アニポケ転生者物語 作:投稿者
「ミロォォォォォッ!!」
ミロカロスの美しい鳴き声が、雨音を切り裂いて響き渡った。
その姿は、雨に濡れてさらに輝きを増し、神々しささえ感じさせる。
イズミも、その美しさに一瞬言葉を失った。
「な、何よあのポケモンは……!あの醜いヒンバスが進化したの!?」
「そうだ。……これが、俺たちの答えだ!ミロカロス、『ハイドロポンプ』!」
ミロカロスが口を開くと、凄まじい水圧の奔流が放たれた。
それはサメハダーの『ハイドロポンプ』を遥かに凌駕し、真っ向から押し流した。
「きゃあっ!?」
イズミが衝撃でよろめく。
「まだだ!『じこさいせい』!」
ミロカロスが光を纏い、傷ついた体力を瞬時に回復させる。
攻守ともに隙がない、完璧な布陣。
「くっ……!サメハダー、『どくどく』!」
「効かないよ。……『しんぴのまもり』!」
ミロカロスが神秘的なベールを張り、毒を無効化する。
さらに、そのベールは雨を浄化し、周囲の空気を清浄にしていく。
その輝きは、戦いを見守るサトシたちをも魅了した。
「すげえ……」
「終わりだ!『ミラーコート』!!」
サメハダーが最後のあがきで放った『あくのはどう』を、ミロカロスは鏡のような鱗で反射した。
倍の威力となって跳ね返された波動が、サメハダーの周りにあたる。
怯んだサメハダーへ向かって『りゅうのはどう』が直撃する。
サメハダーは戦闘不能となり、イズミの足元に転がった。
「……負けた。完敗よ」
イズミはサメハダーを戻すと、ポワルンのカプセルとデータをその場に置いた。
「今日のところは引いてあげる。……でも、次はこうはいかないわよ。我々の目的は、こんなちっぽけな研究所ではないのだから」
イズミは迎えに来たヘリに乗り込み、去っていった。
雨が上がり、雲の切れ間から太陽の光が差し込む。
その光を浴びて、ミロカロスは虹色のアーチを描くように空を舞った。
「ありがとう、ミロカロス。……本当によく頑張ったな」
俺が手を伸ばすと、ミロカロスは長い首を伸ばして俺の頬に触れた。
冷たくて、滑らかな感触。
かつてのヒンバスの面影はもうないが、その瞳の奥にある優しさは変わっていない。
ポワルンも無事に保護され、研究所の所長に返された。
「君たちのおかげだ。本当にありがとう。これはお礼だ」
所長から『しんぴのしずく』を受け取った。
「さて、と。……これで憂いなくヒワマキシティへ行けるな」
サトシが言う。
「ああ。……俺たちの戦力も、これで完全に整った」
サーナイトとミロカロス。
美と強さを兼ね備えた二大エースが揃った。
ヒワマキシティのナギ、そしてその先のリーグへ向けて、俺たちはまた一つ大きな階段を登った。
俺たちは研究所を後にし、雨上がりの119番道路を歩き出した。
虹の向こうに、木々の上の街、ヒワマキシティが見えてきた。
そこには、空の支配者が待っている。
空気が澄み渡り、心地よい風が吹いていた。