アニポケ転生者物語 作:投稿者
予選リーグ第一回戦。
フィールドは、中央に巨大なプールがある「水」のフィールドだ。観客席からの声援が、水面に反響して大きく聞こえる。
「第1試合、赤コーナー、マサラタウンのミナト選手!対する緑コーナーは、ハナダシティのダイスケ選手!」
実況の声が高らかに響く。対戦相手のダイスケは、水タイプのポケモンを得意とするトレーナーのようだ。自信満々な表情でボールを構えている。
「行くぞ!俺の自慢のハイドロ・パフォーマー!シードラ!」
相手が繰り出したのは、素早い動きのシードラ。水中を自在に泳ぎ回り、こちらの様子を窺っている。
「水には水だ。頼むぞ、ラプラス!」
俺はラプラスを繰り出した。ラプラスは優雅に水面を滑り、シードラと対峙する。
「シードラ、『えんまく』!」
ダイスケの指示で、シードラが口から墨を吐き出す。水面が黒く染まり、シードラの姿が見えなくなった。
「姿を隠してからの、『ハイドロポンプ』!」
死角からの高圧水流がラプラスを襲う。
「ラプラス、慌てるな。『うずしお』!」
ラプラスが歌うように鳴くと、プールの水が大きくうねり始めた。巨大な渦が発生し、黒い墨ごとシードラを飲み込んでいく。
「なっ、渦潮で墨を晴らしただと!?」
「逃がさないよ。さらに『れいとうビーム』!」
ラプラスの口から放たれた凍てつく光線が、渦潮ごとシードラを凍らせる。氷の彫像となったシードラは、戦闘不能となって水面に浮かび上がった。
「シードラ、戦闘不能!」
「くそっ、次はこいつだ!スターミー!」
ダイスケの二匹目はスターミー。素早さと特攻が高い強敵だ。中央のコアが赤く点滅し、臨戦態勢に入っている。
「ラプラス、戻れ。……ヤドラン、出番だ!」
俺はヤドランに交代した。
「ヤドォ?」
ヤドランは、ボーッとした顔で水面に浮かんでいる。その緊張感のなさに、観客席から笑いが漏れる。
「なんだあの間の抜けた顔は!スターミー、『10まんボルト』!」
スターミーが強烈な電撃を放つ。水タイプには効果抜群だ。水面を伝って電流がヤドランに直撃する。
「ヤドラン、『ドわすれ』!」
ヤドランは、何事もなかったかのように電撃を受け流した。いや、痛みすら感じていないようだ。特防がぐーんと上がり、特殊攻撃への耐性が強化される。
「なっ……効いてない!?バカな!」
「今だ、ヤドラン!『サイコキネシス』!」
ヤドランの目が鋭く光る。その瞬間、スターミーの体が不可視の力によって宙に浮いた。抵抗しようとコアを明滅させるが、ヤドランの念動力はそれを許さない。
「叩きつけろ!」
スターミーは水面に激しく叩きつけられ、水しぶきを上げる。
続けて放たれた『なみのり』の大波が、スターミーを場外の壁まで押し流した。
「スターミー、戦闘不能!」
「……まだだ!俺の切り札を見せてやる!行け、ゴルダック!」
ダイスケが最後のボールを投げた。現れたのは、額に赤い宝珠が輝くゴルダック。
「ゴルダック、『かなしばり』!」
ゴルダックの瞳が妖しく光り、ヤドランの動きを封じようとする。
「ヤドラン、『めいそう』で精神を研ぎ澄ませろ!」
ヤドランは金縛りの干渉を精神統一で跳ね除けると、逆に強力な念動力をフィールド全体に広げた。
「ゴルダック、『はかいこうせん』!」
焦ったダイスケが最大火力を指示する。
「ヤドラン、その光線ごと捻じ曲げろ!『サイコキネシス』!」
放たれた破壊光線が、ヤドランの目前で不自然に屈曲し、逆にゴルダックへと跳ね返った。
「な、なんだとぉ!?」
自身の技の直撃を受け、ゴルダックは戦闘不能となった。
「ゴルダック、戦闘不能!よって勝者、ミナト選手!」
「やったな、ヤドラン!」
「ヤドォ!」
ヤドランは、シェルダーのついた尻尾を振って喜びを表現した。そののんびりとした仕草に、観客たちも惜しみない拍手を送る。
予選第一回戦、突破。
俺たちの快進撃は、ここから始まる。
特性を描写に活かしきれない……