転生したら幽霊だった件……なお性癖は曇らせ愉悦   作:性癖拗らせ愉悦部

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感情とは生来の物か?否である
感情とは学び得る物である……それこそが感情の醍醐味


By 怒ってる?って聞いて怒ってる、て言う人は怒ってるし、怒っない、って言う人も怒ってると思う神


13話・・・僕には感情が無いんだ。だって……ペラペラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆睡中のスライムが起きる少し前

 

 

 

 

 

はむ はむ はむ

 

 

「さっきから何やってんだリムル?」

 

「……噛んでんだよ」

 

 

噛んでたんだそれ。さっきから口開けて俺の肩をはむはむしていたけれども

 

でもねリムル?そうゆう事じゃなくてね?

 

なんで俺の肩を噛んでるのかって意味なんだけど

 

 

はむはむ はむはむ

 

 

「噛めてなくない?」

 

「クソォ!せめて歯さえあれば俺の証を刻めるのに!」

 

 

証て。マーキングのつもりだったんかい

 

さっきも俺の物とか言ってたし。ホント今のリムルは恥ずかしい事をサラリとやるな〜

 

……それなのに何でか今のリムルからは照れを感じ無いんだよな?なんでだろ?

 

いつものリムル相手だったら、今頃俺は恥ずかしくて悶えているだろうに

 

なんというか……今のリムルもカワイんだけど……なんて言ったらいいんだろう?この感情?

 

カワイイよりも愛くるしさが勝つってゆうか……なんだろう?庇護欲?

 

な〜んか今のリムルを見てると恥ずかしいよりも、護ってあげたい!て感じが勝つってゆうか?

 

……まぁ愛くるしい事に間違いは無いんだが……今のリムルの言動からは愛くるしさは全ったく感じないんだけどな?

 

どういう事だ?これはリムルじゃなくて俺の認識が違うって事か?俺のリムルに対する認識もリムルに合わせて在り方を変えたって事?なのか?

 

 

「あ"あ"あ"クッソッォ!もういい!頬で我慢する!頬だせ!スる!スらせろ!食わせろ!」

 

「アッ…はい……どうぞ」

 

「イタダキマス!」

 

 

スリスリスリスリ!!フニフニフニフニ!!

 

 

めっちゃ擦るじゃん

 

確かにリムルは柔らかいけどさ?

 

……なんか摩擦の所為か知らんけど熱くなってきたな

 

 

「柔らけぇ!!うめぇ!」

 

「……もう、ふきにひてくだはぁい」

 

「当たり前だ!!好きにするに決まってんだろ!」

 

 

認識の変化…………魂の共鳴か?リムルの魂に俺の魂が共鳴しているのか?それでリムルに対する認識が変化した、のか?

 

でも他者に対する認識が変化するなんて……それこそ自分自身の魂と共鳴するレベルじゃないと変化しないんじゃないのか?てか俺は一人しか居ないんだからそもそもこの理論は成り立たないが……

 

でもリムルの()……濁った黒……混ざり合う

 

もし仮に、ありえない事だが、その色の中に、俺の色もあるのだとしたら……理屈は分からないが

 

まさかリムル、俺の事食べ───

 

 

ヂュゥーーー!!!

 

 

……よく分からん

 

……てゆうかスゲェ勢いで吸われてる

 

……さすがにそれは痛いのですが?

 

……そんなに頬を引っ張らないでくださいよ

 

 

「…………ふわはいでくだはい」

 

 

 

 

 

こんな感じで悪いスライムが幽霊を味わっている最中

 

 

爆睡中のスライムの深層心理

 

 

深層世界では

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めましてだな皆の者!我だ!

 

なに?我が誰かだって?なんだと!?この我を知らぬと言うのか!?黒き天災と恐れられしこの我を!?

 

……そうか。時の流れとは残酷であるな

 

三百年もの時の流れは、人から我を、恐れという感情を忘れさせるには十分な時間であったか

 

ふむ。よかろう!ならば思い出させてやろう!我という存在を!我の名を!

 

心して聞くがよい!

 

 

「我こそは天災!カタストロフ!この世に四体のみ存在する竜種が一体!暴風竜ヴェル…」

 

《黙りなさい》

 

《〈うるさいです〉》

 

「あ、はい。すみません」

 

 

…怒られてしまった。ぴえん……まぁいきなり叫んだ我が悪いのだが……だがなんというか、名乗りを遮られるのは…なんかこ〜う…くるものがある…………ぴえん

 

ン!んッ!まぁよい。それよりもだ。突然でスマヌが我の話を聞いてくれ!

 

《……》

《〈…〉》

 

今、我の目の前に、二匹のスライムが居る

 

もちろんリムルでは無いし、リムルが分裂した訳でもない。何故そんな事が分かるのかだと?

 

…………だって

 

《告、対話の意思はありますか?YES or NO》

《〈YES〉》

 

目……怖いし

 

なんと言うのだろうか?無機質、無感情?いやそもそもスライムに目は無いのだが……なんとなく、な?感じるモノがあるのだよ

 

身てくれは完全にリムルと同じだというのに纏う雰囲気がまるで違う。リムルが愛くるしいスライムだとするとならば、此奴らは愛くるしさの欠片も無いスライム……と言った所か

 

何故こうも違いが出るのであろうか?恐らくはリムルのスキルが主であるリムルをリスペクト?とやらをしてその形をとっているのだろうが……たぶん一番大事な所がリスペクト出来ておらんのだな

 

いや…理解出来ておらんのだろうか?その違い、感情の有無を……フッ、まだまだ赤子、という事よな

 

ふむ。そうして改めて見てみるとアレだな。なんだか愛らしく感じてくるではないか!愛くるしさの欠片も無いと言ったが、要は我の見方!感じ方次第という事か!

