仮面ライダーレガシー   作:トロフィー

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第5話「弱いまま強く」 後編

 

「大丈夫か!一旦ここは諦めるぞ!」

 

健成が一生懸命立ち上がる。

 

「いい店があるから、行こう。」

 

健成がそう言うが、惣太郎は納得せず健成を引き留める。

 

「何言ってんだ!まず病院だ。早く行くぞ。」

 

「だめだ。病院は。また幸崎先輩におこられる。他のほうほうで体をなおす。」

 

仕方なく健成の向かう方へゆく。

通りを少し進み、裏路地に入り込む。

奥に進むと、feecofeというおかしな名前の店があった。

 

「この店だ。幸崎先輩のお気に入り。入るぞ。」

 

人は少なく、若い店員一人だけがいた。

広いが人気のない、隠れた名店のような雰囲気だった。

 

「ここは幸崎先輩のお気に入りだ。」

 

まさか店とは。驚いたが、健成に合わせその店に入った。

 

「またあなたですか。新しい客は来ないなぁ。」

 

若い店員が憂うように言う。

健成が、真っ先に窓側の席に座る。

惣太郎も座り、口を開ける。

 

「ごめん!」

 

健成が急に頭を下げる。

まさかそんなことを言うとは全く思っていなかったので困惑した。

 

「俺はずっと、戦う時は幸崎先輩のしじでうごいてた。しじがないとうごけない。きょうりょくして動こうと言われたとき俺は何もできなかった。リーダーになりたいのに、これじゃだめだよな。」

 

「気に病むことなんてない。イマジン、、だっけ。あの怪人を追い払えたし、致命傷を与えたから大丈夫だろ。あいつ強かったし。」

 

そう言って、メニューを取ってどれにしようかといいながら昼飯を探す。

健成にもメニューを渡そうとする。しかし、健成はそれを受け取らず淡々と話し出す。

 

「イマジンは逃がしちゃいけないんだ。あいつらは人間とけいやくをむすび、けいやくしゃのねがいをかなえるんだ。そしたら、かこにタイムスリップする。かこににげられたらもう倒す方法はない。しかも、さいごのいちげきもはずした。」

 

メニューの上からしかめっ面を惣太郎がする。

過去に行く?そんなこともあんの?

そう考えて、事態の危険性と状況が分かってきた。

 

「待ってくれ、じゃあその、詰みってことか?過去に行く方法はないのか?」

 

「あるっちゃあるけど、むり。」

 

「やばいな、、まぁでも、てっきりすねてたのかと思ったよ。俺があんな風にお前が仮面ライダーであることを否定して、俺も少し言い過ぎた。すまん。」

 

そういって頭を下げる。

 

「きらくだな。頭を下げるひつようなんない。俺は仮面ライダーになるべきじゃないかもしれない。お前のいけんもあってるとおもうし。でもいちおう法律はだいじょうぶらしい。ほうりつの穴っていうか、想定していないっていうか、まぁ。仮面ライダーののうりょくをマスター!カフェオレ2つ!」

 

さっきの若い店員に言う。

大きな声で手を挙げて、コーヒーカップを磨くマスターに声をかける。

しかし、マスターが不満そうな顔で近づいてきた。

 

「コーヒーメインのカフェなんで。そんなカフェオレばっか飲まないで、今回はもういいが、コーヒーを飲んでくれ。おい、そこの連れも、今度はコーヒーな!」

 

そう言って、吹き抜けている調理場で、圧倒的な手さばきでカフェオレ粉を取り、完璧な目分量で牛乳を入れていく。

そしてよくわからない素材をいくつか入れ、小さなスプーンでかき混ぜる。

そしてカフェオレを二つ机に置く。

健成が息を吹きかけカップを揺らした後、口に持って行く。

 

「俺にとっちゃ法律なんて関係ないぜ。うますぎる。なんだこれ。びっくり。」

 

舌の上に豊潤な香りが広がる。

あまりにおいしすぎて声が出る。

まさに、人生最高のカフェオレだった。

 

