アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第256話

「ミロォォォォォッ!!」

 

ミロカロスの美しい鳴き声が、雨音を切り裂いて響き渡った。

その姿は、雨に濡れてさらに輝きを増し、神々しささえ感じさせる。

イズミも、その美しさに一瞬言葉を失った。

「な、何よあのポケモンは……!あの醜いヒンバスが進化したの!?」

 

「そうだ。……これが、俺たちの答えだ!ミロカロス、『ハイドロポンプ』!」

 

ミロカロスが口を開くと、凄まじい水圧の奔流が放たれた。

それはサメハダーの『ハイドロポンプ』を遥かに凌駕し、真っ向から押し流した。

「きゃあっ!?」

イズミが衝撃でよろめく。

 

「まだだ!『じこさいせい』!」

ミロカロスが光を纏い、傷ついた体力を瞬時に回復させる。

攻守ともに隙がない、完璧な布陣。

 

「くっ……!サメハダー、『どくどく』!」

「効かないよ。……『しんぴのまもり』!」

 

ミロカロスが神秘的なベールを張り、毒を無効化する。

さらに、そのベールは雨を浄化し、周囲の空気を清浄にしていく。

その輝きは、戦いを見守るサトシたちをも魅了した。

「すげえ……」

 

「終わりだ!『ミラーコート』!!」

 

サメハダーが最後のあがきで放った『あくのはどう』を、ミロカロスは鏡のような鱗で反射した。

倍の威力となって跳ね返された波動が、サメハダーの周りにあたる。

怯んだサメハダーへ向かって『りゅうのはどう』が直撃する。

 

サメハダーは戦闘不能となり、イズミの足元に転がった。

 

「……負けた。完敗よ」

イズミはサメハダーを戻すと、ポワルンのカプセルとデータをその場に置いた。

「今日のところは引いてあげる。……でも、次はこうはいかないわよ。我々の目的は、こんなちっぽけな研究所ではないのだから」

 

イズミは迎えに来たヘリに乗り込み、去っていった。

雨が上がり、雲の切れ間から太陽の光が差し込む。

その光を浴びて、ミロカロスは虹色のアーチを描くように空を舞った。

 

「ありがとう、ミロカロス。……本当によく頑張ったな」

俺が手を伸ばすと、ミロカロスは長い首を伸ばして俺の頬に触れた。

冷たくて、滑らかな感触。

かつてのヒンバスの面影はもうないが、その瞳の奥にある優しさは変わっていない。

 

ポワルンも無事に保護され、研究所の所長に返された。

「君たちのおかげだ。本当にありがとう。これはお礼だ」

所長から『しんぴのしずく』を受け取った。

 

「さて、と。……これで憂いなくヒワマキシティへ行けるな」

サトシが言う。

 

「ああ。……俺たちの戦力も、これで完全に整った」

 

サーナイトとミロカロス。

美と強さを兼ね備えた二大エースが揃った。

ヒワマキシティのナギ、そしてその先のリーグへ向けて、俺たちはまた一つ大きな階段を登った。

 

俺たちは研究所を後にし、雨上がりの119番道路を歩き出した。

虹の向こうに、木々の上の街、ヒワマキシティが見えてきた。

そこには、空の支配者が待っている。

空気が澄み渡り、心地よい風が吹いていた。

 

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