アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第49話

セキチクシティの砂浜に、潮騒の音が響く。

進化したウインディの背に乗り、俺はタマムシシティ、そしてセキチクシティを一気に駆け抜けた。その圧倒的な走破性は、移動時間を数日から数時間へと短縮させていた。

 

「ここからは、お前の出番だ。ラプラス」

 

俺は、シルフ本社で保護し、正式に仲間となったラプラスをボールから出した。

「キュー……」

ラプラスは、久しぶりの海に嬉しそうに鳴き、波打ち際で体を揺らした。

 

「よし、行こう。グレンタウンへ」

 

俺はラプラスの背中に乗り、手綱を握る。フシギバナやウインディ、サイドンたちはボールに戻したが、ハクリューとポリゴン2は、空とデバイスの中で同行してもらう。

 

「出発だ!」

 

ラプラスが力強く海を漕ぎ出す。

クチバシティやセキチクシティの陸地が次第に遠ざかり、周囲はどこまでも続く青い海と空に包まれた。

 

「(潮風が気持ちいいな……。これが、本当の冒険ってやつか)」

 

俺は、これまでの旅を思い返していた。マサラタウンを出た時は、ただポケモンを見たい、この世界を楽しみたいという、文字通りの「エンジョイ勢」だった。

だが、今の俺の手元には、六つのバッジと、共に死線を越えてきた相棒たちがいる。

 

「ハクリュー、気分はどうだ?」

キュイッ(最高よ!)

ハクリューは、ラプラスの進む先を優雅に泳ぎ、時折水面を跳ねて俺を喜ばせる。

 

順調な航海が続いていたが、午後の半ば、空模様が急変した。

「ポリゴン2、気象データをスキャン。この雲はなんだ?」

『警告。急速な気圧の低下を検知。局地的な嵐が発生します。推定到達時間、300秒以内』

 

「ちっ、海上での嵐か。ラプラス、踏ん張れるか!」

「キュ、キュー!」

 

ラプラスは、荒れ始めた波を巧みに乗りこなし、バランスを保とうとする。だが、波は次第に高くなり、巨大な水の壁となって俺たちに襲いかかる。

 

キュオオオォォ!!(私が、道を切り開くわ!)

 

ハクリューが空高く舞い上がった。その瞳が白く輝き、周囲の空気が激しく振動する。

『ハクリュー、『りゅうのまい』および『あまごい』を使用。気流を操作し、嵐のエネルギーを逸らそうとしています』

 

「いいぞ、ハクリュー!ラプラス、その隙間に潜り込め!」

 

荒れ狂う海の上で、二匹の相棒が完璧な連携を見せる。

ハクリューが天候を操って波の勢いを殺し、その僅かな凪をラプラスが正確に突いて進む。

 

数十分の死闘の末、俺たちはついに嵐の圏内を脱した。

雲の切れ間から、黄金色の夕日が差し込む。

 

「助かったよ、二人とも。最高のチームワークだ」

 

俺は、波に洗われて冷たくなったラプラスの首筋を撫で、空から降りてきたハクリューを労った。

 

ふと、水平線の彼方に、黒い影が見えた。

火山。そして、その麓に広がる街の灯り。

 

「あれが、グレンタウンか……」

 

そこは、俺にとってただの観光地ではない。

ミュウツー計画の原点。

ロケット団の、そしてシルフの、過去の罪が眠る場所だ。

 

「(サカキ……。お前が隠しているすべてを、あそこで暴いてやる)」

 

俺は、決意を新たに手綱を握り直した。

ラプラスは、赤い夕日に染まる海面を、滑るように目的地へと進んでいくのだった。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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