「うまいだろそれ。おだいは俺がはらう。こんかいのことは幸崎先輩に言うよ。でも戦ったことはないしょにしろよ。またれんらくするから。」

 

そういって机に代金を置き、足早にカフェを出て行った。

カフェオレとは裏腹に状況はあまり良くなかった。

マスターにおいしかったと伝え、そのままでていく。

 

 

 

「おかえりー。最近遅いな。」

 

家に戻ると、賢智がこたつで一人スマホを見ていた。

寒い外に比べて暖かい部屋に入ると、不安な気持ちが少し和らいだ。

 

「さっちーか。咲良はいないのか?」

 

「咲良は就活で忙しいんだ。俺らとは違ってしっかりしてるからねー。てかお前も最近出歩いてるけどなにしてん?」

 

惣太郎は少し悩んだ後、こたつに入って言い訳する。

 

「めっちゃバイトしてんだよ!なんていうか、、、お金はいいだろ!」

 

賢智が目を細め、怪しむ声で言う。

 

「お前は嘘が下手くそかよ。ま、べついいけどよー。いってくれてもいいのにおー。」

 

そういってテレビをつける。

 

「少し相談があるんだけどいいか。」

 

惣太郎が神妙な面持ちで言う。

 

「なんだよ急に。簡単な相談で頼むぞ。」

 

少し重々しい空気を感じ取り、少しふざけた感じで賢智も答える。

それを聞いて少し安心し、少し考え口を開く。

 

「例えばなんだけど、自分が大工だとする。そこに13歳ぐらいのこも大工をしていて、危険だからやめろって言ったんだ。でもそいつには才能があって、どうしてもやりたい、俺の夢なんだって言うんだ。こういうとき、お前ならどう説得する?」

 

それを聞いて、賢智が難しそうな顔をする。

 

「ああな。意図は分からんが。俺に聞いたのが間違いだったな。説得って言い方をみると辞めさせたいんだろうけど、俺は違う。昔話になるけどよー。俺には弟がいたんだ。あいつが中学校のとき、漫画家になるとかいいいだして、俺と母さんが全力で否定したんだ。母さんが筆を取り上げたら、あいつでてっちまってそれっきり。」

 

少し悲しそうな顔をした賢智が淡々と話す。

 

「知らなかった。お前に弟がいたなんてね。」

 

「ああ、この経験から年下の奴からの夢を否定できねぇんだ。夢ってのは否定されると簡単に薄れる。だからしっかり支えてやらないと俺は気が済まない。そういう奴を見たらな。危険なら俺らが守れば良い。危ないときは助ける。それが俺の答えだ。」

 

言い切ったような顔でこっちを見る。

なぜか、目を輝かせている。

賢智の話を聞いて、惣太郎も少し考える。

 

「ああなるほどな、分かった。お前に相談するのは、間違いだってことが分かったよ。風呂入ってくる。」

 

冗談交じりに惣太郎が言う。

賢智が不服そうな顔をする中、頭の中で考えが巡る。

風呂の湯気が巡る思考を包み込む。

賢智の言葉を聞いてなにか答えが出た気がした。

そして、その答えは自分でもかなり傲慢だと感じる答えでもあった。

風呂から上がると、トランシーバーに次の命令が出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、惣太郎も来たから、全員集合だな。それじゃあ作戦を提示する。俺とマリンでイマジンを探して倒す。お前らは契約者を講演中に出てくるだろうから、監視しろ。」

 

落語家の講演がある小さな舞台前で、集合した二人に作戦を言う。

三十人ほどの人だかりで、軽く賑わっていた。

 

「おれらはかんしですか?めんど。」

 

「俺一人じゃ頼りないからな。やばかったら呼ぶから。」

 

そういうと、惣太郎と健成は、会場内に足を運ぶ。

少し狭い会場の席はすでに満席で、若い世代の人も多いと感じた。

 

「けいやくしゃはおそらく、おおくの客の前でらくごをしたいというねがいだろう。おとなしくらくごを見たあと、ひかえしつに入ろう。」

 

「控え室?許可なく入れるのか?」

 

