仗助「完璧な学園生活っすね〜ッ、女子高生しかいないって点に目を瞑ればよォ〜ッ」 作:カブライニキ
すんませんでした
お待たせしちゃって、ほんと……
赤バーにまでしてもらったのに……
ちゃんと最後まで書きますので……どうか命だけは……
命だけは助けてくれよォ〜ッ!ね、ね!?
「_________するってーと......俺のこの力は『スタンド』っつう精神のエネルギー......ってことっすか?」
「ああ。俺もお前と同じくスタンド、『スタープラチナ』でさっきお前に反撃した」
「ああ......あのグレートに早い拳......スタンドっスか」
仗助は先生である承太郎と共に道を歩く
承太郎から教えられたのは、『スタンド』という力の存在。
「スタンドを持つものの条件は分からないが......俺の調査によれば居るはずだ」
承太郎は仗助と共に見据える
「このトリニティ総合学園にも......俺たちと同じようなスタンド使いが」
その言葉に、仗助は自然と生唾を飲み込んだ
「それも......ドス黒い悪意を持った......な」
悪意のあるスタンド使い
それは、承太郎のようなスピードとパワーを兼ね備える......いや、それ以上の力を持ったようなヤツが仗助に、仗助の取り巻くものに襲いかかる可能性があると言うこと
「......なるほど。この仗助くんがただの成績不振で呼び出されることなんかねーと思ったら...そう言うことかよ、承太郎さん」
(承太郎さんはこの俺を仲間にするために『補習授業部入り』なんて嘘をついたってことだ......ふっ......先輩の手前、ちょっとビビっちまったじゃあねぇか)
「いや、お前の補習授業部参加はお前自身の成績不振によるものだ。現に、俺は今お前がスタンド使いであることを知った」
「へっ???」
「つまり、お前にも普通に補修は受けてもらうぞ」
仗助、ショック
つまり仗助が呼ばれた理由は『スタンド使いだから頼りにされていた』ではなく『普通に成績不振の生徒に会いに行ったらたまたまスタンド使いだった』、と。
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「......チクショー」
「しょーがないよ。そもそも最初のテストで赤点取った仗助が悪いんだし」
「先輩まで俺に冷たいっス......」
承太郎との話が思ったよりも早く終わったため、仗助をわざわざ待っていたカズサと共に噂の新作フラッペを嗜んでいた
「「......なかなかなお味/っスね」」
2人して同じ感想をこぼすこともしばしば。本当にこいつらの関係が友人であることが本当の本当に疑問である
「ってか、強化合宿っていつから始まるの?」
「もう休み明けには始まるっスね......俺の他に4人いるみたいっス」
「............ふーーーん」
「どうしたんすか...だいぶ溜めたっすけど......」
「別に」
先も言った通り、カズサは別に仗助の何でもない。ただの仲良しな『友達』と言うだけ
それはカズサ自身も重々分かっている
「ま、次のテストで赤点取らないよう気をつけることだよ」
「ムッ......あんまり俺を舐めないほうがいいっスよ?ちゃんと承太郎さんと勉強して先輩の成績を抜かし......この仗助くんがインテリであることを証明してやるっス」
「赤点取って自信満々なのは置いとくけど......ずいぶんビックマウスじゃん?」
少しむくれた仗助を揶揄うように、カズサは煽りをかます
こうすれば仗助がもう少し面白い反応を見せてくれる事を知っているからの行動
「なら、さ......もし、もしだよ?仗助が私の成績越えれたら......ご褒美になんかしてあげないことも、ない...」
カズサ、ここで大一番の勝負に出る
年頃の男子にはひとたまりも無いようなセリフと態度
これは決まった_________________________
「そんなこと言っちまっていいんスかァ?そんならよぉ〜ッ、俺が勝った暁には『トラサルディ』の1番高い料理奢ってもらうっスよ!」
「...................はーァ.........」
