宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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コロニーじゃなくてアクシズ落とせば良いと思うけど

 大佐に昇進した俺は、ドズル少将に言われていた様に新型ムサイ4隻を指揮下に編入され、第一独立作戦艦隊と命名……別名フジワラ艦隊と言われることになる。

 

 それに必要な人材も集められたが、これといったネームドは与えられなかった。

 

(与えられなければ育てればいいだけであるが……能力が認められたのもあるが連隊規模を指揮下とか……他の将官と絶対に揉めるだろうな)

 

 俺はそれによって生じる政争の仲間を得るためにとある人物を訪ねた。

 

「ほぉ……この計画を私に上げてくるとは」

 

「マ・クベ大佐であれば理解してくれると思いましたよ」

 

 マ・クベは大佐であり、キシリア閣下の派閥に組み込まれていたが、まだ話が分かる人物であると接触した。

 

 現状の俺はギレン派にも見えるがドズル派とも近く、それでいて実家はデギン派というカオスな派閥になっているものの、ザビ家に忠誠心は間違いないとされていた。

 

「よろしいのですか? 私はキシリア派でありますが」

 

「融通できるところはするべきでしょう。それに今のジオンの継戦能力は貧弱と言わざる得ません。マ・クベ大佐も似たような計画を練っていると察知したのでお手伝いできればと思い」

 

「ふむ……」

 

 マ・クベ大佐の統合整備計画は一気に生産体制を変更することを求めていたが、俺はコックピットの統一と各社の独自規格の統一を推し進めるべきと強調していた。

 

「各社の技術を結集した地上でも使える新型モビルスーツを大量に揃えることが重要だと思いますがね」

 

 ただマ・クベ大佐はジオン軍きっての地上侵攻派とされていて、地球の文化収集の趣味をしながらも、地球環境のレポートを上げていたり、地上侵攻作戦の初期案を参謀本部に立案したりもしていた。

 

 しかし、ドズル少将とは険悪な関係となっており、それが転じてキシリア派の高官として立場を固めていたのである。

 

(マ・クベ大佐は俺が万が一が地球侵攻作戦に参加する必要になった際に連携できるようにしておかねーと……艦隊指揮官を地上に降ろすとは思わねーが……)

 

「ふむ、確かに規格の統一はいち早く行わなければなりません。私はキシリア様に、フジワラ大佐はドズル少将を動かしてください」

 

「わかりました」

 

 作戦立案者はマ・クベ大佐になり、俺は控えたが、これでマ・クベ大佐に対して貸しを与えることに成功した。

 

 それにより0078年前半に統合整備計画の一部である各部品の規格統一法案を可決させる事に成功するのであった。

 

 

 

 

 

「フジワラ大佐、お見事ですなぁ」

 

「全く、ジオンは派閥闘争の余力で戦争をするつもりか……頭が痛くなる」

 

「心中お察しいたします」

 

 副官となったホフマン少佐とリキール重工作艦の司令官室のソファーに座って面を合わせていた。

 

「ホフマンの派閥は何処なんだ?」

 

「小官はギレン派になるでしょうね」

 

「てっきりキシリア属かと思っていたが」

 

「よく言われますよ。ただ小官の元上司は参謀本部のデラーズ大佐ですので」

 

「あの人かよ」

 

 ギレン派の懐刀とも言われるデラーズ大佐……今は参謀本部付きで仕事をしているということは……参謀本部はギレン派が掌握している感じか。

 

「まぁ私が派遣されたのはパイロット達がダイクン派が多いことを懸念してですね。フジワラ大佐がパイロット達に籠絡されてダイクン派に転じていないか……その調査もするように言われていましたが」

 

「言ってしまって大丈夫なのか?」

 

「問題ないでしょう。そもそもフジワラ大佐はジオン軍が連邦軍に勝てるとお思いで?」

 

「……参謀本部では結論が出ていると?」

 

「小官はよく卓上演習をよく行なっていたのと、参謀本部の戦略立案科に所属していたので情報がよく入ってくるのですよ」

 

 見た目ヘルシングのデブ少佐であるが、狂気には取り憑かれていないらしい。

 

