アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第265話

最深部の巨大なドック。

そこには、カイナシティで部品を奪われ、改造を施された潜水艇『サブマリン・エクスプローラー1号』が鎮座していた。

その巨体は、ドリルと装甲で強化され、深海の水圧にも耐えうる怪物へと変貌を遂げている。

 

そして、そのデッキの上には、一人の男が立っていた。

筋骨隆々の巨体に、海賊のような衣装。

アクア団のリーダー、アオギリだ。

 

「ようこそ、歓迎するぜ! 我が野望の出航式へ!」

アオギリは、俺たちを見下ろして豪快に笑った。

その隣には、冷徹な参謀イズミと、荒くれ者のウシオが控えている。

 

「アオギリ! その潜水艇で何をするつもりだ!」

サトシが叫ぶ。

 

「何をするかだと? ……決まっているだろう。海を広げるのだ!」

アオギリは両手を広げ、演説を始めた。

「人間が増えすぎたこの世界は、汚れきっている! 欲望、争い、破壊……。大地は悲鳴を上げているのだ! ならば、全てを海に還し、生命の源である水で洗い流すべきだ!」

 

「そのために、伝説のポケモン『カイオーガ』を目覚めさせるつもりか!」

俺が問うと、アオギリはニヤリと笑った。

「ご名答。……そして、そのための鍵は既にここにある」

 

アオギリが掲げたのは、青く輝く宝珠――『藍色の宝珠』だった。

「この宝珠と、カイオーガが眠る『海底洞窟』への地図。……全ての準備は整った!」

 

「させるか! 行くぞ、ピカチュウ!」

サトシが攻撃を仕掛ける。

「ピッカァァ――ッ!!」

10まんボルトが迸る。

 

「無駄だ! 潜水艇の装甲は、電気を通さない特殊コーティング済みだ!」

ウシオが嘲笑う。

電撃は潜水艇の表面を滑り落ち、無効化された。

 

「ならば、直接叩く! ペリッパー、コドラ!」

俺も加勢する。

「甘い甘い! イズミ、相手をしてやれ!」

 

イズミが繰り出したのは、巨大なサメハダーとミロカロスだ。

「私の美しい水ポケモンたちの舞、見せてあげるわ」

ミロカロスの『ハイドロポンプ』とサメハダーの『あくのはどう』が、俺たちの行く手を阻む。

 

「ペリッパー、『まもる』で防げ! コドラ、『ロックブラスト』で牽制だ!」

ペリッパーが緑色のバリアを展開し、コドラが岩石を連射する。

一進一退の攻防。幹部クラスの実力は伊達じゃない。

 

その隙に、アオギリたちは潜水艇に乗り込んだ。

「時間だ。……さらばだ、少年たち! 新しき海の世界で会おう!」

 

ハッチが閉まり、潜水艇のエンジンが唸りを上げる。

ドックの水門が開き、大量の海水が流れ込んでくる。

 

「逃がすか!」

「待って! 今ここを崩されたら、私たちも生き埋めよ!」

ハルカが叫ぶ。

 

潜水艇は水流に乗り、深海へと潜航を開始した。

俺たちは、指をくわえてそれを見送ることしかできなかった。

 

「……行っちまった」

サトシが悔しそうに拳を叩きつける。

 

「いや、まだだ」

俺は、ポリゴンZが解析したデータを表示させた。

「奴らの目的地は『海底洞窟』。……場所は特定できた。追いかけよう、トクサネシティへ!」

 

海底洞窟への入り口は、128番水道の深海にある。

そこへ行くには、トクサネシティを経由するのが最短ルートだ。

 

「よし、急ごう! アクア団の野望、絶対に止めてやる!」

 

俺たちは、水浸しになったアジトを脱出し、新たな決意と共に海を見つめた。

戦いの舞台は、海中へ。

 

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