仗助「完璧な学園生活っすね〜ッ、女子高生しかいないって点に目を瞑ればよォ〜ッ」   作:カブライニキ

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この小説はかなり作者の好みが入るため、気に入らねぇ…と思ったらキングクリムゾンして別の小説をご覧ください

きっとワイの稚拙な分よりも面白いものがたくさんあると思うので!!


第五話 光あるところ 光止まぬところ

 

スタンド使いとの戦いから二日後、休み明けの学校が終了した仗助

 

 

「はーあ......」

 

 

仗助は珍しく、ため息をつきながら下校していた。

 

重い足取りが向かった先は仗助の家ではない。

 

 

「......来たか、仗助」

 

「っス、承太郎さん。あー......『先生』って呼んだ方がいいっス...よね?」

 

「呼び方について特段こだわりは無い。好きに呼べ」

 

 

相変わらずぶっきらぼうなように見える空条承太郎のテンションに合わせ、歩調を緩める

 

承太郎はかなりの長身だが、その歩幅は小さい。それは身長の低い生徒にも歩調を合わせた影響なのか、そもそも承太郎の歩幅が小さいのかは定かではないが

 

 

「んで......今度は何の用っスか?ただでさえ今日から合宿も始まるってのに......」

 

 

仗助はもう慣れつつある承太郎からの呼び出しを受け、なぜか難解な道を歩いていた。

 

(もう何遍曲ったかわかんねぇ......次また右に曲がったらダッシュでバックれてやろうかな......)

 

 

寡黙な承太郎との散歩は高校生の仗助には苦痛に近い感覚だった。

もう少し承太郎から話を振ってくれれば幾分かはマシなのだろうが、いかんせん口下手な承太郎である。

 

承太郎をよく知る生徒ならば、むしろ承太郎がよく話すのは違和感に感じるだろう

 

 

「お前に用があるのは俺じゃあない。この学園の生徒会長だ」

 

「せ、生徒会長っスかぁ?何でそんなお偉いさんが俺に......って承太郎さんの時点でお察しか......」

 

 

なぜか最近上層の人間との繋がりが多くなってきた仗助。

 

彼の運命やいかに

 

 

 

__________________________________

 

 

 

 

「しばらくしたら迎えに来る」

 

「わかりましたっス......」

 

 

案内役の承太郎が立ち去り、仗助は目の前の扉を見据える。

 

 

(ちくしょう緊張してきやがった......制服着崩すのやめっかなぁ〜ッ)

 

今更制服の着こなしを気にする仗助。気にするべきは制服ではなく髪型の方なのだろうが、それを指摘したものはもれなくドララララッシュを喰らうので誰も言えない

 

 

コン、コン、コン

 

 

「確か3回...だよな?」

 

 

仗助もその程度の常識は知っていた

 

 

『......どうぞ、お入りください』

 

 

「し、失礼しますっス!」

 

中から凛とした女性の声が聞こえ、仗助は一拍置いて扉を開ける

 

防弾対策であろう重厚感のある扉の重さと厚みを感じながら、仗助は部屋の中に入る

 

 

「突然呼び出してしまい、申し訳ありません。言い訳をするつもりはありませんが......お恥ずかしいことにまだおもてなしの準備が終わっていないのです」

 

 

「い、いえいえお構いなく......」

 

部屋の中には女性が淹れているであろう紅茶の匂いが優しく香り、レコードプレイヤーから小さくクラシックが流れている

 

 

「そんで......その、トリニティの生徒会長さんなんてお偉いさんが......何で俺に?」

 

仗助は立ったまま背中を向けて紅茶を入れている女性へ質問する。

綺麗な羽と美しく流れる頭髪。後ろからでも分かる凛とした佇まい。つい仗助は緊張で生唾を飲み込んだ

 

 

「......立ち話も何ですので、こちらへどうぞ。お茶菓子も用意してありますよ」

 

「っス......失礼しま_________________________

 

 

仗助は引かれていた椅子に座ろうと、女性の正面へと回った。

 

このトリニティ総合学園の生徒会長に相応しい作法の美しい少女

その顔を見た仗助は、フリーズした。

 

別に見惚れていたとか、そういう俗っぽい理由では決してない

 

ではなぜ仗助はその少女______『桐藤ナギサ』の顔を見てこんな間抜けっツラを晒しているのか

 

答えは単純

 

 

「......お久しぶり、です.........覚えて、いますか......?」

 

少し不安げな表情を浮かべながら、アホヅラを晒している仗助に問うナギサ

 

 

「......嘘だろ......信じらんねぇ......」

 

 

仗助は、ナギサを確かに知っていた

だが、仗助の知っているナギサとはあまりにも佇まいや雰囲気が違ったから

 

 

「もしかして......『ナギちゃん先輩』っスか!?」

 

「っ......!はい...!お久しぶりですね、仗助くん」

 

 

互いに互いの表情を合わせ合い、久々の邂逅を喜び合った。

 

 

「マジっスか!!まっさかこんなところで会えるなんて思ってなかったっスよ!」

 

「ふふ......仗助くんは変わっていませんね」

 

「いやいや、先輩が変わりすぎなんスよー、俺部屋に入った時とか全っ然気付かなくてスゲー緊張してたんスよ?」

 

「そ、それについては......私が生徒会長権限なんてもので呼び出したのが......」

 

 

さっきまでの緊張はどこへやら、仗助はいつもの調子を取り戻して適当に椅子に座り、ナギサが淹れた紅茶を嗜んだ。

 

 

「いやぁ〜......まさかあの『泣き虫ナギちゃん先輩』が生徒会長なんて......世の中わかんないもんっスねェ〜」

 

「そ、その呼び方は忘れてくださいっ///」

 

「いやいや、先輩卒業する時なんて言ったか覚えてるっスか?『仗助くんと離れたくないです〜、もう一年留年します〜』ってめちゃくちゃに泣いて......」

 

 

見事にナギサをいじり倒し、ティーカップを片手にチラッと片目を開けると.........

