アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第28話

ジムの観客席には、サトシ、カスミ、タケシの姿があった。サトシは身を乗り出して俺のバトルを見つめ、カスミは「ミナトなら絶対勝つわよ!」と応援の声を上げている。タケシは、冷静に俺とエリカの戦術を分析しているようだった。

 

「ゴ、ゴ、ゴ……」

 

俺が繰り出した黒い影――ゴーストは、不気味な笑い声を上げながら、空中をふわりと漂っている。その姿に、エリカだけでなく、観客席のジムトレーナーたちも息を呑んだ。

 

「ゴーストタイプ……!?タマムシシティでは、ほとんど見かけないポケモンですわ。あなたが、ゴースト使いだったとは……」

 

エリカは、驚きながらも、すぐに冷静さを取り戻し、ウツボットに指示を出す。

 

「ですが、どんなポケモンであろうと、私の愛する草ポケモンたちの敵ではありませんわ!ウツボット、『はっぱカッター』!」

 

ウツボットの口から、鋭い葉っぱの刃が、高速で射出される。

 

「ゴースト、かわせ!」

 

俺の指示が出るより早く、ゴーストはその姿をフッと消した。葉っぱの刃は、ゴーストがいた場所を空しく切り裂き、地面に突き刺さる。

 

「なっ!?」

 

エリカが驚きの声を上げる。次の瞬間、ゴーストはウツボットの背後に音もなく現れ、ニヤリと笑った。

 

「ゴーストタイプの変幻自在な動きを捉えるのは、そう簡単じゃありませんよ」

 

俺の言葉に、エリカの表情が引き締まる。

 

俺の挑発的な言葉に、エリカの眉がぴくりと動く。

 

「……確かに、物理的な攻撃は通用しないかもしれません。ですが、これならどうですの?『しびれごな』!」

 

ウツボットが、黄色い粉を広範囲に撒き散らす。相手を麻痺させる、厄介な状態異常技だ。

 

「面白い。だが、無駄だ。ゴースト、『かげぶんしん』!」

 

ゴーストが、高速で動き、無数の分身を作り出す。ウツボットの「しびれごな」は、空しく分身たちに降り注ぐだけだった。

 

「どこですの、本体は!?」

「どこだと思う?」

 

俺は、ニヤリと笑う。ゴーストは、既にエリカのウツボットの、真下の影の中に潜んでいた。

 

「そこだ!『したでなめる』!」

 

影の中から、巨大な舌が伸びてきて、ウツボットの足を舐め上げた。

 

ウツボッ!?(ひゃっ!?)

 

不意打ちと、その奇妙な感触に、ウツボットは完全に動きを止めてしまう。ゴーストタイプの技は、相手を麻痺させることがあるのだ。

 

「とどめだ、『サイコキネシス』!」

 

ゴーストの瞳が青白く輝き、強力な念動力がウツボットを包み込む。どくタイプを持つウツボットにとって、エスパータイプの技は致命的だ。

 

「ウツボッ!?」

 

ウツボットは抗う術もなく宙に浮き、激しく地面に叩きつけられて戦闘不能になった。

 

「ウツボット、戦闘不能!」

 

「お見事ですわ。ですが、私の最後の子は、そう簡単にはいきませんわよ。行け、ラフレシア!」

 

現れたのは、世界一大きな花を持つと言われる、ラフレシアだ。その花びらからは、魅惑的だが、同時に危険な香りが漂ってくる。

 

「美しい花には、毒がある、か」

 

「ゴースト、よくやった。戻れ」

俺はゴーストを戻し、再びガーディをフィールドに送り出した。

 

「再びガーディですの?私のラフレシアの、『はなびらのまい』の美しさの前に、ひれ伏させてあげますわ!」

 

エリカの指示で、ラフレシアが優雅に舞い始める。その体から、無数の花びらが嵐のように吹き荒れ、ガーディを襲う。

 

「ガーディ、炎の渦で防御だ!『ほのおのうず』!」

 

ガーディが、自身の周囲に炎の渦を作り出し、花びらの嵐を防ぐ。美しくも、激しい攻防。バトルフィールドは、さながらダンスホールのようだ。

 

だが、ラフレシアの「はなびらのまい」は、強力な反面、技が終わった後に混乱するという、大きなリスクを伴う。俺は、その瞬間を待っていた。

 

やがて、ラフレシアの舞が終わり、その足元がふらついた。今だ。

 

「ガーディ、最大火力で焼き尽くせ!『かえんほうしゃ』!」

 

ガーディの口から、先ほどよりもさらに強力な、灼熱の炎が放たれる。混乱して防御の態勢を取れないラフレシアに、その炎が直撃した。

 

「ラフレシア!」

 

エリカの悲痛な叫びも虚しく、ラフレシアは、その場に崩れ落ちた。

 

「……ラフレシア、戦闘不能!よって、この勝負、挑戦者ミナトの勝ち!」

 

審判の宣言が、静かな庭園に響き渡った。

 

「すっげー!ミナト、やったぜ!」

「さすがミナトね!見事だったわ!」

サトシとカスミの興奮した声が、観客席から聞こえてくる。

 

「……見事ですわ。あなたの戦術、そして、ポケモンたちとの絆。完敗です」

 

エリカは、深々と頭を下げ、俺に歩み寄ってきた。そして、虹色に輝く、美しい花びらの形をしたバッジを、俺に手渡した。

 

「これが、あなたの強さの証、レインボーバッジです。どうぞ、お受け取りください」

「ありがとうございます、エリカさん」

 

四つ目のジムバッジ。俺は、その輝きを、仲間になったばかりのガーディとゴースト、そして、他の仲間たちと共に、静かに分かち合った。

 

エリカは、俺のポケモンたちを、優しい目で見つめながら言った。

 

「あなたのゴーストとガーディ、どちらも、強い意志の力を感じます。きっと、あなたというトレーナーを、心から信頼しているのでしょう。素晴らしいですわ」

 

その言葉が、何よりの褒め言葉だった。

 

俺はエリカに礼を言うと、タマムシジムを後にした。レインボーバッジを手に入れた今、いよいよ、次のステージへと進む時だ。

 

俺は、町の片隅にある、ひときわ怪しい光を放つ建物――ゲームコーナーを、鋭い目で見据えた。

 

「さて、と。本番は、ここからだ」

 

ロケット団アジト。そこに眠る、サカキの野望。俺は、決戦の時が近いことを、肌で感じていた。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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