アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第3話

サトシと別れた後、俺の旅は再び「エンジョイ勢」としての穏やかなペースを取り戻した。1番道路を抜け、トキワシティに到着した俺は、ポケモンセンターでフシギダネとポリゴンの疲れを癒してもらった後、少しだけ街を散策した。

 

トキワシティはマサラタウンとは比べ物にならないほど大きく、多くの人々やポケモンで賑わっている。だが、俺の目的地はここではない。ニビシティだ。ジムリーダーのタケシと戦い、最初のバッジを手に入れる。それが当面の目標だった。

 

トキワの森を抜けるルートは、虫ポケモンが多くてフシギダネの訓練にはちょうどいいかもしれないが、少し遠回りになる。ニビシティへと足を向けた。

 

道中、俺はテスターとしての任務も忘れてはいなかった。グラス型デバイスを駆使し、道端に咲く無名の花の成分データ、土壌サンプル、そしてそこに生息するポケモンたちの行動記録。集めたデータは、デバイスを通して自動的にシルフカンパニーのサーバーへと転送されていく。母さんからの「よろしくね」という言葉は、こういうことだったのだろう。

 

「ダネフッシャ!」

 

フシギダネが、茂みから飛び出してきたビードルを「つるのムチ」で軽くいなす。旅を始めて数日、フシギダネは目に見えてたくましくなっていた。レベルも上がり、新しく「やどりぎのタネ」を覚えた。これはジム戦で重要な布石になるはずだ。

 

ポリゴンも、戦闘には参加しないものの、常に周囲の情報をスキャンし、危険を事前に知らせてくれた。一度、トレーナー狩りをしている乱暴なラッタに遭遇しかけた時も、ポリゴンが事前にその存在を警告してくれたおかげで、無用な争いを避けることができた。

 

「頼りになるな、お前たちは」

 

俺の言葉に、フシギダネは誇らしげに胸を張り、ボールの中のポリゴンも、デバイスを通して『肯定』のサインを送ってくる。最高のパートナーたちだ。

 

数日後、灰色の岩肌が目立つ、大きな街が見えてきた。ニビシティだ。街の入り口には「石の街 ニビシティ」と書かれた大きな看板が掲げられている。

 

「よし、着いたな」

 

まずは何はともあれポケモンセンターだ。ジョーイさんにフシギダネとポリゴンを預け、俺はロビーのベンチで一息つく。さて、ジム戦の前にやっておくべきことがある。

 

「情報収集、っと」

 

俺はグラス型デバイスを操作し、ニビジムのジムリーダー、タケシの情報を検索する。すぐに基本的な情報がヒットした。

 

『ジムリーダー:タケシ。使用タイプ:いわ。確認されている使用ポケモン:イシツブテ、イワーク。挑戦者には、タイプ相性を考慮した戦術が推奨される』

 

「(まあ、これは知っての通りだな)」

 

転生知識と変わりない。重要なのは、ここからだ。俺はポリゴンとリンクさせ、さらに詳細なデータを引き出す。過去の挑戦者たちのバトルログ、タケシのポケモンの個体データ、そして勝利したトレーナーの戦術パターン。シルフカンパニーのネットワークは、こんな情報まで収集しているのかと少し恐ろしくなるが、使えるものは使わせてもらう。

 

『警告:イワークの物理防御力は、同レベル帯のポケモンの中でもトップクラス。物理攻撃主体の戦術は非効率。一方、特殊攻撃に対する耐久力には脆弱性が見られる』

 

「やっぱりな。鍵は特殊攻撃か」

 

フシギダネの「はっぱカッター」や「タネマシンガン」は物理攻撃に分類されることが多いが、原作ゲームの知識を応用すれば、エネルギー弾として放つことで特殊攻撃として扱えるかもしれない。それに、ポリゴンの「サイケこうせん」は、まさにうってつけだ。

 

戦略を練っていると、ふと、街の観光案内に目が留まった。「ニビ科学博物館」の文字が、俺の興味を引いた。

 

「(そういえば、あったな。化石の展示が有名な博物館だ)」

 

ジム戦の前に、テスターとしての仕事を片付けておこう。俺は元気になったフシギダネとポリゴンを受け取ると、足早に博物館へと向かった。

 

巨大なプテラの骨格標本が入り口で出迎えてくれる博物館は、多くの観光客で賑わっていた。子供たちがカブトやオムナイトの化石に目を輝かせている。俺もまた、その一人だった。

 

「すごいな……本物の化石か」

 

俺はグラス型デバイスを起動し、展示されている化石のデータを次々とスキャンしていく。

 

『カブトの化石。約1億年前に生息していたとされるポケモンの化石。甲羅の成分を分析中……現代の甲殻類型ポケモンとの遺伝的関連性を検出』

『月の石。特定のポケモンを進化させる不思議な石。未知の宇宙線エネルギーを内包している可能性。詳細分析には専用の機材が必要』

 

古代のロマンと最新技術の融合。これこそ、俺がこの世界でやりたかったことの一つだ。テスターとしての任務を忘れ、俺は純粋な好奇心に突き動かされるように、夢中でデータを収集していた。

 

特に興味を引かれたのは、一枚の古い石板だった。そこには、古代文字と共に、巨大な蛇のようなポケモンと、それと戦う人々の様子が描かれている。

 

『古代の石板。解析不能な言語で記述。描かれているポケモンは、イワークの古代種、あるいはそれに近しい存在の可能性。地殻エネルギーとの関連性を示唆する記述を一部解読』

 

「イワークの古代種……?」

 

ただの岩タイプのポケモンだと思っていたが、そのルーツはもっと奥深いものなのかもしれない。この情報は、明日のジム戦で何か役に立つかもしれない。

 

俺は満足感と共に博物館を後にした。空はすっかり夕焼けに染まっている。

 

「さて、明日はジム戦だ」

 

俺はポケモンセンターに戻る道すがら、ニビジムの巨大な岩のような建物を遠目に眺めた。

 

「準備は万端だ。なあ、フシギダネ、ポリゴン」

 

「ダネ!」

 

『肯定』

 

二匹の頼もしい返事に、俺は不敵な笑みを浮かべた。初めてのジム戦。どんな戦いになるのか、今から楽しみで仕方がなかった。

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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