アニポケ転生者物語 作:投稿者
最深部の巨大なドック。
そこには、カイナシティで部品を奪われ、改造を施された潜水艇『サブマリン・エクスプローラー1号』が鎮座していた。
その巨体は、ドリルと装甲で強化され、深海の水圧にも耐えうる怪物へと変貌を遂げている。
そして、そのデッキの上には、一人の男が立っていた。
筋骨隆々の巨体に、海賊のような衣装。
アクア団のリーダー、アオギリだ。
「ようこそ、歓迎するぜ! 我が野望の出航式へ!」
アオギリは、俺たちを見下ろして豪快に笑った。
その隣には、冷徹な参謀イズミと、荒くれ者のウシオが控えている。
「アオギリ! その潜水艇で何をするつもりだ!」
サトシが叫ぶ。
「何をするかだと? ……決まっているだろう。海を広げるのだ!」
アオギリは両手を広げ、演説を始めた。
「人間が増えすぎたこの世界は、汚れきっている! 欲望、争い、破壊……。大地は悲鳴を上げているのだ! ならば、全てを海に還し、生命の源である水で洗い流すべきだ!」
「そのために、伝説のポケモン『カイオーガ』を目覚めさせるつもりか!」
俺が問うと、アオギリはニヤリと笑った。
「ご名答。……そして、そのための鍵は既にここにある」
アオギリが掲げたのは、青く輝く宝珠――『藍色の宝珠』だった。
「この宝珠と、カイオーガが眠る『海底洞窟』への地図。……全ての準備は整った!」
「させるか! 行くぞ、ピカチュウ!」
サトシが攻撃を仕掛ける。
「ピッカァァ――ッ!!」
10まんボルトが迸る。
「無駄だ! 潜水艇の装甲は、電気を通さない特殊コーティング済みだ!」
ウシオが嘲笑う。
電撃は潜水艇の表面を滑り落ち、無効化された。
「ならば、直接叩く! ペリッパー、コドラ!」
俺も加勢する。
「甘い甘い! イズミ、相手をしてやれ!」
イズミが繰り出したのは、巨大なサメハダーとミロカロスだ。
「私の美しい水ポケモンたちの舞、見せてあげるわ」
ミロカロスの『ハイドロポンプ』とサメハダーの『あくのはどう』が、俺たちの行く手を阻む。
「ペリッパー、『まもる』で防げ! コドラ、『ロックブラスト』で牽制だ!」
ペリッパーが緑色のバリアを展開し、コドラが岩石を連射する。
一進一退の攻防。幹部クラスの実力は伊達じゃない。
その隙に、アオギリたちは潜水艇に乗り込んだ。
「時間だ。……さらばだ、少年たち! 新しき海の世界で会おう!」
ハッチが閉まり、潜水艇のエンジンが唸りを上げる。
ドックの水門が開き、大量の海水が流れ込んでくる。
「逃がすか!」
「待って! 今ここを崩されたら、私たちも生き埋めよ!」
ハルカが叫ぶ。
潜水艇は水流に乗り、深海へと潜航を開始した。
俺たちは、指をくわえてそれを見送ることしかできなかった。
「……行っちまった」
サトシが悔しそうに拳を叩きつける。
「いや、まだだ」
俺は、ポリゴンZが解析したデータを表示させた。
「奴らの目的地は『海底洞窟』。……場所は特定できた。追いかけよう、トクサネシティへ!」
海底洞窟への入り口は、128番水道の深海にある。
そこへ行くには、トクサネシティを経由するのが最短ルートだ。
「よし、急ごう! アクア団の野望、絶対に止めてやる!」
俺たちは、水浸しになったアジトを脱出し、新たな決意と共に海を見つめた。
戦いの舞台は、海中へ。