アニポケ転生者物語 作:投稿者
「レディース・アンド・ジェントルメン!ついにセキエイ大会も準決勝を迎えた!」
スタジアムの実況が、最高潮のテンションで叫ぶ。
「赤コーナー、マサラタウンのミナト選手!対する緑コーナーは、シンオウ地方から遠征してきたスピード・マスター、レイジ選手だ!ルールはもちろん、6対6のフルバトル!」
俺の目の前に立つレイジは、鋭い目つきでこちらを見据えていた。
「君の重量級のポケモンたちじゃ、僕のスピードにはついてこれないよ」
「スピードだけがバトルのすべてじゃないってことを、教えてやるよ」
試合開始の合図と共に、レイジが最初のボールを投げた。
「加速せよ!マニューラ!」
「行け、ドードリオ!」
レイジの先発は、悪・氷タイプのマニューラ。対する俺は、三つの頭で全方位を警戒できるドードリオだ。
「マニューラ、『れいとうパンチ』!」
マニューラが、残像を残すほどの速さで接近してくる。その動きは、まさに疾風だ。
「ドードリオ、三つの頭で死角をなくせ!『ドリルくちばし』!」
ドードリオの右の首が、マニューラの死角から攻撃を仕掛ける。マニューラは驚いてバックステップするが、中央の首による『はかいこうせん』が直撃した。
「マニューラ、戦闘不能!」
「フン、小手調べだ。行け、クロバット!」
レイジの二匹目は、四枚の翼を持つクロバット。マニューラ以上のスピードを誇る。
「クロバット、『エアスラッシュ』!」
目に見えない風の刃がドードリオを襲う。連戦のドードリオは回避しきれず、大きなダメージを受ける。
「ドードリオ、戻れ!……行け、ガルーラ!」
俺は、サファリゾーンで仲間になった母性溢れる戦士、ガルーラを繰り出した。
「ガルーラか。鈍重なポケモンだね。クロバット、『ヘドロばくだん』!」
「ガルーラ、子供を守るように構えろ!『グロウパンチ』!」
ガルーラは毒の爆弾を腕で防ぎながら、カウンターの拳を放つ。だが、クロバットは空高く舞い上がり、それをかわした。
「遅いよ。次はマルマイン!」
レイジはクロバットを戻し、三匹目のマルマインを繰り出した。
「マルマイン、『だいばくはつ』!」
「なっ……!?」
開幕早々の自爆特攻。ガルーラは回避する間もない。
だが、ガルーラは逃げなかった。腹の袋にいる子供を庇うように、背中を向けてうずくまる。
「ガルーラ、耐えろ!!」
凄まじい爆発がスタジアムを揺るがす。
煙が晴れた時。
そこには、ボロボロになりながらも、仁王立ちするガルーラの姿があった。
「ガァッ!!」
「耐えた!?あの至近距離で!?」
レイジが驚愕する。
「これが、母親の強さだ!ガルーラ、『おんがえし』!!」
ガルーラが、残った力を振り絞ってマルマイン(戦闘不能だがフィールドに残っている残骸)を殴り飛ばす。
「マルマイン、戦闘不能!ガルーラは……まだ戦える!」
「くっ……計算外だ。なら、四匹目だ。サンダース!」
レイジも、電気タイプのエース、サンダースを繰り出す。
「ガルーラ、よくやった。戻れ!……ケンタロス、暴れてこい!」
俺は、ガルーラを戻し、荒くれ者のケンタロスを投入した。
「モォォォォッ!!」
やる気満々の咆哮。
「サンダース、『10まんボルト』!」
「ケンタロス、真正面から突っ込め!『ギガインパクト』!」
ケンタロスは電撃を浴びながらも、その突進力を緩めない。
「避けて!『かげぶんしん』!」
サンダースが分身するが、ケンタロスの突進は止まらない。
「全部なぎ倒せ!」
ケンタロスは分身ごとサンダースの本体を吹き飛ばした。
だが、その反動でケンタロスも動けなくなる。
「今だ!サンダース、『にどげり』!」
サンダースが立ち上がり、動けないケンタロスに蹴りを見舞う。
「ケンタロス、戦闘不能!サンダースも……戦闘不能!」
相打ち。だが、相手のエース格を道連れにした。
サブメンバーたちの底力が、戦況を互角以上に持ち込んでいる。
「……まさか、僕の自慢のスピード・チームが、ここまでパワーで押し切られるなんて」
レイジは、五つ目のボールを握りしめた。
「だが、地面にいる限り、こいつからは逃げられない!行け、ダグトリオ!」
三つの顔を持つ地面の暗殺者、ダグトリオが現れる。
準決勝、決戦の火蓋はさらに激しく燃え上がろうとしていた。