アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第74話

「さあ、ここからは未知の領域だ。ベスト8進出、おめでとう!」

実況の声がスタジアムに響き渡る。

 

「これより、準々決勝を行う!ルールは6対6のフルバトル!どちらかの手持ちが全滅するまで戦う、総力戦だ!」

 

俺の対戦相手は、キヨミというベテランの女性トレーナーだった。

落ち着いた物腰と、眼鏡の奥から覗く鋭い眼光。彼女の手持ちは、状態異常や補助技を駆使する、いやらしい戦術を得意としているという情報が入っている。

 

「あら、可愛いトレーナーさんね。でも、フルバトルは甘くないわよ。私の可愛い子たちと、たっぷり遊んでもらうわ」

「お手柔らかにお願いします。……でも、勝つのは俺たちです!」

 

試合開始のホイッスルが鳴る。

キヨミの先発は、ピクシー。

 

「ピクシー、『ちいさくなる』!」

ピクシーが体を縮め、回避率を上げる。

 

「(回避戦術か……。なら、必中技で攻める!)」

「行け、ドードリオ!『つばめがえし』!」

 

俺の先発はドードリオ。三つの頭でピクシーの動きを捉え、必中の燕返しを見舞う。

ピクシーはダメージを受けるが、すぐに『つきのひかり』で回復する。

 

「長期戦は望むところよ。『ゆびをふる』!」

ピクシーが指を振る。出た技は……『だいもんじ』!

 

「うわっ、熱い!ドードリオ、かわせ!」

ギリギリで回避するが、羽が焦げる。

 

「なら、こっちも最大火力だ!『はかいこうせん』!」

ドードリオの三つの口から放たれた光線が、ピクシーを直撃する。

ピクシーは耐えきれず、戦闘不能となった。

 

「やるわね。でも、次はどうかしら。バリヤード!」

 

キヨミの二匹目はバリヤード。

「バリヤード、『リフレクター』!」

物理攻撃を半減する壁を張る。

 

「ドードリオ、戻れ!……ゲンガー、撹乱しろ!」

 

俺はゲンガーに交代した。

「ゲンガー、『さいみんじゅつ』!」

催眠波を放つが、バリヤードは『マジックコート』で跳ね返してくる。

 

「おっと、危ない!」

ゲンガーはとっさに影に潜り、自らの技を回避する。

 

「(変化技の読み合いか……なら、こっちの土俵だ)」

 

「ゲンガー、『あやしいひかり』!」

「バリヤード、『サイコキネシス』!」

 

激しい技の応酬。だが、ゲンガーのトリッキーな動きが、徐々にバリヤードを翻弄していく。影から影へ移動し、死角から攻撃を仕掛ける。

 

「捕まえられない……!」

キヨミが焦りを見せる。

 

「今だ!『シャドーボール』!」

 

至近距離からの直撃。バリヤードは壁に激突し、ダウンした。

 

「なかなかやるわね。……次はプクリン、お願い!」

 

三匹目はプクリン。体力お化けだ。

「プクリン、『うたう』!」

心地よい歌声がフィールドに響く。ゲンガーがウトウトし始める。

 

「(まずい、眠らされる!)ゲンガー、戻れ!……ニドクイン、頼む!」

 

俺はニドクインを出した。

「ニドクイン、『ヘドロウェーブ』!」

毒の波がプクリンを襲う。フェアリータイプを持つプクリンには効果抜群だ。

 

「キャアッ!」

プクリンが怯む。

 

「そのまま『じしん』!」

ニドクインの追撃。プクリンは抵抗する間もなく戦闘不能となった。

 

「私の可愛い子たちが……。でも、ここからが本番よ。ラッキー!」

 

キヨミの四匹目はラッキー。圧倒的な体力を持つ、耐久力の塊だ。

 

「体力勝負なら、こっちも負けませんよ。行け、ハピナス!」

 

俺は、ハピナスを繰り出した。ラッキーの進化形であり、世界最高の特防を持つポケモンだ。

 

「ハピナス、『どくどく』!」

「ラッキー、『タマゴうみ』!」

 

互いに回復し合い、削り合う長期戦。観客席からはため息が漏れるが、これは高度な我慢比べだ。

だが、ハピナスの方が、技のバリエーションで勝っていた。

『かえんほうしゃ』や『10まんボルト』など、多彩な攻撃技でラッキーの体力を確実に削っていく。

 

「(ハピナス、強くなったな……)」

 

マサラタウンでの進化を経て、彼女はただの回復役ではなく、戦う意志を持ったヒーラーへと成長していた。

最後は、ハピナスの『すてみタックル』が決定打となり、ラッキーを突破した。

 

「まさか、私の耐久戦術が破られるなんて……」

 

キヨミの手持ちは残り二匹。俺はまだ五匹残っている。

圧倒的有利に見えるが、ベテランの底力はここからだった。

 

「出ておいで、カビゴン!」

 

巨大なカビゴンが現れる。その迫力は、これまでのポケモンたちとは段違いだ。

 

「(来たな、重量級……!)」

 

俺は、消耗したハピナスを戻し、最強のパワーファイターのボールを握りしめた。

「頼むぞ、サイドン!」

 

準々決勝、後半戦へ。

重量級同士の激突が始まる。

 

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