転生したらかませ犬らしい件   作:友達の友達

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執筆力上昇のためにフェアリーテイル全巻買いました。
これから100年クエストと外伝も全て買います。
あと最近ルビの振り方を覚えました。


聖十大魔道VS(ドラゴン)

 先ほどの試合はあまり楽しめなかったな。あのおっさん、素材は良いんだから中途半端な魔法に走らずゴリゴリに近接戦闘を鍛えればよかったのに。祖父が雷、父親が光の属性から一転して自分が闇属性の適性となると、こうも卑屈になるものなのかねぇ。

 

『さあ魔闘演舞も佳境に入って参りました。準決勝、第2試合。魔導士ギルド、幽鬼の支配者(ファントムロード)所属。聖十の称号を背負う、今大会優勝候補、ジョセ・ポーラ!!!!VS素性も実力も未知数。様々な魔法で相手を攻めたてる子ども、いや、魔導士セレナ!!!!準決勝とは思えないほどの好カードです!!』

 

 相手は青と左肩のみが赤の軍服を思わせるロングコートを着た、胡散臭い笑みを浮かべる男だ。佇まいだけでも分かる洗練された魔力。今までの有象無象とは一線を画す魔導士であることは明白だな。

 

(一気にレベルがあがったなぁ...これはいつもの調子で戦っても勝てそうにないな)

 

 基本的には相手の力量に合わせて戦ったきたが、この魔導士なら多少強めに殴っても問題なさそうだ。少し本気で戦うことを決めたら向こうから話しかけてきた。

 

「先ほどの戦い、実に見事でしたよ。あのマカロフの息子を叩きのめすシーンは実に愉快でした。」

 

 そういうと嬉しそうにクツクツと笑う。

 

「そしてあなた自身も興味深い。かつて400年以上前に存在した太古の魔法(エンシェント・スペル)、滅竜魔法…それを複数使いこなすとは実に面白い。賞品目的で参加しましたが嬉しい誤算でした」

 

 滅竜魔法ってそんな前からあったのか…いや、おそらくその時代にドラゴンが生息していたのだろう。アクノロギアの存在もそれくらいから確認されているようだし。

 

「そこであなたに提案です。この大会が終わりましたら、私のギルドへ入りなさい。あなたの力は、幽鬼の支配者(ファントムロード)にこそ相応しい」

「断わる。あんたのギルドがどんな場所かは知らないが、使われてやるつもりはない」

 

 相手から笑みが消え、代わりに不愉快そうな表情をうかべる。

 

「そうですか。ならば痛めつけてでも引き入れるとしましょうか」

 

 ベタな台詞だな。少し話し込んだでしまったと思うが、複数の魔導士がフィールドと観客席を隔てるように、結界のようなもの物で覆っているようだ。

 

 おそらく主催者側が戦いの余波から観客を守るために用意したものだろう。ならば、せいぜいそのご厚意に甘えさせてもらうとしよう。

 

『試合時間は30分。どちらかが戦闘不能となるか降参することで決着とします』

 

 ようやく全ての準備が整ったようだ。ジョゼは魔力を静かに開放し、セレナは体内の魔力を増幅させる。

 

『それでは両者構えーーッッ!!...始めッ!!』

 

 ジョゼは左腕を掲げ天に魔法陣を展開する。

 

「まずは私の兵を倒してみなさい。『亡者の行進』(デッドマーチ)

 

 魔法陣から大量の揺らめく影のような幽霊が襲い掛かって来る。

 

(一体一体がなかなかの魔力を有しているな。そして耐久力はないが触れるたびに生命力を奪い取ってくる…おまけに魔法陣を破壊しなければ無尽蔵にこの幽霊兵は供給されるのか)

 

 早いとこ対処しないとフィールド場が亡者で溢れかえりそうだ。

 

「だったら纏めて吹き飛ばしてやる!『暴風竜の嵐雪月花』!!!」

 

 五つの竜巻が幽霊兵どもを切り刻み魔法陣ごと破壊する。

 

「また新たな属性の滅竜魔法を……素晴らしい!!やはり何が何でも連れていきますよ!!」

 

「世辞はいいよ。次は何を見せてくれるんだ」

 

 賛辞を一蹴する。

 

「やはり烏合の『幽兵』(シェイド)では相手にならないようですね。ならば直に叩くとしましょうか」

 

 ジョゼの肉体から溢れんばかりの魔力が立ち昇る。その周りには死者の顔...怨霊が漂っている。

 

(先ほどの亡者といい、漂う怨霊といい…所謂『死霊使い』(ネクロマンサー)というやつか…だが)

 

 セレナの肉体が雷の矢となりジョゼへと接近し、『速度は重さ』その言葉を体現したかの如く顔面に蹴りを叩き込んだ。ジョゼは壁に叩きつけられ、クレーターをつくり倒れこんだ。

 

「おい、この期に及んでまだ手加減か?それともこのまま叩き潰されたいのか…立て!大して力は込めちゃいねぇぞ!!!」

 

 俺が煽ってやるとあたりが震え始めた。震えの発生源は倒れ伏しているジョゼからであり、闘技場の外まで振動が広がっていく。やがて大気まで震え上がり、空は積乱雲が立ち込める嵐模様となっていった。正真正銘の全力の魔力開放ということだろう。

 

「フ、フフフ...子どもだから手加減してあげたのが間違いでした…もはや大会などどうでもいい!!その薄汚い魂を引きずり出して公開処刑にしてくれるわァァァ!!!!」

 

 憤怒の表情を滾らせながら立ち上がり、先ほどまでとは比べ物にならない闇の魔力がジョゼを覆う。

 

(なるほど。この男が人間の魔導士の到達点の一つと見ていいだろう。だがしかし、これでもドラゴンを倒すには遠く及ばないのだろうな)

 

「私の力に言葉も出ませんか!だが命乞いにはもう遅い!『デッドクラスター』!!!!』

 

 視界を覆いつくすほどの巨大な魔力弾が襲い掛かってくるが...

 

「『金剛竜の堅城砕破』!!」

 

「なにっ!?」

 

 その魔力弾を暴発させないよう殴り返してやった。殴り返された魔法を必死に受け止めているところ悪いが、ダメ押しをさせてもらうぞ。

 

「『海王竜の水陣方円』!!」

 

「今度は水!?ま、まずい押され...!?」

 

 放たれた激流にジョゼは押しつぶされ大爆発と共に沈んでいった。大丈夫、魔力はちゃんと感じ取れる。

 

『し、試合終了ゥゥゥ!!!!!勝者セレナぁぁぁ!!!!かの聖十大魔道を破り、見事決勝戦に駒を進めました!!まさかの大番狂わせだァァァ!!!!』

 

 歓声に包まれながら会場を後にする。にしても、今回の相手は強めだったな。もっと打ち合ってみたかったが、たぶんどっかのタイミングで闘技場が砕け散っただろうし仕方ないよね。

 

 にしてもこのレベルの魔導士を1日で3連戦か。俺以外だったら100パー無理ゲーだな。

 




この時代はジョゼの父親がまだ生きているという設定のため、まだギルドマスターではありません。
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