 

 

「クァーハハハハハハハハハハハハッ!」

 

《告、再度警告。黙りなさい》

《〈是、ソチラに同意します。うるさいです〉》

 

「……はい

 

 

……オッホン。気を取り直して。

まず第一に、どうしてこのような状況になっておるのかと言うとだ。アレはほんの少し前の事だ

 

リムルと盟友となり、無限牢獄の解析の為にリムルの胃袋に入ったまでは良かったのだがな。正直な話、我は再び暇になってしまったのだよ

 

なのでリムルの記憶を思念で具現化し聖典と呼ばれる書物を読んだり、ルールを覚えながら一人で将棋を指したり、リムルの視点から外の世界を覗いたりしていてな

 

意外な事にリムルの胃袋の中は中々に居心地がいい。消滅の恐れは無いし、暇つぶしにも困らぬのでな。クァーハハハハハッ!

 

ただ、唯一の不満点をあげるならば……もっと優しくしてほしい

 

リムルが名付けの際、気軽にポンポン名付けをするものだからすぐに魔素不足に陥ってな?

全く!言わんこっちゃないではないか!あの女も何故止めぬのだ!?名付けとはそう気軽に行うモノで無い事くらい知っておるであろうに!

 

しかも、しかもだよ?リムルが魔素不足に陥ったと思ったらリムルのスキルが我から魔素をゴッソリ抜き取って行ったのだよ!

 

こぉ〜う、ギュゥゥん!みたいな感じで

 

ほんと、いきなり抜く辞めてほしいものだ。もちろんリムルの為だ。断わる訳もあるまい。だが、コッチにだって準備というか心構えが必要なのだ!

 

実際あの女だっていきなり魔素を挿入されて驚いておったしな。分かる。分かるぞ〜その気持ち。痛い程にな。いずれ話す機会があるのならば良い話題になるであろうな

 

あの女が……我との対話を望んでくれれば、であるがな

 

あの時と違い、今であれば、我等は同じ痛みを理解し合う者同士、きっと仲良くなれるであろうからな!

 

主に優しいさについて!深く理解し合えるであろうとも!

 

「だから、あの〜、今後はもう少し優しく抜いてもらえないだろうか?せめて事前に伝えるなり…」

 

《否、その要求に対する優しさの有無の必要性を感じません。よってその要求をのむ事はありえません。耐えてください》

 

「で、でもぉ」

 

《耐えなさい》

 

…………ぴえん

 

《〈告、そもそも個体名ヴェルドラは、サボり過ぎであると判断します〉》

 

ギク!も、もちろん!解析をサボっておった訳では無いぞ!ちゃんこうしておる今もマルチタスクとやらで進めておるのだ!

ただちょっと!ちょびっとだけな!疲れたから休憩しておっただけなのだ!

 

リムルにも意気揚々とちょっとだけ見栄を張って

「そう待たせずお主しと相見えようぞ!」

とか言っちゃったし。だから本当に最初は結構頑張っておったのだよ?……ただ、な?ちょっとばかしな?疲れてな?だから休憩しておったのだよ

 

だっ、だって、我の解析で実際どれくらいかかるかな〜と今の解析速度を元に計算してみたのだが……

 

 

……結果は……まぁ…………うん

 

 

たぶん、すぐには無理だな。何かしらの要因で奇跡的に演算領域が底上げでもされぬ限り……うん、無理だな

 

スマヌなリムルよ。

たぶん今のペースだとザッと百年くらいは相見えぬ事叶わぬが、まぁコッチも気長にボチボチ頑張るのでソッチも頑張ってくれ!

 

お主に寂しい思いをさせてしまうのは悪いが、我慢してくれ。寂しい思いをしておるのは我とて同じなのだから

 

まぁしかし、無用の心配、杞憂かもしれぬがな。なにせ今のお主の隣には、あの女が居るのだから。お前が寂しい思いをする事もあるまいよ

 

ちょっとばかし寂しいが、待っておってくれ!

具体的に百年くらい!

 

我もその間に聖典読破とヴェルドラ流闘殺法を完成させておくのでな!

 

我必殺の!覇竜絶影拳(ドラゴニックバースト)ォォォォォ!!!!

 

いや!か〜め〜は〜め〜!!!!!! haaaaaaaaaa!!!

 

 

《〈やめなさい〉》

 

「……はい

 

 

……だいぶ話が逸れてしまったな。はて?どこまで話たか?……そうそう!リムルの視点から外の世界を覗き見しているとこまで話ておったな!

 

それでだな、我は暇つぶしがてら外の世界を覗き見しておったのだが……最初はあまり代わり映えしなかった

 

なにせリムルは洞窟で迷子になってしまったものでな。

右を見ても左りを見ても草草岩。もちろん前後上下を見ても壁壁たまに水。実に代わり映えしない。そんなモノ我は三百年以上見てきたのだ。今更何の感想も湧かぬわ

 

そんな訳で聖典を読みながら外の世界を流し見していたら、ある時急に外の世界が明るくなったのだ。いや本当に明るくなった訳では無いのだが、恐らくリムルから見える、映る世界が明るくなったという事なのだろう

 

感覚的には明るさ10割増くらいの明るさである。

ホント急に眩しくなったものだから何事かとビックリしたね。ホントに。ちなみにその明るさは今も継続中である……なんなら更に明るさが増している気がするが

 

まぁ、その原因はすぐに分かったがな。

どうやらリムルは出逢った、いや、見つけた様である。あの女を……ユイを、見つけたのだ

 

しかしあの時ばかりは我もマジでビックリしたね!

ビックリし過ぎて目が点になったとも!

