マンダレイの弟はゲッターの尖兵 〜ピクシーボブによる逆光源氏計画遂行中〜   作:お粥のぶぶ漬け

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第2話

雄英高校、実技入試会場。

スタート直前、送崎竜の胸の奥で、重厚な駆動音が一度だけ「ドクン」と響いた。

 

「……行くぞ、ゲッター」

 

静かな呟きと共に、竜の皮膚を覆うように高密度のエネルギーが結晶化していく。

現れたのは、かつて前世で見た巨神の意匠を継承しつつも、無駄を削ぎ落とした人間サイズの**「真紅の強化外骨格(ゲッター1)」**。

炉心のエネルギーはすべて、その鋼の四肢を駆動させるために注ぎ込まれている。

 

「チェンジッ! ゲッター1ッ!!」

 

装甲のから、鋭い緑の光が迸る。

それは力を垂れ流すのではなく、エネルギーを最大限の出力で叩き出すための「進化の形」だった。

 

「……スタートォォォッ!!」

 

鋼鉄の舞と「吸収」

プレゼント・マイクの合図と同時に、竜の姿が掻き消えた。

初速で地面を蹴り、竜は最前線のヴィランロボ群へと躍り出る。

 

「ギチッ!」

 

両手に実体化したのは、両刃の斧――ゲッタートマホーク。

サイズこそ人間大だが、その一撃は重い。竜は3Pロボの装甲を叩き斬るたび、その切断面からロボの金属片や電気エネルギーを、自らの装甲へと引き込んでいく。

 

「……エネルギー源として、次の出力に回す」

 

斬るたびに、ゲッターの装甲が微かに質感を増し、より強固に、より鋭く最適化されていく。

破壊ではなく、敵を「自らの血肉」として取り込みながら加速する。その洗練された暴力に、周囲の受験生は言葉を失った。

0P(ゼロポイント)への一撃

終了数分前、大地を揺らして「0Pヴィラン」が姿を現した。

避難を優先すべき巨大な障害。だが、竜はその巨体の足元に悠然と降り立つ。

巨大な鉄拳が、竜を圧殺せんと振り下ろされた。

竜は最小限のステップで回避。着地と同時に鳩尾付近の装甲をスライドさせた。露出したのは、複雑なレンズ構造を持つゲッター線の放出口。

 

「……原寸大のゲッターロボより威力は低いが、今の俺には、これで十分だ」

 

胸の奥の炉心が、これまで吸収したエネルギーを統合し、放出口へと集約させる。

 

「ゲッタァァァァ……ビィィィィィィムッ!!」

 

鳩尾から放たれたのは、圧倒的な密度を秘めた緑の閃光。

ビームは0Pロボの巨大な胴体を正確に貫通。直撃箇所の金属を瞬時に融解し、吹き飛ばしながら、その巨体を機能停止に追い込んだ。

全てをなぎ払えるような威力ではない。だが、巨大なシステムの中枢を一撃で貫き粉砕するには十分すぎる一撃だ。

膝を突き、活動を停止する巨大ロボ。

竜は背中のゲッターウィングを翻し、砂塵の中から静かに歩み出た。

装甲が溶けるように肉体へと沈み込み、元の制服姿に戻る。

 

「……ふぅ。過剰すぎるな…この力は」

 

汗一つかいていない涼しげな顔で、入学試験を終え帰宅する。

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