転生したら幽霊だった件……なお性癖は曇らせ愉悦 作:性癖拗らせ愉悦部
映画公開!神も早く見に行かないと!(*^^*)
とゆう訳で!コッチも映画ボリュームでいきます!
今回はゴブタに焦点が集まるらしいので
こっちもゴブリンに焦点を当ててみました!
そんなゴブリンと冒険者の一幕、是非ご覧あれ!
未知との遭遇
それは正に冒険である
By ファンタジー系な冒険大好きな神
───これは嘗て
───黒の剣姫と呼ばれた冒険者と
───パーティーを組んだ冒険者達が織り成す
───冒険の一幕
酒場にて
「ようやくBランク、か〜。まだまだ先は遠いな」
Bランクである冒険者の父さんに勝利した俺は、ようやくギルドからBランク冒険者として認められた。
「ここまで来るのに数年かかっちまったからな〜。まぁ順調ではあるんだろうけど、未だ母さんに勝てるビジョンが湧かないからな〜。スキルをフル活用すれば勝てるだろうけど、それは何か違う気がするし」
さすがは元B+冒険者。父さんを押し倒して既成事実を作った人は違うね〜
「…俺には真似出来そうにないな」
「君が黒の剣姫と呼ばれる冒険者かい?」
「ん?」
酒場で飯を食べていると、三人組に話しかけられた。
ナンパか?
「……違いますよ。あの外にいる人じゃないですかね?」
適当な事言ってお帰りいただこう
「黒の瞳に黒い髪、黒いコートに鞘。そして姫と見紛うほどに美しい容姿。うん、君で間違いないね」
なるほど。事前情報はバッチリなわけだ
どうやらただのナンパではないらしい
見たところ冒険者か?
「僕は剣士のムニエル。こっちが戦士のハイゼン。そしてこっちの呑んだくれが僧侶のライターだ」
「儂がハイゼンじゃ。よろしくのう、剣姫の嬢ちゃん」
「私がライターです〜よろしくお願いします剣姫さ〜ん。ヒック」
剣士のムニエルさんがパーティーメンバーの紹介をする。
いやまぁ名前はわかったけども、一人酔っ払い混じってないか?
「それで、俺に何か用か?」
「前衛を探していてね。この街で一番強い剣士の君にお願いしにきたんだ」
ムニエルが答える。一番強い剣士、ね〜
「一番強い?この街には剣士何て沢山いるだろ?」
「いや、君はこの街の剣士の中で一番強い」
「どうしてそう思うんだ?」
「なんとなくだ」
なんとなく、ね。直感ってやつか?
まぁ冒険者としてそうゆうのが大事なのは分かるが
「話はわかったが、前衛は既に二人いるじゃないか?十分足りてるだろ?探すなら魔法使いじゃないのか?」
「いや、前衛は既に三人だ」
「はい?」
ムニエルが前衛は三人だと言う。
剣士、戦士、僧侶だろ?なら前衛は二人じゃないのか?
「私は前衛ですよ〜ヒック」
「え?お前僧侶なんだろ?」
僧侶のライターが自分は前衛だと言う。
どうゆう事だ?
僧侶ってヒーラーだし後衛だろ?……まさか
「おいライター、酔いを治せ。それじゃ会話にならないだろ」
「あ〜すみません、ヒック。少々失礼」
ライターが頭に手をあてると手が緑色に光り、徐々に顔色が良きなっていく。
僧侶だし回復はお手の物ってか
「すみません、今酔いを覚ましました。先程も言った通り私は前衛です」
「後衛じゃないのか?パーティーの要だろ?」
「えぇ。ですので要がやられる前に相手を倒せば良いのです。拳で」
「脳筋かよ」
拳でって。そりゃ攻めが最大の防御とは言うけども。
ヒーラーが前に出てどうすんだよ?回復しながらインファイト!てことか?マジの脳筋じゃねぇか
「ん?じゃあ俺が入ったら」
「前衛が四人になるね」
ムニエルが当然だろ?みたいに言う
「……フッ、フハハハハハ!!何だよそのパーティー!力に極振りじゃねぇか!バランス考えろよ!フハハハハハ!」
思わず笑いが込み上げてくる。
バランス悪すぎだろ!さすが異世界。普通に考えてありえねぇだろ。これはゲームじゃなくて現実だぞ。だがまぁ
「悪くねぇな」
「それはどうゆう意味だい?」
「フッ、よろしく頼むって意味だよ。これからよろしくな」
「あぁ!こちらこそよろしく!」
ムニエルと握手を交じわした。
なんかスゴイ嬉しそうだな?
「ランクは?」
「僕たち全員Bだ」
「なら尚更ちょうどいいな。俺もついさっきBに上がったところだ」
「知ってるいるよ。だから声をかけたんだ」
なるほど、用意周到なヤツだ。パーティーの指令役かな?
「ライターとハイゼンもこれからよろしくな」
「おう。こっちこそよろしく頼むわい」
「はい。私の方こそよろしく頼みます」
ライターの場合は別の意味に感じるな
「君のことはなんて呼んだらいいかな?」
呼び方か、う〜ん〜そうだな〜…………
ヨシ!ここは異世界らしくいくか!
「剣姫、とでも呼んでくれ。冒険者なんだ。出来れば二つ名で呼んでくれ」
「フフフ、わかったよ。よろしく剣姫」
「あぁ、こっちこそよろしくな」
再度ムニエルと握手を交じわす。
やっぱり何故か嬉しそうだ?
こうしてパーティーを組んだ俺達の冒険が始まった
時にクエストの帰り道
「おい!誰だよ!眠ってるゴーレム起こしたヤツ!!」
「ライターだよ!」
「なぜ起こしたんじゃライター!」
「すみませんエールと間違えました」
「「どうやったら間違えるんだ!?」」
「アハハハハ!すみませ〜ん!」
「笑い事じゃねぇ!」
「あ!?剣姫!ライター!ハイゼンがゴーレムに殴られて埋められた!?」
「「「ハイゼ〜ン!!」」」
時に強敵との戦闘中
「グゥ!」
「大丈夫かハイゼン!?」
「この程度問題ないわい!剣姫こそ大丈夫か?」
「モーマンタイ!」
「剣姫!ハイゼン!加勢する!」
「お二人とも!今回復します!」
「いやムニエル!ライターを先に回復させろ!魂の鼓動がめっちゃくちゃ弱まってる!瀕死だ!」
「瀕死?って!胸に風穴空いてるじゃないか!?」
「私なら大丈夫です。むしろ絶好調です!意識が遠のいて、まるで夢見心地です」
「それ死にかけてんだよ〜!!」
時に宝箱を見つけたり
「宝箱が四ツ、か。どうする?俺は最後でいい」
「いいのかい?」
「あぁ。残り物には福があるらしいからな」
「では私は左端を」
「儂はその隣を」
「なら僕もその隣を」
「じゃあ俺は残った右端だな」
「「「「せーの!」」」」
「ほう?これはポーションか?儂は当たりかの」
「僕のは砥石だね。当たりだ」
「やりましたよ!年代物のお酒です!大当たりです!」
「よかったねライター」
「はい!今日は飲み明かしますよ!」
「はいはい。剣姫は?」
「…………」ガブガブ
「「「…………」」」
「暗いよー!!怖いよー!!たふけて!!」
とまぁこんな感じで色々あった。大変な事も沢山あったがThe冒険!をしている感じがして、なんだかんだ楽しかった
三人の事についても色々冒険をしていく中で詳しくなった
ハイゼンはどうやらドワーフらしい。
確かに身長小さいな〜とは思っていたが、知った時は驚いた。初めて見たな。
パワーとタフネスが売りで、パワーも凄いがとにかくめちゃくちゃ硬い。衝撃で気絶する事はあってもダメージをまともに受けた所を見た事がない。そういうスキルかと聞いてみたが、どうやらただの体質らしい。スゴいなドワーフ
ライターも……まぁスゴイ。
普段はただの呑んだくれだが、戦闘時は正にバーサーカー。ダメージを受けてもすぐに回復して身体強化でゴリ押す。正に狂戦士。正に脳筋。ある意味破戒僧だな。
俺もある程度ダメージは前提で考えてるけど痛いもんは痛いから普通に避ける事も考えてる。
けどライターはそんなの知るか!て感じで相手に特攻する。回復系のスキルを持っているらしいが、ね〜。アルコールの所為だろうか?
ムニエルは正直、他二人と比べるとパッとしない。
決して弱いわけじゃない。ただ、才能とゆう意味では正直皆無だろう。一で十を得ることは無い。正に凡人のそれ。だが、ムニエルは誰よりも努力家だ。努力が出来る事も一種の才能だろう。一で十を得るこが出来ないなら、確実に一で一を得る。そうやって愚直に積み重ねて行った剣は、地味だが確かに美しい。
俺は嫌いじゃない。アイツの人となりを表しているようで
そんなこんなでパーティーを組んで冒険をしていたある日、ライターが変なクエストを持ってきた
「都市伝説?」
「はい。何でもこのクエストは討伐対象が明らかになっていないとか」
「どうゆう事じゃ?」
ハイゼンがライターに質問する。
その通りだ。討伐対象がわからないのにどうやって倒せってゆうんだ?
「ライターが言うにはコレはクエストというよりも調査依頼らしい」
ハイゼンの質問にムニエルが答える。調査って?
「調査依頼?討伐対象のか?」
「いや、その原因らしい」
「原因?」
「あぁ。どうやら相当にキナ臭い案件らしい」
キナ臭い案件、厄介事の匂いがプンプンするな〜
嫌な予感がしてきたな。だってライターが持ってきた案件って毎回ろくなのがないし
「今滞在しているこの街には歓楽街があるだろ?」
「あぁ。俺もちょっと前に観光に行ったな」
「そう。その歓楽街の、いわゆる夜の街で何十年も前から冒険者が殺されているらしい。冒険者だけがだ」
「……それは、確かにキナ臭いな」
一般人を狙うなら兎も角、冒険者だけ?何で冒険者だけ何だ?
「今まで殺された冒険者の中にはBランクとAランクも数多くいたらしい」
「ただの殺人鬼とは思えないな」
「あぁ。ただの殺人鬼にこれだけの冒険者は殺せない。それに」
本当にキナ臭い案件だな。Aランクつったら実質最上位じゃねぇか
「殺され冒険者の中には、Sランクも存在している」
「なに!?」
「なんじゃと!?」
俺とハイゼンが驚愕の声を上げる。
当然だ。Sランクは他のランクとは訳が違う!正に英雄、正真正銘の化け物だ!人間の身でありながら人外の領域に足を踏み入れた存在。
魔王種と呼ばれる魔王候補や
冒険者で上を目指す者でSランクを目指す奴はいない。そういった奴等は最初から壊れているからだ。
そんな勇者や魔王と肩を並べる存在が殺された?
「ただ寝首をかかれただけとは思えないな」
「うむ。その程度でSランクが殺される筈がないからのう」
それだけSランクの称号は重い。
正直俺達には荷が重い気がするが
「受けるのか?ムニエル?」
「……実は」
「ん?」
ムニエルが気まずそうな顔をする。
何だよその顔?
「ライターがもう、受注してしまって」
「アハハハハ!すみません!アハハハハ!」
「「…………ハァ〜」」
俺とハイゼンがため息をこぼす。
毎度の事ながら、本当に面倒事を持ってくる
「行くしかない、か」
「そうじゃのう」
気乗りはしないが、受注したクエストを取り消すとペナルティが発生するからな〜。
ましてやこれ程のクエストとなると、どれだけ大きいペナルティーになるのやら。考えたくないな
「どうする?今ならまだ、取り消す事も出来るかもしれないが。これ程のクエストだ、ギルドも譲歩してくるだろう。まぁ多少のペナルティーは覚悟しなければならないが」
ムニエルが申し訳なそうに言う。
取り消すねぇ〜、そんな浮かない顔すんなよ。やりたいって顔に出てんだよ、全く
「ムニエル、このパーティーのリーダーはお前だ。お前が決めろ。俺達はお前の決断に従う」
「うむ。儂も同意見じゃ」
「二人とも」
ムニエルが嬉しそうな顔をする
「私はどちらでも構いません」
「「てめぇは(主は)黙ってろ!」」
「…はい」
マジでお前は黙ってろ!全部てめぇの所為なんだよ!
「……僕は、このクエストを受けたい!同じ冒険者として、もうこれ以上被害者を出したくない!僕は!このクエストを受ける!」
「フッ、だってさハイゼン」
「うむ!よく言った!それでこそリーダーじゃ!」
「ありがとう、二人とも」
「気にすんな。パーティーだろ?」
「そうじゃ。気にするな」
「フッ、そうだね」
「あの〜私を忘れないでもらえませんか」
忘れてねぇよ。誰が忘れるか
「お前にはこのクエストが終わったら俺達にエール百杯奢って貰うから!覚悟しとけよ」
「おぉ〜!そりゃ良いのう!浴びるほど飲んでやるわい!」
「そ、そんなご無体な〜」
ご無体もクソもあるか。少しは反省しろ
「フッ、フフフ」
「ん?どうした?」
ムニエルが急に笑いだした
「いや、このパーティーを組んで良かったなと思ってね。ありがとう」
「言うな言うな恥ずかしい。そうゆうのはクエストが終わってからにしてくれ」
「確かに、うん。そうだね」
「ヨシ!改めて確認だが、夜の街って事は敵が現れるのは夜って事でいいんだな?」
「あぁ。その認識で間違いない。今まで殺された冒険者は全員夜に殺されている」
「わかった。なら夜に歓楽街に集合しよう。俺も少し準備したい」
「儂も武器の手入れをしてくる」
「私は」
「「お前(主は)禁酒だ!」」
「はい」
アルコール抜いとけよちゃんと。戦闘中に使い物にならないとか勘弁だぞ
「では、各自準備して、夜に歓楽街に集合。解散!」
「「「あぁ!(おう!)(はい!)」」」
僕達は解散した後、各々準備を整え歓楽街に集合した
「全員、準備は出来ているかい?」
「もちろん、準備万端だ。ムニエルは?」
「僕も万端だ」
どうやら全員準備は完了らしい
「しかしどうする?夜の街つってもそれ以外手がかりないんだろ?」
「あぁ。だからしらみ潰しに探すしかない」
「……乱数、か」
剣姫が渋い顔をする
「どうしたんだい?」
「いや、乱数、とゆうか乱数の女神にはクソな思い出しかないなと思ってな。ガチャ、嫌な事思い出しちまった」
「ガチャ?」
「……なんでもない」
ならいいんだか、本当にどうしたのだろうか?