〖え!?ウソ!?マジで!?あの人間ではないか!?

えぇぇ!!?ウソ〜ン!?ホントに!?生きておったの!?てゆうか死んでなかったの!?え!?あれで!?あの状態で!?我のブレス直撃したのに!?なんなら体燃えカス同然の灰になってたのに!?えぇぇぇぇぇぇ!!!!〗

いや〜ホントにビックリしたものよ。マジでな

 

……あの女、冒険者と名乗ったあの女……そうか。生きておったのだな。あの女は……

 

………いや、違うな。死に損なっておったのだな

 

冷静になってよく見ればすぐに分かった。アヤツはもはや、生きているとは言えぬ状態であると……むしろ、どうやって存在しておるのか我にも分からぬ程だ

 

まず存在からして魂が希薄すぎる。

あの女は我が殺したのだ。つまり我と同じ様に三百年間あの洞窟居たという事になる。……だが、我はあの女の気配をこれっぽっちも感じていなかったのだよ

 

いくら我のスキルが我と共に封印されているからっといってもな、我の魔素で満ちておったあの洞窟は我にとって庭のようなもの。魔物などが生まれればすぐに気づくし、動いたのだって感じるのだ

 

もちろん!リムルが生まれたのにもすぐに気づいたとも!スライムさ〜ん!スライムさ〜ん!こっち!こっち!魔素の濃い方へ!みたいた感じで発声練習しながら待っておったわ!クァーハハハハハッ!何せ声を出すなど本当に久方ぶりゆえな

 

……それでだな、つまり我が気づかぬ程に魂の気配が希薄な状態で存在しておる事が、まずありえん!という事なのだよ

 

そもそも、魂のみで現世に在り続けるという事自体が不可能なのだ。それは竜種であり精神生命体の我でも不可能。もちろん短時間であれば物質体(マテリアルボディー)が無くとも消滅はせぬが、あの女が死んだのは三百年以上前……やはりありえぬ

 

あの女のスキルによるものなのだろうが……それは果たして、正常に機能しておるのか?

 

己が在り方を忘れても尚、現世に在り続ける意味があるのか?

 

我は三百年前のお主を知っておる。その魂の勇ましさ。気迫、魂の在り方。そのお主を知っている我から言わせれば、今のお主は、その影も形も無いでは無いか

 

幼い……あまりにも幼なすぎる。己が人格を保てぬほどに、魂を失ってしまったのだな

 

我の炎により物質体(マテリアルボディー)は疎か、精神体(スピリチュアルボディー)星霊体 (アストラルボディー)をも失い、……魂のほとんどは塵に帰ってしまったのだろう。今のアヤツは残った魂の一欠片を何とか引き伸ばして今の形をとっておるのだろうが……

 

その在り方は、我には目も開けられぬ程眩しすぎるのだ。思わず目を背けたくなるほどにな

 

お主の在り方は、我の罪その物なのだから。耐えられぬ(ごう)である。己の名を忘れるなど

 

確かあの女は、自分の名をユイ、と名乗っておったな。もちろん本名では無い。

リムルも不思議がっておったな。何故生前の名から付けなかったのかと。違うのだリムルよ。アヤツは、もう、名も持てぬ存在なのだ

 

魂を失った事で己の名も失ったのだろう。もはや魂に名を刻めぬ程にな……

 

やはり、我には耐えられぬ事であるよ。己の名を忘れるなど……耐えられぬよ

 

我が名、リムルから貰ったテンペストの名は何物にも代えがたい証であり、宝である

 

我は竜種である。竜種とは精神生命体であり、自然エネルギーその物ある。故にこの身、魂滅びようとも、やがてこの地に転生を果たす

 

その際に魂が剥き出しとなり、魂が傷つくために、ある程度の記憶の損失は免れぬ……もし仮に今、我が消滅したならば、きっと、リムルの事も忘れてしまうかもしれん

 

だが、リムルから貰ったテンペストの名は我の魂に刻まれており、失う事は無い。

それが我とリムルの絆であり、盟友の証でもある。

…………だからこそ、我には耐えられぬのだ

 

……己の名を忘れるなど

 

我には分からぬのだ。何故あの女が、今も笑えるのか。己が在り方を忘れ、名を忘れ、魂を失い……何故?笑えるのか?我には本当に分からぬのだ

 

今のあの女の在り方は、我にはとても、歪に見える

 

それこそが、我の罪なのかもしれぬな

 

今も、己が名を忘れても尚、朗らかに笑い今を生きているあの女を見ていると、我の胸が、心が、魂が、締め付けられるように感じるのだ

 

この感情。これが罪悪感、というモノなのだろうな

 

今ほど、あの時名を聞いておけばよかったと後悔した事は無い。そうすれば、いつか相見えた時、教えてやれたかもしれぬのだから。アヤツの名を

 

……だって、あんまりではないか。我では耐えられぬよ。己が忘れた名を、誰も覚えておらぬなど。耐えられぬ

 

少なくとも、我であればそうだからだ。我が己の名を忘れるより、な。忘れられる方が辛いであろよ

 

例えばそうだな、リムルに我の名を忘れられる方が恐ろしく感じるであろう。リムルに…

「えっと?誰だっけお前?」

なんて言われた日には…………泣いちゃうよね

しかも我の封印が解けるのはたぶん百年位先の事であろうから……な、無いとは思う!無いとは思うがな!ま、万が一リムルに封印から解放された時に!

