アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第29話

タマムシジムでの勝利の余韻もそこそこに、俺は、ジムの外で待っていたサトシ、カスミ、タケシに別れを告げた。

 

「なあ、ミナト!これからどこ行くんだよ!?」

「あたしとタケシも、もうすぐタマムシジムに挑戦するんだからね!」

サトシとカスミが、名残惜しそうに言う。

 

「俺は、これからちょっと、用事があるんでな。お前たちは、ジム戦、頑張れよ」

俺は、そう言って、ニヤリと笑った。ロケット団アジトへの潜入は、俺一人で片付けるべき任務だ。

 

俺は、サトシたちとは別行動を取り、単身、目的の場所へと向かっていた。ネオンが輝き、スロットマシンのけたたましい音が鳴り響く、ロケットゲームコーナー。表向きは、ただの娯楽施設。だが、その地下には、カントー一円の悪事を牛耳る、ロケット団の巨大なアジトが広がっているのだ。

 

「(フジ老人と、密猟者の情報、そして母さんからの警告……すべての線が、ここに繋がっている)」

 

俺は、客を装って店内に入り、トイレの個室で息を潜める。周囲に人がいないことを確認し、モンスターボールから二体のポケモンを解き放った。

 

「ポリゴン、ゴースト。出番だ」

『了解』

ゴゴッ!(任せろ!)

 

俺の小さな声での呼びかけに、二体の相棒が静かに応える。

 

「ポリゴン、このゲームコーナーの地下に、秘密の施設があるはずだ。ネットワークに侵入し、アジトの構造図と、警備システムの配置をスキャンしてくれ」

『了解。ネットワークへのハッキングを開始。……プロテクトを解除。地下施設のデータをダウンロードします』

 

さすが、マサキさんのアップグレードデータをインストールしただけのことはある。ポリゴンのハッキング能力は、以前とは比べ物にならないほど向上していた。デバイスの画面に、アジトの詳細なマップが、リアルタイムで構築されていく。

 

「ゴースト、お前は、俺の影に潜んで、周囲を警戒してくれ。誰かが近づいたら、すぐに知らせるんだ」

ゴースト……(承知)

 

ゴーストは、不気味な笑みを浮かべると、すうっと俺の影の中に溶け込んでいった。これで、物理的な死角はなくなった。

 

準備は整った。俺は、ゲームコーナーの壁にある、ポスターの裏に隠されたスイッチを探す。原作ゲームの知識だ。このスイッチが、アジトへの隠し階段を開く。

 

スイッチを押すと、壁の一部が静かにスライドし、地下へと続く、暗い階段が現れた。俺は、周囲を警戒しながら、その闇の中へと足を踏み入れた。

 

アジトの内部は、無機質な鋼鉄の壁と、張り巡らされたパイプで構成されていた。至る所に、黒服のロケット団員たちが見張りに立っている。

 

「(ここからが、本当の潜入ミッションだな)」

 

俺は、ポリゴンが示すマップを頼りに、警備の薄いルートを進んでいく。ゴーストも、影の中から、角の向こうにいる敵の存在などを、テレパシーで俺に伝えてくれる。

 

ゴゴ……(前方、二人)

 

俺は、息を殺して物陰に隠れ、団員たちが通り過ぎるのを待つ。まるで、スパイ映画の主人公になったような気分だ。エンジョイ勢とは、程遠い緊張感だった。

 

俺たちは、いくつかの部屋を通り抜けた。そこでは、盗まれたポケモンたちが、狭い檻に押し込められていたり、怪しげな機械で、何かの実験をされていたりした。

 

「(許せない……!)」

 

怒りで、拳を強く握りしめる。だが、今は耐える時だ。俺の目的は、このアジトを破壊することではない。奴らの計画の、中枢に辿り着き、その証拠を掴むことだ。

 

順調に進んでいた潜入だったが、アジトの最深部へと続くエリアで、俺たちは強力なセキュリティに行く手を阻まれた。赤外線センサー、動体探知機、そして、何重にもロックされた、分厚い鋼鉄の扉。

 

「(さすがに、ここからは簡単には通してくれないか)」

 

「ポリゴン、このセキュリティを突破できるか?」

『解析中……。赤外線センサーは、ゴーストの体を透過させることで無効化可能。しかし、動体探知機は、わずかな空気の流れも検知します。扉の電子ロックも、物理キーがなければ、解除は困難』

 

「物理キー、か……」

 

その時、ゴーストが俺の影から飛び出し、壁の向こうを指差した。

ゴ……ゴースト!(アッチ、カギ、アル)

 

ゴーストは、壁をすり抜け、隣の部屋の様子を偵察してきてくれたらしい。そこは、団員たちの休憩室のようで、テーブルの上に、数本の鍵束が無造作に置かれているのが見えた。

 

「ナイスだ、ゴースト!」

 

俺は、ゴーストに鍵を取ってくるように指示した。ゴーストは、壁をすり抜け、誰にも気づかれることなく、鍵束を手に(?)戻ってきた。

 

俺たちは、その鍵を使って、慎重にロックを解除していく。そして、最後の扉が開かれた、その時だった。

 

けたたましい警報音が、アジト全体に鳴り響いた。

 

「侵入者だ!侵入者発生!」

 

どうやら、最後の扉には、トラップが仕掛けられていたらしい。次々と、屈強なロケット団員たちが、俺たちの元へと駆けつけてくる。

 

「ここまでか……!」

 

「いや、ここからだ!」

 

俺は、覚悟を決めた。もう、隠れている必要はない。

 

「フシギソウ、ガーディ、ゴースト!全員、出てこい!」

 

俺の仲間たちが、一斉に姿を現す。

 

「ここからは、力ずくで突破する!行くぞ!」

 

俺は、相棒たちと共に、ロケット団員の群れの中へと、正面から突っ込んでいった。目指すは、このアジトの最深部。そこにいるはずの、すべての悪の根源、サカキの元へ。

 

最後の戦いが、今、始まろうとしていた。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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