ここは地下3階。俺が魔力耐性と魔力操作力を上げるための実験使われるだだっ広い空間である。そんな場所では現在、怒号と魔法が飛び交う乱闘が行われてた。戦力差については、こちら側が70人、襲撃者が130人と倍近くの戦力がある。そして半分以上の人間が魔導士である。
俺はあらかじめ魔力感知により事態を把握していたため、対して驚かないが、魔導士同士の戦いを見るのは初めてなので少しばかり観戦することにした。が、中身は魔法を打つか避けるか流れ弾に当たるしかないため期待するだけムダだったようだ。
そんなことを考えていると横から、「何をしている!!!早く魔導士どもを皆殺しにしろ!!!」という命令を出されたので、望みどおりにしてやることにした。
さあ人生で初めての魔法戦闘だ。気合い入れていくぜ!!!
「煉獄竜のぉぉ......炎熱地獄ッッ!!」
技を叫びながら炎をまとった右拳を地面に叩きつけた。拳を中心に爆炎が広がりこの空間に存在する全ての人間を飲み込んでいった。炎が収まると俺以外の人間は全員消し炭になっていた。
「はァーはっはっは!!気分爽快、魔法最高!!やはり言葉は自由でなくちゃなあ。…いやー心のない人形ごっこを8年はきついぜ」
気持ちよく体を伸ばしていると。
「さてと、予定より少し早いが外に出るとするか。えーとハングリー・ゴブリンだったか?どこの誰かは知らんが、十中八九俺のラクリマが狙いだろう」
そう、滅竜魔法のラクリマは超弩級が付くほどのレアアイテムだ。ここの研究員どもによると、一つ最低でも10億J(ジュエル)という悪魔の実顔負けの価値がついている。
それを8つとなると盗賊どもが目の色を変えて奪いに来るのは当然だろう。だからこそ情報規制は厳しいのだろうが、結局内側から漏れたようだ。
「ここにいる連中の口封じでもするか。自惚れかどうかは知らんが、複数の滅竜魔法を使う魔導士など放っては置かれんだろう。」
外に出た情報は、おそらくラクリマの存在だけだろう。ならば俺の存在に関する情報はできるだけ残したくはない。この世界に警察のような治安維持組織があるのかは定かではないが、せっかくの異世界生活を追われるだけってのはごめんだ。仮にバレるとしても自分からバラしたい。
「まあ、それよりもさっさと終わらせるか」
この施設に存在する人間の位置情報は、魔力感知により把握済みなので片っ端から焼き払っていく。その中にハングリー・ゴブリンの親玉もいたが、強化魔法で巨斧を振り回してくるだけだったので、背後に回り込んで金庫を腕ごともぎ取り、そのまま拳を叩き込み燃やし尽くした。
金庫を奪った俺は、さっそく扉を引きちぎると最後の予想通りラクリマが保管してあった。
中身は光の竜、閃光竜スターダストの滅竜魔法が宿っている。
「遂に8つ全ての滅竜魔法がそろう時が来たのか...」
ラクリマに魔力を流し込んで魔力暴走を引き起こすと、そのまま飲み込んだ。その瞬間、体内の常闇竜と閃光竜の魔力が拒絶反応を起こし、それに共鳴して他6つの竜の魔力も暴走し始めた。
未だかつてないほどの魔力が体内で暴れだしたが、かつての魔力暴走の経験と、この8年で極まった魔力操作により、8つ全ての魔力を制御することに成功した。ラクリマもこの一瞬の内に分解されたようだ。
この瞬間、俺はこの世で唯一8頭の竜を宿した人間となったのだ。
「八竜、ここに降臨!!」