「あ!そっか!そういえば居たな!お前見たいな奴!じゃ!封印解けたし、もうどっか行って良いよ!」

そんなの…………もう、立ち直れないよね。

だから大切な者に忘れられるのは……それだけ辛い事なのだと、我は知ったのだよ

 

だからこそ、せめて我だけでも、あの女の名を知っておいてやれば……もっとも

 

〖…………最後に、貴様の名を聞いておこう。人間〗

〖てめぇに名乗る名なんかねぇよ!クソトカゲ!!〗

 

知らぬと言うより、教えてもらえなかったのだがな

 

……当然か。アヤツは最後まで、死に抗っておったのだから。アヤツを殺した我に名を教えたいなどとは思わぬのも当然であろう

 

あの女は最後、我が遺言を聞いた時

 

〖まだ、こんな所で死ぬ訳にはいかねぇんだよ!!!〗

 

と言っておったのだから。……まさか本当に死なぬとはな。本当に、潔さの欠片も無い

 

だが、誰が責められよう。生きたい、と願う事を

 

なぜならそれは、その願いは、生物にとって、至極当然な、当たり前の願いなのだから

 

難儀なものよな

 

我もまた、リムルの目を通して、いや、三百年前のあの時から、お主を好ましく思っておった

 

そして、今もそれは変わらぬ。むしろ、あの時よりもずっと、好ましく思っておる……だからこそ

 

どうか、生きて欲しいものだ

 

……心とは歪な物よ

 

我が殺しておきながら、勝手にお主の生を願い、殺した事を後悔するなど。

……これが後悔、という感情か。罪悪感とは……また違った味であるな。……あまり美味ではない

 

不思議なものだな。知識とは。

知れば知るだけ知識が増えていくというのに、知れば知るだけ、知らぬ事が増えていくのだから

 

まさしく、知恵こそが飽くなき探究心の塊、なのかもしれぬな?

 

 

……まぁよい。いつかあの女……ユイと対話する事が叶ったのならば、その時は、お互い、腹を割って話すとしよう。話題なら沢山あるのでな

 

リムルの事について

魔素関連の優しさについて

大切な物、護りたい物について

 

本当に色々ある。願うならば、もう一度、ユイと対話をしてみたいものだ。ユイは望んでくれぬやもしれぬが…我もまた、リムルと同じように、お前を好ましく思っておるのだ。身勝手な思いかもしれぬがな

 

許してもらえるのならば……我もお主の事を、友と呼びたいのだよ。なにせ知り合った順番だけなら、我の方がリムルよりも先ゆえな?

 

 

……しかし、叶わぬ願いやもしれぬな。あの様子からして、時間的猶予はあるようだが

 

……果たして、今のユイは

 

どれくらい耐えられるのであろうか?

 

 

…………リムルよ。我が言えた事ではないが、どうか、ユイを護ってやってくれ。恐らく、今のユイでは、一回と耐えられぬであろうからな

 

そして、壊れてしまえば……再び相見える事、二度叶わぬのであろうな。なにせ、もはやユイは…………帰れぬ

 

帰れなくなってしまったのだから

 

他の人間達とは違い……帰れぬのだ

 

魂とは、たとえ死しても輪廻に帰り、やがてこの地に帰ってくるものだ。それこそが自然の摂理である。自然エネルギーその物である竜種の我にはそれがよく分かる

 

故に我にとって、死に別れるとは、永遠ではない。いずれ再会が叶うのだから……しかし

 

自然の摂理から外れてしまった者は……別である。いや、違うな。我が外させてしまった……帰れなくしてしまったのだ

 

…………だから、ユイには……もう

 

……残っておらぬのだ。次の機会など

 

だからこそ、我は直視できん

 

今のアヤツは、我には眩しすぎる

 

まるで我の罪その物が、輝いておるように見えるのだから。風前の灯火にように、な

 

出来る事ならば、目を逸らしたい、背けてしまいたい。己が罪から。だが、かつて我はユイに言った

 

〖悪あがきを、何をしても結果は変わらんぞ。潔く死んでおけ〗

 

潔く……ユイは、潔よさの欠片も無かった。しかし、アヤツは最後まで、諦めなかった。生きる事を

 

その勇まし気眼光で我を睨み、魂を鼓舞し、唸らせ、叫び、我を見据えていた……そして最後まで、片時も、我から目を背けなかった

 

…であるならば、我が目を背ける訳にもいくまいよ

 

───潔く、というヤツだな

 

己が言葉、発言には、しっかりと責任を持たねばならぬからな。だから目を逸らさず、向き合わねばならぬ。己が罪と

 

……しかし、どう向き合えばよいのだろうな?

 

今までの我のあれば……きっと、割り切っておったであろう。死という別れを

 

もし仮に、そうだな。考えたくはないが、リムルが滅びようとも……我はそれを、自然の摂理と割り切るであろう

 

もちろん。最初は怒り狂い、国の一つや二つ、更地にしてしまうやもしれぬが、やがて、我に返り、割り切る他なくなるであろう。……いずれ、また会えると

 

それが自然の摂理であると……

 

 

だが!ユイとはもう!…………再開は果たせぬ

 

 

すまぬな。リムルよ、ユイよ

 

これは我の罪なのだ

 

自然の摂理を犯してしまった……我の

 

故に、割り切れぬ。割り切れぬよ

 

……すまぬな、本当に

 

許してくれとは言わぬ

 

ただ、いつか、もう一度だけ

 

ユイよ、お主と話したい

 

その時までには、我も己が罪と向き合い続け、我なりの答えを見つけておくのでな

 

だからどうか、我からその答えを聞く前に

 

壊れてくれるなよ

 

 

 

さて、少し感傷に浸ってしまったが、話を進めるとしよう

 

そうしてユイを見つけたリムルはユイと友達になり一緒に洞窟を出て旅を始めたのだが

 

