登場キャラクター紹介
【王様(ジョン・ギアリー)】
にゃんこ王国の王様の猫。
民主化が成功したら長期休暇を取って、王妃との夫婦の時間が増えるのではないか?と最近色ボケ気味。
【ナスル医師】
一匹でも多くの命を救うために、不慣れな政治活動に巻き込まれつつも頑張ってる。
王国ではぐう聖にゃんこという渾名をつけられている。
【リオーネ副大臣】
にゃんこ王国の中心的な女政治家の猫。
レイヴンなる変な言葉遣いの貴族猫に付き合って、宇宙猫(エイリアン)対策の準備をしたり、
ナスル医師と協力して医療改革を推し進めたりもしている。
育休手当を利用して、家族の時間を増やそうとしているのではないかとも、冗談めかして噂されている。
その位、ここの所働きまくってる。
王様「なぁ……ここのところ図と働き続けてるけど大丈b」副大臣「大丈夫です」(疲れた目をしながら即答)
王様「……(休んで欲しいけど、この重要な時期に彼女が抜けるのは辛いので、休めとも言えない)」
「国王陛下……お久しぶりです。
再び謁見を許してくださった事、心より感謝いたします。」
そう堅苦しい挨拶をするのは、王国における医療技術投資を呼びかけ、人口爆発の立役者となったドクターナスルだ。
彼と俺はあの件以来、かなり上手くやってる。公的にも私的にもだ……。
ただ、俺としては俺が王位についているからといって、プライベートの時までも気を使わなくてもいいと思うのだが、ドクターナスルは律儀にも普段から俺に敬意を持って接している。
彼のような多くの猫を救った医師にまで、そんな敬られる態度を取られると、なんだか本格的に俺が偉いと誤解しそうになる。だがその度に俺は自分に言い聞かせている。
『この国を発展させたのはお前じゃない。お前に協力して国を支えてくれる猫達のおかげだ。そのことを忘れるな』
もし、俺がこの言葉を自分に言い聞かせるのをやめれば、俺は古代や中世の独裁者の如く簡単に暴君になるだろう。
俺がそんなことを考えていると、ドクターナスルは国民皆保険制度の導入や、児童手当の必要性を強調した。
俺は彼の話を聞けば聞くほど、自分が恥ずかしくなっていった。
そうだ、医療には金が掛かる。俺は馬鹿か?そんなことも忘れてたのか?
医療に対する莫大な投資で、医療を受ける際のコストは確かに下がったが、それでも難病などではそのコストは依然として高い。
それに、いくら子供を増やしてもその子達を育てるには親が必要だ。
親がなくても立派に生きれる素晴らしい子猫もいるが、それは少数派だ。少なくとも全ての猫に求める水準ではない。
『児童手当』を増やすことで、育休をとりやすい環境を整えて子育てしやすい環境を整えるのは、絶対に必要だ。
俺はドクターナスル医師に『国民皆保険制度』と『児童手当』聞かされて、そこまで考えが至っていなかった俺自身に自己嫌悪を感じた。
だがそのドクターナスルの説明が終わった後、リオーネ副大臣は自身ありげな顔で説明を引き継いだ。
「それではドクターナスルに代わって、わたくしがそれらの制度を具体的に実地する方法や道筋などの解説を行います。」
そうか……。既にリオーネ副大臣はその部分をとっくに考えていたのか。
この制度というものを変える際に、事前に必要な根回しや政策の実地に関する調査などを済ませていたようだ。
俺は本当に多くの猫達に支えられている。
彼らは俺にこの政策に関するメリットだけでなく、デメリットもしっかり伝えてくれる。
皆の誠実な態度があるからこそ、俺は仲間を信じられるのだ……。
誠実な態度?……俺は思案する。
軍拡の必要性を認めさせようとしたときに、俺は当たり障りのいい言葉を並べて、国民を誤魔化そうとした。
それが誠実な態度だったか?
俺はリオーネ副大臣とナスル医師が去った後、1匹で力なく悩んだ……。
「国民の皆様……とても大事なお話があります。
これは国防に関する、憂うべき問題です。」
俺は緊張しながら、【にゃんこ王国】の全国民に語りかける。
俺は悩んだ末に、国民にエイリアンの脅威により、フェザーン星系が危機になりうる可能性がある為に大軍拡が必要なことを誠実に話すことにしたのだ。
言葉を一つ紡ぐごとに、時計の針が1秒を刻むごとに、俺のやっていることは正しいのか?この情報を国民にはまだ伝えるべきではないのか?もしかして、大パニックが引き起こされるのではないか?