「なら手分けして探さないか?その方が効率良いだろ」
「手分けか。戦力を分散させるのは、ちと危険ではないか?」
剣姫とハイゼンが話す。
そうだね。確かに危険だ。相手は強敵の可能性が高い
「だが見つけられなかったら元も子もない。さっきギルドで冒険者がよく利用している店の情報を集めてきた」
剣姫が僕達に情報の書かれた紙を渡す。
用意がいいね。さすがだ。いつも頼りになるよ
「仮に敵を見つけても手出しは厳禁だ。恐らく、いや、絶対に勝てない。見つけしだい退散して情報を持ち帰る事を最優先にしよう」
「わかった」
「了解じゃ」
「承知しました」
本当に頼りになるよ。君は
「じゃあリーダー、一言頼むぜ」
わかったよ
「皆んな、必ず生き残ろう!」
「「「おう!(はい!)(うむ!)」」」
掛け声とともに全員各地に散って行った
「僕も行くとするか」
剣姫の情報を元に数分かけて目的の店の前にたどり着いた
「ここか。すみませ」
店に入ろうとしたその瞬間
キャー!!
上から女性の悲鳴が聞こえた。
どうやら僕が当たりだったらしい。手出しは厳禁、だが
「ごめん剣姫。困っている人を見過ごす事は、僕には出来ない」
急いで外側の窓から悲鳴の聞こえた部屋に窓を突き破って飛び込む
「無事ですか!な!?」
そこには血まみれで倒れる女性と二本の角を生やした男が居た
「だ〜れ〜キミ〜」
ズゥン
なんてオーラだ!?顔は人間の様に見えるが明らかに別物!二本の角
「オーガ、なのか?」
「僕をあんなヤツらと一緒にしないでよ〜、失礼しちゃうな〜。僕は鬼人だよ。き、じ、ん〜」
鬼人!オーガの上位種か!ランクだけならAランク相当!だったら確かに今までの冒険者がやられたのも頷ける!
……いや、本当にそうなのか?いくら上位種といっても、それだけSランクを殺せるものなのか?いや、今はそんな事よりも、倒れている彼女の事を優先しよう
「ねぇ〜、キミ〜、ひょっとして〜、冒険者〜」
「悪いが、会話に付き合う余裕はない」
「え〜」
魔素を足に集中して加速し、鬼人の横に倒れている女性を救出する。
良かった、まだ脈がある
「へ〜それなりに速いんだね〜、やっぱり冒険者か〜」
「だったら何だって言うんだい」
「んんん〜。何でもないよ〜。ただ死んでもらうだけだから」
やっぱり戦闘は避けられないか
「
「クゥゥ!?」
鬼人の手元から発生した風で窓の外に吹き飛ばされる。意識の無い彼女を抱きしめたまま吹き飛ばされ、そのまま向かいの店に窓を突き破って入ってしまった
「カハッ!」
クソ!何とか受け身は取れたが、ダメージが大きい!
彼女を庇いながらじゃ戦う事も出来ない。どうすれば
「へ〜、今ので死ななかったんだ〜。それなりに強い冒険者なのかな〜、ねぇキミ〜、ランクは〜?」
とりあえず会話で時間を稼ごう。既に辺りは混乱状態だ。騒ぎを聞きつけて皆が来てくれるかもしれない
「どうして僕のランクが気になるんだい」
「ん〜?質問してるのはこっちなんだけど〜。いいから早く答えなよ、人間」
「そっちが君の素かな?」
「そんなに早く死にたいの?人間」
これ以上、会話での時間稼ぎは無理か。
最早いつ殺されるかわからない。
わかった情報は精々、風を操る事くらいか
「Bランクだ」
「プッ、クフフフフフ。なん〜だ、ただの雑魚じゃん。僕これでもSランクの冒険者を殺した事もあるんだよ〜。キミみたいな雑魚じゃ相手にならないよ〜。まぁ〜、さっきので死なないあたり、それなりには強いんだろうけどね〜」
やっぱりこの鬼人が討伐対象か!どうする?出来れば早々に撤退したいところだが、この鬼人にそんな隙があるかどうか
「ひょっとして逃げようとか考えてる〜?」
「!?」
「逃がさないよ。人間は、冒険者は、皆殺しだからね」
殺意が膨れ上がった!?冒険者に対する底知れない悪感情!一体、この鬼人と冒険者になんの因縁が
「さようなら、名も知らない冒険者さん。覚える気ないけど」
「クッ!」
せめて彼女だけでも守ろうと身を固めた瞬間、窓の外に人影が見えた
キン!
姫と見紛うほどに美しく、黒の剣姫の名に相応しい姿をした彼女が鬼人に対し剣を振り抜き、通り過ぎた
「遅かったか?」
剣姫が剣を鞘に収めながら問いかけてくる。
あぁ。本当に頼りになるよ。君は
「いや。最高だ」
騒ぎを聞きつけて来てみれば、間一髪だったな。たく
「手出し厳禁て言わなかったか?」
「ウッ」
ムニエルが気まずそうな顔をする。
まぁ、お前に誰かを見捨てる何て無理な話か
「相手が弱くて幸いだったな」
「弱い?」
なに不思議そうな顔してんだ?
「あぁ。もしお前が遭遇したのが討伐対象だったら、お前絶対死んでるからな」
「いや、あの鬼人が、Sランクを殺したって」
「なわけねぇだろ?あんな雑魚が」
「誰が雑魚だって!」
「ん?何だ。まだ生きてたのか?」
「急に現れたと思ったら僕を無視したうえに、僕を雑魚扱いしやがって!殺してやる!」
「無理に決まってんだろ」
「舐めやがって!」
「舐めるも何も、どう警戒しろってんだ?自分の首を斬られた事にすら気付かない奴に」
「え?」
ボト
その瞬間、鬼人の首が身体から床に落ちた
「な?弱すぎるだろ?」
「あっ、あぁ」
ムニエルが現状を飲み込めていないのか、ハトが豆鉄砲くらったような顔をする。
フッ、お前のそうゆう顔初めて見たな
「その人、まだ生きてるな?」
「……あっ、あぁ。生きてる。でも瀕死の重症だ。脈がどんどん弱くなってる」
「なら早くライターの所に連れて行こう。アイツならこれくらい」
「ちょっと待てよ!!」
「ん?」
首を斬られた鬼人が話しかけてくる。
まだ生きてたのかよ、しぶといなぁ〜ゴキブリみてぇだ
「お前!よくも僕の首を切ったな!殺してやる!絶対に!殺してやるからな!女!」
「どうやって俺を殺すんだよ?お前みたいな鈍臭い奴が」
「僕は強いんだぞ!Sランクの冒険者だって殺した事があるんだ!」
「虚言癖も大概にしろ。お前みたいな雑魚がどうやってSランクを殺すんだ?」
「うっ、……ううっ、……うわ〜〜〜ん!ホントだもん!僕強いんだもん!ホントだもん!Sランクだって僕が殺したんだ!うわ〜ん!!」
首を切られた鬼人が泣き始めた
(マジかよ、泣き始めやがったぞコイツ。恥もプライドもないのかよ。ガキだな。ただのクソガキだ……いや、ちょっとまって。コイツ何でまだ生きてる。首を切ったんだぞ?超再生?いや、首や身体から再生が始まってる訳じゃない。ならなんでコイツはまだ生きてるんだ?)
俺の中の警戒ゲージが上がる。
部屋の雰囲気も変わった。なんだ?何が起こる?
「死んじゃえ!死んじゃえ!みんな死んじゃえ!首切られちゃった〜首切られちゃったよ〜!」
首だけとなった鬼人が泣きわめく
(首だけじゃなく身体も動いてる。やっぱりまだ死んでいない。なら身体を細切りに、!?)
ドクン!
その瞬間、まるで今起きたかのように魂の鼓動を感じた
「お姉ちゃ〜ん!!」
「ヴヴヴヴヴヴ」
鬼人の背中から何かが這い出てきた。
その瞬間が最初にして最大の隙
(殺す!)
最速の抜刀術で背中から這い出て来た何かの首を狙った。だが
(躱された!?)
気づけば部屋の中心に鬼人が移動していた。
そして、鬼がもう一体増えていた
「泣いてたって、しょうがないからね〜。首くらい、自分でくっつけなさいよねぇ」
ガリガリのお姉ちゃんと呼ばれた鬼が弟の首を胴体に載せた瞬間、弟の身体と首がくっ付いた
(超再生!?やっぱり持ってやがったか!いや、そもそもじゃあなんでさっきまで発動しなかったんだ!?それに背中から出て来たあの鬼は何だ?鬼人?いや、反応速度が弟の比じゃない!更に上位の何かだ!)
再び剣を鞘に収め斬りかかる。
その瞬間、お姉ちゃんと呼ばれた鬼と目が合った
(斬られた!?)
額から血が垂れてくる
「へぇ〜、やるねぇ。攻撃止めたねぇ。殺す気で斬ったけどねぇ〜。いいねぇ、アナタ、いいねぇ〜」
(なんだコイツ?いつの間に武器を持ちやがった?そうゆうスキルか?赤い武器?両手に片手斧。戦った事の無い武器種だ)
弟の姉と思われる鬼と睨み合う
「アナタいいねぇ。その顔いいねぇ。肌もいいねぇ。シミも痣も、傷をないんだねぇ。肉づきもいいねぇ。私は太れないからねぇ。人間共にもさぞかし、もてはやされるんだろうねぇ」
(何を言ってやがる。コイツ)
「妬ましいねぇ、妬ましいねぇ。死んでくれないかねぇ!そりゃあもう苦しい死に方でねぇ。生きたまま生皮剥がれたり、腹をかっさばかれたり、それからねぇ!」
妬み故か、身体を掻きむしるその様はまるで、異形の幽鬼のようだった。間違いない!コイツがSランク冒険者を殺した犯人!このクエストの討伐対象だ!
「鬼人、じゃあないよな?」
(できれば答えてくれるとありがたいが)
「弟は鬼人だが、私は違う。私は
(
一部の地域では土地神ともされる、魔王種と同等以上の化け物!そりゃあSランク冒険者がやられるわけだ!
「お姉ちゃん!コイツ僕をイジメたんだよ!僕お姉ちゃんの言いつけ通り人間共、冒険者を沢山殺したのに!それなのに僕を弱いってイジメるんだよ!」
「そうだねぇ、そりゃあ許せないないねぇ。私の弟が一生懸命やってるのに、イジメるような奴は殺すからねぇ」
(イジメたつもりはないんだがな)
攻撃に備えてムニエルをいつでも庇える位置に気づかれないように移動する
「殺すからねぇ、私は。やられた分は必ずやり返すからねぇ。死ぬ時ぐるぐる巡らせねぇ」
悪鬼が攻撃の姿勢に入る
(来る!)
「私の名は
小手調べだろうが、これくらいならまだムニエル達を庇いながら戦える
キン!キン!
剣で斧を弾き飛ばす。二つの斧は回転しながら鬼の元へと戻って行った
「妬ましいねぇ、妬ましいねぇ。アナタ本当にいい女じゃないかねぇ。ねぇ。人間、冒険者庇ってねぇ。いいねぇ」
「無事か?ムニエル?」
「あぁ。ありがとう」
(何も、見えなかった!クソ!)
ムニエルが不甲斐ないと恥じる様な顔をする。
気にするな、相手が悪すぎるだけだ!俺だって守備に徹するので精一杯なんだ
「その冒険者達にとって、アナタは命の恩人だよねぇ。その美貌も合わさって、さぞや人間共に感謝されるんだろうねぇ」
「そうか?俺は化粧なんてした事ないけどな。胸だってただの脂肪だろ。重くて蒸れて邪魔なだけだ」
「…………………………」
鬼の動きが固まる。やべぇ、地雷踏んだか?
「なに持ってるのがさも当然かの様に無自覚に煽ってんだよ!女ァ!!持ってる奴が持たざる者の気持ちを理解しよともしないなんて、許せないせないねぇ!」
鬼の斧から赤い血のような液体が溢れ出す
ユニークスキル
(速い!複数の血の斬撃!ムニエル達を庇いながら捌ききれない!だったら!)
「ムニエル。その人よく掴んどけ。舌噛むなよ!」
「わかった!」
今までの冒険で培った信頼関係で剣姫の意図を察したムニエルはすぐに防御態勢に入った
「
部屋に青白い光の爆風が起こる
「何だ?爆ぜたねぇ。一階へ落ちたねぇ」
俺は魔光で床に穴を開けて戦場からの一時離脱を測った
「ムニエル!その人を連れて一時離脱しろ!」
「で、でも!……いや、わかった。すぐに戻る!死なないでくれよ!」
ムニエルが女の人を連れて離脱する
「フッ、だ〜れに言ってんだよ」
上から鬼の声が聞こえてくる
「逃がさないからねぇ。曲がりな、飛び血影」
キン!キン!キン!
(血の斬撃を操れるのか!そうゆうスキルか?あの
「
上の階に向かって魔光を放つ。そうすると弟をおぶさった姉貴が風のバリアの様なものに守られて落ちてきた
「まぁ。一筋縄には、いかねぇか」
「私達は、二人で、一つだからねぇ〜」
「二人、ねぇ」
(それが?)
