アニポケ転生者物語 作:投稿者
俺はマサラタウンの裏山にある、険しい崖が連なるエリアで、ストライクと特訓を行っていた。
「ストライク、『つるぎのまい』からの『シザークロス』だ!」
「シャアアッ!!」
ストライクの鎌が空気を切り裂き、巨大な岩を一瞬で四散させる。
サファリゾーンで仲間に加わったこのストライクは、通常の個体よりもわずかに緑色が濃く、関節部分に赤みがあるように見えていた。
「(個体差にしては、少し派手だよな……)」
俺はそんな風に軽く考えていた。彼が求めるのは、見た目ではなく、ただ純粋な「斬れ味」と「勝利」だったからだ。
「いい動きだ。だが、サカキのペルシアンを倒すには、まだ何かが足りない……」
俺がそう呟いた時、ストライクが崖の下の土壌を、鋭い鎌で激しく掘り返し始めた。
「どうした、ストライク?何があるんだ?」
ストライクは必死に土を掻き出し、地中から一つの「奇妙な黒い石」を掘り起こした。それは、墨のように真っ黒で、表面がザラザラとした、不思議な輝きを放つ鉱石――『くろのきせき』だった。
ストライクが、その石に吸い込まれるように鎌を伸ばした。
石に触れた瞬間。
「グガアアアアアッ!!」
ストライクが咆哮を上げた。同時に、彼の体が発光し始める。
「ストライク!?」
俺が駆け寄ろうとしたが、凄まじいエネルギーの奔流に弾き飛ばされた。
光の中で、ストライクのシルエットが劇的に変化していく。
背中の羽は、重厚な甲殻へと退化し、その両腕は、巨大で無骨な、すべてを粉砕せんとする「斧」へと変貌を遂げていった。
光が収まり、土煙が晴れた時。
そこに立っていたのは、現代の図鑑には存在しない、古の戦士だった。
「……バサギリ……!」
転生者としての俺の記憶が、その名を呼び起こした。シンオウ地方――かつてヒスイと呼ばれた時代に存在した、ストライクのもう一つの進化形。
だが、目の前に立つバサギリを見て、俺は息を呑んだ。
「(……色が、違う?)」
俺の知識にあるバサギリは、乾燥した大地のような、明るい黄土色や茶褐色の岩肌をしているはずだ。
だが、目の前のバサギリは違う。
全身が深く濃い緑色を帯びた岩石で覆われており、それとは対照的に、両腕の斧は通常と同じく漆黒の輝きを放っている。まるで、長い年月をかけて苔むした巨岩から削り出されたような、重厚で神秘的な色合いだ。
「(間違いない……。こいつ、色違いだ!)」
ストライクの頃は微妙な違いで気づかなかったが、進化したことでその特異な色彩が明確になったのだ。
「バサァァァッ!!」
深緑のバサギリが、その巨大な斧を地面に叩きつけた。
ドォォォォン!!
地響きと共に、足元の岩盤が広範囲にわたって粉砕される。
俺は興奮を抑えきれず、バサギリを連れて研究所へ走った。
「なんじゃ……なんじゃこれはぁぁぁっ!!」
バサギリを見たオーキド博士は、文字通り椅子から転げ落ちた。
「ストライクの進化形!?ハッサムとは違う、全く別の形態……。しかも、この岩石質の皮膚……古代の地層から見つかる化石に近い成分じゃ!」
博士は震える手でカメラを構え、夢中でシャッターを切り始めた。
「図鑑にも載っていない、未知のポケモン……。ミナト君!これは世紀の大発見じゃぞ!!」
博士は、これが「通常色のバサギリ」だと思っているようだ。無理もない。比較対象が存在しないのだから。
だが、俺だけは知っている。こいつが、未知の進化形であると同時に、極めて希少な「色違い」の個体でもあることを。
「(誰にも知られていない、俺だけの秘密の相棒か……)」
バサギリは、自身の新しい斧を満足そうに眺めると、俺に向かって静かに頭を下げた。
「よろしくな、バサギリ。お前は俺たちの、最高の『奇跡』だ」
「バサッ!」
現代の常識を打ち破る、古の進化。そして、隠された色彩の秘密。
俺たちは、文字通り唯一無二の力を手に入れた。
この深緑の斧が、これからの戦いでどのような伝説を刻むのか。
俺の胸は、かつてないほどの高揚感に包まれていた。
チラシ裏から表にでるべきか
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チラシ裏でいい
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表にでてもいい
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まだ表にでるのは早い