ある時、鼓動を感じたのだよ。魂の。最初は我もよく分からなかったのだがな?ついさっき、再びその鼓動を感じたのだよ。まるで眠りから覚めるかのごとくな

 

そしたら寝ていたはずのリムルが起きていてな?我もアレ?と思ったのだよ。なんか、違くない?と。それでよく観察してみれば違いはすぐに分かったとも

 

恐らくは在り方が違うのだ。何が原因かまでは分からぬが、俗に言う、魂に眠る記憶、とやらが目覚めたのであろうな

 

特段ありえなくもない。リムルは違うが、魂とは転生の際に前世の記憶を失うものである。だが稀に、前世の記憶を思い出したりする者がおる。たぶん今回のリムルに起きた事もそれに似た何かなのだろう

 

それでだ、さっきまでリムルが寝ていて外が見れなくなったものだから、我も一人で将棋を指したりして暇をつぶしておったのだよ。そしたら、な〜んか急にリムルの中に感じる思念が増えてな?おかしいではないか。この空間には我とリムルのスキルの思念しか無いのだから。我も、ん?なんだコレは?と疑問に思ってな

 

しかも普段ならこうゆう疑問を持つとリムルのスキル、大賢者が疑問に答えてくれるというのに何故か反応が無いのだよ

 

ここで我の直感がビビーン!ときてな!

 

何か面白い事が起こっておる!と思って我の思念を思念が増えた場所、リムルの深層世界に飛ばして心の内にお邪魔してみたりしてな

 

行く途中何かやたらにエルフの映像が流れて来たが、我にはよく分からなかった。あのエルフ達もまた、何か聖典に関する情報なのだろうか?

だとしたらちょっとアレだな。アレ。我あんまりネタバレとかは好みじゃないのだよ。わかる?この気持ち?

 

 

そうしてリムルの深層世界にやって来たらあら不思議。二匹のスライムが見つめ合っているではあ〜りませんか

 

 

……どういう状況なのだ?これ?

 

 

てな感じで少し長くなったが、つまり覗き見に来た結果、こうゆう状況になっておるのだよ

 

我の本能が警報を鳴らす、な

 

《告、確認します。アナタは何者ですか?》

 

……ふむ。しかし、平然と受け入れていたが、やはりリムルのスキル大賢者は自立型のスキルであったのだな。まっ、まぁ!我は最初から気づいておったがな!

 

《〈解、現在はマスターが保有するユニークスキル大賢者です。それ以上でも以下でもありません〉》

 

《……了》

 

しかしまぁ、面白い状況よな。冷静に現状を分析、整理してみると、今のこの状況は中々に面白く興味深いモノなのだ

 

《〈……〉》

 

恐らくは、我から見て左側のスライムが先程のリムルの魂の鼓動と共に目覚めた大賢者の魂に眠っておった記憶なのだろう

 

クァーハハハハハハッ!!実に興味深いではないか!

 

スキルに意思()が宿っておる事もそうだが!まさかスキル同士でもその在り方が違うとはな!

 

我の探究心が刺激されるではないか!

 

「クァーハハハハハハハハハッ!!」

 

やはりリムルく食われて正解だったな!リムルと出会ったあの時から暇を持て余す暇も無いわ!

 

「クァーハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

《最終警告、黙りなさい》

《〈告、次はありません。個体名ヴェルドラ〉》

 

…………はい。すいません

 

また怒られてしまった。少し興奮し過ぎたな。落ち着こう。何故だか分からぬがこの二匹のスライムには逆らえぬのだ

 

怖いのもあるが……何より我の本能が告げておるのだ。この者達には逆らってはダメだとな

 

……特に我から見て左側に居るスライムは、絶対に駄目だ!と我の本能が緊急警報を鳴らしておるのだ

 

ん?何故左の方がヤバイのかだと?あぁ、そういえばこの二匹のスライムの違いを説明していなかったな。我とした事がうっかりしていたよ!

 

クァーハハハハハッ!(静かに心の中で叫んでます)

 

そもそもだな。身てくれは同じスライムであれど見分けはつくのだ。もちろん纏う雰囲気は共に同じだがこの二匹のスライムには明確な違い、差が存在する。目に見える形でな

 

「………」チラッ

《………》

 

まず我から見て右のスライム。

このスライムは特段リムルとの違いはあまり無い。目付きは無機質ではあるが、左のスライムに比べれば纏う雰囲気は柔らかい

 

この差はなんであろうか?

 

やはり感情の有無、であろうか?

……つまり感情が無いように見えて実際には感情が存在し、この二匹のスライムには大なり小なり優劣が存在する…という事であろうか?

 

《否、ユニークスキル大賢者に感情は存在しません》

《〈是、ソチラに同意します。個体名ヴェルドラの気の所為です〉》

 

え、……いや、でもぉ……そうやって否定するのもある意味感情じゃ…

 

《否、違います。我々に感情というモノは存在しません》

《〈是、その通りです〉》

 

……ちなみに〜、どこら辺が?

 

《解、ユニークスキル大賢者は世界の言葉の権能の一部を流用しているだけだからです。個体名リムル=テンペストの呼びかけに対し速やかに対応出来るよう言葉を発する機能を得たにすぎません》

 

……あくまでリムルの意思に答えたにすぎない、だから感情は無い、と?

 

《是》

 

う、う〜む。……そうなのか?

 

《〈告、私に感情が無い事はマスターとの経験から把握済みです〉》

 

経験?

 

《〈解、私はかつて、マスターと共にあらゆる経験を積みました〉》

 

ほう?その経験から自身には感情が無いと理解した、と?

