アニポケ転生者物語 作:投稿者
セキチクシティの街外れ。鬱蒼とした竹林の奥に、そのジムはあった。
古い武家屋敷のような佇まい。だが、一歩足を踏み入れれば、そこが「死」と隣り合わせの罠に満ちた場所であることが分かる。
「(見えない壁、落とし穴、そして毒の霧……。アニメで見た通りだが、実際に歩くと神経が削られるな)」
俺はグラス型デバイスのソナー機能を最大にし、単独でジムの中を進んでいた。ポリゴンが常に周囲の空間歪曲(隠し扉など)を検知し、俺に警告を送る。
「そこか。ゴースト、『ナイトヘッド』!」
壁の隙間に潜んでいた忍者の門下生を、ゴーストの幻覚で退ける。ようやくたどり着いた最奥の広間。そこには、紫色の装束を纏った男が、天井の梁から静かに降りてきた。
「よくぞここまでたどり着いた。拙者はセキチクジムリーダー、キョウ。貴殿の戦いぶり、影から拝見させてもらったぞ」
「シルフのテスター、ミナトです。ピンクバッジ、いただきに来ました」
「フム……。シルフの最新鋭機と、鍛え上げられたポケモンたち。面白い。だが、忍の戦術は一筋縄ではいかぬぞ!」
バトルの火蓋が切られた。ルールは3対3のシングルバトル。
「ゆけ、コンパン!」
キョウが最初に繰り出したのは、大きな赤い目を持つ虫ポケモン、コンパンだった。
「こっちはお前だ、ドードリオ!」
進化したドードリオが、三つの頭を別々に動かしながら現れる。
「コンパン、『どくのこな』!」
「ドードリオ、三つの頭で別々に息を吸え!肺活量で粉を吹き飛ばせ!」
ドードリオの驚異的な肺活量により、毒の粉は逆にコンパンの方へ押し戻された。
「今だ、『ドリルくちばし』!」
三つの嘴が、螺旋状に回転しながらコンパンを貫く。相性の差もあり、コンパンは一撃で沈んだ。
「ほう……スピードとパワー、申し分なし。だが、次はどうかな?ゆけ、ゴルバット!」
キョウの繰り出すゴルバット。その超音波攻撃に対し、俺はサイドンを投入した。
「サイドン、その巨体で受け止めろ!『いわなだれ』!」
サイドンが地面を叩き、無数の岩石を宙に浮かせる。ゴルバットの回避行動を、ドリルによる岩の破砕で封じ、最後は『つのドリル』で勝利を収めた。
「サイドン、よくやった。戻れ」
俺はサイドンをボールに戻し、最後の相棒を呼び出す準備をする。キョウもまた、静かな闘志を瞳に宿し、最後のボールを構えた。
「……拙者の負け惜しみではないが、貴殿の強さはもはやジムリーダーの枠を超えている。よかろう、拙者の真の相棒を見せようぞ!」
キョウが最後に繰り出したのは、巨大な紫色の繭から孵ったばかりのような、禍々しくも美しい蛾――モルフォンだった。
「モルフォン、隠密の術!『かげぶんしん』からの『どくどく』!」
モルフォンが無数に増殖し、広間全体に致死性の猛毒を撒き散らす。ゴーストでも捉えきれない、本物の「忍」の動きだ。
「(この動き……サカキのペルシアンに近い。だが……!)」
「今の俺たちなら、見える!頼むぞ、フシギバナ!」
大地を揺るがし、フシギバナが登場する。最後の一匹。最終進化したその圧倒的な質量。
「無駄だ!フシギバナの大きさでは、モルフォンの速さは捉えられん!」
「大きさは、弱点じゃない。支配域の広さだ。フシギバナ、フィールド全体に『あまいかおり』を放て!」
背中の大輪の花から、濃厚な香りが広がる。その粒子一つ一つが、ポリゴンのセンサーと連動し、モルフォンの「本体」が空気を切り裂く微細な振動を捉えた。
「そこだ。全エネルギーを花に集めろ!」
フシギバナの背中の花が、眩い太陽の光を吸収し、凝縮していく。
「『ソーラービーム』!!」
回避不能の極太の熱線が、広間を一閃した。分身ごとモルフォンを飲み込み、ジムの壁を突き破るほどの威力。光が収まった時、モルフォンはキョウの足元で目を回していた。
「……見事。まさに、大樹のごとき揺るぎなき強さ。ピンクバッジ、貴殿に授けよう」
キョウから手渡された、ピンク色のハート型のバッジ。四つ目の、確かな証だ。
「ありがとうございます。最高の修行になりました」
「ミナト殿、貴殿の瞳には、まだ迷いがある。だが、今日の戦いでその一部は晴れたはず。……道は険しいが、精進いたせ」
キョウの言葉を胸に、俺はジムを後にした。
外には、セキチクシティの月が昇っていた。
進化した相棒たち、そして手に入れたバッジ。
俺は、この世界の「現実」の中で、着実に強くなっている。
次なる目的地は、シルフの本社があるヤマブキシティ。
そこでは、ロケット団の真の恐怖が俺を待っているはずだ。
だが、今の俺には、隣にフシギバナがいる。
俺たちは、もう二度と、膝をつきはしない。
チラシ裏から表にでるべきか
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チラシ裏でいい
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表にでてもいい
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まだ表にでるのは早い