アニポケ転生者物語   作:投稿者

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【閑話】黄金の都の影と光、そして新たなる旅路

田舎者たちの都会デビュー

ヤマブキシティに到着した直後のことだ。

俺は、サファリゾーンで仲間に加わったポケモンたちを、人目のつかない公園で少しだけ外に出してやることにした。ずっとボールの中では窮屈だろうからな。

 

「みんな、ここが大都会ヤマブキシティだぞ」

 

ボールから飛び出したケンタロスは、周りを取り囲む高層ビル群を見て、目を白黒させている。

モ……モォ?(山……高い……?)

どうやらビルを山だと思っているらしい。

 

ドードリオは、三つの頭で別々の方向にあるネオンサインを眺め、首が絡まりそうになっている。

ド、ドリオ……(キラキラ……目が回る……)

 

ニドクインは、アスファルトの硬い地面の感触を確かめるように、慎重に足踏みをしている。サファリの土とは勝手が違うようだ。

 

「はは、みんな田舎者だなあ。まあ、俺も最初はそうだったけどな」

 

そんな中、ストライクだけは冷静に、ビルの屋上にある避雷針を見つめていた。

シャッ……(あれは……強いのか?)

彼にとっては、人工物さえも斬るべき対象に見えるのかもしれない。

 

俺は苦笑しながら、都会の空気に戸惑う彼らの背中を撫でてやった。

「これから、もっとすごい景色を見せてやるよ。ついてこい」

 


シルフ攻防戦、舞台裏の結束

シルフカンパニー本社ビル、5階の研究室。

俺がポリゴン2と共にセキュリティロックを解除している間、他のポケモンたちは周囲の警戒に当たっていた。

 

ガー……(こっちは異常なし)

ガーディが鼻を利かせ、空気中の微かな異臭(毒ガスなど)がないか確認している。

 

フシギバナは、入り口の前にどっしりと構え、その巨体でバリケードの役割を果たしていた。

バナッ(俺が守る)

その背中からは、周囲の仲間の緊張を和らげるような、甘い香りが漂っている。

 

ハクリューは、天井付近を浮遊し、上からの奇襲に備えていた。

キュイッ(上も大丈夫よ)

 

そして、サイドンとニドクインは、互いに背中合わせになり、いつ敵が来てもいいように筋肉を隆起させていた。

 

言葉は通じなくても、彼らの間には確かな信頼関係があった。

(ミナト)を守る」。

その一つの目的のために、出自もタイプも違う彼らが、一つのチームとして機能していたのだ。

 


ゲンガーの真夜中のテスト

「つながりのひも」の実験でゲンガーに進化した日の夜。

俺は、興奮して眠れないゲンガーに付き合って、夜の公園に来ていた。

 

ゲッゲッゲ!(すげぇ!軽い!)

 

ゲンガーは、まるで重力がないかのように空中を飛び回り、地面に潜り、そして木の影から飛び出してくる。ゴーストの頃よりもさらに自由自在に、順調に、そして力強く動けるようになっていた。

 

「おいおい、あんまりまわりを驚かせるなよ」

 

俺が注意すると、ゲンガーはニヤリと笑い、公園の街灯の影に溶け込んだ。次の瞬間、俺の足元の影がぐにゃりと歪み、そこからゲンガーの顔がニューッと現れた。

 

ゲンガー!(ここだ!)

「うわっ!」

 

俺は驚いて飛び退いた。ゲンガーは腹を抱えて笑っている。

 

「まったく、進化してもイタズラ好きは変わらないな……」

 

俺は呆れつつも、その進化を嬉しく思った。

「でも、その力、ジム戦で頼りにしてるぞ」

ゲンッ!(任せとけ!)

