アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第59話

「サイドン、『ロックブラスト』!」

 

サイドンが岩石を連続で発射する。その一発一発が、大砲のような威力だ。

 

「フシギバナ、『つるのムチ』で撃ち落とせ!」

 

フシギバナがツルを振るい、岩石を粉砕する。だが、その衝撃でフシギバナの手が痺れているのが分かった。

 

「(硬い……!岩石一つとっても、密度が違う)」

 

「甘いな。『メガホーン』!」

 

サイドンが猛烈な勢いで突進してくる。虫タイプの最強技。草タイプのフシギバナには効果抜群だ。

 

「『ハードプラント』で防御だ!」

 

フシギバナが巨大な根を出現させ、壁を作る。だが、サイドンの角は、その壁を紙のように突き破った。

 

「バナッ!?」

 

フシギバナが吹き飛ばされる。

 

「フシギバナ!」

 

「耐久力には自信があるようだが、私のサイドンの前では無意味だ」

 

サカキの冷徹な声。

 

「(力勝負では分が悪い。搦め手で行くしかない)」

 

「フシギバナ、『ねむりごな』!」

 

「無駄だ。『ストーンエッジ』で粉を吹き飛ばせ!」

 

サイドンの周囲に鋭い岩が出現し、回転しながら粉を散らす。そして、そのままフシギバナへと飛来する。

 

「くっ……!『光合成』で回復!」

 

「回復などさせん。『アームハンマー』!」

 

回復する隙を与えず、サイドンが拳を振り下ろす。フシギバナは防戦一方だ。

 

「(どうする……。どうすれば、あの装甲を貫ける?)」

 

俺は、必死に思考を巡らせる。サイドンの弱点は、水と草。4倍弱点だ。だが、物理攻撃は弾かれ、変化技も通じない。

 

「(内側から……破壊するしかない)」

 

「フシギバナ、耐えろ!耐えて、根を張るんだ!」

 

俺の意図を察したのか、フシギバナは攻撃を受けながらも、地面に深く根を張り巡らせていく。

 

「往生際の悪い。『つのドリル』で終わらせてやる!」

 

サイドンの角が高速回転を始める。一撃必殺の構え。

 

「今だ!『くさむすび』!」

 

「なっ!?」

 

サイドンが踏み出した足元の草が、急激に成長し、その足を絡め取った。突進の勢いが殺され、サイドンがつんのめる。

 

「『やどりぎのタネ』!」

 

フシギバナがタネを撃ち込む。タネはサイドンの鎧の隙間に入り込み、発芽した。

 

「ぐおっ……!」

 

サイドンが苦痛に声を上げる。内部からのエネルギー吸収。これなら防げない。

 

「そして、とどめだ!全エネルギー解放!『ハードプラント』!!」

 

フシギバナが張っていた根が、一斉に地面から飛び出した。それは壁ではなく、槍となってサイドンを襲う。足止めされ、内部から体力を奪われているサイドンに、回避する術はない。

 

ズドドドドドッ!!

 

無数の巨大な植物の槍が、サイドンを打ち上げた。

 

土煙が晴れた後、そこには、動かなくなったサイドンと、肩で息をするフシギバナの姿があった。

 

「……サイドン、戦闘不能。勝者、ミナト!」

 

審判の声が、震えている。

 

「かった……勝ったぞおおおお!!」

 

俺は叫んだ。サカキの最強の手持ちを、すべて倒した。完全勝利だ。

 

「……見事だ」

 

サカキは、倒れたサイドンをボールに戻すと、静かに拍手をした。その表情には、怒りも悔しさもなく、ただ奇妙なほどの落ち着きがあった。

 

「約束通り、グリーンバッジを渡そう」

 

サカキはポケットからバッジを取り出し、俺に投げ渡した。俺はそれをしっかりと受け取る。

 

「これで、俺の勝ちだ。ロケット団は解散し、悪事はやめてもらう!」

 

俺がそう宣言すると、サカキは鼻で笑った。

 

「勝ち?……勘違いするなよ、少年。これは、ただのテストだ」

 

「テスト……?」

 

「君の実力は認める。だが、それはあくまで『トレーナー』としての強さだ。私が求めているのは、そんな次元の力ではない」

 

サカキは、ジムの奥にある、巨大な鉄扉の方へと歩き出した。

 

「見せてやろう。私が心血を注いで作り上げた、最強の力を。……これこそが、私の最高傑作だ」

 

ゴゴゴゴゴ……。

 

重々しい音と共に、鉄扉が開いていく。

そこから溢れ出したのは、肌を刺すような、冷たく、禍々しい殺気だった。

 

俺の背筋に、これまでにない悪寒が走る。

フシギバナも、ハクリューも、ボールの中のポケモンたちさえも、恐怖に震えているのが分かった。

 

闇の奥から、そいつは現れた。

奇妙な鎧を身に纏い、人型のシルエットをした、異形のポケモン。

 

「……ミュウツー」

 

俺の口から、絶望の名が漏れた。

戦いは、終わってなどいなかった。

ここからが、本当の地獄の始まりだったのだ。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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