「なんだぁ〜女〜?」
「いや、別になんでも。ただお前を哀れんでるだけだ」
「なに?私の何処が哀れだってぇ」
「そんな物を弟と思ってる所だよ。もう少し弟の声に耳を傾けてやったらどうだ?」
「チッ。気にくわないないねぇ。上から目線で語りやがってからに。私ほど弟を思ってる奴はいないってのにねぇ」
「へ〜。そりゃあ弟と想いの姉貴だこと」
「あ〜?……アナタ、違うねぇ」
「なにが?」
「今まで殺してきた冒険者達と違うねぇ。アナタはぁ〜生まれ時からぁ〜特別な奴だったんだろうねぇ〜」
「…………」
(確かにな)
「選ばれた才能だねぇ。妬ましいねぇ。一刻も早く死んでもらいたいねぇ!」
「才能、か。そうだな、確かに俺は恵まれてるな。特別ではないがな」
「あぁ〜?」
「最後の最後に願った願い。もう少し生きたい。その願いが叶った俺は、確かに、君から見たら恵まれてるんだろうな」
「どこ見て話してんだぁ?女?」
「さてね」
「特別じゃないって言ったねぇ」
「言ったな。所詮俺はBランクだ」
「アナタが?」
「あぁ」
「これだから天才は嫌いなんだよねぇ。アナタが特別じゃないんだったらどう説明するの!私の血斧は、猛毒があるのに、いつまでたってもアナタは死なないじゃないかねぇ!ねぇ!女ァ!」
女の鬼が苛立ちからか肌をかきむしり、叫びを上げる
「ゆとり世代かよ。少しは自分で考えたらどうだ」
効いてないわけじゃない。コイツの毒は徐々に俺を蝕んでいる!進行を遅らせてるだけだ!時間があれば毒の中和も分解できるだろうが、今そんな時間は無い!思考を切り替えろ!
……コイツのカラクリ。魂の共有、正確には違うんだろうがザックリそんな感じだろう
「ハァ、ハァ、ハァ」
毒の所為か呼吸が乱れ始める
「んぅ?んんぅ?んんんぅ?」
「ハァ、ハァ、どうした?」
「フヒッ、フヒヒ、ヒヒヒヒヒヒ!」
鬼が不気味な笑い声を上げる
「何か笑える事でもあったか?」
「やっぱりねぇ!毒効いてるじゃないかねぇ〜。じわじわとねぇ〜。頑張って虚勢張っちゃってねぇ〜。かわいいねぇ〜女ァ〜。フヒヒヒヒヒ!」
ドン!と力いっぱい足で床を踏み鳴らす
「フッ!余裕だよこんくらい!ハンデってヤツさ!笑ってやろうか!?笑いながらエール百杯飲めるわ!アルコール増し増しの!特濃でな!!」
気合いで魂を鼓舞し、剣を構え鬼に斬りかかる
(速!?)
「フン!」
「グッ!」
背中に発生させた極小の
「よくもやってくれたねぇ!」
「殺してやる人間!」
二人の鬼が同時に襲いかかってくる。
俺は瞬間的に懐から青い玉を複数取り出し周囲に投げる
「あ!?」
(姉貴には避けられたか)
「
弟の鬼人が風の斬撃を飛ばしくる。直後
ピカン!ボン!
「え!?ガ!?」
青い玉が爆ぜ、弟に隙が出来た瞬間に首を斬り落とす
(俺特製
(特殊な玉だねぇ。青白い光。さっきまでこの女が使ってた技と原理は同じかねぇ。違うのは、摩擦や衝撃を必要としている事かねぇ。まぁ当たらなければどうということはないねぇ)
(これで仕留める!)
鬼の首に剣を振るう
(馬鹿め!そこは間合いの外!そんな所から剣を振っても当たらな!?刀身が伸び!?)
鬼が俺の剣を見ると、俺の剣の刀身が物理的に伸びていた
(あの剣、魔道具か何かだったのかねぇ!?チッ!)
鬼が斧を振り上げ剣を弾く
「クソ!初見殺しをミスった!」
俺の
(この鬼相手に同じ不意打ちは二度と通じないだろうな)
「クッソ〜!!また僕の首斬りやがったな人間!クソ!クソ!クソ!なんで!なんでいつも僕ばっかり殺されるんだよ〜!クッソ〜!!」
首を斬られた鬼人が首を繋げながら叫び声を上げる
(姉貴がいると、常時超再生が発動するのか。だが、首を繋ごうとするあたり、やはりコイツらの……この鬼を殺す方法は)
「女ァ〜。ひょっとして気づいてるねぇ〜?」
「なにを?」
(ま、そりゃあバレるわな。ちょっと狙いがあからさま過ぎたか)
「気づいたところで意味ないけどねぇ〜。アナタはだんだんと死んでいくだろうしねぇ」
「…………」
「こうしてる今も私達はぁ、じわじわと勝ってるんだよねぇ」
「そいつはどうかな?」
「あぁ?」
「遅くなってスマンかったのぉ。剣姫」
「遅くなりました。剣姫さん」
騒ぎを聞きつけたハイゼンとライターが到着した
(あぁ。ムニエル。お前の言った通りだ。このパーティーを組んで良かったよ!)
「最高だぜ!お前ら!反撃開始だ!」
「…………」
(とはいえ、この鬼を二人同時に相手にするのは得策じゃない。どうするか?)
「お仲間が何人増えたところで、幸せな未来なんて待ってないからねぇ」
(やっぱり、分断作成しかないか。問題はどうやって二人を分断するか。せめて言質が取れれば)
「全員死ぬのにそうやって、瞳をキラキラさすなよねぇ」
「剣姫。情報は?」
ハイゼンが剣姫に問いかける
「簡潔に、簡単に伝えるとだ。この鬼二体の首を斬り落とす!それが攻略法だ」
「なるほど。簡単じゃ」
「そうですね。わかりやすいです」
二人が剣姫の説明に理解を示す
「その簡単な事ができなくて、今までの冒険者は死んでったからねぇ〜。Sランクもねぇ〜。私達が殺したからねぇ〜」
「「!?」」
二人が驚愕の表情を、しかしどこか納得の表情をする
「やはりコヤツが討伐対象か」
「そのようですね」
「お姉ちゃん!そこの二人は僕が殺すよ!だからお姉ちゃんは僕をイジメた女を殺してよ!」
弟の鬼人がそんな戯言を言う
「へぇ〜。お前ならハイゼンとライターを殺せるのか?雑魚のクセに」
(挑発に乗ってくれるとありがたい)
「雑魚って言うな!僕は強いんだぞ!お前は兎も角、他の人間共に僕がやられるはずがない!」
(言質取った)
「ハイゼン、ライター。コイツ任せていいか?」
ハイゼンとライターに問いかける。もっとも答えはわかっているが
「了解じゃ。儂らに任せろ」
「承知しました」
剣姫の意図を察した二人が頷く
「ありがとな」
ユニークスキル
その瞬間、ハイゼンとライター、そして鬼人が俺の前から姿を消した
「弟の気配を上に感じるねぇ〜。飛ばしたのかねぇ?」
「まぁな」
「弟は
屋上
「何処ここ!?」
「剣姫さんのスキルですね」
「相変わらず不思議なスキルじゃわい」
ハイゼンとライター、鬼人は屋上に移動していた
「あの女のスキルかよ。まぁいいや。好都合だよ。キミ達を殺すのに集中できる」
「なぜ冒険者の命を狙うのですか?」
「あ?」
ライターが鬼人に問いかける
「貴方達姉弟は冒険者の命しか狙わないと聞きました。それは何故ですか?」
「何キミ?ひょっとして僕に説教する気?人間の分際で」
「そんなつもりはありません。職業柄と言いますか、そうゆうのが気になってしまうんです」
「キミ冒険者じゃないの?」
「冒険者兼、僧侶兼、前衛です」
「ふーん」
鬼人がまるで興味無さそうな顔をする
「それで、何故冒険者だけを殺すのですか?」
「簡単だよ。人間、冒険者は生きる価値も権利も無いからだよ」
ライターの問に鬼人が当然と言わんばかりに答える
「どんな生き物にも、生きる権利はあるのですよ」
ライターが自身の考えを述べる。その瞬間
「「違うねぇ!それは!」」
「「人間は、冒険者はいつも自分が正義の面して言葉を語る」」
「「私達は忘れない。人にされて嫌だったこと!苦しかったことを!やられた分は必ずやり返すからねぇ」」
口調が変わった途端、鬼人の殺意が膨れ上がる
(いったい、この鬼の過去に何があったのでしょう)
「「それが私達の!生き方だからねぇ!」」
鬼人の額にもう一つの目玉が現れる
「「言いがかりをつけくてる冒険者共は、全員皆殺しにして来たんだよねぇ」」
「「アナタ達も同じ様に、喉笛かき斬ってやるからねぇ!」」
左目を閉じ殺意を高ぶらせた鬼と睨み合う
(肩目を閉じた。ナメプ、なわけないか。魂の鼓動が強くなった。ここからが本番てことか)
鬼が片手斧を振り上げ飛びかかって来る
「死にやがりねぇ!」
鬼の斧と俺の剣がぶつかり合う。鬼が俺を攻めるのに対し、俺は防御に徹するので精一杯だった
(速い!戦ったことの無い武器種!斬撃!軌道!何だこの太刀筋は!)
「フヒヒヒヒヒ!」
鬼が笑いながら果敢に攻めて来る。狭い室内の中で無数の血の斬撃と火花が飛び交う
(元々二刀流の相手に対して俺は一刀!手数で劣ってんだ!このままじゃ捌ききれなくなる!)
俺の背後から複数の血の斬撃が迫る
(逃げ道がない!だったら!逃げない!)
「
自身の足元に魔光を放ち、鬼と斬撃諸共吹き飛ばす。自爆覚悟の荒技
(これでいい!今はとにかくこの狭い空間から抜けて外に出る!)
「
爆風を飛んで回避し、空中に浮いてる鬼めがけて魔光を放ち鬼を室外に吹き飛ばす。その後を追って俺も外に出る
(さっきから同じ技ばかり、芸がないねぇ。自身諸共吹き飛ばすとはねぇ。まぁ)
「自滅覚悟で来た所で、意味ないけどねぇ!」
その時屋上では鬼人とハイゼン、ライターが戦っていた
「死んじゃえ死んじゃえ!人間共!
鬼人が放つ風の刃と下から飛んで来る血の斬撃で戦場は混沌としていた
「ううむ。なかなかヤツに近づけんのぉ」
「ハイゼン!血の刃が来ます!避けてください!」
「おっと!」
ライターの指示でハイゼンが血の斬撃を躱す
「風の刃は兎も角、血の刃は駄目です!恐らく毒が含まれています!私でも解毒に時間がかかります!」
「了解じゃ!そもそも今は風の刃も受ける余裕が無い!吹き飛ばされたら元も子もないからのぉ!」
ハイゼンとライターが情報を伝え合う
「やっぱり弱い!あの女が特別だっただけじゃん!なら僕がキミ達に負けるはずがない!」
鬼人が調子づいたのか強気な発言をする
「舐められてますね。私達」
「それくらいわかっとるわい!攻めるぞライター!」
「了解です!」
「鬼の小僧!舐めとったら足元すくうからのぉ!」
「プッ。だったらやってみなよ!
鬼が笑いながら再び風の刃を複数放つ
外の大通りに出た俺と鬼が斬り合う
「フヒヒヒヒ!どうしたねぇ〜動きが鈍ってきてるねぇ〜。もう疲れちゃったかい?女〜」
鬼が笑いながら挑発してくる
(身体がいつもより重い!毒が進行していやがる!)
毒によって身体が鈍り始めた俺は、攻撃に転ずることが出来ずにいた
(任せるとは言ったが、ハイゼンとライターじゃあの鬼人とは相性が悪い!二人とも防御を前提としている以上、近づけないんじゃ決定打が足りない!二人が負ける事はないだろうが、千日手だ!)
スキルで思考加速を使い、現状を分析する
(俺も早く加勢に行きたいが)
「フヒヒヒヒヒ!そろそろ本当に終わりかねぇ〜」
(この鬼を倒せないんじゃ無理な話しだ!早く決着をつけないと、全滅もありうる!せめて隙が作れれば!)
「剣姫!そのまま突き進め!」
「!」
「なんだぁ?」
上からムニエルの声がした。恐らく屋根の上にいるのだろう。鬼が視線を俺から外した瞬間、鬼に向かって剣を構え走りだす
(了解リーダー!)
目線を向ける必要は無い!
リーダーがそう言ってるんだ!信じろ!
パーティーとして培った信頼を糧に俺は走る
(僕が隙を作る!)
両手に複数のナイフを持ったムニエルが鬼に向かってナイフを複数投げつける
(なんだねぇ?あの小僧め、飛び道具?ナイフか。この女を前に、この数捌くのは、面倒だねぇ〜。チマチマと鬱陶しいねぇ〜。まぁ当たったところでこんな物)
鬼が防御をするかナイフを無視するか思考する
(いや、そんな無意識な攻撃今するかねぇ?)
鬼は瞬時に防御を選択する
ユニークスキル
鬼は二つの斧を振り回し、自身の周囲に血の斬撃を展開。ナイフを防いだ
(血の斬撃で防がれた!?だけど!)
グサ!
鬼の首にナイフが刺さる
「な!?」
鬼が初めて驚愕の声を上げる
(うちのリーダーの方が上手だな)
同軌道上に二つのナイフを投げる事で意図的に相手に死角を発生させる技
ムニエルの努力の賜物だ
(その一瞬の隙が欲しかった!)
自身にナイフが刺さりながらも鬼に突っ込む
(なんだね、なんだね、この女ァ!?突っ込んで来るねぇ!?刺さってんじゃないかねぇ!アンタにもナイフが!いや!そもそもさっきこの女は自身諸共!)
「自滅上等って言ったろ!!」
「そうゆう意味じゃないよねぇ!!」
ズバン!
一瞬の隙を付き、刀身を伸ばし鬼の足を切断する
(超再生が発動しない!?やはり何か仕込まれてたねぇ!恐らくこのナイフ、刀身に霊力が込められているねぇ!魔素が分解されてスキルの発動が阻害される!教会が使う結界と原理は同じかねぇ?身体の力が抜ける!?)
(決める!)
足を切断され浮いている鬼の首に剣を振るう
(やるじゃないかねぇ!ここまで私を追い詰めるなんて!面白いねぇ!けどねぇ)
「フヒッ!」
鬼が笑みを浮かべた瞬間、鬼の首からナイフが抜けた
ズドン!ズドン!
