アニポケ転生者物語   作:投稿者

69 / 344
第61話

アーマーが砕け散り、真の姿を現したミュウツー。

その全身から放たれるサイコパワーの奔流は、もはや嵐のようだった。ジムの壁に亀裂が入り、天井が崩落し始める。

 

「馬鹿な……!制御装置を破壊しただと!?」

 

サカキが、初めて焦りの表情を見せる。

 

『ワタシハ……ダレダ……。ココハ……ドコダ……』

 

ミュウツーの思考波が、直接脳内に響く。混乱、怒り、そして深い悲しみ。

 

「鎮まれ、ミュウツー!私はお前の創造主、サカキだ!私の命令に従え!」

 

サカキが叫ぶが、ミュウツーは彼を一瞥しただけで、強力な念動力で彼を吹き飛ばした。

 

「ぐわあっ!」

 

壁に叩きつけられるサカキ。創造主の命令すら、もはや届かない。

 

『ニンゲン……。ワタシヲ、シバりツケルモノ……。スベテ、ハカイする……』

 

ミュウツーが右手を掲げると、巨大な黒い球体――『シャドーボール』が生成された。その大きさは、ジム全体を消し飛ばしかねないほどだ。

 

「(やばい……!)」

 

俺は、傷ついたポケモンたちをボールに戻そうとした。だが、間に合わない。

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが、俺の前に出て、ツルで俺を守ろうとする。

 

「無茶だ!お前もボロボロじゃないか!」

 

バナッ!(主を守る!)

 

他のポケモンたちも、ふらつきながら立ち上がり、俺を守るように円陣を組んだ。

 

「お前たち……」

 

目頭が熱くなる。これが、俺たちの絆だ。

 

「……分かった。最後まで、足掻いてやろうぜ!」

 

俺は覚悟を決めた。逃げることはできない。ならば、この一撃にすべてを懸ける。

 

「ポリゴン2、ミュウツーのエネルギー収束点を解析!一点に攻撃を集中させて相殺する!」

『了解!照準、エネルギー球の中心核!』

 

「みんな、ありったけの力を込めろ!これが最後だ!」

 

「フシギバナ、『ハードプラント』!」

「ウインディ、『オーバーヒート』!」

「ハクリュー、『はかいこうせん』!」

「ゲンガー、『シャドーボール』!」

「ラプラス、『ハイドロポンプ』!」

「ポリゴン2、『はかいこうせん』!」

 

俺の号令と共に、七つの技が同時に放たれた。色とりどりの光が一つに束ねられ、ミュウツーの放った巨大な闇へと突き進む。

 

ドオオオオオオオオオオン!!!

 

光と闇が衝突し、視界が真っ白に染まる。

鼓膜が破れそうな轟音。

身体が分解されそうなほどの衝撃波。

 

俺は、必死に地面にへばりつき、意識を保とうとした。

 

(負けるな……!負けるな……!)

 

光の中で、ミュウツーの驚いたような顔が見えた気がした。

ちっぽけな存在だと思っていた人間とポケモンたちが、神ごとき力に抗っていることへの驚愕。

 

そして、爆発が起きた。

 

ジムの天井が完全に吹き飛び、瓦礫が降り注ぐ。

俺は、瓦礫の下敷きになりながら、薄れゆく意識の中で、空へと舞い上がる白い影を見た。

 

『……ニンゲン。オマエタチノコト、オボエテオク……』

 

その声を最後に、俺の意識は闇に落ちた。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。