彼は、捕獲したばかりの、群れのリーダーであるウインディを、無理やりボールから出した。

 

「言うことを聞け、ウインディ!こいつらを焼き尽くせ!」

 

だが、ウインディは、リーダーの命令に背き、逆に彼を強く睨みつけた。その瞳は、仲間を傷つけられた怒りに燃えている。

 

「な、なんだその目は!この、役立たずが!」

 

リーダーが、逆上してウインディを蹴りつけようとした、その時だった。

 

ゴ、ゴースッ!(やめろ!)

 

ゴースが、ウインディの前に立ちはだかり、その小さな体で、リーダーの暴力を制止した。仲間を、ポケモンを、理不尽な暴力から守りたい。その強い意志が、ゴースの体内で渦巻く負のエネルギーを、眩い進化の光へと変えていく。

 

ゴースの体が、激しく光り輝く。そのシルエットは、次第に、より大きく、より明確な人の形を模したものへと変わっていく。

 

光が収まった時、そこにいたのは、もうゴースではなかった。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。