 それよりも誰よりもよく見えているのだろう。

 

「少佐とは思った以上に腹を割って話せそうだ」

 

「それは良かった」

 

 俺はインスタントコーヒーを注ぎ、ホフマン少佐にも渡す。

 

「いただきます」

 

「ギレン閣下の事だ、俺が考えうる講和への道のりは考えているだろう」

 

「フジワラ大佐……しかし現有戦力では連邦宇宙軍に対してダメージを与えることはできそうですが、その程度であれば半年で再建してくると計算しておりますが」

 

「だろうな、それにザクよりも強力なモビルスーツを作って同じ土俵に立つだろうし」

 

「では……」

 

「地球連邦軍本拠地ジャブローへの大質量攻撃軍に他ならないだろう……恐らくギレン閣下はコロニーを質量兵器として地球に落とすぞ」

 

「……中の住民を虐殺してですか? それであれば小官であれば緒戦でルナツーを奪取し、地球へ落とす方が確実かと思われますが」

 

 やはりホフマン少佐は頭がキレる。

 

 キレッキレだ。

 

 ルナツーを占領すれば連邦軍は宇宙において要塞となりうる拠点を失う。

 

「可能だと思うか?」

 

「残念ながらルナツー奪取は不可能でしょうな。核攻撃にも耐えられる宇宙要塞ですからね。防御力だけであればジオン軍が要塞化しているソロモンとア・バオア・クーの両方の防御力を合算しても届かないほどの巨大拠点ですからね」

 

 ルナツー……第二の月と言うようにその大きさは超巨大。

 

 ソロモンの約6倍以上とも言える大きさを誇り、宇宙軍の軍艦を建造できる巨大工廠でもある。

 

 落とすとしたらジークアクスでやった対空砲火や要塞砲が効かないビグ・ザム十数機プラスジオン軍のほぼ全戦力を投入してようやく落とせるかどうかである。

 

 ミノフスキー粒子とモビルスーツの奇襲を行なったとしても落とせるか怪しい。

 

 奪取出来なかった場合、連邦宇宙軍に殲滅される可能性が高いので、ジオンが用意できるとしたらコロニーもしくはソロモンやア・バオア・クー、もしくはアクシズを落とせば良い。

 

 特に史実で滅茶苦茶頑丈だったアクシズであればコロニーじゃなくてもコロニー落としと同じ威力は出せると思うが……。

 

(コロニーの人口を敵に回すよりも各コロニーの駐留軍を排除に止め、戦争までにアクシズを地球圏に持ってくる。アクシズを落としてジャブローを破壊できれば良し、ダメならソロモン落とせば良いと思うが……)

 

 もしギレン閣下が連邦軍に勝つ事を目的としているのであれば今言った作戦は考慮されるだろう。

 

 しかし、優生人類学をぶちまけているくらいだから地球圏の人口削減を本当の目的としていた場合……コロニー落としは防ぎようが無いだろう。

 

(ホフマン少佐経由で探るか)

 

「ジャブロー破壊作戦アクシズ落とし……一応計画は練っていたからこれをホフマン少佐、君経由でギレン閣下に送ってくれ。他の将校には見せるな。これを踏まえてもコロニー落としを選択するのであれば、私はザビ家ではなくギレン閣下に忠誠を誓う」

 

「わかりました」

 

(願わくば外れて欲しいし、それでも負けるようであれば火星に逃げるか、月で身分を変えて生活するか……エゥーゴが創設されるようになるまで潜伏でもいいだろう)

 

 結果としてギレン閣下の返答は考慮する……というだけでアクシズを地球圏に持ってくるという選択をすることはなかった。

 

 それはつまりギレン閣下は人類の間引きを目的としていると俺は確信するのであった。

 

(うわ、マジかぁ……虐殺を目的としてるのかよ……増えすぎた人類を宇宙に移民させて地球環境を改善させるってダイクンも提唱していたけど……間引きの方に舵を切るのかよ……)

 

 大量虐殺が確定したことで俺は更にストレスを溜め込むことになる。

 

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