アニポケ転生者物語   作:投稿者

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トキワシティ編
第53話


グレンタウンでの熱いバトルを終え、俺はラプラスに乗り、再びマサラタウンの港へと降り立った。懐かしい潮の香り。始まりの町。だが、今の俺には感慨に浸っている時間はない。目指すは、最後のジムがあるトキワシティだ。

 

「ここから先は、陸路だ。頼むぞ、ウインディ」

 

俺はウインディの背に跨り、トキワシティへの道を急いだ。

 

トキワシティに到着すると、街は何やら騒然としていた。ポケモンセンターの前で、見慣れたオープンカーが停まっている。シゲルだ。だが、いつも取り巻きの女の子たちを引き連れている彼が、今日は一人で、車のボンネットに腰掛け、深く項垂れていた。

 

「シゲル?」

 

俺が声をかけると、シゲルはゆっくりと顔を上げた。その瞳には、いつもの自信に満ちた輝きはなく、深い絶望の色が宿っていた。

 

「……ミナトか」

「どうしたんだ?そんな顔して」

 

シゲルは、力なく笑った。

「負けたよ。完敗だ。手も足も出なかった」

 

「トキワジムか?」

 

「ああ。……あいつは、化け物だ。俺のポケモンたちが、指一本触れられずに倒された。あれは、ポケモンじゃない……鎧を着た、悪魔だ」

 

シゲルの言葉に、俺の背筋が凍る。

鎧を着た悪魔。ミュウツーだ。サカキは、ついにミュウツーを実戦に投入したのか。

 

「お前も、挑むのか?」

「そのつもりだ」

 

「やめておけ。勝てる相手じゃない。あれは、トレーナーがどうにかできる次元を超えている」

 

シゲルは本気で俺を心配してくれているようだった。だが、俺は首を横に振った。

 

「俺は、行かなきゃならないんだ。あいつを止めるために」

 

俺の決意のこもった言葉に、シゲルはハッとしたように俺を見た。そして、ふっと息を吐いた。

 

「……そうか。お前も、変わったな」

 

その時、ポケモンセンターからサトシとタケシ、カスミが出てきた。サトシの手には、緑色に輝くバッジが握られている。

 

「やったぜ!最後のバッジ、ゲットだぜ!」

「ミナト!お前も来てたのか!」

 

サトシは無邪気に喜んでいる。どうやら、彼はサカキではなく、ムサシとコジロウが代理を務めたジム戦に勝利したらしい。

 

「サトシ、おめでとう。お前は先に行っててくれ」

「え?ミナトは挑戦しないのか?」

「俺は……もう少し、準備が必要だからな」

 

俺は、サトシに余計な心配をかけたくなかった。これは、俺とサカキの因縁だ。

 

「そっか。じゃあ、マサラタウンで待ってるぜ!」

 

サトシたちは、次の目的地へと旅立っていった。その背中を見送り、俺はシゲルに向き直った。

 

「シゲル、忠告ありがとう。でも、俺は行くよ」

 

「……好きにしろ。だが、死ぬなよ」

 

シゲルはそう言い残し、車を発進させた。

 

俺は一人、トキワジムの前に立った。

重厚な扉。その向こうに、最強の敵が待っている。

 

「行くぞ、みんな」

 

俺は、腰のボールを確かめ、静かに扉を押し開けた。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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