アニポケ転生者物語   作:投稿者

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第85話

「コピーだと……!?ポケモンが、ポケモンを創り出したっていうのか!」

サトシが驚愕の声を上げる。ポケモンの命は、自然の中で育まれるもの。それを人工的に、しかもポケモン自身が作り出すなど、常識では考えられないことだ。

 

『いかにも。人間が私を創ったように、私もまた、より優れた存在を産み出したのだ。彼らはオリジナルよりも強く、賢く、そして何より……人間に媚びることを知らない』

 

ミュウツーの言葉には、自身の出生に対する深い絶望と、それ故の歪んだ自負が込められていた。

 

「ふざけるな!俺のポケモンが、コピーなんかに負けるわけがない!」

最初に飛び出したのは、フシギバナ使いのスイートだった。

「行くわよ、バーナード!『エナジーボール』!」

 

彼女のフシギバナが技を放つ。だが、ミュウツーのコピーフシギバナは、微動だにせずそれを受け止めた。

『弱い』

コピーフシギバナがツルを振るうと、突風のような衝撃波が発生し、スイートのフシギバナを吹き飛ばした。一撃だ。

 

「なっ……!?」

 

続いてウミオのギャラドスが『ハイドロポンプ』を放つが、コピーカメックスの『こうそくスピン』で弾かれ、逆に甲羅の体当たりを受けてダウン。

ソラオのピジョットも、コピーリザードンの圧倒的なスピードに追いつけず、空中で撃墜された。

 

「嘘だろ……。あいつら、強すぎる……!」

サトシたちが息を呑む。レベルが違う。技の威力、反応速度、タフネス……すべてにおいて、コピーはオリジナルを凌駕していた。

 

『次は……お前だ、ミナト』

 

ミュウツーの瞳が、俺を射抜く。

『お前は、トキワジムで私の拘束を解いた。その力、そしてそのフシギバナ……。私のコピーフシギバナと、どちらが上か試してやろう』

 

ご指名だ。避けては通れない。

 

「……分かっている。頼むぞ、フシギバナ!」

 

俺は、マサラタウンからの相棒、最終進化したフシギバナを繰り出した。

セキエイリーグを制した俺のエース。数々の修羅場を潜り抜けてきた、歴戦の勇者だ。

 

「バナァッ!」

フシギバナが咆哮する。目の前のコピーに対し、強烈なライバル心を燃やしているのが分かる。

 

『始めろ』

 

ミュウツーの合図で、コピーフシギバナが動いた。

巨体とは思えないスピードで突進してくる。

 

「フシギバナ、『ヘドロばくだん』!」

 

俺は先手を取る。毒タイプの一撃なら、草タイプには効果的だ。

だが、コピーフシギバナは身動き一つせず、飛来する毒の塊を自らのツルで叩き落とした。

 

『無駄だ。』

 

「なら、力で押し通すまでだ!『ハードプラント』!」

 

大地を割り、巨大な植物の槍がコピーを襲う。セキエイ大会の決勝で見せた、最大出力の技だ。

しかし、コピーフシギバナはその槍を正面から素手(ツル)で掴み、力任せにねじ伏せた。そして、逆にそのツルを使って俺のフシギバナを捕縛し、投げ飛ばした。

 

「バナッ!?」

自らの技を利用され、地面に叩きつけられるフシギバナ。

 

「(なんてパワーだ……。技術や経験だけじゃ、埋められない差があるのか!?)」

 

「フシギバナ、耐えろ!最大火力の『ソーラービーム』だ!」

 

俺は賭けに出た。溜めが必要な技だが、これに全てを込めるしかない。

フシギバナが背中の花を輝かせる。

 

だが、コピーの方はチャージの予備動作さえ見せなかった。

『終わりだ』

 

コピーフシギバナの背中の花が、一瞬で眩く輝く。

刹那、極太の光の奔流が放たれた。溜め無しのソーラービームだと!?

 

ドォォォォォン!!

 

「フシギバナ!!」

 

爆煙が晴れた時、そこには力なく横たわるフシギバナの姿があった。

カントー最強を証明した俺の相棒が、これほどまでにあっけなく……。

 

『理解したか。人間に育てられたポケモンなど、しょせんは偽物。私の創り出したものこそが、本物なのだ』

 

ミュウツーの言葉が、重くのしかかる。

サトシのリザードンも、コピーリザードンに敗北した。

カメックスも、フシギバナも、すべてコピーに敗れた。

 

『勝負はついた。約束通り、お前たちのポケモンはすべて頂く』

 

「なんだって!?」

 

『弱いポケモンなど必要ない。だが、その遺伝子は利用価値がある。私のコピーたちの糧となるのだ』

 

ミュウツーが右手を掲げると、天井から無数の黒い物体が降り注いできた。

それは、目玉のような模様がついた、禍々しい配色のモンスターボール。

ミュウツーボールだ。

 

『バトルの時間は終わりだ。これからは、私のコレクションとなってもらう』

 

「させるか!」

俺は傷ついたフシギバナを急いでボールに戻し、叫んだ。

 

だが、その黒いボールは、生き物のように空中を飛び回り、トレーナーたちのポケモンを追いかけ始めた。

ボールに入っているポケモンさえも、手元から強引に転送され、吸い込まれていく。

 

「逃げろ、みんな!ボールに戻るんだ!」

「ダメよサトシ!ボールごと奪われるわ!」

 

カスミの悲鳴。彼女のトゲピーやヒトデマンが、次々と黒いボールに捕獲されていく。

タケシのイワークも、ロコンも、逃げ場のない広間で追い詰められ、吸い込まれた。

 

「(くそっ……!このままじゃ全滅だ!)」

 

俺は腰のベルトに手を当てた。

ウインディ、カイリュー、ゲンガー、ポリゴン2、ラプラス、ヤドラン。

そして、ボックスにいる仲間たち。

彼らを、こんな理不尽な形で奪われてたまるか。

 

「(物語は、ここから最悪の局面へ向かう……だが、俺はまだ諦めないぞ!)」

 

俺はポリゴン2の入ったボールを握りしめ、この不条理なシステムへの抵抗を試みることにした。

黒い球体が、俺の目の前まで迫っていた。

 

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