さっそく闘技場前にやってきた。既に闘技場内部まで長蛇の列が出来ているため、受け付けに時間がかかりそうだ。列に並んでいると、大会スタッフが参加者に紙を配っていた。どうやら受付の時点で予選が始まるようで、ルールは以下の通りだ。
① 名前を受付スタッフに伝えること。
② 正規ギルドに所属している者は紋章を見せギルド名を提示すること。
③ 魔力測定器に魔力を使った攻撃を打ち込むこと。
④ 武器、魔道具の持ち込みはありとする。
⑤ 測定された魔力数値の上位48名を本戦出場者とする。
なるほど、これがふるい落としというやつか。確かに並みの実力の魔導士では、本戦に出場することは叶わないだろう。それにしても魔力を数値化できる魔道具なんてあるのか。加減する際の目安としてちょうどいい。
しばらくすると、俺に順番が回ってきたようだ。男性スタッフと宙に浮く魔力測定器がある。スタッフに名前を告げると「きみ、ちゃんと魔法使えるの。」と怪訝そうな顔をされたので問題ないと伝えておいた。
先に測定した魔導士が“532”という数値をだしてスタッフから好印象だったので、その10倍は出そう。俺は魔力量を調整し拳に纏う。
「金剛竜の堅城砕破!!!!」
測定器を殴りつけると“5420”と表示された。うん、ずれた。技名叫んだら力入っちゃったよ。
「これでいいか。いいなら帰るぞ(家無し)」
唖然とするスタッフに声をかけてから会場を後にした。予選結果は今日の夕方6時に発表されるようだ。時間が来るまで街の探検をしてみよう。
市場、武具防具店、酒場、レストラン、鍛冶屋、床屋、アパレルショップ、不動産屋、宿屋、図書館、宝石店、魔道具店、etc。…現在は文無しなので店の外装を眺めるだけだが、魔道具店だけは入ることにした。
「いらっしゃいませ、魔道具店『シアノ』へようこs…なんだ子どもか。ここは遊び場じゃないわよ」
「別に遊びに来たわけじゃねえよ。魔道具を見物しに来ただけだ」
「はぁ、口の悪い子ね。構わないけどあまり商品触らないでよね」
そういうと女性店員は椅子に座って本を読み始めた。俺も魔道具を見物していく。ゲームで見かけるような魔導書に、業務用ラクリマ、ポーションのような魔法薬、魔力が込められたカード、紋章がついている銀の鍵、様々なアイテムが目に入る。
「なあ、ここにある魔導書は、服の『色替』や『発光』の大衆向けの魔法はあるが、火や氷のような魔法はないのか」
「ああ、四代属性の魔法はね、一時期売られてはいたんだけど使用者の魔法事故が多発したのよ。おかげで評議会から販売禁止命令を出されたわ。今では出力の限られた魔道具しか売られてないのよ」
「なるほどね。じゃあ最後に一つだけ。傷や病気を治す『回復』魔法とかはないのか」
それを聞くと店員は顔を上げ、ため息をつくと「本当に何も知らないのね。」とあきれた顔でいった。
「回復魔法なんて
そうだったのか。てっきり貴重で売られていないとか、使い手が限られるだけと思っていたが、そもそも回復魔法じたい存在しないのか。試していないがおそらく、俺は魔力操作と譲渡よる他人の回復が可能だ。回復魔法ではなく魔力操作だがな。後は常闇竜の滅竜奥義で似たようなことができるが、ばれたら100%禁術指定をくらうだろうな。
やはり一般的な知識がないと、どこで地雷を踏みぬくか分からないな。権力を手に入れるまでは少し自重するべきだろうか。
そんなことを考えていたらそろそろ時間が近づいてきた。「金が入ったらまた来る」と告げて店を後にする。
再び闘技場に戻ると人だかりができており、予選結果を眺めていた。魔道具を使用しているのか、まるでプロジェクターのように宙に上位48人の名前と魔力数値が写っている。
予選結果は、俺が1位通過のようだ。他の連中の魔力数値を見てみるが、3桁の奴が大半であとはぎりぎり4桁届いたがちらほらいる程度だな。しかし、4.3.2位はそれぞれ“3234”、“3852”、“4753”とかなりの数値だ。
「いいね。雑魚ばかりと思ったが…楽しめそうなやつがいるじゃねぇか」
名前は、『イワン・ドレアー』『ジョゼ・ポーラ』『ギルダーツ・クライヴ』だな。
覚えたぞ。
ようやく原作キャラ登場です。