アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第72話

予選第四回戦。最後のフィールドは「草」。

背の高い草が生い茂り、視界の悪いステージだ。

 

「ここなら、お前の庭みたいなもんだろ。フシギバナ!」

 

俺のエース、フシギバナがフィールドに根を張る。その存在感は、まさに森の主だ。

 

相手は、ストライクとカイロス、ウツボットを使う虫・草ポケモン使い、ケンジ。

彼は予選リーグで無敗を誇り、その圧倒的な攻撃力から「森の処刑人」と恐れられている強敵だ。

 

「草タイプか。俺の虫ポケモンの餌食だぜ!行け、ストライク!」

 

相手のストライクが、草むらから飛び出し、高速でフシギバナに襲いかかる。その鎌は、これまでのどのストライクよりも鋭く研ぎ澄まされている。

 

「ストライク、『れんぞくぎり』!」

 

目にも留まらぬ連撃が、フシギバナの厚い皮膚を切り裂く。

「くっ、速い……!」

フシギバナが防御の姿勢を取るが、ストライクの攻撃は止まらない。一撃ごとに威力が増していく。

 

「フシギバナ、『ねむりごな』!」

 

フシギバナの花から、青い粉が噴き出す。だが、ストライクはその羽音で風を起こし、粉を吹き飛ばしてしまった。

 

「無駄だ!俺のストライクに小細工は通じない!」

 

「(なら、確実に当てるまでだ!)フシギバナ、『つるのムチ』で足場を崩せ!」

 

フシギバナが地面を叩き、ストライクの体勢を崩す。一瞬の隙。

 

「今だ!至近距離からの『ヘドロばくだん』!」

 

強烈な毒の塊が、ストライクの腹部に直撃する。

「ガアアッ!」

ストライクが膝をつく。だが、その目はまだ死んでいない。

 

「まだだ!ストライク、『シザークロス』!!」

最後の力を振り絞り、ストライクが突っ込んでくる。フシギバナも『タックル』で応戦する。

交錯する二つの影。

 

倒れたのは、ストライクだった。

「……ストライク、戦闘不能!」

 

「ふぅ……。一筋縄じゃいかないな」

フシギバナも肩で息をしている。かなりのダメージだ。

 

「くそっ、よくも俺のストライクを……。なら、こいつで力押しだ!カイロス!」

 

ケンジの二匹目は、巨大なハサミを持つカイロス。その筋肉質の体は、岩をも砕くパワーを秘めている。

 

「カイロス、『ハサミギロチン』!」

 

カイロスがハサミを振りかざし、一直線に突っ込んでくる。その気迫は、フシギバナを畏縮させるほどだ。

 

「フシギバナ、戻れ!……ドードリオ、空から攻めろ!」

 

俺は、消耗したフシギバナを戻し、ドードリオを繰り出した。

ドードリオは、驚異的なジャンプ力でカイロスの頭上を取る。

 

「逃がすか!『ストーンエッジ』!」

カイロスが地面を殴り、鋭い岩の刃を空中のドードリオに向けて飛ばす。飛行タイプ対策も万全だ。

 

「ドードリオ、右へかわせ!」

ギリギリで岩を回避するが、その破片が翼を掠める。

 

「三つの頭で集中攻撃だ!『トライアタック』!」

 

三方向からの光線が、カイロスを直撃する。だが、カイロスはその強靭な体で耐え抜いた。

「硬い……!」

 

「捕まえたぞ!『じごくぐるま』!」

着地の瞬間を狙われ、カイロスに足を掴まれる。そのまま地面に叩きつけられようとしたその時。

 

「ドードリオ、『ドリルくちばし』!」

 

ドードリオは、掴まれた足を軸にして体を回転させ、カイロスの顔面に嘴を突き立てた。

ゼロ距離カウンター。

カイロスは耐えきれず、手を離してダウンした。

 

「カイロス、戦闘不能!」

 

「あと一匹……!頼むぞ、ウツボット!」

 

ケンジの最後はウツボット。

「ウツボット、『ようかいえき』!」

強力な酸が、ドードリオを襲う。

 

「ドードリオ、かわ……せない!?」

ドードリオの足が、いつの間にか地面の草に絡みつかれている。『くさむすび』だ。

 

「かかったな!『リーフブレード』!」

ウツボットの葉が刃となり、動けないドードリオに迫る。

 

「ドードリオ、そのまま飛べ!地面ごと引き抜け!」

 

ドードリオは、絡みついた草ごと強引に空へ舞い上がった。その馬鹿力に、ウツボットが逆に引きずられる。

 

「そのまま行け!『つばめがえし』!」

 

空中で体勢を立て直し、必中の燕返しを見舞う。

飛行タイプに弱いウツボットに、反撃の隙はなかった。

 

「ウツボット、戦闘不能!勝者、ミナト選手!予選リーグ全勝突破です!」

 

会場が歓声に包まれる。

ギリギリの戦いだった。ケンジの実力は本物だった。

 

「やったな、みんな!」

 

俺は、活躍してくれたポケモンたちを労った。

サブメンバーも含めた総力戦で、予選を全勝で通過することができた。

これは、俺たちのチーム全体のレベルが底上げされている証拠だ。

 

次はいよいよ、決勝トーナメント。

頂点への道は、まだ半ば。

俺は気を引き締め直し、スタジアムを後にした。

 




本日はここで一区切りします。
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