アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第262話

ミナモデパートは、ホウエン地方最大級のショッピングモールだ。

日用品からトレーナーグッズ、高級ブランド品まで何でも揃う。

 

「わぁ……!すごい品揃え!」

ハルカがショーウィンドウにへばりつく。

「ねえミナト君、あっちのアクセサリー売り場、見てみてもいい?」

「もちろん。今日はハルカの行きたいところに行こう」

 

俺たちは4階の雑貨フロアへ向かった。

そこには、ポケモン用のリボンやスカーフ、コンテスト衣装などがずらりと並んでいる。

 

「これ、ワカシャモに似合うかな?」

ハルカが赤いスカーフを手に取る。

「ああ、いい色だ。……ワカシャモの炎の色とも合ってる」

「本当?……じゃあ、これにする!」

 

ハルカは嬉しそうにスカーフを購入した。

その後も、俺たちはフロアを見て回り、色々なグッズを試着したり、感想を言い合ったりした。

バトルや事件の緊張感から解放され、ただの少年と少女に戻れる時間。

 

「あ、これ……」

ハルカが足を止めたのは、ペアのキーホルダーが売られているコーナーだった。

アゲハントとドクケイルが対になったデザイン。

「可愛い……」

 

俺は少し迷ったが、思い切ってそれを手に取った。

「これ、買わないか?……俺たちの旅の記念に」

「えっ?……いいの?」

「ああ。俺がドクケイル……いや、俺がアゲハントを持つから、ハルカはドクケイルを持っててくれ。……逆か?」

 

「ふふっ、どっちでもいいよ。……ありがとう、ミナト君」

ハルカはキーホルダーを大切そうに受け取った。

その指先が触れた瞬間、微かな電流のようなものが走った気がした。

 

買い物の後、俺たちは屋上のテラスでアイスクリームを食べた。

眼下にはミナモシティの港と、青い海が広がっている。

 

「……ねえ、ミナト君」

ハルカがアイスを舐めながら、遠くを見つめて言った。

「私ね、最初は旅に出るのが不安だったの。……でも、今はすごく楽しい。サトシやタケシ、それにミナト君と出会えて、本当によかった」

 

「俺もだよ。……ハルカの笑顔を見ると、俺も頑張ろうって思える」

 

「……ほんと?」

ハルカが俺の顔を覗き込む。

夕日が、彼女の頬を赤く染めていた。

 

「ああ。本当だ」

 

俺たちは、しばらくの間、言葉もなく海を眺めていた。

言葉はいらなかった。

ただ隣にいるだけで、心が満たされていくのを感じた。

 

「さあ、そろそろ戻ろう。明日は本番だろ?」

「うん。……ありがとう、ミナト君。私、絶対優勝する!」

 

ハルカの瞳には、もう迷いはなかった。

俺たちはデパートを後にし、夕闇の迫る街を並んで歩いた。

その距離は、来る時よりもほんの少しだけ、近づいていた。

 

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