アニポケ転生者物語 作:投稿者
「トロピウス、『ソーラービーム』!」
ナギが指示するが、雨天のためチャージに時間がかかる。
「(そこだ!)」
「ペリッパー、『ハイドロポンプ』!」
ペリッパーが極太の水流を放つ。雨で威力が増した一撃が、チャージ中のトロピウスを直撃した。
「トロピウス!」
トロピウスは体勢を崩しながらも、何とか空中に留まる。
「やるわね。……でも、この程度で墜ちたりはしない!『つばめがえし』!」
トロピウスが急加速し、必中の刃を見舞う。
「ペリッパー、『まもる』!」
光の壁で防ぐが、衝撃で後退する。
「そこよ!『ふみつけ』!」
トロピウスが上空から巨体を活かして踏みつけてくる。
「ペリッパー、下へ潜れ!」
ペリッパーは急降下し、足場の下へ逃げ込んだ。
トロピウスの攻撃が空を切る。
「今だ!下から突き上げろ!『ぼうふう』!」
ペリッパーが足場の下から上昇気流に乗って飛び出し、至近距離で暴風を放った。
不意を突かれたトロピウスは、竜巻に巻き込まれてきりもみ回転しながら墜落した。
「……トロピウス、戦闘不能!」
「お見事。死角を利用するとはね」
ナギはトロピウスを戻し、不敵に笑った。
「でも、次の相手はそうはいかないわよ。……舞い上がれ、オオスバメ!」
ナギの切り札、オオスバメ。
しかも、その色は通常とは違う。金色に輝く色違いの個体だ。
「(色違いか……!スピードも段違いのはずだ)」
「ペリッパー、戻れ。……お疲れ様」
俺は消耗したペリッパーを戻し、最後のボールを握りしめた。
「頼むぞ、ビブラーバ!」
「ビィィィン!!」
羽音を立ててビブラーバが登場する。
地面・ドラゴンタイプだが、浮遊能力で空を飛べる。
「ビブラーバか。……進化前で私のオオスバメに対抗できるかしら?」
ナギの挑発。
「進化前だからこそ、ハングリーなんだよ。……行くぞ、ビブラーバ!『りゅうのいぶき』!」
「オオスバメ、『かげぶんしん』!」
オオスバメが数十体に分身し、ビブラーバを取り囲む。
「そして『つばめがえし』の乱舞!」
全方向からの波状攻撃。
ビブラーバは必死に回避するが、オオスバメのスピードが速すぎる。
次々と攻撃を受け、追い詰められていく。
「(速い……!目視じゃ捉えきれない)」
ビブラーバの体力が削られていく。
だが、その瞳は死んでいない。
彼もまた、ナックラー時代から地道に岩を砕き、強さを求めてきた努力家だ。
こんなところで負けるわけにはいかない。
「ビブラーバ!風を感じろ!……相手の翼が生む気流を!」
「ビィッ……!」
ビブラーバが目を閉じ、
無数の分身の中で、一つだけ、空気を切り裂く鋭い音がする。
「そこだ!『かみくだく』!」
ビブラーバが、何もない空間に噛み付いた。
オオスバメの実体を捉えた。
「なっ!?」
「捕まえたぞ!……そのまま地面へ引きずり下ろせ!」
ビブラーバはオオスバメを咥えたまま、急降下を始めた。
風圧が二匹を包む。
その極限の状況下で、ビブラーバの体が光り輝き始めた。
「進化……!?」
光の中で、体はより大きく、翼はより力強く、そして目は真紅のゴーグルのような膜に覆われていく。
砂漠の精霊が、真の姿を現す。
「フライゴン!!」
「グォォォォン!!」
進化したフライゴンは、オオスバメを振りほどき、空中で静止した。
その羽ばたきが、砂嵐を巻き起こす。
形勢逆転の狼煙が上がった。