数千回目のループに疲れたので休暇をもらったら、何故かみんなの様子がおかしくなりました   作:ド級のリトライ

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おいす〜、暇だから遊びに来たよ〜(初対面)

 

 

 

 

 

 「以前お会いしたことがあるのなら大変申し訳ないのですが、あなたは誰ですか?どうやって我々の本拠地を割り出せたのですか?」

 「だから言ってるじゃん。答えは()()()()から。あなたのことも、あなたの組織のことも、その目的、信念、行為、計画、未来、その全てを。ね、()()さん?」

 「ッ」

 

 暇だったのでゲマトリアの拠点に潜入したら警戒心バリバリだった件について。

 いや、それも当然か。なんせ今回はまだ初対面。相手からしたら一方的に知られていることも相まって、突然友達面してやって来た不審者といった印象だろう。

 

 「そう警戒しないで。()()()敵でも味方でもないからさ」

 「今回は、というのは……」

 

 流石黒服さん、目敏いね。

 ということで、軽く自分に関する情報を開示した。嘘や隠し事はしていない。というかする必要がない。どうせこの回が終わったら全て忘れるのだから。

 

 「………ククッ、クククッ、クックック!嗚呼、まさに不可解!まさに神秘の未知そのもの!理すらも捻じ曲げる力を、ただの一個人が保有して良いわけがない!だというのに、世界はそれを赦している!認可している!渇望している!これではまるで呪いだ!世界があなたの苦難を見て愉しんでいるかのようだ!!」

 「うわぁ……」

 

 人の身の上話聞いて笑っちゃってるよ、この人……

 

 「ハァ、大変興味深いお話でした。輪廻の如く繰り返される生。その神秘、是非ともあなたの隅々を検査させてもらいたく───」

 「別にいいけど、ぶっちゃけ時間の無駄だからやめといた方がいいよ。結局何も分からず終いだったしね」

 「……なるほど。()()()()()()でしたか」

 

 察しのいい人で助かるよ。ノンストレスで会話できる。

 

 「改めて確認したいことが。あなたがこの場に現れた目的はなんですか?あなたは我々の本質を知っている。つまり、先生や生徒と敵対関係にある我々を()()しにでも来たのですか?」

 「違う違う。言ったでしょ?暇だから来たんだって。今回は彼女たちの物語に一切干渉せず、ただ思う存分休暇を楽しむことに決めたの。それに、君たちは先生や生徒たちにとって良い起爆剤になってくれるしね」

 「では、本当に暇だから来たと……?」

 

 まぁ、強いて言うなら────

 

 「君たちの道具を使って色んな場所を周ってみたい!そのために是非とも協力してくれないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「追跡装置は?」

 「…………ダメですね、外されました。すでに監視システムからも消えています。相当やり手ですよ、彼」

 

 

 

 

 

♾️

 

 

 

 

 

 「ある生徒について調べてほしい、ですか?」

 「うん、少し気になる子がいてね……」

 

 珍しく先生からお願いされたと思えば、何とも不可思議な依頼でした。

 その依頼とは()()()()()()()()。しかし、先生が持つ【シッテムの箱】さえあれば、キヴォトスの全ネットワークに繋げることができる。秘匿も何もないただの一個人を特定するのに秒もかからないと思いますが……

 ただ、先生には度々職務を押し付け──もとい斡旋していることもあり、こうして頼ってくれるのは連邦生徒会首席行官として嬉しい限りです。

 

 「分かりました。では、その生徒の情報提供をお願いできますか?」

 「うん。彼の名前は

 

 

 

 

 

 ────カイト。きっと、カイトって名前だよ」

 

 

 「カイ、ト……くっ……!?」

 

 

 

 カイト───その名を聞いた瞬間、懐かしさと共に激しい頭痛が脳天を揺らす。

 

 

 そして─────────

 

 

 

 

 

 『リン!仕事ばかりじゃなくて、たまには一緒にゲームでもしようぜ!スイーツ巡りでもいいよ!』

 

 

 

 

 

 『約束する。何があっても君を支えるよ。まぁ、連邦生徒会長みたいなすごい人じゃないから、少し頼りないかもだけど……』

 

 

 

 

 

 『ごめん、リンごめんなぁ。僕がもっとちゃんとしていれば、僕が……』

 

 

 

 

 

 『ありがとう、リン!!』

 

 

 

 

 

 「あぐッ……!ハァ、ハァ……!」

 「リンちゃん!?大丈夫!?って泣いてるよ!?」

 「………は、はい、問題ありません。ただ、少し眩暈がして……」

 

 眩暈、とても苦しい言い訳だ。こんな拙い言い訳しか出てこなかった自分に驚く。

 しかし、先生はそれ以上追求せずに、『一度休んだ方がいい』とそのまま帰してくれました。

 醜態を晒したままで非常に心苦しい。しかし、同時に良かったと思える。

 だって───もう、我慢できそうになかったから。

 

 「ハァ、ハァ、あ゛ぁ……なんで、こんな……っ」

 

 シャーレの部室から出てしばらくした後、通路の壁に肩をぶつけ、みっともなく泣く。

 涙が止まらなかった。心が痛いと叫んで止まない。吐き気すらする。

 霜がかかったようにボヤけ、誰とも知らない身に覚えのない記憶なのに、どうしようもなく懐かしく、恋しく、そして愛おしい。今まで漠然と感じていた寂寥感を、優しく埋めるように記憶が巡った。

 

 

 ────会いたい。

 

 

 ────記憶の中にいるあの人に、ただ会いたい。無性に。

 

 

 「先生が仰った尋ね人───カイト。もしこの人が、この記憶の手がかりになるのなら……」

 

 連邦生徒会の総力を上げてでも、必ずかの人物を見つけ出す。それが私に課せられた使命なのだと、そう思った。

 

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