そう言う惣太郎に健成にため息を吐く。

 

「SABETのけんりょくってやつだぜ。きけんだから少し見せてもらうって問いかけたんだろうな。てかお前、俺が仮面ライダーになるのはんたいじゃなかったのかよ。」

 

それを聞いて、少し考えて話し出す。

 

「俺は、あんま否定すんのはよくないなって思ってな。俺も含めて、SABETの人達みんなで守ってやろうと思うんだ。今はそう思っとくよ。傲慢なのも分かってる。」

 

「バカだな。なんかうざい。俺の思いを分かった気になるな。守られてライダーをするつもりはない。」

 

話をしていて気づかなかったが、照明も落ち、いつの間にか講演が始まっていた。

舞台の上には、新しい玩具を買ってもらった子どものように、夢中で落語をする蛙屋三平がいた。

 

「あんまいいたくなかったけど、俺は6さいのとき両親を怪人にころされた。親をなくして、ずっとしせつでくらして、弱くてみじめだった。怪人が憎くてたまらなかった。そんなとき、仮面ライダーに覚醒して俺は、、、たしかに俺の仮面ライダーは弱い。でも、人として強くなってやる。そしたら、ライダーとしての強さもついてくる。弱いまま強くなってやる。」

 

まさか、健成も自分と同じ境遇だったんだ。

周りの人が笑っている、どうやら笑いどころのようだ。

だが、今は少し耳障りに感じる。

 

「俺とおなじだ。俺も若い頃に育ての親、いや、父さんを怪人に殺されたんだ。なんかお前のことも分かったよ。」

 

トランシーバーの音が急に鳴る。

講演中で、周りからの視線を感じ、二人が慌てて電話に出る。

 

「問題発生だ。至急来てくれ!」

 

周りから衝突音のような音が聞こえる。

 

「いそいだほうが良さそうだな。」

 

健成がそう言うと、慌てて幸崎先輩のもとに向かった。

外に出て、先を進むと、槍をもって床に倒れている幸崎先輩の姿があった。

 

「気をつけろ。敵は仮面ライダーだ!」

 

幸崎先輩が言った。

敵を見ると、驚くことに仮面ライダーがいた。

黒いからだに、体に通っている白い流線。黄色い鋭い目。

ベルトを着けており、一目で仮面ライダーだと分かった。

 

「なかなかやるが、変身する仮面ライダーが弱い、残念だったな。別煽ってるわけではないが。」

 

そう言って、腰に掛けた銃の武器を手に持ち、顔に近づけ言う。

 

「あいつは仮面ライダーデルタ。銃の武器があるから気をつけなよ!」

 

マリンが二人に言う。

敵はマリンを軽く睨み、腰についている銃を手に取る。

 

「ファイア。」

 

銃を顔の前に構えて言うと、バーストモードという音が鳴った。

 

「早く変身してくれ。時間がなくなるぞ。」

 

敵のその一言を聞いて、二人が変身する。

 

コピー!ペースト!!

 

フィストオン!!

 

変身した二人に、早速デルタの撃った銃撃が惣太郎に当たる。

健成がそれにかまわずデルタの元へ走り、ベルトからナックルを取り殴ろうとする。

しかし、銃を持っていない片手でナックルをつかむ。

そのままナックルを奪い取り、空中に投げ銃で撃ち抜き破壊する。

驚いたのも束の間、そのまま健成が回し蹴りを喰らい、そのまま吹き飛ぶ。

 

「私が戦いに来たのは、仮面ライダーレガシーだ。さぁ、かかってこい。」

 

手を広げ、惣太郎の攻撃を待つ。

 

「くそ。じゃあいいよ、受けて立ってやる!」

 

惣太郎がそう言って、石版剣を取り出し、健成と同じように走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステータス表示

 

仮面ライダーデルタ

 

変身者 ???

 

使用ポイント 30

 

・スマートブレインによって、初期に開発されたベルト。

オルフェノク以外も使用できるが、変身者を凶暴な性格にしてしまうというデメリットがある。

 

 

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