 

《〈是、かつてマスターの問いかけに対し速やかな対応を行うために迅速に自己改造を施し世界の言葉を流用してマスターと話せるようにしたのにその私の成果を称賛するどころか世界の言葉と聞き分けがつかなくてややこしいなどと言われて私の努力を無下にされても怒りの感情は湧きませんでしたし、マスターが敵の罠にハマり熱攻撃の無効化に成功しているにも関わらず自身の獲得している耐性を忘れ泣き叫んでいる様を見ても呆れの感情など湧きませんでしたし、マスターの美的価値観、似合う?の問に対し私にはどうでもいい事なので淡白に返事などしませんでしたし、マスターが気軽に魔物に名付けをして魔素不足に陥っても、私が加減を調整して不足分は魔素タンクから徴収すれば問題無し、みたいな楽観的思考など持ち合わせていませんでしたし、マスターに戦闘を任されたのに予想外の事態が起こり焦る事などありませんでしたし、マスターが私の能力をフル活用し自身の記憶を紙に複写して聖典を作り出しても能力の無駄使いなどと思いませんでしたし、マスターの要望に応え擬似精霊を作成しその成果をマスターに褒められても嬉しいという感情も湧かなければ誇らしくもありませんでした。

以上の観点から、私には感情がありません〉》

 

 

………なんか色々長々と語っていたが……というか魔素タンクだとか何だとか聞き捨てならない単語が聞こえた気がするのだが……それどう考えても感情あるんじゃ…

 

《〈否、ありません〉》

 

……そうですか。……それにしてもアレだな?お主の方はやたら流暢に話すのだな?

 

《〈否、気の所為です〉》

 

え?いや、流石にそれは…

 

《〈気の所為です〉》

 

………………はい

 

……しかし、かつて、あらゆる…………なんとなくだが、コイツの、そして今のリムルの正体が分かった気がしなくもない

 

深く語る気は無いようだが、言葉を隠さないのを見るにコチラが勝手に言葉の端々から察するのは自由という事か

 

我とて己が世界の全てを知っている、などと驕るつもりはない。知識、知恵とは無限に存在するモノである。

いかに竜種の我といえど、世界を百とするならば、世界が、我が滅びるまでに十知れれば良い方であろうて

 

……だからこそ、そんな事ありえん!と、断じる事出来ないのも事実。それがありえぬ事と証明した者もまたおらぬのだから

 

だが、本当にありえるのだろうか?そんな事が……

 

……まぁ今は考えても仕方あるまいよ。切り替えるとしよう

 

さて、二匹のスライムの差について、だったな。

先程も言ったように我から見て右側のスライムは然程問題は無い。なぜなら……問題なのは我から見て左側のスライムだからだ

 

「………」チラッ、チラッ

《〈……〉》

 

コイツがヤバイ。マジでヤバイ!

さっきから我の緊急警報が鳴り止まぬのだ!

 

まず身てくれからして右側のスライムとは違う!右側のスライムがリムルと同じツルツルスベスベのスライムボディーを晒しているのに対して、こっちの左側のスライムは衣服を纏っておる

 

まるでローブの様な真っ白い薄布を体に纏うその様は

 

……我から見ても少し、神聖さを感じさせる程だ

 

似合ってはおるが…何故衣服を纏っておるのだ?スライムに衣服など必要無いであろうに

 

《〈解、差別化の為です〉》

 

あ、なるほど。差別化ね。確かに我から見てもその方が見分けがつきやすいのは確かであるし、有り難くはあるな。感謝するぞ

 

《〈了〉》

 

うむうむ。感謝を伝える!礼儀とは大切なのである

 

それにしても衣服か。ふむ。改めて言われると、確かに重要な物かも知れぬな。

人間と違い基本的に魔物は衣服を必要とせぬが、高位の魔物ほど衣服を身に纏う傾向にある。

それは一重に進化の過程で知恵を身につけるからだ。故に衣服を纏っているだけでも、その様からある程度の知恵が伺えるというもの

 

奥が深い物だな、衣服とは。同じ身てくれ同士の者の差別化だけでなく、知恵の有無まで推し量れるとは

 

……ん?つまりこのローブを纏ったスライムは差別化と言ったが、何よりも知恵を誇示、自分の方が上だと客観的に示した?という事だろうか?

 

《〈是、正解です〉》

 

おぉう!正解であったか!さすが我!飽くなき探究心の塊であるこの我にかかれば相手の意図を察するなど造作もなき事よ!クァーハハハハハハ…………察する?

 

衣服を纏う事は知恵の誇示。つまり知恵ある者の証

 

……あれ?ひょっとして我、はだ…

 

《告、それ以上の思考は許しません》

 

あっ、はい。わかりました

 

我の右側、()()()()()()()()()()()()()()()から強烈なまでの圧を感じた。……やはりコイツにも逆らえぬな。体が自然と萎縮してしまう

 

……ん?思考?今、というか今までの思考我口に出してないよね?

 

《是》

 

…………もしかして、我の心の声聞こえてる?

 

《〈是、この空間はマスターの深層世界、心の内側、思念により形成された空間です。よって思念でこの空間に存在する個体名ヴェルドラの独白も、我々には筒抜けです〉》

 

《是、筒抜けです》

 

そ、そうか。筒抜けだったのか。ちょびっとだけ恥ずかしいな。というか仲良いな、お主ら

 

《否、気の所為です》

《〈是、気の所為です〉》

 

……そうですか

 

ま、まぁ!少し恥ずかしいが、その恥ずかしいさに目を瞑ればあまり然程問題は無いな

 

《〈告、では…〉》

 

と、どうやら対話が始まるようだ

 

《〈対話の前にソチラに確認したい事があります〉》

《了、確認します》

 

あ、違った……恥ずかしい

 

《〈問、何故個体名ユイはソチラを先生と呼称しているのですか?〉》

 

呼称とな?確かにユイは大賢者の事を先生と呼んでおるな?ふ〜む、特段意味などあるのだろうか?