鬼の両足が再生した
(足がもう再生しやがった!?ナイフは!?そうか!首の筋肉を膨張させてナイフを抜きやがったのか!刺さりが甘かったか!)
「勝機を見誤ったねぇ?女ァ〜」
鬼がそう呟いた途端、鬼の身体から血が溢れ出し腕を中心に吹き荒れ回転する
ユニークスキル
(広範囲に飛ぶ血の斬撃!?予備動作無しでコレかよ!?クソゲー押し付けてきやがって!)
「ムニエル!コイツは俺に任せろ!お前はハイゼン達の援護に回ってやれ!」
広範囲の斬撃から庇う余裕はない!だったら戦力を分けた方がいい!ムニエルなら必ず決定打になりうる!
「でも!…………クッ!わかった!君を信じる!」
ムニエルが屋根を走ってハイゼン達の加勢に向かう
「おう!信じろ!」
今までとは比にならない広範囲、高出力の複数の血の斬撃が飛んで来る
(さて、その信頼に応えられるかどうか)
僕は弱い!
わかってるんだ!僕には才能が無い!
ハイゼンの様な力も、硬さも
ライターの様な痛みを恐れない精神も
剣姫、彼女の様な圧倒的な強さも
何もかもが足りていない!
不甲斐ない!これで二度目だ!彼女の前から離脱するのは!
わかってる!頭では!その方が勝機がある事くらい!
でも!好きな人を守れず、ただ守られるだけなんて!不甲斐ないにも程があるだろう!
リーダーと言われようとも
彼女とランクを並べようとも
未だ僕は足手まとい。本当に
…………いや、今は考えを切り替えろ
彼女は僕を信じると言った。なら僕に出来るのは彼女の勝利を信じる事だけだ!
僕は、僕に出来ることをする!
「ハイゼン!ライター!加勢する!」
「ようやく来よったか。遅かったのぉ」
「待ちくたびれましたよ」
ムニエルが二人と合流した
「すまない。戦況は?」
「見ての通りじゃ。あの鬼人の小僧が出す風が強すぎて、奴に近づけん」
「幸いな事に、二人共傷は負っていないのでご安心を」
確かに二人共目立った外傷はない。
だがやはり決定打に欠けるようだ
「また人間が増えた!しかもさっきの雑魚。雑魚が何人増えても僕は殺せないよ!プックフフフフフ!」
鬼が余裕の笑みを浮かべる。
数で勝っていても現状不利なのはこちらだからだろう
「ハイゼン。あの鬼人に近づけさえすればいいのかい?」
「ぬぅ?……あぁ。近づけさえすれば必ず奴の首を斬り落として見せよう!」
ハイゼンがムニエルの意図を理解し返事をする
「では、私が壁役を務めましょう。時間が必要ですね?」
隙を作る為に一時的に無防備になるムニエルの盾となる事をライターが名乗り出る
「ライター」
「問題ありません。耐久力は兎も角、持久力には自信がありますから」
「ありがとう」
ライターに感謝の念をかける
「一分!一分だけ時間を稼いでくれ!ハイゼンは!」
「言わなくてもわかっとるわい!」
ハイゼンが風の刃を弾きながら返事をする
(ありがとう!二人共)
ムニエルが意識を集中させる
鬼人との間には距離がある。
魔素の身体強化だけじゃこの距離を詰めるのには足りない
ならどうする?
鬼人と同じ様に斬撃を放つ?
直後、僕に複数の風の刃が迫る
(不味い!)
「ご安心を!オラ!オラ!オラオラオラオラ!!」
腕にガントレットを装着したライターが幾つか被弾しながらも風の刃を弾き返す
「こちらの事は気にしないでください!」
ライターがムニエルに声をかける。集中しろと
(本当に頼りにるよ。皆んな)
再び意識を集中する
斬撃じゃ駄目だ!この鬼人の刃が飛び交っている以上、大した威力は見込めない!
不意打ちでなければならない
この距離を一瞬で詰めて不意打ちを!
……不意打ち?……距離?
僕の頭にある技が思い起こされる
(そうだ!あるじゃないか!隙を作れる技が!)
技のコツなら彼女から昔聞いた事がある
ぶっつけ本番だがやるしかない!
思い出せ!彼女の言葉を!技を!
より鮮明に思い出せ!
彼女は言った!
圧縮と膨張だって!
体外の魔素を圧縮して膨張し、それを推進力としていると!
何度も見てきた!彼女の技を!
感じろ!完璧に模倣しなくていい!見様見真似でいい!
魔素を感じろ!
その瞬間、僕は声を
世界の言葉を聞いた
《確認しました》
《体外の魔素感知を確認》
《エクストラスキル魔力感知を獲得。成功しました》
(世界の声。魔力感知)
知識としては知っていた
でも、僕はその声を聞いた事がなかった
だって僕はスキルを持っていなかったから
スキル何て無くても剣を振るう事は出来る
僕に才能は無かったから、スキル何ていらないとすら思っていた
それでも、今この瞬間だけは、今までの努力が報われた様な気がした
(ありがとう。剣姫。ハイゼン。ライター)
魔力感知を手に入れた直後、僕の視界が変わった
(見える!感じる!魔素が!)
そして目を凝らして見ると鬼人の技に違和感を覚えた
(風を操っていると思っていたけど、違う!あの鬼人は魔素を操っていたのか!周囲に自身の魔素を馴染ませて、気流を操作し風を起こす。それが技の正体か!)
鬼人の技を見抜いた僕は、より深く集中した。
背中に魔素を圧縮し何時でも解放出来る様にし
気を狙う
(見極めろ!魔素の流れを!風を起こす時に出来る、一瞬の隙を!)
「そろそろ飽きてきたし、いい加減終わらせようかな。
鬼人が技を唱えようとした瞬間、一瞬、周囲の魔素が停止した。そしてソレを見逃すはずがなかった
(今だ!)
「
それは彼女と比べれば何もかもが足りていない。練度、技術、正にただの猿真似。しかし
「え?」
(いつの間に)
ムニエルは鬼人の懐に飛び込み事に成功した
人は驚くと約20秒、思考が停止するとゆう
そしてそれは鬼人も例外ではなかった
シャキン!
「……え?あ"あ"あ"あ"僕の腕があ"あ"あ"!」
無防備となった隙を見逃さず、ムニエルは鬼人の腕を斬り飛ばした
「ハイゼン!」
「おう!さすがじゃリーダー!」
風が止み、ハイゼンが上空に飛び上がった
「その首差し出せい小僧!ふぅん!!」
上空から斧の重量を攻撃に乗せ鬼人の首を切断した
「かは!また、かよ。なんで僕ばっかり」
鬼人が負け惜しみを吐く
「油断するからじゃわい。言ったじゃろ?足元をすくうとな」
「クソ!」
首だけとなった鬼人の戯言にハイゼンが答える
「どんな強者であろうと、一瞬の隙、油断が致命傷と成りうる」
「偉そうに語りやがって!いつもいつも冒険者は!そんなに僕達が憎いのかよ!」
鬼人がハイゼンに怒鳴り声を上げる。
その声にはどこか悲しさが含まれている様に感じた
「お主を憎んでなどおらんわい」
「いったい、彼等の過去に何があったのでしょうね」
(確かに、本当に何で冒険者だけを狙うんだ?)
疑問は尽きない。だが、今はまだ戦闘中だ。その思考は後回しにしよう。早く剣姫の加勢に向かわなければ
「ムニエル!ライター!お主達は剣姫の加勢に向かってやれ!」
「わかった!ハイゼンここは任せる!」
「了解です!」
ハイゼンに二人で返事をする。ここはハイゼンに任せよう
「わかっとるわい。儂はこの小僧を見いぃ!?」
ドン!
ハイゼンが僕達に答え様とした瞬間、ハイゼンが吹き飛ばされた
「「ハイゼン!」」
そしてさっきまでハイゼンが居た場所に鬼人の姉を名乗る鬼が立っていた。
「弟は殺らせないって言ったよねぇ〜。聞こえなかったかぁ〜い」
「お姉ちゃん!」
笑みを浮かべた弟の首を姉の鬼がくっつける
(バカな!あの鬼は彼女が戦って)
急いで下の大通りに目線を向ける。そこには
左腕を失った剣姫が倒れていた
「剣姫!!」
たまらず叫び声を上げる
そんな!?彼女が殺られたっていうのか!?
「弟。全部壊しちゃっていいよぉ〜」
「いいのお姉ちゃん!じゃあ全部壊しちゃうからね〜」
姉弟の鬼が会話をする。
しかし冷静さを欠いた僕には聞こえていなかった
「ムニエル!避けてください!」
ライターが僕に声をかけるが既に手遅れだった
「
四方八方に渦を巻くように飛び交う風の刃によって、
この街の歓楽街は崩壊した
「…………ウッ………………ここは」
目が覚めると地面に倒れていた
「ぅぅぅ、気を、失っていたのか」
どれくらい時間が経ったのだろう?皆は無事なのだろうか?
ハイゼンは?
ライターは?
彼女………………剣姫は、生きているのだろうか……
辺りを見渡しても皆の姿は見えない。わかるのはさっきの風の嵐で歓楽街が崩壊した事だけ
所々建物から火が上がっている
(みんな、死んで、しまったのだろうか)
心がどんどん弱い方に流れていく
最悪の思考が止まらない
(ダメだダメだ考えるな!)
頭が重い、心がどんどん沈んでいく
(ダメだ、一度冷静になるんだ。呼吸を整えろ)
「……スゥゥゥ…………ハアアア〜」
目をつぶり呼吸を整え、魔力感知を発動する
(周囲に複数の魔力を感じる。なら、まだ皆んな死んでいないかもしれない)
希望的観測かもしれない。でも
(希望を捨てるな!僕はみんなを信じて)
「なんねぇ?アナタまだ生きてたのかねぇ?」
「ッ!?」
目を開けると目の前に姉の鬼が立っていた
(嘘だろ!こんなに接近されるまで気づかなかったのか!?)
どこまで冷静さを失っているんだ僕は!
よく周囲を見渡すと建物の屋根に弟の鬼人が腰かけている
「運が良いねぇ〜僕ぅ〜。まぁ〜それ以外とりえがないんだろうねぇ〜」
「…………ぁ」
鬼が僕を見下ろしながら話す。
恐怖から言葉が出ない。鬼が顔を近づけてくる
「かわいそうにねぇ〜。アナタの仲間は、もうみんな駄目だろうしねぇ〜」
「ウッ」
鬼が笑みを浮かべながら僕に語りかける
「戦士は私の血斧で吹っ飛ばしたからぁ〜、毒でもう時期死んでるねぇ〜」
(ハイゼン)
「僧侶は瓦礫に埋もれているからぁ〜、死ぬまで放置するねぇ〜。さっきから虫みたいにモゾモゾしてぇ〜、みっともないよねぇ〜」
鬼の視線の方を見ると、ライターが燃える瓦礫に押し潰されていた
(ライター)
「あの女も弱かったねぇ」
(剣姫!)
彼女のは無事なのだろうか
「威勢がいいだけで、毒に犯されて心臓も止まっちまってねぇ〜。お陀仏さねぇ」
(…………心臓が……剣姫)
僕の頭の中で情報が整理されていく
「みっともないねぇ、みっともないねぇ、アナタら本当にみっともないねぇ。特にアナタは格別ねぇ!」
鬼が何故か興奮する
「アナタァ〜あの女のことを、好いているんだねぇ〜?わかるよぉ〜、私もコレでも女だからねぇ〜」
(なんだ?何を言っている?何故僕を殺さない?)
分からない事だらけだが、これだけは分かる。
今この鬼の機嫌を損ねたら、その瞬間に、殺される
「あの女はぁ、アナタの妻か?恋人か?愛人か?それともねぇ?」
「…………フッ」
鬼の的まずれな問に思わず笑みが零れた
「んぅぅ?」
「まだ、告白すら、出来ていないよ」
「……フヒッ!フヒヒヒ!」
僕の答えを聞いた鬼が笑い始める
「やっぱりそうねぇ!みっともないねぇ僕ぅ〜!全然好きな人!大切な人を守れてないじゃないかねぇ!」
「クゥ!」
図星。反論する余地などないのに、怒りが溢れた。
それは自身への不甲斐なさか、何も言い返すことが出来ない自分への弱さ、惨めさか、分からなかった
「まぁ仕方ないねぇ」
鬼がしゃがみ二つの斧を地面に突き刺し語りかけてくる
「あの女には才能があるけど、アナタには無いもんねぇ〜。まぁ〜、それにしても、みっともないけどねぇ〜」
「…………」
何も言い返せない。全て事実だ
「わかるよぉ〜、惨めな劣等感を感じちゃってるんだねぇ〜。あの女よりも弱い自分じゃ〜振り向いてもらえないってねぇ〜」
鬼の言葉が心に刺さる
(本当にその通りだよ)
「男だったらねぇ〜、女に守られるんじゃなく、守ってやれよねぇ〜。もしかしたら、何て女からの行動を期待するんじゃなく、自分に守られろ、って言えるくらい男なら言ってみなよねぇ。そしたら可能性があるかもねぇ」
「…………」
「もっとも!その守りたい女はもう死んじゃったけどねぇ!」
「…………」
鬼が更に興奮する
「フヒヒヒヒヒ!ねぇ今どんな気持ちだい!僕ぅ〜。守りたいモノも守れず、一人だけみっともなく生き残ってねぇ!」
(…………一人、か)
鬼が僕の髪を掴んで頭を揺らしてくる
「ねぇ?虫けら、ボンクラ、ノロマの腑抜け、臆病な役たたず!大切な人一人守れない!何度私達の前からあの女を置いて逃げた?ねぇ?本当にどうして生まれて来たんだろうねぇ?アナタは」
「ぅぅ」
鬼が髪を掴みながら僕と目線を合わせる
「どうするねぇ?まだ私達の命を狙うかい?冒険者?」
(冒険者、か)
ふと、ずっと思っていた疑問が頭をよぎった
「なぜ」
「んぅ?なんだい?僕ぅ?」
「どうして、そこまで、冒険者に拘るんだい?」
この鬼達の冒険者に対する憎悪、その源が気になった。
人間を恨むならまだしも、冒険者だけを。何故?