分かっちゃいた
分かっちゃいたのだ。この男はこういう人間なのだと
カズサのアプローチらしいアプローチになんの反応も示さず、要求したのは行きつけのレストランで奢ってもらう、それだけ
「......うん、東方くんには越えられないかなー、私は」
「な、なんで引っ叩きながら苗字でっていでで!銃で殴るのはやめてくださいっスよォ!マジに痛いんスから!」
カズサの愛銃『マビノギオン』で横っ腹を殴られる仗助。
(ちょっとは痛い目みろ、ばか)
叩いているカズサの頬は赤く染まっているし、銃社会であるキヴォトスならばやはりカップルのじゃれ合いにしか見えない
「チッ......!あのクソカス共......いい気になりやがってェ......!!」
その平穏を眺める悪意一名
奇しくもその視線は、一度仗助に向けられたものであった
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「う“ーん......」
「さっきからなーに悩んでんの?」
放課後スイーツ巡りも終わり、仗助とカズサは仗助宅で遊んでいた。
男女が同じ部屋でくつろいでいる、という状況にはもはや誰もツッコむまい
カズサはなぜかノートに向き合う仗助を珍しく思い、ごろごろしていた仗助のベットの上からノートを覗く
「いや......承太郎さんのスタンドは『スタープラチナ』っつーかっぴょいい名前があるんスよ......だったら俺も考えようとしたんスけど......こーいうネーミングはちょっとばかしニガテで......」
ノートには仗助のスタンドの形から模られたであろう図や文字列が並んでいた。
「んー......こういうのは難しく考える必要とか無いんじゃない?インスピレーションで考えてみるとか」
そう言われた仗助は『インスピレーション...インスピレーション......?』と再び自問自答を繰り返す
そして、仗助はハッとしたような表情になり......
「......ふっふっふ......ようやく考えつきましたっスよ......」
自信満々、と言ったような表情でカズサに向き直り、インスピレった名前を言い放とうと_________________________
「けほっ......ゲホ...!ごめ...ちょっと待って......!」
唐突に、カズサが咳き込み出した。
「だ、大丈夫っスか?どっか具合でも......」
「ゲホっ...!大丈夫......大丈夫......ちょっとフラッペがむせただけ......」
そう言って笑みを浮かべようとするカズサだったが......
「っ!!?!?ゲホッ!!」
その言葉に反するように、カズサは吐血した
「ッ!!!先輩ッ!!口を開けろッ!!」
息を絶やしながらもカズサはなんとか口を開ける
その中には_________________________
『クソが...!もう見つかっちまったよ......!!』
まるで水のような『顔』
これは明らかに.........
「承太郎さんの言っていたスタンド使いッ!!」
その事実を確認した瞬間、仗助も同じくスタンドを呼び出し、その名を叫んだ
「クレイジーダイヤモンドッ!!!」
仗助のスタンド『クレイジーダイヤモンド』は勢いよくカズサの口から胃液や血液の混じった水を指先で引き抜く!!
『ドラァ!!!』
それと同時にスタンドが片手に持っていた小瓶を叩き割り、引き抜いたスタンドをそこに叩きつける
『うおおッ!?何ィィィーーッ!?』
叩きつけられた小瓶は仗助の能力によって修復され、もちろん水のようなスタンドはその小瓶に閉じ込められた。
「ふぅ......グレートに危ねぇところだった......って先輩!!」
スタンドを捕まえた余韻で安心しそうになったが、攻撃されたカズサの傷を癒すのを忘れていた。
「先輩ッ!!大丈夫っスか!!?」
「大丈夫......多分仗助がすぐ取ってくれたから......あんまり痛くなかったし......けほっ、ありがと...」
カズサの吐血等はクレイジーダイヤモンドの能力で治り、仗助も一安心......
