アニポケ転生者物語 作:投稿者
「ヤドラン、『にほんばれ』!」
ヤドランが空に向かって念力を放つと、無理やり雲を割り、スタジアムに強烈な日差しを呼び戻した。
「雨を上書きしたか。だが、水使いの本領を見せてあげるよ。ニョロトノ、『ハイドロポンプ』!」
雨が止み、威力が通常に戻ったとはいえ、ニョロトノの水流は強力だ。
だが、日差しを浴びたヤドランは、微動だにせずそれを受け止めた。
「今だ、ヤドラン!『サイコキネシス』!」
ヤドランの目が怪しく光る。ニョロトノの体が不可視の力によって宙に浮き、そのまま地面に激しく叩きつけられた。
「ニョロトノ、戦闘不能!」
「やるな。だが、次はこいつだ。行け、キングドラ!」
カイトの四匹目は、ドラゴン・水タイプのキングドラ。
「キングドラ、『りゅうのはどう』!」
「ヤドラン、目を閉じて『めいそう』!」
ヤドランは攻撃を無視し、精神を統一して自身の能力を高めていく。
「効かないよ!『あくび』!」
キングドラが眠気を誘う泡を放つ。
「(長期戦は不利だ)ヤドラン、戻れ!……ラプラス、行け!」
俺はラプラスに交代し、眠気をリセットさせた。
「水タイプ同士の対決だね。キングドラ、『りゅうのはどう』!」
「ラプラス、『まもる』だ!」
ラプラスが障壁を展開し、強力な竜の波動を真正面から受け止める。
「『あくび』で眠らせてあげるよ!」
「(眠らせに来たか!)ラプラス、そうはさせない!『フリーズドライ』!」
俺の隠し玉。水タイプにも効果抜群となる氷技だ。ラプラスの口から放たれた絶対零度の冷気が、キングドラの体を芯から凍りつかせる。
「なにっ!?フリーズドライ……!?」
カイトが初めて声を荒らげた。凍りついたキングドラは、そのまま水底へと沈んでいった。
「キングドラ、戦闘不能!」
「やったな、ラプラス!」
俺は喜ぶが、カイトの次の行動に息を呑んだ。
「僕の最強の矛……いや、魔王の一角。行け、ボーマンダ」
五匹目。600族のドラゴンポケモン、ボーマンダが空を切り裂いて登場した。
「ボーマンダ、『いかく』」
その咆哮だけで、ラプラスの体が微かに震える。
「ラプラス、『れいとうビーム』!」
「遅い。避けろ」
ボーマンダは翼を羽ばたかせ、重力を無視したような機動でビームを回避した。
「『りゅうのまい』」
空中で優雅に舞い、攻撃と素早さを極限まで高めていく。
「(まずい、積ませたら終わる……!)ラプラス、広範囲に『ふぶき』だ!」
「無駄だよ。『ドラゴンクロー』」
ボーマンダが急降下した。吹雪を力任せに切り裂き、一瞬でラプラスの懐に飛び込む。
「キューッ!?」
ラプラスの悲鳴。ボーマンダの鋭い爪が、ラプラスの硬い甲羅ごと身体を切り刻んだ。
「ラプラス、戦闘不能!」
一撃。これまで多くの攻撃を耐えてきたラプラスが、たった一撃で沈められた。
スタジアムが静まり返る。
「……強い」
俺は震える手でラプラスを戻した。
残る俺の手持ちは、ウインディ、フシギバナ、そしてヤドラン(消耗済み)。
相手はボーマンダと、最後の一体。
「さあ、残り二匹だよ。君にこの絶望を突破できるかな?」
カイトのボーマンダが、空高くで俺を見下していた。
絶体絶命の中、俺は次の相棒のボールを握りしめた。
「伝説の炎……見せてやれ。ウインディ、出番だ!」
副将戦。ドラゴンと伝説の獣。
セキエイの空が、赤く燃え上がろうとしていた。