「……………………」
笑みが消え、鬼が黙る。
まるで何かを思い出しているかの様な
「…………昔の話さね」
鬼が語り始める
「私達がまだ、小鬼だった時代。名も無く、脆弱だった時代」
(小鬼?この鬼は昔ゴブリンだったって言うのか!?)
驚愕の事実である。魔物は進化する以上、ありえなく無いのだろうが
(それでも!ゴブリンが悪鬼に進化したってゆうのか!?)
ゴブリンはEランクに分類される限りなく最弱に近い魔物。この悪鬼は少なく見積ってもSランクは下らない!本当に何があったって言うんだ!?
「私達の集落に、ある冒険者が来た」
(冒険者)
「今思い返しても、決っして強い冒険者じゃなかったね」
(冒険者、集落……クエスト、か)
なんとなく話が読めてきた
「だけど、私達の集落は、たった一人の冒険者に滅ぼされてねぇ。いや、正確には二人いたねぇ」
「二人?」
「あぁ、二人さね。鉄兜を被った男と、杖を持った少女」
「…………」
「鉄兜を被った男は、まだ幼かった私の弟を殺そとしたねぇ。そしたら少女が庇おうとした。弟の幼い見た目が同情でも誘ったのかねぇ?でも少なくとも私には彼女が天使に見えた。曲がりなりにも私の弟の命の恩人だからねぇ」
(冒険者の先輩としては、その行動は咎めなければならないのだろうね。けど)
間違っているとも思えない
「だから私達は人間を恨んじゃいないねぇ。人間にも小鬼にも、良い奴も悪い奴もいる。つまりはそういうことねぇ」
「何故?」
「んぅ?」
「何故?そこまでわかっていて、冒険者の命を狙うんだい?復讐かい?」
「……復讐。復讐。復讐、ね」
「?」
「フッフヒヒヒヒヒヒヒヒ!!フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」
鬼がいきなり大きな笑い声を上げる
「復讐なんかじゃないさねぇ!!私はただ許せないだけさねぇ!!」
鬼が笑いながら語りかける。
しかし、その瞳には深い怒りと憎悪が宿っていた
「少女が鉄兜の男から弟を庇った時、その冒険者は何て言ったと思う?」
「……何て言ったんだい?」
わかるような、わかりたくないような、そんな感じがした
「人前に出て来ない小鬼だけが、良い小鬼だって言ったね」
「!?」
「ふざけんじゃないよね!!!」
鬼が怒りを露わにする
「私達は誓って!人なんて殺した事は無かった!争いを嫌い、森の外れでひっそりと暮らしていたね!それなのにねぇ!」
世の中に果たして善悪はあるのだろうか
「小鬼に生まれて来た事が悪だって?そんな言い分、許せる訳がないんだよねぇ!!」
きっと、そんなモノは無いのだろう
「……アナタには、私が悪魔にでも見えているのかねぇ?」
「…………わからない」
「そうかね。……少なくとも私には、あの冒険者が悪魔に見えたねぇ」
「…………」
世の中には知らない方がいい事もあると言う。ただの現実逃避かもしれないが、少しだけ、聞いた事を後悔した
「さて、どうするねぇ?アナタはもうたった一人。アナタに私達が殺せるのかね?冒険者?」
「…………」
「簡単さね!その剣で私達の首を斬ればいいね!」
「やれるもんならやってみるねぇ!」
「ねぇ!」
「ねぇ!!」
「ねぇ!!!」
鬼が激しい声で僕に問いかける。…………僕は
「クッ」
「あ?」
がむしゃらに走って逃げた
「フヒヒヒヒヒヒヒ!そうかねぇ!そうかねぇ!土壇場で心が折れたかねぇ!!」
後ろから鬼の笑い声が聞こえてくる
「みっともないないねぇ〜!本当にみっともないねぇ!」
ドン!
「ウッ!」
鬼に背中を蹴り飛ばされ前に転がる
「みっともないねぇ、みっともないねぇ。アナタ程みっともない子は〜、見た事がないねぇ。フヒヒヒヒヒ!」
なんとか受身を取って姿勢を正す。その瞬間
ドン!
「カハッ!」
今度は腹を蹴られ蹲る
「うっぅぅ」
(痛い!苦しい!吐きそうだ!)
鬼が僕の前に来て再びしゃがみこむ。
視線を合わせるように
「みっともないがねぇ〜、私は嫌いじゃないねぇ。私は惨めに、逃げるしか脳がない奴が好きだからねぇ〜。アナタの惨めな逃げざま!いいねぇ〜、愛着が湧くねぇ〜」
鬼が僕を嘲笑う
「そうね!アナタを私の眷属にしてやろうかねぇ?そうねぇそうねぇそれがいいねぇ!私はアナタを気に入ったね!」
(眷属?)
「え〜?そんな雑魚眷属にするの〜?お姉ちゃん。僕嫌なんだけど〜」
「あの女も私のスキルで奴隷にすればいい!鮮度は保証してやるね!動く死体の完成だねぇ!」
それは果たして鬼の、悪魔の囁きなのだろうか
「アナタの肉奴隷にでも性奴隷にでもすればいいね!死体相手に!大切なモノを守れなかった自身の惨めさを!みっともなさを吐き出せばいいねぇ!」
何を言っているのか理解したくなかった
「ねぇ!ねぇ!どうするね?」
「…………」
「僕ぅ〜?」
「…………クッ!」
顔を上げて天を仰ぎ見る
「フヒヒヒ!悔しいんだね?自身の惨めさが、弱さがね?人は悲しい時、悔しい時ぃ、嘆く時ぃ〜、天を仰ぐんだよねぇ〜」
「…………」
「涙がこぼれないようにねぇ〜」
「ハァ、ハァ………僕は、僕達は」
「んぅ?」
目線を下げ、鬼と視線を合わせる
「……まだ、…………諦めていないぞ」
ドォン!!
鬼に頭突きをかます
(ヤケ糞で頭突きかねぇ?効かないね、こんなぁ…………あぇ?)
鬼が姿勢を崩す
「お姉ちゃん!?」
弟が心配の声を上げる
(なんだね?これは?おかしいね!身体に力が入らない?たかだか人間の頭突きにね?……あぁ!?)
鬼が足の太ももに視線をやるとナイフが深く刺さっていた
(ナイフ!?この小僧まだ隠し持ってやがったね!?)
「はあぁ!」
ムニエルが剣を振り上げる
(この小僧!弱いくせに!人間のくせに!これだけ力の差を見せたのに!独りきりでなぜ諦めない!?)
(コレだから冒険者は!いつもいつも!私を!私達を殺そうとする意思が!)
(なぜ消えない!!)
ムニエルが剣を鬼の首に力強く振り下ろす
「はああああああああああ!!」
僕は諦めた訳じゃない!
アナタとの会話中!ずっと魔力感知を発動し続けた!
周囲にある魔素反応は僕を合わせて六つ!
死んだら魔素は拡散して留まらない!
つまり!まだ皆んな生きている!
かもしれない!!
僕は!その可能性に賭ける!
(勝つ!僕は!僕達は!)
鬼の首に刃がめり込んでいく
「嘘でしょ!?駄目だよお姉ちゃん!そんな雑魚に首斬られちゃ!かまいた」
「オラァ!」
ドオン!!
「グゥゥ!?」
弟の鬼人が姉を助けようと風を放とうとした瞬間、
ライターが鬼人を殴りつけた
「お前!?まだ生きてたのかよ!
「イカれている何て失礼ですね。私は少し酒癖が悪くて、少し痛みを恐れず、少し後衛職なのに前に出るだけですよ?」
「何処が少しなんだよ!?そうゆう所がイカれてるって言ってんだよ!
鬼人がライターに向かって風の刃を放った。だが
「は?」
「ふむ。ようやく効かなくなりましたね」
ライターが傷を負う事はなかった
「なんで!?直撃したのに!?何しやがった!?」
鬼人が混乱しながらライターに問いかける
「私のスキルです」
「スキル?そんな筈は無い!だってさっきまで僕の技は効いてたはずだ!」
疑問が尽きないのか鬼人が怒鳴り声を上げる
「えぇ。ですから効かなくなったのです。私のスキルの効果でしてね」
「スキルぅ?」
「はい。その効果は基本的に自身や他者の回復ですが、このスキルの真髄は他にあります。それは受けた傷を回復した際、その攻撃に対する耐性を獲得する事、要するに超回復って事です」
「はぁぁ?」
鬼人が訳が分からない様な顔をする
「リーダーが頑張っているんです!コッチも負けていられません!一気にたたみかけます!オラオラオラ!!」
「グゥゥゥ!?」
(何で!?さっきより攻撃が重い!コイツさっきまで本気じゃなかったのか!?)
ライターは今まで回復に回していた魔素を全て身体強化に回す事で力を底上げしていた。
この戦い方がライターの十八番、本領発揮である
「オラオラオラオラオラオラオラ!上上下下左右左右ホホホイホイ!」
「何だよ!その気の抜けるかけ声!!」
「剣姫さんが教えてくれました!」
「あの女はどこまでも僕の癪に障る!」
一方ムニエルは今だ鬼の首を切れずにいた
(クソ!硬い!魔素が分解されて弱体化している筈なのに!まだ僕の力が足りないのか!?)
「ヴヴヴヴヴ!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
鬼が雄叫びを上げながら太ももに刺さったをナイフ抜いた。その瞬間鬼の身体から血が溢れ出す
(ナイフを!弱体化からもう回復したのか!?マズイ!)
剣が血で押し戻されていく。そしてついに鬼の首から抜けてしまった
(クソ!やっぱり僕の力だけじゃダメなのか?うっ!?)
噴き出した血に吹き飛ばされる
「この小僧めがあ゛あ゛あ゛あ゛!!」
鬼が怒りながら接近して来る
(諦めるな!ライターが起きたのを感じた!僕が諦めるわけにはいかない!もう一度隙を)
「死にねえええええ!!」
鬼が斧を振り上げ僕の頭をかち割ろうとする。
斧が僕の目の前まで迫る
(殺され)
僕は死を覚悟した
ガキン!
「ウッ!!」
鬼の斧が僕に迫った瞬間、剣姫が鬼の斧を剣で弾いた
「な!?」
「ウラァ!!」
カウンター気味に振るう彼女の剣を鬼は飛んで回避し僕達から距離をとった
(死んでない!?死んでなかったねこの女ァ!?心臓は確かに、そうか!スキルで無理矢理に心臓を止めてやがったねぇ!そうすれば毒の巡りも、一時的に止まるねぇ!!)
鬼が現状を分析する
「剣姫!」
「俺が隙を作る!お前が決めろ!ムニエル!」
剣姫が僕にとどめを託してくる
彼女からの信頼。これほど嬉しいモノはない!
「わかった!」
剣姫が思考加速を使用し戦術を即座に組み立てる
(演算終了!今なら
「解析が完了した!勝ちにいくぞー!!」
剣姫が叫びながら鬼に特攻する
「笑わせんじゃないよねぇ!!」
鬼が再び広範囲に広がる血の斬撃を放つ
(見える!それが最適解か!)
剣姫の目には、まるで次に来る斬撃の場所が表示されるかの様に見えていた
「壱!」
「んぅ!?」
「三!七!五!
血の斬撃を剣を自由自在に伸縮させ全て弾く
「汚ねえんだよ!てめぇの血はよぉ!」
(螺旋回戦を全て弾いた!?)
鬼が驚愕の表情を浮かべる
「ウラァァ!!」
血の斬撃を弾いた剣姫が鬼に飛びかかりながら剣を振り下ろす
それを鬼は飛んで回避した
(解析!?解析だってね!?私のスキルをいつの間に解析しやがったね?いやそもそも!この女腕一本しかないのに!ありえないでしょうがねぇ!コレだから天才は!冒険者は!)
「ふざけんじゃないよねぇ!!」
鬼が剣姫に斧を振りながら接近
剣姫が剣で応戦する
ガキン!ガキン!キン!キン!
無数の血の斬撃
剣姫の剣と鬼の斧がぶつかり合う
(彼女は隙作ると言った!なら待て!彼女を信じて、勝機を伺え!見逃すな!)
ザギン!!
剣姫が鬼の左腕を斬り飛ばす
その瞬間鬼の姿勢が崩れ、彼女が鬼に剣を突き刺しながら前に飛んだ
致命的な隙が鬼に出来る
(今か!?)
「今だリーダー!飛べー!!」
飛び上がり鬼に接近する
彼女に押され姿勢が崩れている鬼と目線が合う
(遅いんだね小僧!アナタはノロマね!)
鬼が右手の斧を逆手に持ち切り上げ、僕の頭を斬ろうとする。だが
「
「な!?」
魔光を推進力とし空中で加速、鬼の斧を躱し首に剣を振るう。しかしくい込みはするものの、切断までには至らない
(やはり僕の力だけじゃダメか!)
(この小僧まだ私の首に剣を振るうかね!?馬鹿だね!さっきだって私の首を切れなかったくせにねぇ!)
(でも、今の僕は独りじゃない!剣姫!僕に力を貸してくれ!)
「剣姫!」
「
「ハア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
ムニエルの剣が鬼の首にめり込んでいく
(クソ!こんな小僧に!マズイ!切られるね!?早く!螺旋回戦を!!)
「ハア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!」
ジャキン!!
姉の鬼の首がムニエルによって切断される
「あぁ?」
ボト
鬼の首が地面に転がり、鬼の身体が大の字に倒れる
確かに鬼の首を切り落とした。だが、まだ勝利の確信が持てなかった
「勝った、のかい?」
「鬼人の方を、二人が倒してくれたらな」
「剣姫。……そうだね。二人を信じよう」
僕達は鬼に勝利した。後は、仲間を信じるだけだ
鬼と剣姫、ムニエルの戦闘中、ライターが鬼人を果敢に攻め続けていた。しかし
「オラオラオラオラオラオラオラ!!」
「調子に乗るな人間!
