俺は半年後のラクリマの移植実験までに炎と水魔法の修行と検証に明け暮れていた。
同じ魔力量から1%単位での比率の魔力量の変化をつけた炎と水魔法をぶつけてみたり、
高濃度の魔力の水球の中でどの程度の魔力を込めれば炎を出せるのか、同じ箇所から炎と水は同時に出せるのか試していった。
いろいろ試して分かったことは、魔法に拘束された際は、その魔法に込められた魔力より高出力の魔法あるいは魔力を放出することで相手の魔法を破ることができる。ここで重要なのは、一息のうちに魔力を放出することだ。少しづつ力を込めては、相手の魔力に上から押さえつけられるだけのようだ。
他にも、相性不利な属性の魔法であっても、魔力密度を操作することによって打ち勝つことが可能なようだ。つまりは同じ魔力量またはすこし劣る程度であっても、魔法の範囲を面から点にすること相手の魔法を貫くことができる。ここは滅竜魔法の得意分野だ。
最後に同じ箇所からの炎と水の同時放出だが、意外とすんなりいった。炎と水が混ざって上は大火事、下は洪水みたいになっているが、二つの魔法の魔力を足しただけでは出せない威力になっているため、成功と言えるだろう。
もっといえば更に炎と水の魔力を凝縮して結合させることも可能だと思うが、多分メドローアか水蒸気爆発のどちらかになるので今はやめておいた。
そんなこんなでいきなりだが時は流れて2年と半年後。
ラクリマを新たに4つ吸収した以外は変わり映えのない日常が過ぎていった。この4つのラクリマを吸収する際は魔力の拒絶反応は起こらず、ものの数秒で魔力を制御してしまった。もちろん研究員どもの前では時間をかけたがな。
新たな滅竜魔法の修行も煉獄竜と海王竜の時と要領はほぼ同じなため特筆すべきことは何もない。使うときがきたら改めて力を確認するだろう。
そして現在俺は8歳となったが、相変わらず名前はまだない。一ヶ月前に7つ目のラクリマを吸収し、常闇竜ダーク・リベリオンの滅竜魔法を会得した。
闇属性の魔法の便利さにウキウキしながら修行を進めていると、突然、上階から爆音が鳴り響いた。何事かと思っていると、俺に洗脳魔法をかけている魔導士が慌てながらやってきて、「敵襲だ!!!
そう言って牢の鍵を開けてきたので、指示に従い上階へと駆け上がっていく。道中で剣や刀などで襲い掛かってきた男どもを殴り捨て、上から魔法で生成した土砂で埋め尽くそうとしてきた魔導士をのしながら、上階へとたどり着いた。
そこは戦場になっており、さまざまな種類の魔法がドンパチ賑やかに飛び交っていた。