アニポケ転生者物語   作:投稿者

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【閑話】傷跡と帰郷、そして新たなる旅立ち

静寂のトキワ

 

ヤマブキシティからトキワシティへ戻ってきた日の夜。俺は、ジム戦を翌日に控え、街外れの丘で一人、星を見上げていた。

 

「(いよいよだな……)」

 

ボールから出てきたフシギバナが、黙って俺の隣に座る。その巨大な体が、風除けになってくれている。

バナ……(震えてるのか?)

「まさか。武者震いさ」

 

俺はフシギバナの硬い皮膚を撫でた。マサラタウンを出た時は、まだ小さなフシギダネだったこいつが、今やこんなにも頼もしい相棒になった。

「頼むぞ、明日。俺たちの全てをぶつけよう」

フシギバナは、力強く頷いた。

 


サカキ戦・ボールの中の結束

サカキとの激戦の最中。ボールの中で待機するポケモンたちの間にも、緊張が走っていた。

 

『現在、ウインディが交戦中。相手はニドキング』

ポリゴン2が、データリンクを通じて戦況を共有する。

 

シャッ!(ウインディならやれる。あいつの炎は最強だ)

ストライクが、見えない敵を斬るように鎌を振るう。

 

ゴゴ……(次は俺たちの番か……?)

ゲンガーが、ニヤリと笑いながらも、その目は真剣だ。

 

言葉はなくとも、全員の意識は一つだった。「主のために。仲間のために。絶対に勝つ」。その想いが、ボールを通じて俺にも伝わってきていた。

 


傷ついた戦士たちの休息

崩壊したトキワジムから這い出した俺たちは、足を引きずりながらポケモンセンターへと向かった。

街の人々は、ジムから響いた爆発音に騒然としていたが、ボロボロの俺たちを見て、道を開けてくれた。

 

「ジョーイさん……頼みます……!」

 

カウンターに辿り着くなり、俺はボールを預けてその場に崩れ落ちた。

「なんてひどい怪我……!ラッキー、ストレッチャーを!緊急オペよ!」

 

ジョーイさんの慌ただしい指示が聞こえる中、俺の意識は途切れた。

 

……目が覚めると、そこは病室のベッドの上だった。窓の外は既に夜になっている。

体中が痛むが、致命傷ではないようだ。

 

「気がついた?」

 

ジョーイさんが、心配そうに顔を覗き込む。

「ポケモンたちは……?」

「大丈夫よ。みんな、重傷だったけど、命に別状はないわ。今は集中治療室で眠ってる」

 

俺は無理を言って、治療室を見せてもらった。

ガラス越しに見るフシギバナたちは、体中に包帯を巻かれ、点滴を受けながら眠っていた。痛々しい姿だが、その寝顔は安らかだった。

 

「よかった……」

 

俺はガラスに手をつき、安堵の涙を流した。

生きててくれた。それだけで十分だ。

 

その夜は、泥のように眠った。夢も見なかった。ただ、深い、深い休息だけがあった。

 


帰郷の路

翌朝、俺たちはポケモンセンターを退院した。

まだ完全回復とはいかないが、歩ける程度には回復していた。

 

「ジョーイさん、ありがとうございました」

「無理しちゃだめよ。セキエイ大会までは、ゆっくり休養をとってね」

 

俺たちはトキワシティを後にし、マサラタウンへと続く1番道路を歩き始めた。

行きは長く感じたこの道も、帰りはあっという間だ。

 

「懐かしいな……」

 

ここを通ったのは、旅立ちの日以来だ。

あそこでオニスズメに襲われているサトシを助けた。

あそこの茂みで、初めてコラッタと戦った。

 

一歩一歩踏みしめるたびに、旅の記憶が蘇る。

俺たちは、確かに強くなった。そして、ここまで歩いてきたんだ。

 

やがて、丘の向こうに、懐かしいマサラタウンの全景が見えてきた。

白い風車、のどかな田園風景、そして、我が家。

 

「帰ってきたぞ……!」

 

俺は、思わず走り出した。ポケモンたちも、ボールから飛び出し、俺の後を追う。

フシギバナの重い足音、ウインディの軽やかなステップ、ハクリューの優雅な飛行。

みんな、笑顔だ。

 

実家の前まで来ると、ドアが勢いよく開いた。

 

「ミナト!」

 

母さんが飛び出してきて、俺を抱きしめた。

「おかえりなさい!無事で……本当によかった……!」

 

母さんの温もりと、我が家の匂い。

俺の目から、また涙が溢れた。

 

「ただいま、母さん」

 

長い、長い旅の、一つの区切り。

俺たちは、ようやく故郷に帰ってきたのだ。

 

チラシ裏から表にでるべきか

  • チラシ裏でいい
  • 表にでてもいい
  • まだ表にでるのは早い
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