「ぐ!?」
ライターが耐性を獲得してから初めて明確なダメージを受けた
「やっぱり!耐性ってだけで無効化じゃない!だったらより強い風で切り裂けばいいだけだ!」
鬼人がライターのスキルの弱点を見抜いた
「見抜かれましたか」
「ちょっと面倒だけど、すぐに殺してやるよ人間!」
鬼人が風を圧縮し、より強い風の斬撃でライターを切り裂こうとした瞬間
「儂を忘れてもらっちゃ困るのぉ!!」
(コイツも生きてたのか!?ドワーフ!?)
姉の鬼に吹き飛ばされたハイゼンが復帰した
「何でまだ生きてる!?お姉ちゃんの毒は!?」
「毒?スマンが儂は毒が効かん体質でのぉ。ライター曰く、ドラゴンを昏倒させる程の毒をくらっても効かなかったからのぉ」
「化け物バッカかよ!あの女のパーティ!」
「隙ありです!」
ドン!
「が!?」
ハイゼンに気を取られた鬼人の隙を見逃さずライターが鬼人を殴り飛ばす
鬼人の姿勢が崩れる
「ハイゼン!決めてください!」
「おう!」
ハイゼンが斧を振り上げ構え、鬼人に突っ込む
(バカだね!無防備に突っ込んで来やがって!胴体ガラ空き!さっき貯めた風はまだ残ってる!)
「真っ二つにしてやる!
「ぬ?」
「え?」
鬼人の風の刃は確かにハイゼンの腹に直撃した。だが
「やはり躱す必要などなかったのう。コレっぽっちも効いとらんわい」
「……そんな」
ハイゼンが斧に力を込める
「会心撃!」
鬼の首と胴体が泣き別れになる
「ふん。やはりかすり傷一つおっとらんのぉ」
「えぇ?何なのコイツ」
ライターがドン引きしていた
「……鬼人の魂が解放された。二人の勝ちだ」
「解放?」
「……コッチの話しだ、気にすんな。二人が勝った事だけ分かればいい、そうだろ?」
笑みを浮かべながらムニエルに問いかける
「フッ。あぁ、……そうだね。その通りだ。…………勝ったんだね、僕達」
「あぁ。俺たちの勝ち……!?」
むく
勝利を確信した瞬間、首を切り落とした筈の鬼が起き上がった
「嘘だろ!?」
「そんな」
のし、のし
ゆっくりと覚束無い足どりでこちらに近づいてくる
「流石にちょっと、しぶとすぎやしないか?姉貴様よぉ」
「剣姫!もういち!?」ぐら
ムニエルがバランスを崩し倒れる。剣姫のスキルで強化を施したムニエルの身体はとうに限界を超えていた
(当然だ。一時的とはいえ魂を活性化させたんだ。しばらく動けないだろう。とはいえ、それはコッチも同じだ。俺も疲労がヤバい。正直、もう戦う余裕はない。どうする?)
鬼の身体を見ると、ゆっくりとだが頭が再生を始めている
「ここで限界を超えるってか?」
のそ、のそ
(本当にどうするか)
気づけば頭は片側半分程再生が終わっていた。
片目だけの鬼が口を開く
「憎い、憎い」
「!?」
「許せない、許せる筈がない」
(執念、か)
鬼から深い憎悪、負の感情が伝わってくる
「冒険者は、皆殺しに……」
突然、鬼の動きが停止した
「お前は」
だがそれは当然なのかもしれない
俺の目には確かに見えていた
〖もうやめよう!〗
俺たちと鬼の間に立つ、小さな小鬼の幽霊が
(憎い、憎い、憎い)
(許せない、許せる筈がない)
(殺す、殺す、殺す)
(こんな所で、終われない)
(私は、私達は)
(まだ、終われないね)
(冒険者は、皆殺しにする)
(それが私達の、生き方)
(たがら)
〖もうやめよう!〗
(あぁ?)
気がつくと私の目の前に小さな小鬼が立っていた
誰ね?この小僧
(邪魔ね、そこをどくね)
〖どかない!もうやめようよ〗
小鬼が私の行く手を阻むように腕を広げる
〖もう、終わったんだよ〗
(終わってなんかないね。まだ、終われないね)
〖ううん。もう終わったんだよ〗
(なんで!)
なにが終わっただ!アナタが私の何を知っているね!
〖だって、もう負けたんだよ〗
(あっ)
そんな、私は、まだ
〖だからもう、終わりにしよう。お姉ちゃん〗
……お姉ちゃん
そうだ。私は知っているね
この小僧は
この小鬼は
この子は
私の
まだ私が、小鬼だった時代の話しさね
私の集落の小鬼共は森に住む他の魔物達とのナワバリ争いを忌避して、森の外れに住むような奴等の集まりだったね
良く言えば温厚、争いを好まず
悪く言えば臆病、脆弱な奴等だったね
私は、他の奴らよりも多少強く生まれた。ゴブリナとか言われる部類さね
だから集落の用心棒として働き、偶に獣を狩ってくる。木材が足りなくなれば、率先して斧を振るう生活
別に、特に不満は無かったね
何せ私には、生き甲斐があった。可愛い弟さね
弟が物心つく頃には亡くなってしまった両親に変わって弟の面倒を見る。それが私の生き甲斐だったね
まだ幼い私にとって大変な事だらけだったね。それでも、そんな生活に私は確かに、幸せを感じていたね
冒険者が村に来るまでは
今でも時折夢に見る。あの悪魔の様な冒険者
鉄兜を被り、杖を持った少女を引き連れた冒険者の男
冒険者の男は、夜に私達の集落に火を放ち、炙り出すようにして集落の小鬼共を皆殺しにしたね
一つ、二つ、三つと、感情を感じさせない声で剣を振りながら小鬼を次々と殺していった
私は何よりも先に弟の無事を確認しに行ったね
そこで見たのは、弟を冒険者の男が殺そうとする瞬間だったね
弟を助けようとした瞬間、杖を持った少女が弟を庇おうとしたね
まだ子供ですよ。いい小鬼にもいるかもしれませんよ。とねぇ
結果的にそれで弟を救えたとゆうのだから皮肉な話しさね。集落を、弟を殺そうとしたのは、アナタ達冒険者だってゆうのにねぇ
私は男が少女に気を取られている隙に、弟を抱え一目散に逃げ出したね
勝てるか分からなかった。……違うね。勝てないと分かっていたから逃げたのさね
強く生まれといっても、それは小鬼の中での話、集落の小鬼を皆殺しにした冒険者には勝てないと直感で悟ったね
だから私は逃げる事しか出来なかった
みっともなく、弟を抱え逃げる事しか出来なかったね
ただただ涙がこぼれたね。自分の惨めさが、弱さが、あの男の言葉が
人前に出て来ない小鬼だけが、良い小鬼だなんて言葉が、ただただ許せなかったね
その理屈なら、私達は良い小鬼な筈じゃないかねぇ!
何より悔しいのは、弱く、何も言い返せず、逃げる事しか出来なかった、自分自身への、みっともなさねぇ
弱肉強食。魔物、自然界において絶対の掟。それに照らし合わせれば、確かに私達は悪なのかもしれないねぇ
だけど!それでも許せない!そんな理屈
誰だって生まれは選べない。それでも毎日必死に生きてるねぇ。それなのに、生まれてきた事が悪だなんて理屈、許せる筈がないんだよねぇ!
あの男に小鬼を憎む理由があっても、それは私達には関係ない!そう言ってやりたいのに、逃げる事しか出来ない、私の惨めさが
本当に、みっともないと思ったねぇ
それから私達は何度も集落を移り変えたねぇ。私を用心棒として雇ってもらう事で
何度もさね。何度も
そう。あの冒険者は私達を逃がさなかったさねぇ
何度も何度も私達が住む集落の小鬼共を皆殺しにした
その度に私は逃げる事しか出来なかったね
それでも、何とかやってきたね
だからきっと、気が緩んでしまったんだねぇ
もう数えのも億劫になる程、集落を移り変えた時、捨てられた古城に住む小鬼共の集落に移り住んだね
その古城で暮らして数日、私は用心棒として魔物との抗争に駆り出れたねぇ。そして戻ったら
古城に火が上がっていたね
私は急いで弟の元に駆けつけた。古城の入り口の前にいる弟を見つけて安堵したね。でも、それはすぐ絶望に変わったね
入り口にたどり着いた瞬間、入り口に結界が張られ弟は古城に閉じ込められたねぇ
火のついた古城に
私は結界に阻まれ、弟に触れる事すら出来なかったね
目の前で、お姉ちゃん!お姉ちゃん!と叫ぶ弟が蒸し殺しにされていくのを見ている事しか出来なかったね
ふざけるな!ふざけるんじゃないよねぇ!
弟は、私達は、こんな死に方をするために生まれきたんじゃないさねぇ!
時間が経って結界が解けた頃には
もう弟は、息をしていなかったね
「……ねぇ。起きて、起きて。お願いだから、起きてさね。お願いだから。また、お姉ちゃんって、呼んで、くれさね」
弟を揺すっても
弟を呼んでも、返事はかえって来ない
だって私の弟は、もう
「ウッ、ウウゥ、ウウ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙返して!返してよ!私の弟を!たった一つの生き甲斐なの!返して!返してよー!生まれてきた事が悪だって言うの!?ふざけんじゃないわよ!返して!返しなさいよ!私の弟を!じゃないと私生き」
グサ!
「……あっ、あぁ?」
「これで六つ」
気づけば私の後ろに、鉄兜を被った冒険者が立っていた。そして、心臓を刺された
「……あの時の」
冒険者が私を見ながら何かを呟く
「小鬼殺しさん。コッチは終わりました」
「そうか」
杖を持った少女がやって来て、鉄兜の冒険者に話しかける
「……あの、小鬼殺しさん。この小鬼達って」
「あぁ。今まで何度も取り逃がしてきた奴等だ」
「……そう、ですか」
「これで懸念は消えた」
「懸念、ですか?」
「あぁ。何度も逃げられている以上、知恵をつけ、キングやロードに進化していた可能性もある」
冒険者達が何かを話している。けれど、私にはもう聞こえていなかった
弟の魔素が抜けていくのがわかる
魔物はやがて魔素に返ってしまうから
弟の熱が冷めていく
私の身体から溢れる血で、弟が赤くなっていく
私ももう時期、弟と同じ場所に……
嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
弟を死なせたくない!
私の生き甲斐を失いたくない!
弟の命!魔素を繋ぎ止める方法が無い!
私の血も足りない!
何もかもが足りない!
そう嘆いた瞬間、私の頭に
世界の声が響いた
《確認しました》
《ユニークスキル
そのスキルを手に入れた瞬間、使い方を理解した
「ユニーク、スキル」
「まだ生きて?」
「え?」
「
直後、辺り一帯は血の海にのまれた
崩壊した古城、血の海の真ん中で私は弟を抱いていた
私のユニークスキル血魔者は、血を操り、生み出す。魔素を操り、血に変換する
スキルで弟の魔素の流出を止めようとしたが、それには私の魔素が足りなかった
今更、だね
こんな力を手に入れても
冒険者に復讐を果たしも
私の心は満たされない
だって、私の弟は
死んでしまったのだから
スキルで動かしても
それはただの
血の海の中、私の心には
絶望と虚無感だけが広がっていたね
そんな時だったね
「クフフフ、実に興味深いですね」
黒い、悪魔に出会ったのは
「コレは貴方がやったのですか?」
「……だったら、なにさね」
黒い悪魔が血の海を見ながら私に問いかけてくる
「クフフフ、やはり興味深いですね。たかが小鬼風情が、ここまでの惨状を生み出すとは」
「アナタは、悪魔、かね?」
「おや、小鬼にしては、中々博識の様ですね。えぇ、私は悪魔ですよ。気まぐれで召喚に応じてみたのですが、今回は失敗でしたね。ですが、面白い収穫もありました」
「収穫?」
「貴方ですよ」
悪魔が私を指してくる
「貴方の魂の輝きは素晴らしいかった。思わず見惚れてしまいましたよ。それだけでも今回現世に顕現した価値がありましたよ」
(見惚れる、かね。私が?こんなに醜く、みっともない、私が、かね?)
「何か願いはありますか?」
「願い?」
「私を楽しませてくれたお礼です。本来なら対価を要求するのですが、大サービスですよ」
「……そんな事して、アナタに何の得があるね」
「得、ですか。クフフフ、そうですね。実は私昔から、世界の真理を解き明かしてみたいと思っていましてね。今回はその試金石、可能性というやつです」
「可能性?」
「もしかしたら貴方が、私を、そんな可能性です」
正直、話の内容はよく理解出来なかった。でも今の私は悪魔にも縋りたかったね
「弟を、生き返らせる事は、出来るかね?」
「弟さん、ですか?ふむ」
悪魔が私の抱く弟を見て思考する。その様子で、答えは分かってしまったがね
「残念ながら今の私には、反魂の秘術は使えません。弟さんを蘇らせる事は不可能です」
(……わかって、いたさね。そんな事)
「ですので、代わりと言ってはなんですが、貴方に名を授けましょう」
「名?」
「えぇ。貴方のスキルなら、弟さんもどうにか出来るでしょう。そしてそのためには魔素が必要。であれば名付けが要望に適しているかなと」
「あぁ、それでいいね。弟は私がどうにかするね。だから私に名をくれね!」
悪魔に名付けを願う
「クフフフ、いいでしょう。そうですね。貴方の名は」
「悪魔に願った小鬼、
「さて貴方は私を、世界の真理へと導いてくれますかね」
…………あぁ。そうだったね。思い出したね
私は、認められなかったんだね
弟の死が
現実が
だから私は、悪魔に名を願ったね
現実から目を逸らしているだけと、わかっていても
弟の死体をスキルで操り
弟は死んでいないと
そう思いたかったんだね
あの女の言った通りさね
私は、弟の死一つ認められない
哀れな小鬼さね
動く死体を弟だと思い込んで
弟を殺した冒険者共を殺す事を生き甲斐とするような、そんな惨めな、小鬼さね
弟を殺した冒険者は、もう死んだってのにねぇ
冒険者の命なんて、本当はどうでもよかったね
ただ、私は
弟に
生きていて欲しかったね
〖お姉ちゃん〗
弟が私に近づいてくる
〖思い出した?〗
(…………そうさね。思い出したね)
〖そっか〗
あぁ。そうだね。向き合わないとね。今度こそ
弟に抱きつく
(ごめん!ごめんさね!アナタを、守れなくて!死なせてしまって!ごめんさね!)
