アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第73話

予選リーグ終了後、メインスタジアムで決勝トーナメントの組み合わせ抽選会が行われた。

巨大なスクリーンに、勝ち上がった16名のトレーナーの名前と顔写真が表示される。

 

「一回戦、二回戦と順調だな」

 

俺は、自分の名前がトーナメント表の上部にあることを確認し、安堵の息を吐いた。ケンタロスやガルーラといったサブメンバーも期待以上の活躍を見せてくれている。チームの層の厚さは、間違いなく俺の武器だ。

 

だが、会場の空気が一変したのは、四回戦の結果が表示された時だった。

 

「……嘘だろ?」

 

モニターに映し出されたのは、「シゲル選手、敗退」の文字。

あの自信家で、常に俺たちの先を行っていたシゲルが、ベスト16目前で姿を消したのだ。

 

試合後の通路で、俺は一人壁にもたれるシゲルを見つけた。いつもの取り巻きはおらず、彼の足元には敗れたポケモンたちのボールが転がっていた。

 

「シゲル……」

「……見に来たのか、ミナト」

 

シゲルは顔を上げ、自嘲気味に笑った。

「完敗だ。言い訳もできないくらいにな。相手は、ただ実直に、泥臭くポケモンを育てたトレーナーだった。……俺には、そういう強さが足りなかったのかもしれない」

 

シゲルの言葉は重かった。才能や知識だけではない、トレーナーとしての本質的な強さ。彼はこの敗北で、それに気づいたようだった。

 

「俺は、お前の分まで勝つよ」

「フン、勝手に背負うなよ。……だが、俺に勝った奴に負けるようなら、承知しないからな」

 

シゲルは俺の胸を軽く小突き、去っていった。その背中は、以前よりも少しだけ大きく見えた。

 

その後、俺はサトシの試合を見に行った。

サトシの対戦相手は、予選で出会ったピカチュウ使いの少年、ヒロシだ。互いに似た者同士、熱いバトルが繰り広げられた。

 

だが、最後は残酷な結末が待っていた。

サトシのエース、リザードンが、相手のレオン(ピカチュウ)に対して戦意を喪失し、フィールドで寝転がってしまったのだ。

 

「リザードン、頼む!戦ってくれ!俺たちの夢なんだ!」

 

サトシの必死の叫びも、リザードンには届かない。審判が赤い旗を上げる。

「リザードン、戦意喪失!よって勝者、ヒロシ選手!」

 

サトシはその場に崩れ落ち、拳で地面を叩いた。悔し涙が、フィールドに染み込んでいく。

 

「そんな……こんな終わり方なんて……」

 

試合後、俺は控室の前でサトシに声をかけた。

「サトシ……」

「……ミナト。情けねえよな、俺。ここまで来て、ポケモンを信じきれなかった」

 

「そんなことはない。お前はここまで勝ち上がってきたんだ。リザードンだって、いつかきっとお前の想いに応えてくれる」

 

ヒロシもやってきて、サトシを慰めた。

「サトシ君、いいバトルだったよ。次は、絶対に負けないからね」

 

二人のライバルが、志半ばで去っていく。

その事実は、俺の肩に重くのしかかった。だが、それは心地よい重みでもあった。

 

「(見てろよ、二人とも。俺が、最強を証明してやる)」

 

俺は、二人の分まで、そして俺自身の夢のために、頂点に立つことを誓った。

次なる戦いの舞台、準々決勝へ。

そこには、歴戦の強者たちが待っている。

 




おはようございます
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