アニポケ転生者物語 作:投稿者
夕食の時間。
今日はタケシが、ミナモシティの巨大市場で仕入れたばかりの新鮮な食材を使って、豪勢なフルコースを振る舞ってくれることになった。ポケモンセンターの調理場を借り、エプロン姿のタケシが腕を振るう。
「うわぁ〜! すっごくいい匂い!」
マサトが鼻をひくひくさせながらキッチンを覗き込む。
「さあ、できたぞ! メインディッシュは『ミナモ特産・白身魚のムニエル、オレンのみソース添え』だ! スープは『きのこと高原野菜のポタージュ』。パンも焼きたてだぞ!」
テーブルいっぱいに並べられた料理の数々に、俺たちは歓声を上げた。
「いただきまーす!!」
「んん〜っ! 美味しい! 魚がふわふわで、ソースの酸味が絶妙!」
ハルカが一口食べて、とろけるような顔をする。
「このポタージュも最高だぜ! 体の芯から温まるなぁ!」
サトシもスプーンが止まらない。
「喜んでもらえて何よりだ。……それとミナト、約束のレシピだ」
食後のコーヒーを飲みながら、タケシが一冊の大学ノートを俺に手渡した。
中を開くと、ポケモンごとの好みに合わせたフーズの配合比率や、体調管理のための薬膳レシピ、さらにはコンテスト用のポロックの隠し味などが、びっしりと丁寧に書き込まれている。
「ありがとう、タケシ。……これはすごい。貴重なデータだ」
「はは、ミナトのミロカロスやコドラのためになればと思ってな。……特にミロカロスのケアが重要だ。この海藻エキスとシーヤのみを煮詰めた特製シロップ入りのポロックなら、間違いなく『美しさ』のコンディションが上がるぞ」
「なるほど、海藻エキスか……。盲点だったな。さすがブリーダー、頼りになるよ」
俺はノートの大切な部分にマーカーを引きながら、深く感謝した。
俺たちは、タケシの料理に舌鼓を打ちながら、これまでの旅の思い出や、これからの夢について夜遅くまで語り合った。
「俺は、ホウエンリーグで優勝して、四天王に挑むんだ! そしていつか、ポケモンマスターになる!」
サトシの夢は、いつだって真っ直ぐで、ブレない。
「私はトップコーディネーター! グランドフェスティバルで最高の演技をして、みんなを笑顔にするの!」
ハルカも負けていない。その瞳には確かな自信が宿っている。
「僕は……まだ決まってないけど、もっともっとポケモンのことを知りたいな。博士みたいになれるかな」
マサトも、自分なりの道を探し始めている。
「ミナトは?」
ふと、全員の視線が俺に向けられた。
俺は言葉を探した。転生者としての使命、テスターとしての仕事、そして一人のトレーナーとしての願い。
「俺は……。俺は、この世界の『真実』を見届けたい。……そして、最高のパートナーたちと、どこまで行けるか試してみたいんだ。……まだ見ぬ伝説のポケモンや、未知の強敵たちと出会うために」
「かっこいいじゃん、ミナト!」
サトシがニカっと笑い、背中を叩く。
「うん! ミナト君なら、きっとすごいこと成し遂げるよ!」
ハルカも頷く。
翌朝。
俺たちは、トクサネシティ行きのフェリー乗り場にいた。
海風が強く吹き、カモメたちが頭上を舞っている。
「いよいよだな。……トクサネシティ」
海の向こう、水平線の彼方に、微かに島影が見える。あそこには宇宙センターがあり、そして強力なジムリーダーが待っている。
「よし、行くぞみんな! アクア団も、ジム戦も、全部まとめてぶっ飛ばしてやろうぜ!」
サトシの元気な号令で、俺たちはタラップを登り、船に乗り込んだ。
汽笛がボーッと低く鳴り響き、船が岸を離れる。
ミナモシティの美しい街並みが、徐々に遠ざかっていく。
俺たちの旅は、いよいよ後半戦。
海と宇宙の島、トクサネシティでの冒険が待っている。
俺はデッキの手すりを握りしめ、来るべき激闘に想いを馳せた。