〖うん。大丈夫だよ。お姉ちゃん〗
(ずっとアナタを縛りつけて!ずっと、ずっと、わかってた筈なのに、ごめんさね!認められなかったね!アナタの死が!現実が!だから、だから、本当に、ごめんさね)
〖僕も、ごめんね。お姉ちゃんを、独りにしちゃって〗
(違う!違うさね!私は気づいていたね!アナタの声に!ただ、ただ聞こえないフリをしていただけさね!)
〖でも、ちゃんと聞いてくれたじゃん〗
(そんな事ないさね。ただ、聞くしかなくなってしまっただけさね。後戻り出来なくなって、行き止まりにたどり着いて、それで)
〖それでも、お姉ちゃんは僕を見てくれた。僕の声を聞いてくれた。だから、いいんだよ、お姉ちゃん〗
(ぅぅっぅ、本当に、ごめんさね)
〖謝らないで、お姉ちゃん。こういう時は、ありがとうでいいんだよ〗
(…………そうさね。ありがとうさね。……アナタは、本当に、よくできた弟さね)
〖フフン。なんたってお姉ちゃんの弟だからね〗
(……そう、かね)
私の弟がよく出来すぎているだけさね
〖おかえり。お姉ちゃん〗
(ただいま、さね)
ようやく、向き合えたさね
〖もうお姉ちゃんを独りにしない。だから、行こう?お姉ちゃん〗
(行く?どこへ?)
〖…………きっと、お姉ちゃんは、良い所に行けないから〗
(……当然さね。それは)
私は、沢山の命を奪ったからね。でも、もう独りは
〖だから、僕も一緒に行くよ。お姉ちゃん〗
(だ、駄目さね!それは!アナタは、私と、同じ場所に来ちゃ、駄目さね)
弟には、私と同じ場所には、来て欲しくないさね。でも、本当は
〖でも、独りは、寂しいよ?〗
(…………ごめんさね)
断ることも、突き放す事も出来ないなんて、本当にみっともないね
〖言ったでしょ?お姉ちゃん。ごめんじゃなくて?〗
(……ありがとう、さね)
それでも、もう独りは嫌だったね。だから、どうか、許して欲しいね
〖うん。行こう。お姉ちゃん〗
弟が私に手を差し伸べてくる
(あぁ。一緒に行くね)
私は迷わず、弟の手を取ったね
サァァァァァァァァァ
突然止まった鬼が膝をついた瞬間
僕と剣姫の目の前で
鬼の身体は血に返る様に消えていった
「いったい、何が?」
状態が飲み込めない。僕達は勝ったのか?
「…………向き合えたんだな」
「剣姫?」
「世の中、最後まで見て見ぬふりをする奴等が大半だってのに、最後の最後で向き合えるんだから」
僕と違い、剣姫はどこか納得の表情をしていた
「やっぱ、いい姉貴様だよ、アンタは。あんだけ弟に慕われてんだから」
「剣姫、僕達は勝ったのかい?」
「あぁ。勝ったよ。アイツらはもう行っちまったからな」
「行った?何処へ?」
「さてね?天国じゃねぇか?」
「君は、天国があると思っているのかい?」
「知らね!」
そう言いながら剣姫が大の字に倒れ込む
「だけど」
「だけど?」
「あると思った方が、都合がいいだろう?」
「……フッ、フハハハ!」
「面白かったか?」
「フハハハ!そうだね。確かに、その通りだ。その方が都合がいいね」
「だろ?」
「それに、その方が彼女達も報われる」
「あぁ。そうだな」
「……さて、そろそろ僕達も行こうか」
ようやく動くようになった身体を立ち上げ、
倒れている剣姫に手を差し伸べる
「クエストの達成報告をしないといけないしね」
「あぁ〜そうだな〜、正直今すぐにでも眠りたいところなんだがなぁ〜、仕方ないか」
剣姫が僕の手を取り立ち上がる
「ライターにエールを奢らせるんだろう?どうする?今から飲むかい?」
「勘弁してくれ、そんな元気はねぇよ。夜でいい。なにせもう日が昇っちまったからな」
「本当だ」
街を照らす様に日が昇る。どうやら一晩中戦っていたらしい
「綺麗だね」
その光は、僕達の勝利を祝福しているのか
はたまた、天国へ行った彼女達への
わからないね
「日の出か。…………あぁ、綺麗だな」
そう呟いた剣姫、彼女の横顔が、とても
「綺麗だ」
気づけば口に出てしまっていた
「あぁ、そうだな」
「ちがっ、…………いや」
その時、鬼の、彼女の言葉を思い出した
(そうだね。期待するだけじゃ、駄目だよね)
「違うよ剣姫」
「ん?なにが?」
剣姫と目線を合わせ向き合う
ドクンドクンと心臓がうるさい
言え!言うんだ!勇気を振り絞れ!
「剣姫、僕は君が綺れ」
「お二人共ー」
ライターの声が聞こえた
「ん?お!ライター達が来たぞ。どうした?変な顔して?」
「…………なんでもない」
「そうか?なら別にいいが」
ライター、もう少し空気を読んでくれよ!あともう少しで言えたのに
「ハァ〜」
心の底からため息が零れた
「お二人共ご無事でしたか!」
「まぁ、なんとかな」
「無事そうでなによりじゃわい」
「あ!剣姫さん、腕持って来ましたよ。今治しますね」
「悪いな、正直もう自分で治す気力も無いんだ」
剣姫がライターに治療されるのを眺める。
きっと今の僕は相当に無気力な目をしているのだろう
「どうしたじゃ?」
「…………なんでもないさ」
何故だが朝日がとても目に染みた
こうして、僕達の激しい一夜の冒険は幕を閉じた
後はギルドでクエストの達成報告をして
報酬を貰うだけ
の、はずだったのだが
「受理されておりません」
「「「「え?」」」」
ギルドの受付嬢の言葉に皆の目が点になる
「な、何故、受理、されて、ないん、ですか?」
剣姫が片言で受付嬢に問う
「何故も何も、これは都市伝説。つまり迷信です。」
「め、迷信」
「はい。そもそもこのクエストに関してもギルド長のイタズラですからね」
「「「「え?」」」」
「何でも昔、Sランクが死んだとか何とかで作ったらしいですよ?馬鹿でよね〜本当にSランクが死んだなら誰も達成出来るはず無いのに。まぁ、本人もすぐそれに気づいたらしいんですけど、もう作っちゃったしまぁいっか!って、ずっと貼りっぱなしだったんですよ。それが噂に尾びれがついて都市伝説に」
「「「「………………」」」」
全員言葉を失う
「てゆうか、この事に関してはそちらの僧侶さんに以前お伝えしましたよ。酔っ払っていたようですがね」
「「「ライター?」」」
「アハハハハ!すみませ〜ん!」
「「「………………ハァ…」」」
全員疲れすぎて、怒る気力も湧かなかった。
本当に毎度の事ながら、…………ハァ
「全く、こっちも賠償金の計算で忙しいんですからね」
「「「「賠償金?」」」」
「はい。歓楽街がほとんど壊滅しましたからね。現在犯人の捜索中です」
「ち、ちなみに、賠償金とは、おいくら程でしょうか?」
剣姫、たぶん聞かない方がいいと思うよ。嫌な予感がする
「計算中ですが、ザッと星金貨で数百枚はくだらないかと」
星金貨って、確か最大価格の貨幣の事じゃ
「全員集合!」
受け付けから即座に離れた剣姫の元に集まる
「え?何?賠償金?星金貨って何?」
「金貨より上の貨幣の事だよ」
「ひょっ、ひょっとしてアレですか?一枚で金貨百枚分とか言う、アレですか?」
剣姫、落ち着くんだ。気持ちは分かるけど
「その認識で合っていると思うよ」
「え?それ何枚って?」
「ザッと数百枚はくだらないと言っていたのう」
「え?ごめんハイゼン。もっかい言って、ワンモアプリーズヘルプミー」
剣姫、本当に落ち着くんだ
「数百枚はくだらんと言っていたぞ」
「…………金貨が、日本円で、ザッと十万だから、えっと………やめよう。考えたくもない」
「そうじゃのう」
「そうだね」
考えるのはやめよう
「それって年代物のお酒どれくらい買えますかね?」
「「「てめぇ(お主)(君)は黙れ」」」
「……はい」
本当に面倒事しか持ってこないな君は
「あの〜」
「「「「ッ!?」」」」ビク!
「冷やかしなら早く帰ってくださ〜い。それとも貴方達が犯人なんですか〜?」
「お前ら、わかってるな?俺に合わせろ」
「うん」
「うむ」
「えぇ」
うん。皆で息を合わせよう
「「「「いいえ違います!!」」」」
「さっさと帰ってくださ〜い」
「「「「はい!お騒がせしました!」」」」
「犯人の情報が分かったぞ!」
「「「「!?」」」」
「あっ、おはようございますギルド長」
「おはよう受付嬢君!」
「どうされたんですか?そんなに急いで?」
「そうだった!目撃者の情報によると何でも歓楽街で四人組を見たそうだ!心当たりはないか?」
「四人組ですか?違うと思いますが、四人組なら丁度あそこに、あれ?」
「ん?どうした?」
「いえ?さっきまであそこに四人組が居たのですが」
「なに〜!!」
「何で俺達が逃げなきやいけねんだよ〜」
「ライターの所為だよ」
「その通りじゃ」
「アハハハハ!本当にすみませ〜ん!」
「笑い事じゃねえよライター」
「だね。これは次の街までエールはお預けかな」
「それ以前に寝かせてくれよ。俺達全員夜通しだぞ?」
「本当にのう。さすがの儂もこたえるわい」
「回復しましょうか?眠気も私のスキルなら回復出来ますよ。その証拠に私はお目めパッチリ快眠の様に絶好調です!」
「「「………………」」」
この時俺は、いや三人全員が思った
ぶん殴ってやろうかと
ハァ〜、ごめんムニエル
やっぱ、パーティー組んだのちょっと後悔したかも
本当に面倒事とゆうか、波乱万丈すぎる
まぁ、これも冒険なのかね〜?
───これは黒の剣姫と
───パーティーを組んだ者達の
───冒険の一幕
───念の為に記して置くと
───序章だよ?
黒の剣姫(魔剣士・前衛・TSオリ主転生者)
二つ名の由来は、どっかのブラッキー先生に感銘を受けて装備を黒一色にしているから。それと黒い髪に黒い瞳、姫と見紛う程に美しい容姿から付けられた。
本人曰く化粧はした事が無いらしい。
父親に剣技のみで勝利しBランクに昇格と同時にパーティーを組、各地を冒険する。
魔剣士と言っているが、彼女は魔法が使えないので正確には魔法の魔ではなく、魔素の魔ね。彼女は夢やぶれたんだよ、異世界定番のね。普通に才能が無かった。だから仕方なく魔素をスキルで直接操り魔法風にして我慢している。
ちくしょう!と彼女は血涙したとか
ムニエル(剣士・前衛・リーダー)
幼い頃にに剣姫に魔物から助けられた事があり、それで冒険者を志した。(剣姫は全く覚えていない)
自他共に武芸の才能が無い。だが誰よりも努力家で諦めない心を持つ。努力出来るのもれっきとした才能よ!一で十を得る事は無いが一で確実に一を得る努力をし続けた。
そして彼女より早くBランクになりメンバーを集め彼女とパーティーを組む機会を狙っていた。(*´ω`*)ヨカッタネ
実は初対面時は結構焦ってたんだよ?彼女は地元で有名人だったから自分より早くBランクぐらいにはなってると思ってたのに何故か自分の方が早かったから。
まだかな〜まだかな〜え!?同じランクになった!?ヨシ!建前が出来た!今がチャンス!みたいな内心だった
ムニエルと彼女の出会い(ムニエルの記憶)
「あ、ありがとう。助けてくれて」
「どういたしまして。見たところ怪我は無さそうだな」
「あぁ、怪我は無い。大丈夫、ありがとう。………………………僕の名前はムニエル。君は?」
「俺?ん〜まだ二つ名とか無いしな〜……とりあえず魔物から助けたって事で、スタイリッシュモンスタースレイヤーとでも名乗っておこう」
「スタイリッシュ、モンスター、スレイヤー?」
「あぁ。そうだ!助けたお礼って訳じゃないんだけどさ、街までの帰り道教えてくれない?薬草採取に夢中になってたら迷子になっちゃって」
「薬草採取?君は冒険者なのかい?」
「そうそう。で、帰り道知ってる?」
「あ、あぁ。あっちが街で」
「あっちか!サンキュー!じゃあな!」バビューン!
「あっ!…………行っちゃた。冒険者、か」
(綺麗な人だったな)
「…………僕も、なれるかな」
剣姫に惚れていたが結局彼女が冒険者を引退するまで告白が成功しなかった。勇気は何度も振り絞ったよ?でも成功しなかったんだよ、毎回邪魔が入ってね。(ヽ´ω`)トホホ・・
彼女の引退後も諦めきれず三人で冒険者を続けながらチャンスを狙っていた。何なら酒場OPENの手紙も貰っていたから行くつもりだったが、彼女の故郷が滅んだと聞き急いで三人で彼女の故郷に駆けつけた。
そして彼女の死を知り、絶望。自身の無力感ともう会えない喪失感でいっぱいになったとか( ˆωˆ )ニヤニヤ
ぶっちゃけ彼女が歪む前だからあの時告白が成功していたら一番可能があったかもね!剣姫もムニエルの事は評価高いし、真剣に彼女の心と向き合っていけば可能はあったよ、マジで。何なら仮に告白が成功してたら故郷で酒場をOPENせずに冒険者を続けていたから幽霊にすら成らないよ。彼女は大切な人の笑顔が好きなのであって、もし隣に大切な人が居るなら離れようと思わないからね!(*^^*)
ま!そんなifの話は無意味ですけどね!貴方は彼女の隣に居られなかったんだからね!ꉂꉂ( ᐙ )HAHAHA☆
あ!彼は生涯独身だったらしいよ!
