アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第259話

フライゴンへと進化した相棒。

その姿は、まさに砂漠の王者に相応しい威厳を放っている。

緑色の体と、赤い目のカバー。羽ばたき一つで突風を生むパワー。

 

「フライゴン……。待たせたな」

「グォン!」

フライゴンは力強く頷いた。

 

「進化したからって、勝てると思わないで!オオスバメ、『ブレイブバード』!」

ナギが最強技を指示する。オオスバメが青い炎を纏い、特攻してくる。

 

「フライゴン、『すなあらし』!」

 

フライゴンが翼を激しく羽ばたかせると、フィールド全体に猛烈な砂嵐が発生した。

視界が悪くなり、さらに砂の礫がオオスバメの体に当たり、体力を削っていく。

飛行タイプのオオスバメにとって、砂嵐は飛行の邪魔になる厄介な天候だ。

 

「くっ、砂で前が見えない……!」

オオスバメの突進が逸れる。

 

「今だ!『ドラゴンクロー』!」

 

フライゴンが砂嵐の中から音もなく現れ、鋭い爪でオオスバメを切り裂いた。

「グッ!」

オオスバメが空中でバランスを崩す。

 

「畳み掛けろ!『いわなだれ』!」

上空から岩石を落とす。岩技は飛行タイプに効果抜群だ。

 

「オオスバメ、『はがねのつばさ』で岩を砕け!」

オオスバメは鋼鉄の翼で岩を迎撃するが、数が多すぎる。

ダメージが蓄積していく。

 

「(よし、追い詰めた。……だが、ナギさんもこのまま終わる相手じゃない)」

 

「オオスバメ、上昇気流に乗って!雲の上まで!」

ナギの指示で、オオスバメが一気に高度を上げた。砂嵐の影響を受けない高高度へ退避するつもりだ。

 

「逃がすか!フライゴン、追え!」

 

二匹のポケモンが、雲を突き抜けて青空へと飛び出した。

そこは、太陽の光が降り注ぐ、障害物のない世界。

真のドッグファイトの舞台だ。

 

「ここなら砂嵐も届かない!オオスバメ、急降下して『つばめがえし』!」

太陽を背に、オオスバメが襲いかかってくる。逆光で姿が見えにくい。

 

「(眩しい……!)」

 

だが、フライゴンの赤い目のカバーは、強烈な日差しを遮断し、敵の姿を鮮明に捉えていた。

砂漠の環境に適応した進化の証だ。

 

「見えてるな?……カウンターだ!『ドラゴンダイブ』!」

 

フライゴンが青いオーラを纏い、オオスバメに向かって突撃した。

上昇の勢いと落下の勢いがぶつかり合う。

 

空中で爆発が起きる。

二匹は弾き飛ばされ、雲の中へと落下していった。

 

「どうなった!?」

サトシたちが空を見上げる。

 

雲を突き破って落ちてきたのは――。

 

オオスバメだった。

彼は意識を失い、真っ逆さまにフィールドへ落ちていく。

 

そして、その後ろから、悠然と滑空してくるフライゴンの姿があった。

 

「……オオスバメ、戦闘不能!勝者、ミナト選手!!」

 

スタジアムが歓声に包まれる。

空の戦いを制したのは、砂漠から来たドラゴンだった。

 

「やったな、フライゴン!」

俺はフィールドに降り立ったフライゴンに駆け寄った。

フライゴンは、少し疲れた様子だったが、誇らしげに翼を広げた。

 

ナギがオオスバメを労い、こちらへ歩み寄ってきた。

「……完敗よ。風を読む力、そしてポケモンの進化……。貴方たちの絆が、私の空を上回ったわね」

 

ナギは、美しい青色のフェザーバッジを差し出した。

「受け取って。……ヒワマキジムの証よ」

 

「ありがとうございます!」

 

俺はバッジを受け取った。

これで六つ目。

ホウエンリーグへの道が、また一つ開かれた。

 

ジムを出ると、サトシたちが駆け寄ってきた。

「ミナト、フライゴンの進化、かっこよかったぜ!」

「本当ね!あの砂嵐、すごかったわ!」

 

「ああ。……みんなのおかげさ」

 

俺は、進化したフライゴンのボールを見つめた。

ナックラーからビブラーバ、そしてフライゴンへ。

彼の成長は、俺たちの旅の軌跡そのものだ。

 

「さて、次はミナモシティだな」

俺は東の空を見据えた。

そこには、マグマ団とアクア団が狙う、何かがあるはずだ。

 

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