アニポケ転生者物語 作:投稿者
神速の競争
ストーンタウンでガーディがウインディに進化した翌日のことだ。
俺たちは、セキチクシティへと向かう平原で休憩をとっていた。
「
進化したばかりのウインディは、その巨体を持て余すかのように、興奮気味に地面を掻いている。その様子を見て、三つの頭を持つ韋駄天――ドードリオが反応した。
「
ドードリオの挑発に、ウインディが鼻を鳴らす。
こうして、突然のスピード勝負が始まった。
「よーい、ドン!」
俺の合図と共に、二匹が弾かれたように飛び出す。
ウインディは、炎を纏ったような爆発的な加速で一気にトップスピードへ。対するドードリオは、三つの頭で空気抵抗を計算し、無駄のないフォームで大地を蹴る。
「(すげえ……二人とも、目で追えない)」
結果は、ウインディの僅差の勝利。神速の名の通り、瞬間的な爆発力はウインディに分があったようだ。
だが、持久力ではドードリオに軍配が上がるだろう。二匹は互いの健闘を称え合い、その様子を見ていたサイドンやニドクインも、大いに盛り上がっていた。
海上の日常
ラプラスの背中に乗り、グレンタウンを目指す海路でのこと。
俺の主力メンバー以外のポケモンたちも、交代で甲板(ラプラスの背中)に出て、海の空気を楽しんでいた。
「
ニドクインは、初めて見る海に感動している様子だ。その隣で、サイドンは恐る恐る海面を覗き込んでいる。
「
岩・地面タイプのサイドンにとって、海は恐怖の対象でもあるらしい。
そんなサイドンに、ヤドンが「やぁん?」と呑気に尻尾で水をかけてしまい、サイドンが大慌てで逃げ回るという一幕もあった。
一方、空ではストライクが修行に励んでいた。
野生のカモネギが持っていたネギを、空中で両断する訓練だ。
「シャッ!」
音もなく鎌が閃き、カモネギが落としたネギが見事に二等分される。
ストライクは満足げに頷き、カモネギに新しいネギ(どこから調達したのか)を渡して礼を言っていた。
それぞれが、それぞれの方法で、旅を楽しんでいる。
そんな光景を見ていると、これから待ち受ける激戦のことも、一瞬だけ忘れることができた。
癒やしのヤドン
グレンタウンに到着し、ポケモン屋敷で衝撃的な日記を見つけた夜。
俺たちは、重苦しい空気に包まれていた。
ミュウツー。サカキ。そして、シルフの関与。
知れば知るほど、事態の深刻さに押しつぶされそうになる。
そんな時だった。
「やぁん……」
ヤドンが、俺の膝の上にのそりと乗ってきた。その重みと、間の抜けた鳴き声に、俺は思わず力が抜けた。
「お前は、本当にマイペースだなあ」
ヤドンは、俺の顔をじっと見つめると、口からポロリと何かを落とした。それは、どこかで拾ってきた綺麗な貝殻だった。
「
テレパシーではないが、不思議とヤドンの気持ちが伝わってくる。
「……ありがとうな」
ヤドンの無垢な優しさに、張り詰めていた糸が少しだけ緩んだ。
そうだ。俺には、こいつらがいる。
どんなに強大な敵が相手でも、一人じゃない。
灼熱のあとさき
カツラとのジム戦を終え、俺はウインディのケアをしていた。
激しい『フレアドライブ』の反動で、体にはいくつもの火傷の跡がある。
「よく頑張ったな、ウインディ。お前のおかげで勝てたよ」
「
ウインディは、俺の手を舐めて答える。その舌の熱さが、彼の忠誠心の証だ。
フシギバナやハクリュー、ゲンガーたちも集まってくる。
彼らは、ウインディの勝利を自分のことのように喜んでいた。
「みんな、聞いてくれ」
俺は、クリムゾンバッジを握りしめ、仲間たちに語りかけた。
「次は、最後のジムだ。トキワシティ。そこには、俺たちが倒すべき最大の敵、サカキがいる」
ポケモンたちの表情が引き締まる。彼らも覚えているのだ。あの圧倒的な敗北を。
「俺たちは強くなった。進化し、新しい技を覚え、絆を深めた。だが、相手はそれ以上の化け物だ。油断はできない」
俺は、一人一人の目を見つめた。
「ここからは、総力戦になる。メインメンバーだけじゃない。サイドン、ニドクイン、ドードリオ、ストライク……全員の力が必要だ」
「
「
「
「
サブメンバーたちも、闘志を燃やして応えてくれる。
頼もしい限りだ。
それぞれの特訓
トキワシティへの出発まで、俺たちはグレンタウン近郊で最後の追い込み合宿を行った。
サイドンは、岩山に向かって『つのドリル』の回転速度を上げる訓練を繰り返した。一撃必殺の精度を高めるためだ。
ニドクインは、その怪力を活かした『ばかぢから』と、広範囲攻撃の『だいちのちから』の切り替えをスムーズにする連携訓練。
ドードリオは、三つの頭が独立して状況判断し、死角のない全方位攻撃を行う『トライアタック』の精度向上。
ストライクは、『つるぎのまい』で攻撃力を極限まで高め、一瞬で敵の懐に入り込む『でんこうせっか』とのコンビネーションを磨いた。
そして、ヤドン。
彼は一見、ただ寝ているように見えるが、ポリゴン2の解析によれば、常に周囲のサイコエネルギーを吸収し、体内で増幅させているらしい。
「(いざという時の、とんでもない爆発力に期待だな)」
主力メンバーたちも負けてはいない。
フシギバナは『ハードプラント』の硬度強化。
ハクリューは『りゅうのまい』からの『げきりん』制御訓練。
ゲンガーは影の移動速度と、『さいみんじゅつ』の命中率向上。
ポリゴン2は、サカキの持つデータの更なる解析と、戦闘時のサポートプログラムの最適化。
全員が、自分の役割を理解し、限界を超えようとしていた。
「(これなら、行ける)」
俺は、確信めいた手応えを感じていた。
あの日の敗北は、無駄ではなかった。
あの悔しさがあったからこそ、俺たちはここまで強くなれたのだ。
決意の夜明け
出発の朝。
グレンタウンの港で、俺は海を見つめていた。
この海の向こうに、マサラタウンがある。そして、そのすぐそばに、トキワシティがある。
旅の始まりの地へ戻る。
それは、物語の終わりを意味するのかもしれない。
だが、俺たちの旅は、これで終わりではない。
「サカキを倒し、ミュウツー計画を止める。それが終わったら……」
俺は、隣に立つラプラスの首を撫でた。
「また、みんなで旅に出よう。今度は、何のしがらみもない、本当の意味での冒険に」
「
ラプラスが優しく鳴く。
「よし、行くぞ!」
俺はラプラスの背に乗り、仲間たちをボールに戻した。
目指すはトキワシティ。
最後のジムバッジ、そして、最大の決戦の地へ。
朝日が昇る。
海面が黄金色に輝き、俺たちの行く手を照らし出す。
迷いはない。
俺と、最高の相棒たちなら、必ず勝てる。
「全速前進!トキワシティへ!」
ラプラスが波を蹴り、力強く進み出す。
俺たちの長い旅の、最終章が幕を開けた。
チラシ裏から表にでるべきか
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チラシ裏でいい
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表にでてもいい
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まだ表にでるのは早い