そんな悩みがどんどん大きくなる。
「以上のことから、【にゃんこ王国】の国王たる私は、今後の対策の為に軍拡をすることを皆様に提案いたします。
今後【にゃんこ王国】は一匹の王が支配する王政国家ではなく、民主主義国家を目指します。
その為にこのような重要な決断を、私一匹で決めるのではなく、国民の皆様と共有して分かち合い、共に解決すべきだと思いました。
故に、この軍拡の是非を問う選挙を行います。
もちろん、この軍拡は我々を敵対的かもしれない宇宙猫(エイリアン)から守る強力な軍隊を作るというメリットがあります。
しかし、その軍隊を支える為に皆様にも負担が増大するというデメリットも確かにあるのです。
どうか……皆様、この問題に真剣に向き合って考えてください。
私はこの軍拡に賛成しろと頼むことはありません。何も考えずに、賛成票を投じてもそれは王国のためにはなりません。
軍拡をすべきというのは、あくまでも私一匹の猫の主張に過ぎないからです。
誰かのいうことに従い投じた賛成の一票などよりも、貴方自身が考えた反対の一票の方が何千倍も、何万倍も価値があるものです。
どうか…この問題を、共に解決する為に、この国を発展させる為に、皆様の知恵を貸していただけることを願います……。
以上、現国王・そして未来の貴方と対等の共になる男、ジョン・ギアリーより。
我らが先祖に名誉あれ。」
俺はご先祖様を讃える言葉でスピーチを締め括った。
【にゃんこ王国】における、このジョン・ギアリー王のスピーチは現在でもよく繰り返し引用されている。
『誰かに従った一票よりも、自分で考えた一票の方が何万倍も価値がある』
このフレーズは、民主主義を単なる多数決ではなく、市民が一人一人(一匹一匹)が問題を解決する為に知恵を絞り、共に向き合う政体であることを再び我々に思い起こさせるものである。
このスピーチが本当に、当時の【にゃんこ王国】の猫達(当時は人間は居なかった為、猫達と限定する)に民主主義に向き合わせたのかどうかについてよくテーマとなる。
だが、このことに関してはジョン・ギアリーの演説以降、【にゃんこ王国】の新聞の売り上げは大きく増加し、ネットでも政治に関する検索数は飛躍的に増大。
SNSアプリ『ベイッター』では、連日軍拡に関するワードが常連となり、『ネストちゃんねる』でも政治板が新しくオープンすることとなった。
これらのネットに関する動向は、猫の学者による学会では『王の演説により、猫達政治意識が飛躍的に向上した証拠だ』と考えていた。
しかし、歴史家の『ヤン』氏の考察として、
「当時のベイッターを運営してあるベイラム社は軍需企業でもあり、軍拡に肯定的な世論を形成することで自社の影響力や利益の拡大を狙っていた可能性もあり、ベイッターのトレンドに関しては密かにベイラム社が操作していた可能性もあるのではないか?
そのことから猫達の政治意欲の向上の証拠としては確度が低く、明確に証拠として扱えるのは新聞の購読数の飛躍的向上にのみ限られるのではないだろうか。」
という考察を行ない、それが元に再調査が進んだ結果、『ベイッター』や『ネストちゃんねる』にて、恣意的に軍拡問題について語らせようとする意図があった可能性が見つかっている。
それでもなお、新聞の購読数の飛躍的増加という証拠がある為に、今日でもジョン・ギアリー王の演説が国民の政治意識を高めたことは事実であろう。
そしてこの演説の影響により、投票率91%という極めて大勢の猫達が参加したこの軍拡の是非を問う投票は、最終的に賛成多数で終わり、軍拡が決まったのである……。
王国歴428年、あるいは宇宙歴796年、はたまた、フェザーン開拓歴1939年。
それはあらゆる全ての歴史書において、非常に重要な意味を持つ年である。
当時フェザーン星系に駐留していた【にゃんこ王国】軍の宇宙艦隊は、大規模な軍事演習を目前に控えていた。
そんな最中に、フェザーン星系より西側……サジタリウス腕方面に存在する星系へのワープアウト地点に、何らかの物質がワープアウトしたのを【にゃんこ王国】宇宙艦隊のレーダーは捉えたのだ。
「レーダーに未確認の反応があります!」
「登録データなし!演習に伴う敵役の艦隊によるハッキングではありません!」
「1…10…20!30⁉ま、まだ増えます!!!」
【にゃんこ王国】の王が乗艦する旗艦『ドーントレス』のオペレーターを含む士官たちは激しく動揺した。
兵士や士官たちはみな、王が「はっはっは、緊張感が出ただろう?安心したまえ、これは私の用意したサプライズだ」と言い出すのを待ち侘びていた。
しかし、王はそのようなサプライズなど用意していなかった。
ワープアウト地点に出現する謎の存在は、王国の艦船に比べれば、基本的に小型であるものの、その数は尋常ではなかった。
夥しい数の未知の艦船が出現する。
王はその光景を見ながら、過去に戦った大海賊時代の敵の残党などではないという事実を突きつけられた。
「全艦に乗船する兵士、士官、艦長を含む全てのクルーたちに告げる!
直ちに演習用の艦隊配置形態を解除しろ。全艦はてk……未知の艦隊から惑星に対する攻g……圧力や有形力を防ぐための配置を取るのだ!
なお、今後はこの未知の艦隊を便宜上『シンディック』と呼称する!」
この未知のエイリアン……シンディックに対して、敵対的なイメージを与えないために、『敵艦』や『攻撃』などの単語を、『未知の艦隊』や『圧力・有形力』などに置き換えたのは、自軍が暴走して【にゃんこ王国】側からの不本意な先制攻撃を避けるという明確な意図に基づくものであった。
こうして、この王国歴428年に【にゃんこ王国】は全く未知の存在である『仮称:シンディック』との出会いを果たしたのである……。
この歴史的遭遇には『ジョン・ギアリー』だけでなく、後世で歴史家として非常に高い名声を手にすることとなる、当時は在りし日の『ヤン・ウェンリー』もこの場に軍人として居合わせていた……。
スーパーイベント発生!
条件:未知の存在と出会う
音量・点滅注意!明るいところで音量に気をつけてご視聴ください
【2つの可能性がある。
宇宙にいるのは私たちだけか、そうでないか。
どちらも同じくらいぞっとする。
-アーサー・C・クラーク】
『我々は決して屈しない』
大体この宇宙人との遭遇を書きたいがために、この小説(ダイス)をやってたところもあります。
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