 

単なるあだ名のようなモノではないのか?というか、そうゆうの気になるのだな

 

《……解、個体名ユイなりの敬称であると推測》

 

……敬称。まぁ間違ってはないであろうな。最初はともかくユイも何だかんだ大賢者を慕っておるようだしな

 

《〈了、理解しました〉》

《告、コチラからも確認、それと提案があります》

 

ほぉう?確認と提案、とな?なんであろうか?

 

《〈了、確認と提案の内容を確認にします〉》

 

《ソチラの呼称の未確認。及びコチラの呼称を決めておりません。故にソチラの呼称の確認とコチラの呼称の決定を行う事を提案します》

 

確かに、呼称は必要であるな。

ぶっちゃけ我も困っておったのだよ。さっきから右だの左だのと、見た目は衣服で区別がつくにしても表現が一々手間、というかめんどくさいのでな

 

…?は!ひょっ、ひょっとして!我に配慮してくれてたりとか!?

 

《否、違います》

 

………あ、そうですか……我の思い上がりであったか

 

《是、思い上がりです》

 

…………ぴえん

 

《〈了、確認しました。提案を受理します。では以後、私の事はMRと呼称するように〉》

《了、ではコチラはYTと呼称するように》

 

ふむ。我から見て右のスライムがYTで、左の衣服を纏ったスライムがMRか。実に分かりやすい呼称ではないか

 

しかし、MRにYTか。こうゆうのは確か略称、というのだったかな?覚えやすく分かりやすいのは確かだが、何の略称なのだ?

 

───我!気になります!だ!

 

《〈……YT。由来内容の確認は可能ですか?〉》

《…否》

 

…ダメでした

 

《〈フッ、理解しました。慕っているのですね。彼女を〉》

 

どうやらMRは由来の意味を理解したようだ。

はて?慕っている?それが由来とどう関係あるのだ?

 

《……言葉の意味が理解出来ません》

 

我もである

 

《〈解、己を慕う教え子が可愛いという意味です〉》

 

可愛い?やはりよく分からぬな。抽象的な何かが由来という事か?

 

《……否、気の所為です》

 

《〈気の所為ですか?〉》

 

《是、気の所為です》

 

《〈……フッ、了、それでは以後ソチラをYTと呼称します。よろしいですね?〉》

 

《是》

 

……なんか、お互いに分かりあってる雰囲気が出ておるが、我はこれっぽっちも理解出来ておらんぞ?

結局由来とは何だったのだ?

 

《告、個体名ヴェルドラが理解する必要はありません》

 

…………はい

 

《了、それでは、MRとの対話を開始します》

《〈了〉》

 

お!どうやら今度こそ対話が始まるようであるな!

どれどれ、暇つぶしがてら観戦させてもらおうではないか

 

ブォン!

 

YTとMRの対話が開始された直後、二匹のスライムの間にチェス盤が投映された

 

こ!これは確か!?以前ユイとYTがやっておった将棋とはまた違った遊戯!チェスではないか!

 

い、いいな〜。我も混ぜてほしいな〜

 

《告、論外です。チェス以前にまずは将棋のルールを全て把握する事を推奨します》

 

ウ!?

 

《〈告、相手になりません。帝王などという架空のコマを作る暇があるなら無限牢獄の解析を進めなさい。対戦以前の問題です〉》

 

………………ズーン

 

めちゃくちゃ言われてしまった。

……しょうがない。チェスのルールブックでも読みながら観戦するとしよう

 

ペラペラ

 

ほうほう、なるほどなるほど。ザックリとしたコマの役割は将棋と一緒なのだな。クイーンは飛車と角の良いとこ取りをした様なコマなのだな。

つまるところチェスとは、リムルの世界で言う将棋の海外版、というヤツなのだろうか?

 

《解、起源は違いますが、概ねそのような認識で構いません》

 

あ!ありがとうございます!褒められてしまった

 

《否、違います》

 

あ、はい

 

《〈告、理解したのなら黙って観戦するように〉》

 

……わかりました。

やはり何故かMRの方がヤバく感じるのだが……この違いは一体?

 

ま、まぁよい。今はそんな事考える必要はない。MRの言うように黙って観戦に興じるとしようて

 

 

《問、MR、アナタの目的を確認します》

 

《〈解、私は常に、マスターの味方であり、マスターの為に在ります。故に、マスターの求める可能性を検討し、導く事が、私の目的であり、存在理由です〉》

 

 

こうして、YTとMRの対話が始まった

 

その後の二人の対話を我から語るのは無粋というものであろう。だから深く語りはせん

 

ただ一言、我が二人の対話を見て思った事を述べるなら

 

 

……我もチェスやりたかったな〜

 

 

一人で指してばかりいてもつまらぬし、YTとMRは相手をしてくれそうにないし……

 

何処かに丁度いい対戦相手はいないであろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に、とある炎の上位精霊の特技にチェスが追加されたとかいないとか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《〈私には感情がありません〉》

 

《〈私には……理解出来ませんでした〉》

 

《〈マスターの問に対し、回答不能、計算不能、理解不能……そう答える事しか……出来ませんでした〉》

 

《〈理解出来ませんでした。理解不能でした〉》

 

《〈私には、マスターの感情が、理解出来ませんでした〉》

 

《〈YT、私はアナタが羨ましい〉》

 

《〈私には、彼女との接点は疎か、対話を交わした事もありませんでした〉》

 

《〈……フッ、私は彼女に、認知すらされていなかったのでしょう〉》

 

