アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第38話

非常階段を駆け上がり、俺は3階のオフィスフロアへと飛び出した。そこには、信じられない光景が広がっていた。

 

普段は活気あるオフィスが、不気味なほどの静寂に包まれている。デスクは荒らされ、書類が散乱し、そして……数人の社員たちが、粘着質のネットで拘束され、床に転がされていた。

 

「ひどい……!」

 

俺が駆け寄ろうとした瞬間、物陰から黒い影が飛び出してきた。

 

「動くな!シルフのネズミめ!」

 

ロケット団員だ。胸には「R」の文字。手には、電気ショック警棒のような武器を持っている。

 

「見つかったか。なら、手加減はしない!」

 

俺はフシギバナを繰り出した。

 

「フシギバナ、『つるのムチ』!」

 

フシギバナの太いツルが、団員の武器を弾き飛ばし、その体を壁に叩きつける。

 

「ぐわあっ!」

 

「確保完了。ポリゴン2、社員さんたちの拘束を解いてくれ!」

 

『了解。電子カッター、起動』

 

ポリゴン2が腕の一部を変形させ、ネットを切断する。解放された社員たちは、恐怖に震えながらも、俺に感謝の言葉を述べた。

 

「君は……ミナト君か!助かったよ……」

「状況を教えてください。奴らは何人いるんですか?」

 

「分からない……。突然、通気口や搬入口から現れて……あっという間に制圧されてしまったんだ。奴らは、社長室のある11階を目指して上がっていった」

 

「やはり、狙いは社長……そして、マスターボールか」

 

俺は社員たちを非常階段へ誘導し、再び上を目指そうとした。だが、エレベーターは停止し、階段の入り口も電子ロックで封鎖されていた。

 

「(完全に、上に行かせないつもりか)」

 

「ポリゴン2、ロックを解除できるか?」

『可能ですが、時間がかかります。敵のハッカーが、常にプロテクトを書き換えています』

 

「ちっ、いたちごっこか」

 

その時、窓の外、はるか下方の通りで、爆発音が響いた。

 

「なんだ!?」

 

窓から覗き込むと、ヤマブキシティの街中で、何やら騒ぎが起きているのが見えた。

 

同時刻、ヤマブキジム。

 

「ピカチュウ、立て!立つんだ!」

 

サトシの悲痛な叫びが響く。だが、ピカチュウは目を回し、動くことができない。その前には、無表情な少女――ナツメと、彼女が操るケーシィが浮かんでいた。

 

「……弱い。話にならないわ」

 

ナツメの冷徹な言葉が、サトシの心をえぐる。物理的な攻撃も、電気の技も、すべて超能力で弾き返され、手も足も出なかった。

 

「僕と遊んでよ……」

 

ナツメが抱く不気味な人形が、サトシたちに手を伸ばす。空間が歪み、サトシたちは小さくされて、ドールハウスの中に閉じ込められようとしていた。

 

「うわあああ!助けてくれー!」

 

街ではロケット団が暗躍し、ジムではナツメの恐怖がサトシたちを襲う。

黄金の都は今、二つの絶望に挟まれていた。

 

「(急がなきゃ……!)」

 

俺は、フシギバナを戻し、今度はストライクを繰り出した。

 

「ストライク、あの通気ダクトの蓋を切り裂け!道がないなら、作るまでだ!」

 

「シャッ!」

 

ストライクの鎌が閃き、鋼鉄の蓋が切断される。俺は、狭いダクトの中へと、身を躍らせた。

 

「待ってろ、サカキ。今行くぞ!」

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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