アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第47話

激闘を終え、俺はヤマブキシティの大通りを歩いていた。

数日前にはロケット団によって封鎖され、恐怖に包まれていたこの街も、今ではすっかり活気を取り戻している。壊されたビルの修復工事も急ピッチで進み、行き交う人々の顔には笑顔が戻っていた。

 

「(平和になったな……)」

 

街角の大型ビジョンでは、シルフカンパニーの社長が会見を行っている。「我が社は、より安全で、人とポケモンに寄り添う技術開発を進めてまいります」という力強い言葉。その横には、開発中のポリゴン2の姿も映し出されていた。あの事件は、シルフにとっても、そしてこの世界にとっても、新たな時代の幕開けになったのかもしれない。

 

俺は、懐のバッジケースに触れた。六つ目の輝き、ゴールドバッジ。

ナツメとの戦いは、ただのジム戦ではなかった。それは、力と心、科学と超能力、異なる信念がぶつかり合い、そして認め合った証明だ。

 

「ミナト!」

 

街の出口である南ゲートに近づいた時、聞き慣れた元気な声が響いた。

振り返ると、そこにはサトシ、カスミ、タケシの三人が、夕日を背に立っていた。どうやら、俺を見送りに来てくれたらしい。

 

「よう、みんな。わざわざ見送りか?」

「当たり前だろ!俺たち、ライバルであり、戦友だもんな!」

 

サトシがニカっと笑う。その笑顔は、いつ見ても周りを明るくする力がある。

 

「勝ったんだろ?ゴールドバッジ」

「ああ、おかげさまでな」

 

俺はケースを開き、六つのバッジを見せた。夕日に照らされ、それぞれのバッジが誇らしげに輝く。

 

「へへっ、さすがだな!俺も負けてらんないぜ!」

サトシが自分のバッジケースを取り出す。そこには、俺と同じく六つのバッジが並んでいた。

 

「おめでとう、ミナト。あんたならやると思ってたわ。あのナツメがあんなに晴れやかな顔をしてたんだもの」

カスミが、どこか姉のような優しい口調で言う。

「ああ、素晴らしいバトルだったに違いない。シルフでの一件といい、君の成長には驚かされるばかりだ」

タケシも、頼もしく頷いてくれた。

 

三人の祝福が、心地よい。この世界に来て、本当によかったと思える瞬間だ。

 

「ありがとう。……でも、俺一人の力じゃない。お前たちがナツメの心を救ってくれたからこそ、俺も最高の状態でバトルができたんだ。それに、シルフでの戦いも……みんながそれぞれの場所で戦っていたからこそ、守り抜くことができた」

 

「礼を言うのはこっちだぜ。ミナトが命がけでロケット団を止めてくれたから、俺たちはこうして旅を続けられるんだ。……ありがとな、ミナト」

 

サトシが真剣な眼差しで手を差し出してくる。俺は、その手を力強く握り返した。

 

「次はどこへ行くんだ?」

「南のグレンタウンを目指すつもりだ。そこには、炎使いのカツラがいるらしい。海を越えて、火山島へ向かうんだ」

 

「グレンタウンか!俺たちも、次はそこを目指すぜ!」

「奇遇ね。まあ、カントーのジムを巡るなら、ルートは限られてくるものだけど」

「火山島か……。炎タイプのポケモンたちとの出会いが楽しみだな」

 

それぞれの目的は違っても、目指す場所は同じ。

俺たちは、互いの健闘を称え合い、拳を合わせた。

 

「じゃあ、また現地で会おう」

「おう!負けないからな!」

「気をつけてね、ミナト!」

 

手を振る三人の姿が、夕闇の中に小さくなっていく。

俺は、ヤマブキシティを背に、南へと続く長い一本道を見据えた。

 

その先には、広大な海が、そして火山島が待っている。

さらにその先には……トキワシティ。サカキとの因縁の地。

 

「(サカキ……)」

 

シルフカンパニーでの再戦。俺は勝った。だが、奴は言った。「計画は次の段階へ移行する」と。

奴の野望は、まだ終わっていない。ミュウツーという、底知れない脅威の影が、俺の脳裏をよぎる。

 

不安がないと言えば嘘になる。

だが、今の俺には、頼れる仲間たちがいる。

 

俺はベルトに手を当て、六つのモンスターボールの感触を確かめた。

 

大樹のように揺るぎないエース、フシギバナ。

未知の可能性を秘めた頭脳、ポリゴン2。

空を制する気高き龍、ハクリュー。

影から支える最強のトリックスター、ゲンガー。

炎の魂を持つ勇敢な戦士、ガーディ。

そして、シルフから託された新たな命、ラプラス。

 

ボックスで待機している仲間たちも含め、俺たちのチームは確実に強くなっている。

「物語」の知識だけじゃない。「現実」の厳しさを知り、それを乗り越えてきた強さが、今の俺たちにはある。

 

「行くぞ、みんな」

 

俺の呼びかけに、ボールの中のポケモンたちが、それぞれの方法で応える気配がした。

フシギバナの重厚な鼓動。ゲンガーの忍び笑い。ラプラスの澄んだ鳴き声。

 

俺たちの旅は、まだまだ続く。

終わりのない、しかし、希望に満ちた「現実」の旅が。

 

俺は、力強く一歩を踏み出した。

その背中を、カントーの赤い夕日が、どこまでも鮮やかに染め上げていた。

 

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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