アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第263話

翌日。ミナモシティのコンテスト会場は、異様な熱気に包まれていた。

このミナモ大会は、グランドフェスティバルへの出場権をかけた重要な大会の一つであり、各地から強豪コーディネーターたちが集結している。

 

「エントリーナンバー35番、ハルカ選手!」

 

スポットライトの中、ハルカとワカシャモがステージに立つ。

昨日の弱気な姿はどこにもない。堂々とした、トップコーディネーターを目指す者の顔だ。

 

「ワカシャモ、『ほのおのうず』!」

炎の渦がステージを囲み、その中心でワカシャモが演舞を見せる。

「そして『スカイアッパー』で炎を打ち上げて!」

炎の柱が昇り龍のように天井へ伸び、最後に弾けてキラキラと降り注ぐ。

 

「素晴らしい! 力強さと美しさの融合です!」

審査員の評価も上々だ。ハルカは一次審査をトップ通過した。

 

そして、二次審査。コンテストバトル。

ハルカの前に立ちはだかったのは、不気味なカカオのようなポケモン・ノクタスを使う、奇抜な格好の男――ハーリーだった。

「アンタがハルカちゃん? フフン、可愛い顔して、どこまでやれるのかしら?」

 

「負けないわ! 行け、ワカシャモ!」

 

ハーリーの戦術は陰湿だった。ノクタスの『ニードルアーム』や『だましうち』で、ワカシャモの隙を執拗に突き、精神的に揺さぶりをかけてくる。

「いやん、痛そう~! 減点よ!」

ハルカのポイントが削られていく。

 

「(ハーリー……。相手の心を折る戦い方だ)」

俺は観客席で拳を握りしめた。

「負けるなハルカ! 相手のペースに飲まれるな!」

 

俺の声援が届いたのか、ハルカがハッと顔を上げた。

「……そうね。私には、私の戦い方がある!」

 

「ワカシャモ、『かえんほうしゃ』で地面を焼いて!」

ワカシャモが地面を焼き、熱風を発生させる。

「なによ、熱いじゃない!」

「この上昇気流に乗るのよ! 『フレアドライブ』!」

 

ワカシャモが炎を纏い、熱風に乗って加速する。

ハーリーの予想を超えるスピードと角度からの突撃。

「ノクタス、ガード!」

間に合わない。

ノクタスが吹き飛ばされる。

 

「ノクタス、戦闘不能! 勝者、ハルカ選手!」

 

「やったぁぁぁ!」

ハルカが飛び上がって喜ぶ。

 

その後もハルカは快進撃を続け、決勝戦では永遠のライバル・シュウのロゼリアをも僅差で破り、見事に優勝を果たした。

 

表彰式。リボンを手にしたハルカは、客席の俺を見つけて、最高の笑顔で手を振ってくれた。

俺も、親指を立てて応える。

 

「おめでとう、ハルカ」

 

控室に戻ったハルカを、俺たちは盛大に出迎えた。

「すごかったぞハルカ! あのハーリーって奴を倒した時はスカッとしたぜ!」

サトシが興奮気味に言う。

 

「ありがとう! ……ミナト君の応援、聞こえてたよ。すごく勇気が出た」

ハルカが照れくさそうに言う。

 

その時、俺のポケナビがアラートを鳴らした。

ポリゴンZからの緊急通信だ。

『マスター。……ミナモシティ沖合の岩場に、アクア団の秘密基地への入り口を特定。……内部から、大規模なハイドロエネルギー反応を検知。潜水艇の出航準備と思われます』

 

「(来たか……)」

 

祝勝会の空気は一変した。

「アクア団か……!」

「せっかくのお祝いなのに、水を差すなんて許せない!」

ハルカが怒りの表情を見せる。

 

「俺が行く。ハルカたちはここで……」

「ダメ! 私も行く!」

ハルカが俺の腕を掴んだ。

「ミナト君は、コンテストで私を支えてくれた。……今度は私が、ミナト君の背中を守る番よ!」

 

その瞳に宿る決意を見て、俺は止めることを諦めた。

「……分かった。背中は任せたぞ」

 

「うん!」

 

俺たちは、祝勝会を切り上げ、夕闇の港へと走り出した。

華やかなコンテストの裏で蠢く、蒼き野望。

俺たちの、本当の戦いが始まる。

 

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