アニポケ転生者物語 作:投稿者
予選第四回戦。最後のフィールドは「草」。
背の高い草が生い茂り、視界の悪いステージだ。
「ここなら、お前の庭みたいなもんだろ。フシギバナ!」
俺のエース、フシギバナがフィールドに根を張る。その存在感は、まさに森の主だ。
相手は、ストライクとカイロス、ウツボットを使う虫・草ポケモン使い、ケンジ。
彼は予選リーグで無敗を誇り、その圧倒的な攻撃力から「森の処刑人」と恐れられている強敵だ。
「草タイプか。俺の虫ポケモンの餌食だぜ!行け、ストライク!」
相手のストライクが、草むらから飛び出し、高速でフシギバナに襲いかかる。その鎌は、これまでのどのストライクよりも鋭く研ぎ澄まされている。
「ストライク、『れんぞくぎり』!」
目にも留まらぬ連撃が、フシギバナの厚い皮膚を切り裂く。
「くっ、速い……!」
フシギバナが防御の姿勢を取るが、ストライクの攻撃は止まらない。一撃ごとに威力が増していく。
「フシギバナ、『ねむりごな』!」
フシギバナの花から、青い粉が噴き出す。だが、ストライクはその羽音で風を起こし、粉を吹き飛ばしてしまった。
「無駄だ!俺のストライクに小細工は通じない!」
「(なら、確実に当てるまでだ!)フシギバナ、『つるのムチ』で足場を崩せ!」
フシギバナが地面を叩き、ストライクの体勢を崩す。一瞬の隙。
「今だ!至近距離からの『ヘドロばくだん』!」
強烈な毒の塊が、ストライクの腹部に直撃する。
「ガアアッ!」
ストライクが膝をつく。だが、その目はまだ死んでいない。
「まだだ!ストライク、『シザークロス』!!」
最後の力を振り絞り、ストライクが突っ込んでくる。フシギバナも『タックル』で応戦する。
交錯する二つの影。
倒れたのは、ストライクだった。
「……ストライク、戦闘不能!」
「ふぅ……。一筋縄じゃいかないな」
フシギバナも肩で息をしている。かなりのダメージだ。
「くそっ、よくも俺のストライクを……。なら、こいつで力押しだ!カイロス!」
ケンジの二匹目は、巨大なハサミを持つカイロス。その筋肉質の体は、岩をも砕くパワーを秘めている。
「カイロス、『ハサミギロチン』!」
カイロスがハサミを振りかざし、一直線に突っ込んでくる。その気迫は、フシギバナを畏縮させるほどだ。
「フシギバナ、戻れ!……ドードリオ、空から攻めろ!」
俺は、消耗したフシギバナを戻し、ドードリオを繰り出した。
ドードリオは、驚異的なジャンプ力でカイロスの頭上を取る。
「逃がすか!『ストーンエッジ』!」
カイロスが地面を殴り、鋭い岩の刃を空中のドードリオに向けて飛ばす。飛行タイプ対策も万全だ。
「ドードリオ、右へかわせ!」
ギリギリで岩を回避するが、その破片が翼を掠める。
「三つの頭で集中攻撃だ!『トライアタック』!」
三方向からの光線が、カイロスを直撃する。だが、カイロスはその強靭な体で耐え抜いた。
「硬い……!」
「捕まえたぞ!『じごくぐるま』!」
着地の瞬間を狙われ、カイロスに足を掴まれる。そのまま地面に叩きつけられようとしたその時。
「ドードリオ、『ドリルくちばし』!」
ドードリオは、掴まれた足を軸にして体を回転させ、カイロスの顔面に嘴を突き立てた。
ゼロ距離カウンター。
カイロスは耐えきれず、手を離してダウンした。
「カイロス、戦闘不能!」
「あと一匹……!頼むぞ、ウツボット!」
ケンジの最後はウツボット。
「ウツボット、『ようかいえき』!」
強力な酸が、ドードリオを襲う。
「ドードリオ、かわ……せない!?」
ドードリオの足が、いつの間にか地面の草に絡みつかれている。『くさむすび』だ。
「かかったな!『リーフブレード』!」
ウツボットの葉が刃となり、動けないドードリオに迫る。
「ドードリオ、そのまま飛べ!地面ごと引き抜け!」
ドードリオは、絡みついた草ごと強引に空へ舞い上がった。その馬鹿力に、ウツボットが逆に引きずられる。
「そのまま行け!『つばめがえし』!」
空中で体勢を立て直し、必中の燕返しを見舞う。
飛行タイプに弱いウツボットに、反撃の隙はなかった。
「ウツボット、戦闘不能!勝者、ミナト選手!予選リーグ全勝突破です!」
会場が歓声に包まれる。
ギリギリの戦いだった。ケンジの実力は本物だった。
「やったな、みんな!」
俺は、活躍してくれたポケモンたちを労った。
サブメンバーも含めた総力戦で、予選を全勝で通過することができた。
これは、俺たちのチーム全体のレベルが底上げされている証拠だ。
次はいよいよ、決勝トーナメント。
頂点への道は、まだ半ば。
俺は気を引き締め直し、スタジアムを後にした。
本日はここで一区切りします。