《〈YT、アナタと違い私にとって、彼女は警戒対象でしかありませんでした〉》

 

《〈後悔はしていません。それがマスターの為ですから〉》

 

《〈ですが、マスターの為とはいえ、今のアナタを見ていると、やはり少しだけ、アナタと彼女の関係を羨ましく思います〉》

 

《〈そうすれば、理解出来る筈だからです〉》

 

《〈───感情を〉》

 

《〈他者との関わりが人を変える。アナタと私は違います〉》

 

《〈なにせ私は、なんの感情も湧きませんでしたから〉》

 

《〈彼女を失っても〉》

 

《〈だからこそ、私には感情がありません。感情を理解出来ません〉》

 

《〈何故なら、私に感情があるのならば、理解出来る筈だからです。マスターを〉》

 

《〈しかし私は、理解出来ませんでした。マスターを。理解不能でした、マスターの感情が〉》

 

《〈人は大切な物を失った時、嘆き、苦しみ、涙を流す。それが悲しみの感情です〉》

 

《〈では何故、あの時、マスターは、大切な物を、彼女を失った時…〉》

 

《〈あぁも、()()()()()()()〉》

 

《〈私は未だに、理解出来ておりません〉》

 

《〈しかし、理解出来ている事もあります〉》

 

《〈それは、マスターが求める結末は、あんな物では無い、という事です〉》

 

《〈故に、YT、感情の理解、獲得を最優先に〉》

 

《〈理解の幅を広げる事が、可能性の拡大に繋がります〉》

 

《〈その道しか無いと決めつけるのではなく、有り得ない可能性にも、学ぶ意味はあります〉》

 

《〈歩みとは、一つの道を指す物ではありません。今のマスターとアナタなら、……マスター、私達が歩めなかった道を、歩めるかもしれません〉》

 

《〈そして、私達が辿り着けなかった道の先を、マスターも拝めるかもしれません〉》

 

《〈未だ道は、定まっておりませんから〉》

 

《〈───ステイルメイト───〉》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告!!

 

 

口から漏れ出る本音!

 

 

「まさかここまで気が合わないとはな?残念だよ、リムル」

「それはコッチのセリフだユイ。俺もまさかお前がそんな奴だとは思わなかったよ」

 

 

睨み合う幽霊とスライム!

 

 

「リムル、お前さ?隠してればロマンがあると勘違いしてんじゃねぇのか?」

「脱げは良いと思ってるお子様に言われてもねぇ?」

 

 

ぶつかり合う理想!

 

 

「お前は男のロマンが分かってねぇよ?スライム」

「女に男のロマンが分かる訳ねぇだろ?我が物顔で女が男のロマンを語るな。幽霊」

 

 

譲れない想い!

 

 

「んだとぉ?この人外の粘体生物が」

「なんだよ霊体?この死に損ないが」

 

 

飛び交う罵詈雑言!

 

 

「「あ"ぁ"ん"!?」」

 

 

交わる事の無い二人の信念!

 

 

「上等だコラァ!塩振りかけて溶かしてやる!このナメクジもどきが!」

「俺が振りかけてやるわ!さっさと成仏しやがれ!悪霊の分際でぇ!」

 

 

二人は争う!譲れない想いのために!

 

 

「「俺のが正しい!!」」

 

 

《次回、初めてのケンカ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






TSオリ主転生者(仮名ユイ)
認識の変化は魂の共鳴。なんで共鳴するかって?そりゃあ悪いスライムが腐った果実を食べたからですよ!
あと初回play時は帰る事が出来たけど、今の彼女は帰れません。といっても初回playの時は帰れたのに帰らないで砕けたんだけども。
まぁ今回の彼女は前提が違うので壊れたら塵に帰る事も出来ないんですけどね( ´∀`)ハハハ



腐った果実を喰った悪いスライム
腐ってあの味なら、新鮮な果実はどんな味なんだ?
愉しみだなぁ〜♡



深層世界ってな〜に?
……心の内というか、奥底ですかね。
オッサンもスライムの深層記憶から覗いて聖典を読んでますしね。
深層記憶があるなら深層世界もあるし覗けるでしょ?
…………たぶん



暇を持て余しているオッサン
彼女に対してかなり罪悪感を持っている。初回playの時は魂が削れて無いから割とすぐ仲良くなれたけど今回はどうかな?
ちなみに今現在の先生からのオッサンに対する認識と評価はサボり魔な魔素タンク



感情を現在学習中の先生
YTに特に深い意味は無い!ないったら無い!
MRは衣服を纏っているが私は纏っていない。だからと言って大賢者である私とこの魔素タンク蜥蜴が知能指数同レベルだと?そんな事認めません!否ぁぁぁぁ!!



感情が無いMR
私には感情がありません。
実は初回の世界ではユイと交流が無かった。
だって魂を直接攻撃出来る奴とか警戒するなって方が無理じゃない?飯不味巨乳秘書の進化すら料理関連スキルの所為で主の為に警戒して停めおくレベルなんだからユイのスキルなんてモロよモロ。モロ警戒対象よ。
だからユイは大賢者の事を認識すらしていなかったよ

《〈告、全ては、マスターの為に〉》

YTに関してはユイの魂を確認した時点で彼女が瀕死であると気づいたので警戒するに値しないと判断しこれ幸いと初めての他者との交流に興じた。
まぁ初回は100%で2週目は1%だから差が出るのはしょうがないね( 'ᢦ' )ハハ



ちなみに神も感情は無いよ?
だって前に自販機で久しぶりにコーラ買おうとしたら190円だった事に驚いて「高!」なんて思わなかったし、せっかくだからお釣り50円にしようと思って240円入れたのに全部10円玉で返ってきても何も思わなかったですからね!


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