 

 

「っ〜〜〜//////!!」

 

「じょっ、じょーだんっスよじょーだん!!」

 

よほど恥ずかしかったのか、ナギサは顔を真っ赤にして涙目になり、ぷるぷると震えていた。

 

仗助の経験上、怒って突っ伏しちゃう前兆である

 

 

「......もう仗助くんなんて知りません......」

 

「す、すみませんって......久しぶりに先輩に会えたもんで調子に......」

 

 

仗助、加減を知らない男。

 

 

_____________見ての通り、仗助とナギサは顔見知りである。

 

遡ること三年前、仗助とナギサは中等部で出会った。

 

昔は少々お転婆で泣き虫だったナギサの世話係のような友人関係。2人の仲は自然と縮まり、ナギサが卒業する時点では先の通り文字通り仗助に泣きつくほどだった。

 

 

「__________んで、今は補習授業部員っスよ......入学してから踏んだり蹴ったりっス......」

 

 

「相変わらず、勉強が苦手なのも変わっていませんね......ふふっ」

 

「何も笑うこたぁないじゃ無いっスか......」

 

 

ナギサも心から楽しそうに会話を楽しんでいた。

 

「でもっ、今回のテストで勝負してる人がいるんスよ。成績で勝てたらトラサルディで奢ってもらう約束なんスよね〜ッ」

 

 

仗助が楽しげにそう言った瞬間

 

 

「.........そう......ですか」

 

ナギサの表情が明らかに曇った

 

まるで、罪悪感を初めて知った子供のような。そんな表情

 

 

「どうしたんっスか?」

 

「っ......い、いえ。次の試験、合格できればいいですね」

 

「っスね!いっちょ本気でやってみるっス......ってヤッベもうこんな時間っスか......」

 

 

仗助のいう通り、楽しい時間はあっという間に過ぎ去った。

 

 

「ああ、そういえば先輩、結局何で俺を呼び出したんスか?」

 

「......いえ、ただ仗助くんと会って話したかっただけですので」

 

側から見れば、下手くそな笑み

 

「......っスか。あ、先輩!モモトーク交換しましょーよ」

 

「あ...そう言えば交換していませんでしたね......」

 

 

2人は連絡先に互いの名前を登録する

 

「それじゃ!なんかあったらいつでも連絡してくださいっス!」

 

仗助は満足して部屋を出ようとする

 

 

 

 

「っ...!仗助くん!」

 

 

「......ど、どうしたんスか......?」

 

 

ほぼ怒鳴り声に近い声量で呼ばれ、少したじろぐ仗助

 

「...............試験、頑張ってくださいね。応援していますよ」

 

「......っス!先輩も無理しないでくださいっスよ」

 

 

桐藤ナギサは、当たり障りのない『嘘』を重ねて東方仗助を見送った。

 

 

 

「.........」

 

 

残された静寂の中、まだほんのりと暖かいティーカップを握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『彼は、あなたと同じ不思議な力を持っています』

 

 

『疑うのは、たとえ親しい仲であったとしても自然なことかと』

 

 

 

 

ナギサは、いつの日か放った冷徹を唇の中で反芻する

 

 

 

『......ナギサ、君の手のひらで踊ってやる気はないが.........一つだけ忠告しておこう』

 

 

 

『嘘をつき続けるのは、しんどいぞ』

 

 

引き込もうとして、逆に忠告を返された『先生』の姿を瞼に焼き付ける

 

 

 

「......必ず、私が守ります」

 

 

ぎりっ、とティーカップを握りしめる

 

 

「たとえ......何を失ったとしても」

 

 

「......何も、手に入れられなかったとしても」

 

 

 

 

 

 

エデンの園は、誰が為に

 

 

 

 

__________________________________________________

 

 

 

 

???__分校・郊外

 

 

 

「ふー......これでしばらくは持つかな......ふあ〜...やっぱり朝から物資運びは、キッツイなぁ......」

 

 

昼であろうが容赦のない薄暗さの中、1()()()()()()()()は何日分かの食料や水が入った木箱を運び大きく伸びをした

 

 

「......お疲れ」

 

「うわぁっ!!!?!?!?ってなんだ『ミサキ』さんか......もー脅かさないでくださいよぉ〜」

 

「別に脅かしてるつもりはないんだけど......」

 

 

その少年の後ろの簡易的な部屋から出てきたのはどこか仄暗い雰囲気を纏った少女

 

名は『戒野ミサキ』

 

「ひどい隈......今日は私が不寝番やるから」

 

「いやいや、まだまだ余裕ですって!」

 

そう言いながら少年が立ち上がると......

 

 

「っとっと......あ、あれェ?」

 

「......はぁ......『道具』に気遣いは不要なんだけど」

 

「や、やめてくださいよ、その言い方〜」

 

少年はめまいを起こし、ミサキに支えられてようやく立つことができた。

 

 

「......まぁ、ここまで来れば『あの女』も『姉さん』も探せないから、『康一』が無理することないよ」

 

「......そう、かもしれないですね」

 

 

少年の名は

 

 

『広瀬康一』

 

 

 

「康一の『エコーズ』の巡回は確かにありがたいけど、無理されて倒れられる方が面倒だから」

 

 

「あ、あははー...手厳しいなぁ......」

 

 

 

スタンド使いである




次回

『エコーズ』
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