「ッ!!しまったッ!蓋を......!!」
焦っていたからか、クレイジーダイヤモンドで直し損ねた瓶の一部。
蓋が空いていたのだ
もちろんその中にスタンドはいない
「どこ行きやがったあの野郎ッ!出てきやがれクソったれ!!次先輩に手ェ出したらタダじゃ__『どこ見てんだよ東方仗助』ッ!」
まだ呼吸が荒いカズサを介抱しつつ、声がした窓際へと視線を向ける
『次こそは杏山カズサもテメェもぶっ殺してやるよ......首洗って待っときなァ!!』
「待ちやがれこのッ!!!」
ぬるりと水のように逃げ去るスタンドを前に、仗助が追いつくことはできなかった。
「はぁ......はぁ......」
キヴォトス人も中身までが頑丈というわけではない。
ヤツはカズサが楽しみにしていたフラッペから、まるで病気のようにカズサの体に侵入し、体の内側を傷つけたのだろう
仗助はまだまだ本調子でないカズサのことを案じながら、早る腕でスマホから電話をかける
「っ...頼むからスッと出てくださいっスよ......!」
祈りを込めながら1コール
......2コール
『もしもし』
「承太郎さん...スタンド使いが出たっス。それもこっちに......先輩に攻撃してきやがった......!」
素早く敵の情報を伝え、承太郎に救助を求む
『分かった。できるだけ早く行こう......だが、その間ヤツの襲撃が無いとは限らない。それに今は雨も降っている、そっちに着くまでに最低でも20分はかかってしまう』
「ッ......わかりました...っス」
不安がない、わけはない
人生で初めての純然たる悪意との戦い
仗助の腕は少し震えていた
『だから仗助、お前の力でカズサを守るんだ』
「俺の......力で」
承太郎の到着する最低20分間、仗助の力が試される
『......仗助、お前のスタンドの『モノを直す』力はこの世の誰よりも優しい。お前だけの力だ』
その言葉を聞いた瞬間、仗助に闘志が湧き出す
『できるか?』
「......もちろん、任せてくださいっスよ」
震えは、もう止まっていた
「先輩は、俺が守るっスよ」
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「......あの空条承太郎が来る前に......仕留めないと......!」
雨の降り頻る中、1人の女子高生は仗助の家を憎しげに睨んだ
その手には、先ほど仗助たちを苦しめたスタンド『アクア・ネックレス』が鎮座している
「あの人に...殺されるッ!」
その表情は、随分と切羽詰まっていた
「東方仗助ェ...!これも全部いい気になったお前が悪いんだ......!!」
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「......うっし...これ以外の水は飲まないでくださいっス。それと、先輩はしばらく安静ってことで」
部屋を移し、仗助とカズサは窓のない客間に避難していた。
「そんなに心配しなくても、もう大丈夫だよ。それにあの先生だってきてくれるんだし......」
「そっスけど...承太郎さんは少なくともあと15分は来られねぇ......その間は......俺が......」
仗助は再び拳を握り締め、さっきの光景を思い出す
親友とも、もはや家族とも呼べるような先輩を傷つけられ、あまつさえその標的を取り逃す光景
結果的にカズサは無事だったとはいえ、あのスタンドの言葉と他者を痛ぶることを楽しむような瞳を思い出せば_________________________
「ッ!!!!」
仗助の整えられたリーゼントが、逆立たないわけはなかった。
「......はい、深呼吸」
「っ......だから、髪は自分で......」
いつものじゃれ合うような声量を出せず、仗助はカズサに髪を直されている
一瞬、仗助は恐怖した。
カズサを傷つけられた瞬間、もしやカズサを失うのではないかと
「仗助があんな逃げ回ることしかできないヤツに負ける訳ないって。大丈夫、私だってついてるんだからさ」
「......ははっ...やーっぱ先輩には敵わねぇっス」
少しずつ仗助も心を落ち着かせていると_________________________
ポンッ!!
「ッ!!なんだ、この音...!」
ポンッ、ポン!...と、連続して天井から何かが抜けるような音が響いた。
(ッ!!外は雨......!まさか!!)
仗助は急いで廊下へ走り、天井を見上げる
「......グレート......野郎、本気らしいぜ...!」
廊下の天井は穴まみれ。おそらく屋根を破られたのだろう。
そのせいで廊下は雨漏りによって水浸しになっている。つまり、水のようなスタンドであるヤツはもうどこからでも侵入できるということ
「ちょっと...やばいんじゃない?」
カズサは銃を構え、仗助と背中合わせになる。
あの水のようなスタンドに銃弾が効くかは不明だが、無いよりはマシだろう
「......いいや、先輩を傷つけてくれちまったヤツが今すぐ近くにいるってことっス」
仗助はニヤッと笑い_________________________
「グレートですよ...!こいつァ...!!」
そう言い放った。
『杏山カズサもテメェもぶっ殺してやるよ!!』
ヤツが去り際に言い放った言葉を、仗助は頭の中で反復させる
(ヤツは必ずまた先輩を狙って来る......承太郎さんが来るまでの間、先輩に指一本触れさせねぇ...!)
腕を広げ、カズサを庇うように仗助は立つ。
(さぁ.....)
