連中は洗脳魔法などで俺に枷をかけているつもりらしいが、そんなもの1歳の頃の魔力操作と耐性だけでとっくに解除できるようにしている。基本的には従順なふりをしているため、魔力を封じる錠などは掛けられておらず鉄格子のみで俺を拘束しようとするあたり、俺が脱走するなど夢にも思ってないようだ。
魔法をくれた事には感謝しているが、とくに未練もないため今夜さっそく牢をぶち破って口封じをはじめよう。よーし久しぶりの鉄火場だ、はりきっt「次の移植は半年後だ。海王竜のラクリマを楽しみにしていたまえ。」...そういえば俺を使って行わている実験は、ラクリマをどれだけ宿せるのかというものだ、一つとはいっていない。興味本位であとどれだけラクリマがあるのか聞いてみると、「7つだ。つまりはきみに宿る滅竜魔法は8つとなる。」
院長は、興奮して「どうだすごいだろう。この実験が成功すれば、おぬしは8つの滅竜魔法を操る前代未聞の魔導士になるのじゃぞ。儂の手で、アクノロギアを滅ぼす最強の魔導士が生まれるのじゃ!!!」と高笑いながら語った。
アクノロギア?聞いたことのない単語に首を傾げると、「興味を持ってくれたかのう。」
そういいつつ、アクノロギアとやらについて説明してきた。
どうやら分かっていることは少なく、過去の記録では400年以上生きたドラゴンであり、島をブレスの一撃だけで消し飛ばすほどの力を誇り、あらゆる属性の魔法攻撃の効果がなく、滅竜魔法でも傷をつけられるかどうか分からないほど頑丈な鱗を持つ、生きた厄災のような生き物らしい。
こいつの存在は世間では神話のおとぎ話の存在としか認識されておらず、またアクノロギアに関する情報も闇に葬られているうえ、目撃者の大半もアクノロギアに葬り去れており、一部の人間しか知ることは許されないようだ。
なぜこいつがそんなことを知っているかは興味ないが、俺が一番興味を引いたのは、島をブレスの一撃だけで消し飛ばすという部分だ。今まで竜の魔力に耐えれる肉体を作ってきたが、そもそもこの世界の竜とはどの程度の存在だったのかすら分からなかった。
だが話を聞く限り、狩りゲーのように装備と戦略を整えれば狩れるほど単純な生物ではなさそうだ。それこそ、滅竜魔法などという自ら竜に近づいてまで竜を撃退する魔法が生み出される程度には。そう考えると、竜という生物は、前世でいうと『核爆発』に相当する力を有しているようだ。
俺はこの世界でいつも通り基礎的な魔力操作と肉体改造だけで強くなるだったが、最強の竜の存在と、滅竜魔法を8つとなるとさすがに少しは真剣に考える。
考えた結果、ラクリマを飲むだけで得られる滅竜魔法と比較して、外の世界で自力で会得できる魔法がどの程度のものか分からず、また会得できることすら定かではないため、全てのラクリマを吸収するまでは、大人しくしてやることにした。