アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第62話

「……う……」

 

目が覚めると、そこは瓦礫の山だった。トキワジムは半壊し、天井からは夕焼けの空が見えている。

 

「みんな……無事か……?」

 

俺は痛む体を起こし、周囲を見渡した。

ポケモンたちは、瓦礫の中で倒れていたが、全員、息はあった。フシギバナの大きな葉が、他の仲間たちを瓦礫から守ってくれていたようだ。

 

「ありがとう……。みんな、よく生きててくれた」

 

俺は、涙を流しながら、一人一人のボールに戻していった。

 

「貴様の……せいだ……」

 

瓦礫の向こうから、呻くような声が聞こえた。

サカキだ。

彼は、血を流しながら瓦礫から這い出し、空を見上げていた。

 

「私の……最高傑作が……。最強の兵器が……」

 

ミュウツーの姿は、もうどこにもない。空の彼方へと去っていったのだ。

 

「貴様が……余計なことをしなければ……!」

 

サカキは、憎しみを込めた目で俺を睨んだ。だが、その目には、以前のような絶対的な自信はなく、野望を砕かれた男の、哀れな色が浮かんでいた。

 

「……だが、終わったわけではない。ロケット団は、必ず再起する」

 

サカキは、足元に落ちていたグリーンバッジを拾い上げると、俺に向かって乱暴に投げつけた。

 

「持っていけ。……今の私には、不要なものだ」

 

俺は、地面に転がったバッジを拾い上げた。

最後のバッジ、グリーンバッジ。

だが、その重みは、勝利の証というよりは、あまりにも大きな代償を払った、苦い記憶の塊のように感じられた。

 

「待て!サカキ!」

 

俺が呼び止める間もなく、崩れた壁の向こうからロケット団のヘリが現れ、サカキを収容した。

 

「さらばだ、ミナト。次に会う時は、容赦しない」

 

ヘリは、夕日の中へと消えていった。

 

残されたのは、半壊したジムと、ボロボロになった俺たちだけ。

 

「(勝った……のか?)」

 

サカキのポケモンは倒した。バッジも手に入れた。ミュウツーの暴走も、最悪の形(人類への攻撃)になる前に、去らせることはできた。

だが、サカキは逃げた。ミュウツーも、どこかへ行ってしまった。

スッキリとした勝利とは、程遠い。

 

俺は、握りしめたグリーンバッジを見つめた。

 

「……強いな。現実は」

 

アニメのように、すべてが丸く収まるわけじゃない。

だが、俺たちは生き残った。

あの圧倒的な絶望の前で、諦めずに抗い、生き延びた。

 

「(強くなろう)」

 

俺は、心に誓った。

ミュウツーと、いつか再会するその日のために。

そして、逃げたサカキと、本当の決着をつけるために。

 

俺は、立ち上がった。

傷だらけの体だが、その足取りはしっかりとしていた。

 

八つのバッジは揃った。

次は、セキエイ高原。ポケモンリーグだ。

そこで、俺たちの「強さ」を証明する。

 

崩壊したトキワジムを背に、俺は夕焼けに染まるマサラタウンへの道を歩き出した。

長く、苦しい戦いだった。

だが、俺たちの旅は、まだ終わらない。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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