アニポケ転生者物語 作:投稿者
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第68話
カントー地方、セキエイ高原。
ポケモントレーナーたちの聖地と呼ばれるこの場所に、俺はついに足を踏み入れた。
広大な敷地を埋め尽くす観客たちの熱気、はためく各国の国旗、そして空気を震わせる歓声。
そのすべてが、ここが「頂点」を決める場所であることを物語っている。
「ついに来たな……」
マサラタウンを出発してから数ヶ月。
トキワの森での出会い、ハナダの滝壺での激流、シルフカンパニーでの死闘、そしてサカキとの決着。
数々の出会いと別れ、そして死線を乗り越え、俺はここまでたどり着いた。
腰に提げたモンスターボールの感触が、これまでの旅の重みを伝えてくる。
「ミナト!」
人混みの中から、聞き慣れた元気な声が響いた。振り返ると、サトシが満面の笑みで駆け寄ってくる。その後ろには、ピカチュウを連れた少年、ヒロシの姿もあった。
「よう、サトシ。それにヒロシも」
「いよいよだな!絶対に優勝してやるぜ!」
「僕も負けないよ。レオン(ピカチュウ)と一緒に、頂点を目指すんだ」
二人とも、いい顔をしている。旅の厳しさを知り、それでもなお輝きを失わない瞳。
そこに、少し離れた場所から、クールな声が掛かった。
「フン、お前たちごときが優勝?笑わせないでくれよ」
シゲルだ。オープンカーではなく、今日は自分の足で立っている。相変わらずの減らず口だが、その瞳にはいつもの驕りではなく、研ぎ澄まされた真剣な闘志が宿っていた。トキワジムでの敗北を乗り越え、彼もまた一回り大きくなったようだ。
「シゲル、お前も気合十分みたいだな」
「当たり前だ。マサラタウンの代表として、恥ずかしい真似はできないからな。それに……俺には、倒さなきゃならない相手がいる」
シゲルはチラリと俺を見た。俺たちは、無言で頷き合った。
その後、メインスタジアムで行われた組み合わせ抽選会。
巨大なモニターに、予選リーグのブロック分けが表示される。
「ちぇっ、ミナトとは決勝まで当たらないのかよ」
サトシが残念そうに言う。
「サトシとは準決勝で当たる可能性があるな。……まあいい。誰が相手でも、蹴散らすだけだ」
シゲルが強気に言い放つ。
俺のブロックには、サトシもシゲルも、ヒロシもいない。
だが、油断はできない。ここには、カントー全土から8つのバッジを集めた猛者たちしかいないのだ。どの一戦も、決して気は抜けない。
「いよいよ、開会式だ!」
スタジアムの照明が落ち、スポットライトが聖火台を照らす。
伝説のポケモン・ファイヤーの炎から採火されたという、聖なる炎を持ったランナーが、スタジアムに入ってくる。
燃え上がる炎と共に、セキエイ大会の幕が切って落とされた。
「行くぞ、みんな。俺たちの強さを、証明する時だ!」
俺は、腰のモンスターボールを一つ一つ、愛おしむように撫でた。
最強の布陣で、頂点を目指す。
俺たちの、最後の戦いが始まった。