何秒経っても事を起こしてこない敵に
(さぁ......!)
しびれを切らすように
(さぁ...ッ!!)
ゆらりと蠢く影に仗助は敏感に反応した
「そこかッ!!!」
『ドォラッ!!』
発見と同時にクレイジーダイヤモンドの拳を放った
直撃確定コース。このスピードの拳を喰らえばたとえどんなスタンドであろうと確実に_________________________
『バカが!!この力ならッ!あの空条承太郎もこの俺を捕まえられない!!!』
スタンド......『アクアネックレス』は仗助の拳によって霧散した体をくねらせ、カズサ_________________________
『そして......考えが甘いんだよ!!このクソッタレのガキがァーーーーーッッ!!!』
___________ではなく、仗助の口の中へと入り込んだ
「ッ!!!ゲホッ!!」
『いい気になってるお前は......!!『私』のスタンドを飲み込んで死んじまいなァァァッ!!!』
そのままアクアネックレスは仗助の体内をズタズタに.........
「甘ェのはそっちだぜ」
することはなく
『な、なんだこれは...ッ!!東方仗助ェッ!!この私をどこに閉じ込めやがったァーーーッ!!』
「さぁて......っおえ...っふぅ......どこにいっちまったんだろうな!」
仗助がアクアネックレスを捕らえた手段......それは
「それって...ゴム手袋?いつの間に...」
「あらかじめビリビリにしたのを飲んでおいたんスよ......2度とごめんっスけど......」
『クソがァ!!出しやがれッ!!この_________________________』
「ドラァ」
『ぐぎゃっ!?』
仗助は手のひらで暴れ回るゴム手袋をギュッと握り、中身を攻撃する。
「ぐうっ......!もういい...ッ!あんなカスども相手する方が_________________________
スタンドの本体である女子高生。
それは、仗助の入学当日にいちゃもんをつけてきた三人組の1人だった。
だがリーダーではない。隣で騒いでいた取り巻きだ
本体は仗助に顔を見られていないため、そこから逃げて再び攻め入る算段だったのだろうが
その選択、『時』すでに遅し
「スタープラチナ『ザ・ワールド』」
「あれ......仗助、その手袋......」
「え......まさか...ッ!中身がただの水に......ッ!!あいつどこに「心配する必要はない」
突如としてだらんと力を失ったゴム手袋。中身が逃げたのではないかとあたふたする2人元に現れたのは
「じょ、承太郎さん!!」
「すまない。結局ヤツとの戦いに間に合わなかった」
「いや、まだ終わってねぇっス。ここいらにまだ本体が......」
「いいや、もう本体は倒した」
「「......えっ?」」
その言葉の証明かのように、承太郎に首根っこを掴まれているスタンドの本体
「こいつって......あ、仗助の入学式の時いちゃもんつけてきたやつ......」
「まさかスタンド使いだなんて思いも......」
「急遽とはいえ、すぐに助けに来れず済まない。とりあえず今日はもう休め。それと仗助」
「ま、まだなんかあるんっスか......」
休め、と言われたすでに休みモードに入っている仗助に、承太郎は新たな任務を伝える
「これからまたなんらかのスタンド使いが現れないという確証はない。今日は付きっきりでカズサを守ってやれ」
「......っスね。了解っス」
仗助は薄々気づいていた。
敵が自分とつるんでいるカズサも同時に狙って来ること。
それが、おそらく何人かいること
「だいじょーびっスよ!先輩!この東方仗助がバシッと守るっスから!!」
「.........え、と......」
「......先輩?」
なぜか顔を真っ赤にしているカズサ
......いや、なぜか、ではないだろう
(......はぁっ!?!?!!?!?!?いいいいいい、一日中付きっきりって......っ!?それって仗助と一緒に一晩過ごして......ッ!!?!いやいやいやいやっ別に全然変なことするわけじゃないし......でも急に2人きりって......っ!)
「ああ、仲が良いことは結構だが......まだ子供ができるようなことは控えておけ」
「んなことしねえっスよ......」
「はあっ!!?すすすっするわけないでしょッ!!」
『先生!今のは流石にデリカシーがないですよ!』
『そ、そうか......』
そして、当の承太郎はタブレットの中の生徒に怒られていましたとさ
ふぅ……
楽し⭐︎