 

ゲンガーは、夜空に向かって拳を突き上げた。その影は、月明かりの下で大きく、頼もしく伸びていた。

 


シルフの決着、残された謎

ヤマブキジム戦を終えた俺は、シルフカンパニーの屋上で風に当たっていた。眼下には、復興が進むヤマブキシティの夜景が広がっている。

 

「(サカキ……)」

 

あの男との再戦。俺は勝った。だが、それはポリゴン2のハッキングと、仲間たちの総力戦によるギリギリの勝利だった。トレーナーとしての純粋な実力で、あいつを超えられたのかと問われれば、まだ自信を持って「イエス」とは言えない。

 

それに、あの言葉。「計画は次の段階へ移行する」。

古代ポケモンのデータは奪取したが、奴らの野望のすべてを阻止できたわけではない。

 

「ミュウツー……」

 

俺は、懐のデータチップを握りしめた。

オレンジ諸島、そしてミュウツー計画。

俺の旅は、カントー地方を巡るだけのものから、もっと大きな、世界の命運をかけた戦いへとシフトしていた。

 

ピポッ(マスター、気温が低下しています)

ポリゴン2が、心配そうに俺の顔を覗き込む。

 

「ああ、分かってる。戻ろうか」

 

俺は立ち上がり、夜景に背を向けた。

 


託された命、ラプラス

翌日、俺がシルフ本社を去ろうとすると、一人の研究員が俺を呼び止めた。

その隣には、あの時救出したラプラスが、静かに佇んでいた。

 

「ミナト君。このラプラス、君が去ろうとするのをずっと寂しそうに見ていてね……」

 

ラプラスは俺の姿を認めると、嬉しいそうに「キュー」と鳴き、その長い首を俺の胸元に寄せてきた。

 

「シルフの設備も今はボロボロだ。この子を十分に守ってやれる自信がない。それに……何より、この子は君を認めているようだ」

 

研究員は、俺に一つのモンスターボールを手渡した。

 

「君のような強いトレーナーに託したほうが、この子にとっても幸せだろう。どうか、連れて行ってやってくれないか?」

 

俺はラプラスの澄んだ瞳を見つめた。そこには、俺を信頼し、共に歩みたいという強い意志があった。

 

「分かった。責任を持って預かるよ」

 

俺がボールを差し出すと、ラプラスは自分からそのボタンに触れた。

新たな仲間、ラプラス。

これから海を越える旅において、これほど心強い相棒はいない。

 

「よろしくな、ラプラス」

 

ボールの重みを感じながら、俺は改めて感謝を告げた。

 


それぞれの旅路

サトシたちとの別れの日。

俺たちは、ヤマブキシティのゲートに集まっていた。

 

手元には、6つのジムバッジが収められたケース。

グレー、ブルー、オレンジ、レインボー、ピンク……そして昨夜手に入れたゴールドバッジ。

 

一つ一つのバッジを手に入れるたびに、俺は強くなってきた。

だが、その「強さ」の意味は、マサラタウンを出たあの頃とはまるで違う。

 

「ミナト、次はグレンタウンだよな?」

「ああ。海を越えて、火山島へ向かう。ラプラスも仲間になったし、なみのりで行くつもりだ」

「へへっ、俺たちも負けないぜ!カツラってジムリーダー、熱いバトルをするらしいからな!」

 

サトシは、相棒と共にやる気満々だ。

 

「あんた、ロケット団のこと、深入りしすぎないでよ。心配なんだから」

カスミが、少し真剣な顔で言った。

「分かってる。無理はしないさ」

「ミナトなら大丈夫だとは思うが、何かあったら連絡してくれ。俺たちも、できることはする」

タケシが、頼もしく頷く。

 

「ありがとう、みんな」

 

俺たちは、拳を合わせ、それぞれの道へと歩き出した。

彼らは彼らの物語を、俺は俺の現実を、歩んでいく。

 

俺は、オーキド博士に、六つ目のバッジ獲得と、仲間たちの元気な姿を報告した後、ヤマブキシティのゲートをくぐった。

 

ゲートをくぐると、そこには海へと続く長い道が伸びていた。

潮の香りが、風に乗って運ばれたくる。

 

「行くぞ、みんな」

 

俺は、ベルトのボールを撫でた。

フシギバナ、ポリゴン2、ハクリュー、ゲンガー、ガーディ、そしてラプラス。

俺たちのチームは、今、最高の状態だ。

 

「次はグレンタウン。熱いバトルが、待ってるぜ」

 

俺は、眩しい日差しに向かって、力強く走り出した。

その背中には、確かな自信と、未来への希望が宿っていた。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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