アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第33話

サファリゾーンの最奥。地図にも載っていない、伝説の「竜の谷」。

立ち込める霧を抜けると、そこには水晶のように澄んだ水を湛えた、美しい湖が広がっていた。

 

「ここが……竜の谷か」

 

あまりの神聖な空気に、俺は言葉を失った。すると、湖のほとりに数人の人影が見えた。

 

「おい、サトシ!勝手に奥まで行くなよ!」

「大丈夫だって、カスミ!ここにすごいポケモンがいるって、オーキド博士が……」

 

聞き覚えのある、賑やかな声。サトシ、カスミ、そしてタケシだ。どうやら彼らもサファリゾーンに挑戦していたらしい。

 

「よう、お前ら。相変わらず騒がしいな」

「ミナト!?」

サトシが驚き、こちらに駆け寄ってくる。

「お前、いつの間にこんなところに!」

 

「まあ、いろいろとな」

俺たちが再会を喜んでいると、茂みから一人の老人が現れた。手には旧式のライフル……いや、サファリの管理用具か。厳しい目つきをした男。サファリゾーンの管理人、カイザーだ。

 

「貴様ら!ここで何をしている!ここは遊び場ではないぞ!」

 

カイザーの怒号が響く。サトシたちがたじろぐ中、俺は冷静に一歩前に出た。

「失礼しました。俺はシルフカンパニーのテスター、ミナトです。この谷の生態系調査の許可を得て……」

 

「そんなものは知らん!帰れ!この谷には……悲しい記憶しかないのだ」

 

カイザーがそう言いかけた時、突如として空から不気味な飛行メカが降りてきた。

 

「「なんだかんだと言われたら!」」

「「答えてあげるが世の情け!」」

 

いつもの口上。ムサシ、コジロウ、ニャースの三人組だ。だが、今回の彼らはいつにも増して、本気だった。

 

「サカキ様からの至上命題!この竜の谷に眠るミニリュウ、ハクリューをすべて捕獲し、古代エネルギーの研究サンプルにするのだ!」

 

「させるか!」

サトシが叫ぶ。だが、ロケット団のメカから放たれた強力な電磁波が、周囲のポケモンたちの動きを封じ込める。

 

「グアアアッ!」

湖の中から、美しい青い体を持った龍が姿を現した。ハクリューだ。カイザーがかつて出会ったという、あの伝説の個体だろう。電磁波に苦しみ、身を悶えさせている。

 

「(ミニリュウ、出番だ!)」

 

俺はボールからミニリュウを解き放った。俺のミニリュウは、湖のハクリューを見て、何かを感じ取ったようだった。

 

「ミニリュウ、あのハクリューを守るんだ!『りゅうのいかり』!」

 

「キュー!」

 

ミニリュウが放った竜のエネルギーが、ロケット団のメカの電磁波発生装置を直撃した。一瞬、電磁波が途切れる。

 

「今だ!サトシ、ピカチュウでトドメだ!」

「おう!ピカチュウ、『10まんボルト』!」

 

装置が破壊され、ロケット団のメカは火を噴きながら墜落していった。

「やな感じー!」という叫びと共に、彼らは空の彼方へ消えていく。

 

静寂が戻った湖。

傷ついたハクリューが、ゆっくりとこちらへ泳いできた。ミニリュウは、その大きなハクリューの体に、自分の体をそっとすり寄せる。

 

すると、ハクリューの体から柔らかな光が溢れ、ミニリュウを包み込んだ。それは、単なる共鳴現象ではなかった。ミニリュウ自身の内側から、爆発的なエネルギーが溢れ出したのだ。

 

「キューッ!!」

 

ミニリュウが高らかに鳴くと、その体は眩い進化の光に包まれた。光の中で、体はより長く、よりしなやかに伸びていく。頭部には小さな角が生え、首と尻尾には水晶のような宝玉が輝き始める。

 

光が弾け飛ぶと、そこには、神秘的なオーラを纏った、美しき龍の姿があった。

 

「ハクリュー……!」

 

サトシたちが感嘆の声を漏らす。俺のミニリュウは、伝説の地で、伝説のポケモンに見守られながら、ハクリューへと進化したのだ。

 

『警告。ハクリューへの進化を確認。体内エネルギーが急激に活性化。野生のハクリューとの共鳴により、新技『りゅうのまい』の習得を確認しました』

 

「(『りゅうのまい』……!そして、ハクリューへの進化!)」

 

進化したハクリューは、野生のハクリューと空を舞うように泳ぎ、喜びを分かち合っている。その姿は、この世のものとは思えないほど美しかった。

 

カイザーは、ハクリューが無事だったこと、そして新たな命の輝きに涙を流し、俺たちに深々と頭を下げた。

「すまなかった……。お前さんたちのようなトレーナーもいるのだな」

 

「いえ、俺たちも学ばせてもらいました」

 

サトシたちはその後、大量のケンタロス(どうしてあんなに……)を抱えて去っていった。俺は一人残り、ハクリュー同士で寄り添い合う姿をじっと見守っていた。

 

「(物語は、ここで終わりじゃない。俺たちの、本当の特訓はここからだ)」

 

俺は手に入れた新たな仲間たち、そしてハクリューへと進化した相棒と共に、セキチクジムという次の「現実」へ向けて、歩みを進めるのだった。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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