アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第269話

翌日。俺たちは約束通り、トクサネ宇宙センターの見学に訪れていた。

エントランスホールには巨大なロケットの模型が展示され、壁一面のスクリーンには宇宙空間の映像が流されている。

無重力訓練のシミュレーターや、惑星探査機の模型など、科学の最先端が集結している場所に、マサトは大興奮だ。

 

「すごい!これが本物のロケットエンジンか!あっちには宇宙食もあるよ!」

「こらマサト、走り回らないの」

ハルカが注意するが、彼女自身も興味津々な様子だ。

 

だが、その平和な見学は、突然の爆発音によって破られた。

センターの入り口付近から黒煙が上がり、悲鳴が響き渡る。

 

「なんだ!?」

警報が鳴り響く。

『緊急事態発生!何者かが侵入しました!職員は直ちに避難してください!』

 

「(まさか、マグマ団か!)」

 

俺たちが駆けつけると、そこには赤い制服を着た集団が、警備員たちを制圧し、センターを占拠し始めていた。

だが、その装備は以前よりも重武装で、どこか捨て鉢な、追い詰められた獣のような雰囲気が漂っている。

リーダー格は、幹部のホムラだ。

 

「どけ!我々はロケット燃料を頂きに来た!」

ホムラが怒鳴る。

「燃料を奪ってどうする気だ!」

俺が叫ぶ。

 

「リーダーは海底洞窟へ向かった。……だが、グラードンを目覚めさせるには、より強力なエネルギーが必要なのだ!このロケット燃料があれば、一気に覚醒を促せる!」

彼らは、自分たちの理想のために、宇宙への夢を踏みにじろうとしているのだ。

 

「そんなことのために、この施設を壊す気か!」

サトシが怒る。

 

「邪魔をするな!……やれ、バクーダ!」

ホムラがバクーダを繰り出す。背中の火山から黒煙を上げている。

他の団員たちも、グラエナやズバットを一斉に繰り出した。

 

「迎え撃つぞ!みんな!」

 

「行くぜ、ピカチュウ!『10まんボルト』!」

「フォレトス、『まきびし』!」

サトシとタケシが前線を張る。ピカチュウの電撃がズバットたちを撃ち落とし、フォレトスが地面に罠を仕掛ける。

 

「私たちも行くよ!ワカシャモ、『かえんほうしゃ』!」

「サーナイト、『サイコキネシス』!」

 

俺とハルカも参戦する。

ワカシャモの炎がグラエナを焼き払い、サーナイトの念動力がバクーダの突進を押し返す。

 

乱戦の中、ホムラは部下に命じて燃料タンクの保管庫をこじ開けようとしていた。

「急げ!警備システムが復旧する前に運び出すんだ!」

 

「させるか!」

俺はサーナイトと共にホムラへ向かった。

だが、死角から別の団員が飛び出してきた。

「隙ありだ!リーダーの邪魔はさせん!」

グラエナの『かみくだく』が、俺の背後から迫る。

 

「危ない!」

ハルカが俺を突き飛ばした。

グラエナの鋭い牙が、ハルカの腕をかすめた。

 

「きゃあっ!」

鮮血が舞う。ハルカが苦痛に顔を歪めて倒れ込む。

 

「ハルカ!!」

 

その瞬間、俺の中で何かが切れる音がした。

冷静な判断力、テスターとしての客観性、そんなものが全て吹き飛んだ。

 

「……よくも」

 

俺の全身から、サーナイトと共鳴した凄まじい怒りのオーラが立ち上った。

「よくも、ハルカを!!」

 

サーナイトの目が赤く輝く。

『……許さない。私の大切な人を傷つける者は、誰であろうと許さない』

 

俺たちの反撃が始まる。

それは、マグマ団が後悔するほどの、冷徹で激しい怒りの鉄槌だった。

俺は、ハルカを抱きかかえながら、自分でも驚くほど冷たい声で命じた。

「サーナイト。……一歩も動かすな。全員、沈めろ」

 

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