アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第76話

「レディース・アンド・ジェントルメン!ついにセキエイ大会も準決勝を迎えた!」

スタジアムの実況が、最高潮のテンションで叫ぶ。

 

「赤コーナー、マサラタウンのミナト選手!対する緑コーナーは、シンオウ地方から遠征してきたスピード・マスター、レイジ選手だ!ルールはもちろん、6対6のフルバトル!」

 

俺の目の前に立つレイジは、鋭い目つきでこちらを見据えていた。

「君の重量級のポケモンたちじゃ、僕のスピードにはついてこれないよ」

「スピードだけがバトルのすべてじゃないってことを、教えてやるよ」

 

試合開始の合図と共に、レイジが最初のボールを投げた。

「加速せよ!マニューラ!」

 

「行け、ドードリオ!」

 

レイジの先発は、悪・氷タイプのマニューラ。対する俺は、三つの頭で全方位を警戒できるドードリオだ。

 

「マニューラ、『れいとうパンチ』!」

マニューラが、残像を残すほどの速さで接近してくる。その動きは、まさに疾風だ。

 

「ドードリオ、三つの頭で死角をなくせ!『ドリルくちばし』!」

 

ドードリオの右の首が、マニューラの死角から攻撃を仕掛ける。マニューラは驚いてバックステップするが、中央の首による『はかいこうせん』が直撃した。

 

「マニューラ、戦闘不能!」

 

「フン、小手調べだ。行け、クロバット!」

 

レイジの二匹目は、四枚の翼を持つクロバット。マニューラ以上のスピードを誇る。

「クロバット、『エアスラッシュ』!」

 

目に見えない風の刃がドードリオを襲う。連戦のドードリオは回避しきれず、大きなダメージを受ける。

「ドードリオ、戻れ!……行け、ガルーラ!」

 

俺は、サファリゾーンで仲間になった母性溢れる戦士、ガルーラを繰り出した。

「ガルーラか。鈍重なポケモンだね。クロバット、『ヘドロばくだん』!」

 

「ガルーラ、子供を守るように構えろ!『グロウパンチ』!」

 

ガルーラは毒の爆弾を腕で防ぎながら、カウンターの拳を放つ。だが、クロバットは空高く舞い上がり、それをかわした。

 

「遅いよ。次はマルマイン!」

レイジはクロバットを戻し、三匹目のマルマインを繰り出した。

 

「マルマイン、『だいばくはつ』!」

 

「なっ……!?」

 

開幕早々の自爆特攻。ガルーラは回避する間もない。

だが、ガルーラは逃げなかった。腹の袋にいる子供を庇うように、背中を向けてうずくまる。

 

「ガルーラ、耐えろ!!」

 

凄まじい爆発がスタジアムを揺るがす。

煙が晴れた時。

そこには、ボロボロになりながらも、仁王立ちするガルーラの姿があった。

 

「ガァッ!!」

 

「耐えた!?あの至近距離で!?」

レイジが驚愕する。

 

「これが、母親の強さだ!ガルーラ、『おんがえし』!!」

 

ガルーラが、残った力を振り絞ってマルマイン(戦闘不能だがフィールドに残っている残骸)を殴り飛ばす。

「マルマイン、戦闘不能!ガルーラは……まだ戦える!」

 

「くっ……計算外だ。なら、四匹目だ。サンダース!」

 

レイジも、電気タイプのエース、サンダースを繰り出す。

 

「ガルーラ、よくやった。戻れ!……ケンタロス、暴れてこい!」

 

俺は、ガルーラを戻し、荒くれ者のケンタロスを投入した。

「モォォォォッ!!」

やる気満々の咆哮。

 

「サンダース、『10まんボルト』!」

「ケンタロス、真正面から突っ込め!『ギガインパクト』!」

 

ケンタロスは電撃を浴びながらも、その突進力を緩めない。

「避けて!『かげぶんしん』!」

サンダースが分身するが、ケンタロスの突進は止まらない。

 

「全部なぎ倒せ!」

 

ケンタロスは分身ごとサンダースの本体を吹き飛ばした。

だが、その反動でケンタロスも動けなくなる。

 

「今だ!サンダース、『にどげり』!」

サンダースが立ち上がり、動けないケンタロスに蹴りを見舞う。

 

「ケンタロス、戦闘不能!サンダースも……戦闘不能!」

 

相打ち。だが、相手のエース格を道連れにした。

サブメンバーたちの底力が、戦況を互角以上に持ち込んでいる。

 

「……まさか、僕の自慢のスピード・チームが、ここまでパワーで押し切られるなんて」

 

レイジは、五つ目のボールを握りしめた。

「だが、地面にいる限り、こいつからは逃げられない!行け、ダグトリオ!」

 

三つの顔を持つ地面の暗殺者、ダグトリオが現れる。

準決勝、決戦の火蓋はさらに激しく燃え上がろうとしていた。

 

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