アニポケ転生者物語 作:投稿者
予選リーグ終了後、メインスタジアムで決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われた。
巨大なスクリーンに、勝ち上がった16名のトレーナーの名前と顔写真が表示される。
「一回戦、二回戦と順調だな」
俺は、自分の名前がトーナメント表の上部にあることを確認し、安堵の息を吐いた。ケンタロスやガルーラといったサブメンバーも期待以上の活躍を見せてくれている。チームの層の厚さは、間違いなく俺の武器だ。
だが、会場の空気が一変したのは、四回戦の結果が表示された時だった。
「……嘘だろ?」
モニターに映し出されたのは、「シゲル選手、敗退」の文字。
あの自信家で、常に俺たちの先を行っていたシゲルが、ベスト16目前で姿を消したのだ。
試合後の通路で、俺は一人壁にもたれるシゲルを見つけた。いつもの取り巻きはおらず、彼の足元には敗れたポケモンたちのボールが転がっていた。
「シゲル……」
「……見に来たのか、ミナト」
シゲルは顔を上げ、自嘲気味に笑った。
「完敗だ。言い訳もできないくらいにな。相手は、ただ実直に、泥臭くポケモンを育てたトレーナーだった。……俺には、そういう強さが足りなかったのかもしれない」
シゲルの言葉は重かった。才能や知識だけではない、トレーナーとしての本質的な強さ。彼はこの敗北で、それに気づいたようだった。
「俺は、お前の分まで勝つよ」
「フン、勝手に背負うなよ。……だが、俺に勝った奴に負けるようなら、承知しないからな」
シゲルは俺の胸を軽く小突き、去っていった。その背中は、以前よりも少しだけ大きく見えた。
その後、俺はサトシの試合を見に行った。
サトシの対戦相手は、予選で出会ったピカチュウ使いの少年、ヒロシだ。互いに似た者同士、熱いバトルが繰り広げられた。
だが、最後は残酷な結末が待っていた。
サトシのエース、リザードンが、相手のレオン(ピカチュウ)に対して戦意を喪失し、フィールドで寝転がってしまったのだ。
「リザードン、頼む!戦ってくれ!俺たちの夢なんだ!」
サトシの必死の叫びも、リザードンには届かない。審判が赤い旗を上げる。
「リザードン、戦意喪失!よって勝者、ヒロシ選手!」
サトシはその場に崩れ落ち、拳で地面を叩いた。悔し涙が、フィールドに染み込んでいく。
「そんな……こんな終わり方なんて……」
試合後、俺は控室の前でサトシに声をかけた。
「サトシ……」
「……ミナト。情けねえよな、俺。ここまで来て、ポケモンを信じきれなかった」
「そんなことはない。お前はここまで勝ち上がってきたんだ。リザードンだって、いつかきっとお前の想いに応えてくれる」
ヒロシもやってきて、サトシを慰めた。
「サトシ君、いいバトルだったよ。次は、絶対に負けないからね」
二人のライバルが、志半ばで去っていく。
その事実は、俺の肩に重くのしかかった。だが、それは心地よい重みでもあった。
「(見てろよ、二人とも。俺が、最強を証明してやる)」
俺は、二人の分まで、そして俺自身の夢のために、頂点に立つことを誓った。
次なる戦いの舞台、準々決勝へ。
そこには、歴戦の強者たちが待っている。
おはようございます