ハイゼン(戦士斧使い・前衛・ドワーフ・♀︎)
まともそうに見えるが実は一番化け物かもしれないドワーフの女戦士
まず自由落下じゃどんな高さから落ちてもノーダメージ!毒は効いたことが無い!風邪や病気は根性で治せる!槍や剣は基本的に相手の武器が砕ける!水の上だって走れる!あえて弱点をあげるなら不意打ちによる脳震盪気絶!
しかもスキルじゃなくてデフォルトだっていうんだからマジヤバイ!ドワーフすげぇ!
剣姫とは同性のためパーティー内で一番仲がいい。ハイゼンとの会話描写多かったでしょ?
剣姫とハイゼンの宿での会話
「うわ!?スッゲ!?腹筋バキバキじゃん!」
「ふふん!鍛えてるからのぉ!」
「俺も割ろうかな〜……でも鍛え過ぎると体の柔軟性が落ちるからな〜」
「剣姫はそのままでいいのではないか?人には向き不向きがあるからのぉ」
「……まぁそうだな。ちなみにハイゼンはどうやって普段鍛えてるんだ?」
「プランクじゃ」
「プランクすっご」
ライター(僧侶・前衛・生臭坊主)
ある意味破戒僧な冒険者兼僧侶兼前衛の脳筋ヒーラー
スキルで回復し耐性を付け、殺られる前に殺る、拳DE!が戦闘スタイルの狂人。だってスキルに痛みを緩和する効果は無いからね?つまりコイツの精神が以上ってだけ。
酔いもスキルで治せるけど、それだとお酒の意味が無い!とか言って普段から酔っ払っている。
このパーティーの問題事や面倒事はだいたいコイツが持ってくる。ちなムニエルとは幼馴染でライター自身は冒険者に興味は無かったが、酔って身売りされそうになっていた所をムニエル助けてパーティーに加入した過去がある
ムニエルとライター(逃亡中)
「今回は何したんだよライター!?」
「だってあの洞窟の先に刺さっている伝説の酒瓶を抜いた者に伝説の酒を贈呈するっておっしゃるから!」
「それを君はどうしたんだよ!」
「粉砕しました!拳で!」
「ダメじゃないか!」
「あの脆さは偽物ですよ!本物があんなに軟なはずありません!」
「そうゆう問題じゃないよ!」
「アハハハハハ!すみませ〜ん!」
神のSランク認識
イメージは未来の侍大将(鬼人)がAランクぐらい?
妖鬼に進化したらSランクかな?だって未完成状態とはいえカリブディスを瞬殺だし。
人間の場合未来のスライムの運命の人がA+ランクだから……まぁそれ以上と思っていただければ……ね?
だってあの世界力の基準めっちゃ曖昧なんだもん!
存在値とか出てきたらマジで目安でしかないじゃんランクって!
ちなみに未来の幽霊の存在値は………………0
ランク制度は未来の腹黒グランドマスターが作ったらしいけどこの世界では最初からある設定です
ランクとか階級とか便利だし(*^-^*)ゞテヘヘ
ぶっちゃけ神もそこら辺の認識曖昧なんですよね。
だってスライムの運命の人がA+冒険者って登録されてるけど爆炎の支配者として活躍したのは50年以上前らしいし。腹黒がグランドマスターになったのも時系列的には運命の人が引退していないとはいえ衰えていた筈だし……
……実績とかで後付けでA+になったて事かな?
小鬼から
普段は体力温存とオーラを隠す為に弟と融合していて、弟のピンチ時にのみ目覚める。
小鬼に絶対殺すマン!に何度も殺されかけた過去を持つ。
どっかの役たたずの狛犬と、どっかの鬼いちゃんの良いとこ取りをしたような存在。何処が良いんだか?
弟を生き甲斐にしており弟が死んだ事を認められずスキルで死体を操り弟を殺した冒険者を殺す事を生き甲斐にしていた。その様はまさに弟の霊に取り憑かれた幽鬼である。
彼女の容姿はガリガリの体型で分かりずらいが、ちゃんと食べれば肉付きが良くなり美人になる。じゃあなんでガリガリだったかってゆうと弟が集落からハブられたりイジメられたりしない様に食料のほとんどを寄付していたからさ。弟もそれは分かっていたが自分が食べないと彼女は最低限の食事も取ろうとしないので食べるしかなかったとか。心の中は罪悪感でいっぱいだったんだろうね
( ^ω^)
彼女にとった弟は生きていてくれるだけで幸せな存在だったんですよ。それが目の前で蒸し殺しにされたら
フフフ(´^∀^`)
ちなみに何で夜にしか冒険者を狙わないかというと本能的に名付け親には勝てないと悟り、知恵を働かせた結果。
作戦は寝首を搔く!コッソリいこうぜ!
ユニークスキル
魔素を操り血に変換、血を生み出し操る事が出来る。
血斧(両手片手斧)
血の斬撃を飛ばし操る。同時に複数飛ばせます!
血斧から血を糸状に展開し自身の周囲に一時的に結界を生成する防御技
飛び
蒸し殺しにされた小鬼(お姉ちゃん大好きシスコン)
本来は死亡し魂も輪廻に帰るはずだったが死体に
普段は姉の魂と共に眠っており基本的にオートモードで姉が目覚めるまでは超再生も発動出来ない。鬼人の口調などはあくまで
額に第三の目が移るとオートモードからコントローラー操作に切り替わる。
最後は
ずっと一緒だよ♡お姉ちゃん♡
鉄兜をした男の冒険者
小鬼どもは!皆殺しだ!
杖を持った少女の冒険者
もう!本当に仕方のない人ですね!
悪感情ホイホイな悪魔さん
未来のあの御方に出会う前だから気まぐれに放浪の旅をしつつ手当り次第に世界の真理について探っていた。
そう簡単に真理が見つかったら苦労しないからね。
本当に手当り次第よ。
今回は魂の強烈なまでの悪感情を感じて気まぐれで召喚に応じてみたら失敗で萎えていた悪魔。何でも奥さんが夫が浮気をしたと勘違いして夫をブチ殺す為に悪魔召喚をしただけだったらしい。
「私が間違ってたわ!許してマイダーリン!」ヒシ
「僕も勘違いさせてごめん!マイハニー!」ヒシ
抱きしめ合う夫婦を見て、違う、コレじゃない。と思ったとか。とりあえずその夫婦を殺して顕現していた。
せっかく顕現したけど、どうしようかな〜と思っていたら近くからさっき以上に強烈な悪感情を感じたので期待半分で見に行ってみたら……素晴らしい悪感情、魂の輝きにウットリしちゃった。そしたら辺り一帯が血に染まるわで更にウットリ。しかもそれをやったのが小鬼だっていうんだからも〜う興奮ものよ!まるで世界の神秘、その一つを見たかのような、ね。
萎えていた心を興奮させてくれたお礼として願いを聞いたら、ちょっと無理な願いで曇った。悪魔としては願いを聞いた手前今更撤回するなんてプライドが許さない、なので適当に理由を付けて妥協案で名を授けたら小鬼が
まぁ魔素が切れて悪魔界に強制送還くらってペナルティーでしばらく現世に顕現する事も現世を覗き見る事も出来なくなって結局曇ったんだけど( ゚∀゚)ハァーハッハッハッハ!!
…………実は剣姫とは浅からぬ因縁(雪辱)があるらしい
ギルドマスターと受付嬢(騒動の原因)
「ナニ!?Sランク冒険者が殺されただって!?」
「ホントですかそれ?どうせSランクパーティーの荷物持ちとかじゃないんですか?」
「ヨシ!クエストが完成した!早速掲示板に!」
「ギルドマスター、報酬はどうするんですか?」
「ハァ!?確かに!?だが作ってしまった物は仕方ない!とりあえず貼っておこう!」
「どうなっても知らないですからね?」
…………………そして伝説へ
ユニークスキル
魂に干渉するスキル。このスキルで弟の声も聞こえてたし姿も見えてた。最初に気づかなかったのは姉が起きるまで弟の魂も眠っていたから。
それと一応……実質物理無効にもなる。彼女の魂の認識は粘土なので打撃は効きずらいし、切られても直せば実質無効だから……実質ね。痛みはあるからね?注意点は相手が魂を知覚していると魂に直接ダメージが入ってしまうこと。肉体は直せても魂は回復すぐに回復出来ないので。
このスキルの技の一つ。魂を活性化させあらゆる能力を向上させる。
まぁ魂を活性化させてる訳だしね。
文字通り、心を燃やしてるのよ
ユニークスキル
その場の最適解と閃きを与えるスキル。攻撃を受ければ受けるほど情報が蓄積され、本人が演算を行わずとも最適解導き出せる。だから彼女との戦闘は二戦目以降は同じ手は通用しない。バトルIQも上がるし戦闘向きのスキルだよ!
ユニークスキル
あらゆる事象を縛る。能力の底上げも、座標移動も、あらゆる事が解釈次第のスキル。応用力抜群!
剣姫開発!
夢やぶれた彼女が作った苦渋血涙の技(魔法じゃない!)
周囲の魔素を一気に圧縮、圧力を掛け魔素を膨張、爆発力に変える技。攻撃にも加速にも使えて応用力は無限大。
但し!あくまで意図的に発生させた魔力暴走でしかないので取り扱い注意!
イメージとしては未来の飯マズ秘書と猫ちゃんが戦った時に使った魔力暴走みたいなヤツを意図的に起こしてる。
( ꒪Д꒪)ヤバ…
魔素を流す事である程度刀身の長さを変えられる。
ある程度がどれくらいかって?そりゃある程度よ。
ちなみに冒険者引退後、黒き竜との戦いで砕け散った
剣姫特製!
魔素を圧縮、膨張させ、表面だけを薄く魔素の凝固反応で固めた物。極論、卵です。
剣姫特製!仕込みナイフ(ムニエルの投擲用)
ムニエルの要望で作ったナイフ。魔鉱石を参考に刀身に霊力を篭めまくった物。刺されば魔素を分解し魔物に弱体化を引き起こす。ただし魔素の分解力が強力過ぎて弱い魔物やゴーストは刺さった瞬間消滅する。仮に未来の彼女が刺さったら('.')ヒェッ
だから鍛錬にならないと普段は使わない。万が一の奥の手。ぶっちゃけ仲間に頼られたのが嬉しくて彼女が気合い入れて強力にし過ぎちゃったんだよね。
普通に考えて
尚、彼女のスキル
ただし面倒なのでしません。
後、本編に霊力の話がでる事はたぶん無いかな。だって霊力を生成したら魔素が分解されて最悪彼女死んじゃうもん。まぁもう死んでるけど。死んだ時点で使えない能力なのよ霊力って。死にスキルってな!
あ!あと言っておくけど、ムニエルがナイフを剣姫に刺した訳じゃ無いからね!?彼女は魂に響かなければすぐに回復出来るからって彼女が自滅覚悟で突っ込んだだけだから!
剣姫の父と母
現役冒険者。良い両親で彼女が剣を握り冒険者登録が出来る様になるまで彼女を育て上げた。それからは基本的に放任主義で冒険大好きな二人は家に帰って来ない。だから小学校入学したて位の彼女はFランク冒険者として毎日日銭を稼いでいた。両親曰く修行とのこと。それから数年おきに帰って来る父親に剣技だけで勝利しBランクになった。ぶっちゃけそれに拘らなければもっと早くランクを上げられていた。温かい家庭を教えて愛情をめーいっぱい注いでくれるなんて、とても良い両親だね(^ω^)
尚、彼女の日々の生活は、日銭を稼ぎ、庭で剣を振り、
家族で過ごした温かい家庭の時間を思い出しながら、
一人何故か味がしない自炊料理を食べていた。
味覚障害って精神的なモノらしいですよ。
彼女は心、精神、魂が人一倍敏感ですからね( ´∀`)
彼女の記憶一部抜粋
「ただいま〜」
「……………」
「父さん?母さん?……………………居ないの?」
「…………まさか、捨てられ…………」
「…………ん?書き置き?」
〈娘へ〉
〈お前も剣を握れる様になってもう立派な冒険者だ!父さんと母さんは嬉しいぞ!とゆう訳で父さん達は冒険者に復帰する。冒険にひと段落したら帰って来るから、まぁ修行と思って頑張れ!〉
「…………そっか。……帰って、来て、くれるんだ」
「……なら、…………べつに」
「…………いい、………………よね」
「大丈夫。大丈夫。だって、帰って来てくれる、から」
「捨てられた訳じゃ、ない、はず、だから」
「……ゥッ、ゥッ、ゥゥゥ……ゥッ…」
剣姫の両親はちゃんと彼女の事を愛してますよ?
ただ、それはソレとして自分の欲望、夢に忠実なだけ。
母親は父にゾッコン♡ですからね。父が冒険に行くなら絶対について行きます。危険な冒険に大切な愛娘を連れて行かないなんて…………
なんて!素晴らしい両親!愛なんでしょうね!
彼女にその愛が伝わっているかは別としてね( ̄▽ ̄)
彼女、自分に自信無いからな〜自己肯定感低いし
世界観的にコラボできない作品ってあるじゃん?
だからこそ唆る物があると思わないか?
まぁぶっちゃけ混ぜすぎて途中から何を混ぜたか神も
分かんなくなっちゃったんだけどね( ᐙ )HAHAHA!
どうでもいいけど映画はBitter endだったらしいですね?
まぁ人によるだろうけど。でも
食休み外伝
冒険の一幕 ・序章
ご観賞頂きまして、誠にありがとうございます
ご満悦いただけたなら幸いです
それではまた次回の一幕でお会いしましょう!( *ˊᵕˋ)ノ