アニポケ転生者物語 作:投稿者
「さあ、ここからは未知の領域だ。ベスト8進出、おめでとう!」
実況の声がスタジアムに響き渡る。
「これより、準々決勝を行う!ルールは6対6のフルバトル!どちらかの手持ちが全滅するまで戦う、総力戦だ!」
俺の対戦相手は、キヨミというベテランの女性トレーナーだった。
落ち着いた物腰と、眼鏡の奥から覗く鋭い眼光。彼女の手持ちは、状態異常や補助技を駆使する、いやらしい戦術を得意としているという情報が入っている。
「あら、可愛いトレーナーさんね。でも、フルバトルは甘くないわよ。私の可愛い子たちと、たっぷり遊んでもらうわ」
「お手柔らかにお願いします。……でも、勝つのは俺たちです!」
試合開始のホイッスルが鳴る。
キヨミの先発は、ピクシー。
「ピクシー、『ちいさくなる』!」
ピクシーが体を縮め、回避率を上げる。
「(回避戦術か……。なら、必中技で攻める!)」
「行け、ドードリオ!『つばめがえし』!」
俺の先発はドードリオ。三つの頭でピクシーの動きを捉え、必中の燕返しを見舞う。
ピクシーはダメージを受けるが、すぐに『つきのひかり』で回復する。
「長期戦は望むところよ。『ゆびをふる』!」
ピクシーが指を振る。出た技は……『だいもんじ』!
「うわっ、熱い!ドードリオ、かわせ!」
ギリギリで回避するが、羽が焦げる。
「なら、こっちも最大火力だ!『はかいこうせん』!」
ドードリオの三つの口から放たれた光線が、ピクシーを直撃する。
ピクシーは耐えきれず、戦闘不能となった。
「やるわね。でも、次はどうかしら。バリヤード!」
キヨミの二匹目はバリヤード。
「バリヤード、『リフレクター』!」
物理攻撃を半減する壁を張る。
「ドードリオ、戻れ!……ゲンガー、撹乱しろ!」
俺はゲンガーに交代した。
「ゲンガー、『さいみんじゅつ』!」
催眠波を放つが、バリヤードは『マジックコート』で跳ね返してくる。
「おっと、危ない!」
ゲンガーはとっさに影に潜り、自らの技を回避する。
「(変化技の読み合いか……なら、こっちの土俵だ)」
「ゲンガー、『あやしいひかり』!」
「バリヤード、『サイコキネシス』!」
激しい技の応酬。だが、ゲンガーのトリッキーな動きが、徐々にバリヤードを翻弄していく。影から影へ移動し、死角から攻撃を仕掛ける。
「捕まえられない……!」
キヨミが焦りを見せる。
「今だ!『シャドーボール』!」
至近距離からの直撃。バリヤードは壁に激突し、ダウンした。
「なかなかやるわね。……次はプクリン、お願い!」
三匹目はプクリン。体力お化けだ。
「プクリン、『うたう』!」
心地よい歌声がフィールドに響く。ゲンガーがウトウトし始める。
「(まずい、眠らされる!)ゲンガー、戻れ!……ニドクイン、頼む!」
俺はニドクインを出した。
「ニドクイン、『ヘドロウェーブ』!」
毒の波がプクリンを襲う。フェアリータイプを持つプクリンには効果抜群だ。
「キャアッ!」
プクリンが怯む。
「そのまま『じしん』!」
ニドクインの追撃。プクリンは抵抗する間もなく戦闘不能となった。
「私の可愛い子たちが……。でも、ここからが本番よ。ラッキー!」
キヨミの四匹目はラッキー。圧倒的な体力を持つ、耐久力の塊だ。
「体力勝負なら、こっちも負けませんよ。行け、ハピナス!」
俺は、ハピナスを繰り出した。ラッキーの進化形であり、世界最高の特防を持つポケモンだ。
「ハピナス、『どくどく』!」
「ラッキー、『タマゴうみ』!」
互いに回復し合い、削り合う長期戦。観客席からはため息が漏れるが、これは高度な我慢比べだ。
だが、ハピナスの方が、技のバリエーションで勝っていた。
『かえんほうしゃ』や『10まんボルト』など、多彩な攻撃技でラッキーの体力を確実に削っていく。
「(ハピナス、強くなったな……)」
マサラタウンでの進化を経て、彼女はただの回復役ではなく、戦う意志を持ったヒーラーへと成長していた。
最後は、ハピナスの『すてみタックル』が決定打となり、ラッキーを突破した。
「まさか、私の耐久戦術が破られるなんて……」
キヨミの手持ちは残り二匹。俺はまだ五匹残っている。
圧倒的有利に見えるが、ベテランの底力はここからだった。
「出ておいで、カビゴン!」
巨大なカビゴンが現れる。その迫力は、これまでのポケモンたちとは段違いだ。
「(来たな、重量級……!)」
俺は、消耗したハピナスを戻し、最強のパワーファイターのボールを握りしめた。
「頼むぞ、サイドン!」
準々決勝、後半戦へ。
重量級同士の激突が始まる。